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テンソル

2026年10月15日20分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第4章 4元ベクトルとテンソル
目次
  1. テンソルの定義
  2. テンソルの演算
  3. 対称テンソルと反対称テンソル
  4. Levi-Civita 記号
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

相対論入門 第4章 §4.3 ★★★ 2つ以上の添字を持つ量の変換則。電磁場・エネルギー運動量・曲率はすべてこの形で書かれる

テンソルの定義

4元ベクトルは添字を1つ持ち、その添字ごとに Λ\Lambda が1つかかって変換した。2つの4元ベクトル aμ,bνa^\mu,b^\nu の成分を掛けた、16個の数 aμbνa^\mu b^\nu を考える。これは

a′μb′ν=ΛμαΛνβ aαbβa'^\mu b'^\nu=\Lambda^\mu{}_\alpha\Lambda^\nu{}_\beta\,a^\alpha b^\beta

のように、それぞれの添字に Λ\Lambda が1つずつかかる。この規則を、ベクトルの積に限らず一般の添字2つの量に要求したものがテンソルである。

定義 4.7(テンソル)

Lorentz 変換 Λ\Lambda のもとで、成分が

T′μν=ΛμαΛνβ Tαβ(4.20)T'^{\mu\nu}=\Lambda^\mu{}_\alpha\Lambda^\nu{}_\beta\,T^{\alpha\beta}\tag{4.20}

と変換する16成分の量 TμνT^{\mu\nu} を2階の(反変)テンソルと呼ぶ。

一般に、上付き添字を rr 個、下付き添字を ss 個持つ量を考える。上付きの添字ごとに Λμα\Lambda^\mu{}_\alpha、下付きの添字ごとに Λμα\Lambda_\mu{}^\alpha が1つずつかかって変換するとする。これを (r,s)(r,s) 型のテンソルと呼ぶ。たとえば TμνT^\mu{}_\nu の変換は次のとおりである。

T′μν=ΛμαΛνβ TαβT'^\mu{}_\nu=\Lambda^\mu{}_\alpha\Lambda_\nu{}^\beta\,T^\alpha{}_\beta

4元ベクトルは (1,0) 型、コベクトルは (0,1) 型、不変量(スカラー)は (0,0) 型のテンソルとみなす。

行列の言葉で書けば、2階の反変テンソルの変換は T′=ΛTΛTT'=\Lambda T\Lambda^{\mathsf T} である。しかし3階以上のテンソルは行列で書けないので、添字の式で扱う方が見通しがよい。テンソルの添字も、計量で上げ下げすることができる。

Tμν≔ημαTαν,Tμν≔ημαηνβTαβT_\mu{}^\nu\coloneqq\eta_{\mu\alpha}T^{\alpha\nu},\qquad T_{\mu\nu}\coloneqq\eta_{\mu\alpha}\eta_{\nu\beta}T^{\alpha\beta}

上げ下げしたものも、それぞれの添字の位置に応じた規則でテンソルとして変換する((4.16) と同じ計算を添字ごとに行えばよい)。

添字の左右の順序には意味がある。TμνT^\mu{}_\nu と TνμT_\nu{}^\mu は、もとのテンソルが対称でない限り別の量である。

テンソルの演算

テンソルからテンソルを作る操作は3つある。第一に、同じ型のテンソルの線形結合はテンソルである(変換則が線形だから)。第二に、2つのテンソルの成分の積 AμνBρσA^{\mu\nu}B^\rho{}_\sigma はテンソルである(添字ごとに Λ\Lambda が並ぶだけだから)。第三の操作が縮約である。

命題 4.8(縮約)

(r,s)(r,s) 型のテンソルの上付き添字1つと下付き添字1つを同じ文字にして和をとったものは、(r−1,s−1)(r-1,s-1) 型のテンソルである。とくに (1,1) 型のテンソル TμνT^\mu{}_\nu の縮約 TμμT^\mu{}_\mu(トレース)は不変量である。

証明

(1,1)(1,1) 型で示す(添字が増えても、縮約しない添字は同じ規則で変換するだけである)。変換則と (4.14) から

T′μμ=ΛμαΛμβ Tαβ=δβα Tαβ=Tαα.T'^\mu{}_\mu=\Lambda^\mu{}_\alpha\Lambda_\mu{}^\beta\,T^\alpha{}_\beta=\delta^\beta{}_\alpha\,T^\alpha{}_\beta=T^\alpha{}_\alpha .

