信号処理論入門 第7章 §7.3 ★★ 部分分数でαnu[n]に帰着はh[n]算出の定石
z 変換が Laurent 級数なら、係数 x[n] は複素積分で取り出せるはずである。鍵になるのは次の周回積分の値である。積分路 C を特異点 z=α を反時計回りに一周する円 z=α+rejθ に取ると
∮C(z−α)ndz=∫02πrnejnθrjejθdθ=rn−1j∫02πe−j(n−1)θdθ={2πj,0,n=1n=1
となる(Cauchy の積分定理により、値は正則領域内での積分路の変形に依らない)。つまり周回積分は「1/(z−α) の係数」だけを拾う。X(z)=∑nx[n]z−n に zn−1 を掛けると、取り出したい x[n] の項がちょうどz−1 の項になるから、
x[n]=Z−1[X(z)]=2πj1∮CX(z)zn−1dz
が逆 z 変換の公式である(C は ROC 内で原点を反時計回りに一周する閉路)。
実際には周回積分を計算することはまれで、有理関数なら部分分数分解で既知の対 αnu[n]↔1/(1−αz−1) に帰着させるのが定石である。
X(z)=k=1∑N1−pkz−1Ak,Ak=(1−pkz−1)X(z)z=pk
と展開できれば(Ak の式は Heaviside の被覆法)、ROC が ∣z∣>maxk∣pk∣(因果的)の場合
x[n]=k=1∑NAkpknu[n]
となる。具体的な計算は第8章で、システムのインパルス応答を求める形で行う。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com