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安定余裕:ゲイン余裕と位相余裕

2026年10月15日4分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第9章 安定余裕:ゲイン余裕と位相余裕

AI 生成・木下が未勉強

制御工学入門 第9章 §9.1

ナイキストは安定か否かの二択だが、実際には「どれだけ余裕をもって安定か」を知りたい。−1-1 点からの隔たりを測るのがゲイン余裕・位相余裕である。

定義 (ゲイン交差・位相交差周波数)

  • ゲイン交差周波数 ωgc\omega_{\mathrm{gc}}:∣L(jωgc)∣=1\left\vert L(\mathrm{j}\omega_{\mathrm{gc}})\right\vert =1(00 dB)となる周波数。
  • 位相交差周波数 ωpc\omega_{\mathrm{pc}}:∠L(jωpc)=−180∘\angle L(\mathrm{j}\omega_{\mathrm{pc}})=-180^\circ となる周波数。

要点

安定余裕

位相余裕 PM=180∘+∠L(jωgc),ゲイン余裕 GM=1∣L(jωpc)∣([dB] では −20log⁡10∣L(jωpc)∣).\begin{align*}\text{位相余裕 }\mathrm{PM}&=180^\circ+\angle L(\mathrm{j}\omega_{\mathrm{gc}}),\\\text{ゲイン余裕 }\mathrm{GM}&=\frac{1}{\left\vert L(\mathrm{j}\omega_{\mathrm{pc}})\right\vert }\quad(\text{[dB] では }-20\log_{10}\left\vert L(\mathrm{j}\omega_{\mathrm{pc}})\right\vert ).\end{align*}

開ループが安定なら、PM >0>0 かつ GM >0>0 で閉ループ安定(−1-1 を囲まない)。

気持ち

位相余裕は「ゲインが 11 の周波数で、位相があと何度回れば −180∘-180^\circ(発振)に届くか」の余白。ゲイン余裕は「位相が −180∘-180^\circ の周波数で、ゲインをあと何倍上げれば 11(発振)に届くか」の余白。どちらも「危険点 −1-1 まであとどれくらいか」を、位相方向・ゲイン方向から測ったものである。使いどころは二つ。①安定性の頑健さの指標(PM が小さい系はモデル誤差や遅れで簡単に発振する)。②過渡応答の予測:2次系では PM≈100ζ\mathrm{PM}\approx100\zeta[度](ζ≲0.6\zeta\lesssim0.6)が成り立ち、PM から行き過ぎ量が読める。実用の目安はPM =30=30–60∘60^\circ、GM =6=6–1212 dB。遅れ要素や積分器は位相を食う(PM を減らす)ので、進み補償で位相を稼ぐ(第10章)。

手順:安定余裕の計算

  1. PM:∣L(jω)∣=1\left\vert L(\mathrm{j}\omega)\right\vert =1 を解いて ωgc\omega_{\mathrm{gc}} を求め、∠L(jωgc)\angle L(\mathrm{j}\omega_{\mathrm{gc}}) を計算、180∘180^\circ を足す。
  2. GM:∠L(jω)=−180∘\angle L(\mathrm{j}\omega)=-180^\circ を解いて ωpc\omega_{\mathrm{pc}} を求め、1/∣L(jωpc)∣1/\left\vert L(\mathrm{j}\omega_{\mathrm{pc}})\right\vert を計算。
  3. ボード線図上では、00 dB 線とゲイン曲線の交点で位相を読んで PM、−180∘-180^\circ 線と位相曲線の交点でゲインを読んで GM。

例題 9.1(演習9.1(位相余裕の計算))

オリジナルL(s)=1s(s+1)L(s)=\dfrac{1}{s(s+1)} の位相余裕を求め、対応する減衰比を概算せよ。

解答

ゲイン交差:∣L∣=1ωω2+1=1\left\vert L\right\vert =\dfrac{1}{\omega\sqrt{\omega^2+1}}=1 より ω4+ω2−1=0\omega^4+\omega^2-1=0、ωgc2=5−12\omega_{\mathrm{gc}}^2=\dfrac{\sqrt5-1}{2}、ωgc≈0.786\omega_{\mathrm{gc}}\approx0.786。位相 ∠L=−90∘−arctan⁡ωgc=−90∘−38.2∘=−128.2∘\angle L=-90^\circ-\arctan\omega_{\mathrm{gc}}=-90^\circ-38.2^\circ=-128.2^\circ。よって

PM=180∘−128.2∘=51.8∘.\mathrm{PM}=180^\circ-128.2^\circ=51.8^\circ.

(検算スクリプト で ωgc≈0.786\omega_{\mathrm{gc}}\approx0.786、PM≈51.8∘\mathrm{PM}\approx51.8^\circ を確認。)PM≈100ζ\mathrm{PM}\approx100\zeta より ζ≈0.52\zeta\approx0.52、行き過ぎ量 Mp≈15%M_p\approx15\% 程度と予測できる。この系は積分器 1/s1/s で −90∘-90^\circ を常に食っているため、ゲイン余裕は ∞\infty(位相が −180∘-180^\circ に達しない)だが位相余裕が有限、という1型系の典型である。

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