| 事項 | 要点(式) | 使い所・注意 |
| 周波数応答 | 因果安定系は ROC が単位円を含むので H(ejΩ)=∑nh[n]e−jΩn=DTFT[h[n]] | 正弦波入力の振幅・位相の変わり方。Ω∈[0,π] だけで足りる(下の偶奇性) |
| 四つの量 | 振幅 ∣H∣、位相 argH、位相遅延 −argH、群遅延 τg=−dΩdargH(ejΩ) | 位相遅延=正弦波の遅れ、群遅延=波束(包絡線)の遅れ。混同注意 |
| 実係数の対称性 | H(e−jΩ)=H∗(ejΩ) より振幅は偶関数・位相は奇関数。極零は実軸上か共役対 | 実差分方程式なら自動。Ω∈[0,π] の検討で全体が決まる根拠 |
| 極零作図法 | ∣H∣=極からの距離の積零点からの距離の積、argH=零点偏角の和−極偏角の和 | 零点に近づくと谷(円上なら 0)、極に近づくと山。原点の極は振幅に効かず位相に −Ω(見落とし注意) |
| 最小/最大位相 | 零点が全て円内=最小位相 Hm、全て円外=最大位相 HM=z−QHm(z−1)(係数逆順・零点は鏡像 1/zk∗) | 両者は振幅同一、argHM=−QΩ−argHm で常に HM が遅い。極は安定で円内固定ゆえ分類は零点だけで |
| 線形位相 | HmHM は係数対称(相反多項式)で arg=−QΩ、群遅延 =Q 一定。h[n] が偶/奇対称 | 全周波数が等しく Q 遅れ波形歪みなし。鏡像対の零点。FIR でのみ厳密(極があると対称性と安定が両立せず) |
| 全域通過 | HAP=HmHM で ∣HAP∣≡1。1次 1−αz−1z−1−α(極 α・零点 1/α、鏡像対) | 振幅を変えず位相だけ遅らせる=位相補償・等化器 |
| 混合位相の分解 | 円外の零点 c を 1/c へ反射:H=Hmin⋅A、A=∣c∣1z−1/cz−c。鏡像で振幅不変 ejΩ−1/c=∣c∣1ejΩ−c | 零点が内外に分かれる系は混合位相。振幅は Hmin が担い、余分な遅れは A が担う。円外零点1個で一周 −2π(平均群遅延 +1)。 |
| 位相の総変化(即答則) | ΔargH02π=2π(Nzin−Npin)、平均群遅延 =Npin−Nzin | 数えるのは単位円内の零点・極だけ(円外は行って戻るので 0)。位相概形の端点検算に使う。原点の極の数え落としに注意 |