内積の不変性(定理 4.6)は、aμbνa_\mu b^\nu という (1,1)(1,1) 型のテンソルを縮約したものとして、この命題の特別な場合になっている。上付き同士の添字をそろえて和をとる TμμT^{\mu\mu} は、変換で Λ\Lambda どうしが打ち消し合わないのでテンソルにならない。総和規約で「上下に1回ずつ」を要求したのはこのためである。

計量 ημν\eta_{\mu\nu} 自身も (0,2) 型のテンソルとみなすことができる。その変換は

ημν′=ΛμαΛνβηαβ\eta'_{\mu\nu}=\Lambda_\mu{}^\alpha\Lambda_\nu{}^\beta\eta_{\alpha\beta}

である。右辺は、Lorentz 変換の条件 (4.12) を Λ−1\Lambda^{-1} について書き直したものにほかならない。そのため ημν′=ημν\eta'_{\mu\nu}=\eta_{\mu\nu} となる。

すべての慣性系で同じ成分を持つテンソルを不変テンソルと呼ぶ。計量 ημν\eta_{\mu\nu}、その逆 ημν\eta^{\mu\nu}、Kronecker のデルタは不変テンソルである。添字の上げ下げがどの系で行っても同じ結果になるのは、計量が不変テンソルだからである。

ある量がテンソルであることを、変換則を直接確かめずに示す方法がある。

定理 4.9(商定理)

16個の数の組 TμνT_{\mu\nu} が、各慣性系で与えられているとする。任意の4元ベクトル aνa^\nu について、bμ≔Tμνaνb_\mu\coloneqq T_{\mu\nu}a^\nu がコベクトルになると仮定する。このとき TμνT_{\mu\nu} は (0,2) 型のテンソルである。

証明

bμ′=Tμν′a′νb'_\mu=T'_{\mu\nu}a'^\nu と、bμb_\mu がコベクトルであることから

Tμν′Λνβ aβ=bμ′=Λμαbα=ΛμαTαβ aβ.T'_{\mu\nu}\Lambda^\nu{}_\beta\,a^\beta=b'_\mu=\Lambda_\mu{}^\alpha b_\alpha=\Lambda_\mu{}^\alpha T_{\alpha\beta}\,a^\beta .

これが任意の aβa^\beta について成り立つので、係数を比べて Tμν′Λνβ=ΛμαTαβT'_{\mu\nu}\Lambda^\nu{}_\beta=\Lambda_\mu{}^\alpha T_{\alpha\beta} を得る。両辺に (Λ−1)βρ=Λρβ(\Lambda^{-1})^\beta{}_\rho=\Lambda_\rho{}^\beta を掛けて、β\beta について和をとる。左辺は Tμν′δνρ=Tμρ′T'_{\mu\nu}\delta^\nu{}_\rho=T'_{\mu\rho} になるので

Tμρ′=ΛμαΛρβTαβT'_{\mu\rho}=\Lambda_\mu{}^\alpha\Lambda_\rho{}^\beta T_{\alpha\beta}

を得る。これは (0,2) 型の変換則である。

§4.2 で4元波数がコベクトルであることを示した議論は、この定理の「添字が1つ少ない版」である。第6章では、Lorentz 力 dpμ/dτ=qFμνuν\mathrm{d} p^\mu/\mathrm{d}\tau=qF^\mu{}_\nu u^\nu の両辺が4元ベクトルであることから、同じ論法で FμνF^\mu{}_\nu がテンソルであることを読み取る。

対称テンソルと反対称テンソル

2階のテンソルが Sμν=SνμS^{\mu\nu}=S^{\nu\mu} を満たすとき対称、Aμν=−AνμA^{\mu\nu}=-A^{\nu\mu} を満たすとき反対称と呼ぶ。この性質は系によらない。実際、SαβS^{\alpha\beta} が対称なら

S′νμ=ΛναΛμβSαβ=ΛμβΛναSβα=S′μνS'^{\nu\mu}=\Lambda^\nu{}_\alpha\Lambda^\mu{}_\beta S^{\alpha\beta}=\Lambda^\mu{}_\beta\Lambda^\nu{}_\alpha S^{\beta\alpha}=S'^{\mu\nu}

となる(2つめの等号で、ダミー添字 α,β\alpha,\beta の名前を入れ替えてから Sαβ=SβαS^{\alpha\beta}=S^{\beta\alpha} を使った)。反対称についても同じ計算で符号が1つ付く。任意の2階テンソルは、対称部分と反対称部分にただ1通りに分けられる。

Tμν=12(Tμν+Tνμ)⏟T(μν)+12(Tμν−Tνμ)⏟T[μν].(4.21)T^{\mu\nu}=\underbrace{\tfrac12\bigl(T^{\mu\nu}+T^{\nu\mu}\bigr)}_{T^{(\mu\nu)}}+\underbrace{\tfrac12\bigl(T^{\mu\nu}-T^{\nu\mu}\bigr)}_{T^{[\mu\nu]}} .\tag{4.21}

独立な成分の数は、対称部分が対角の4個と上三角の6個で10個、反対称部分は対角が 00 になるので上三角の6個である。合わせて16個になる。

対称テンソルと反対称テンソルを2つの添字で縮約すると、必ず 00 になる。

SμνAμν=0.(4.22)S_{\mu\nu}A^{\mu\nu}=0 .\tag{4.22}

証明はダミー添字の名前を入れ替えるだけである。

SμνAμν=SνμAνμ=Sμν(−Aμν)S_{\mu\nu}A^{\mu\nu}=S_{\nu\mu}A^{\nu\mu}=S_{\mu\nu}(-A^{\mu\nu})

となり、自分自身の −1-1 倍に等しいので0である。この事実は、式の中で反対称テンソルに対称な量が掛かっていると見たら、その項を計算せずに消せることを意味する。

4次元の反対称テンソル AμνA^{\mu\nu} の6個の成分は、3つずつの2組に分かれる。時間と空間にまたがる A0iA^{0i}(3個)と、空間どうしの AijA^{ij}(3個)である。後者は3次元の Levi-Civita 記号 ϵijk\epsilon_{ijk}(ϵ123=+1\epsilon_{123}=+1 で、添字の入れ替えで符号が変わる記号)を使って3次元ベクトルに対応づけることができる。そこで2つの3次元ベクトル a,b\bm{a},\bm{b} を使って

A0i=−ai,Aij=−ϵijk bk(Aμν=(0−a1−a2−a3a10−b3b2a2b30−b1a3−b2b10))(4.23)A^{0i}=-a^i,\qquad A^{ij}=-\epsilon_{ijk}\,b^k \qquad\left(A^{\mu\nu}=\begin{pmatrix}0&-a^1&-a^2&-a^3\\a^1&0&-b^3&b^2\\a^2&b^3&0&-b^1\\a^3&-b^2&b^1&0\end{pmatrix}\right)\tag{4.23}

と書く。この符号の付け方は、第6章で電磁場テンソルを書くときの形(a→E/c\bm{a}\to\bm{E}/c、b→B\bm{b}\to\bm{B})に合わせてある。

Lorentz 変換は A0iA^{0i} と AijA^{ij} を混ぜる。そのため2つの3次元ベクトルは別々には4元的な量にならず、2つ合わせて1つのテンソルを作る。第6章と『電磁気学入門』第10章で、これが「電場と磁場は観測者によって配分の変わる1つの量である」という事実の数学的な表現になる。

2つのベクトルから作る反対称テンソル

2つの4元ベクトル xμ,pμx^\mu,p^\mu から Lμν≔xμpν−xνpμL^{\mu\nu}\coloneqq x^\mu p^\nu-x^\nu p^\mu を作ると、反対称テンソルになる。空間成分は Lij=xipj−xjpiL^{ij}=x^ip^j-x^jp^i である。これは3次元の角運動量 L=x×p\bm{L}=\bm{x}\times\bm{p} の成分で、たとえば L12=LzL^{12}=L_z である。時間成分は L0i=ctpi−xip0L^{0i}=ctp^i-x^ip^0 である。第5章の4元運動量 pμ=(E/c,p)p^\mu=(E/c,\bm{p}) を入れると、

L0i=ctpi−xiEcL^{0i}=ctp^i-\frac{x^iE}{c}

になり、重心の運動に関わる量になる。3次元の角運動量は、それだけでは Lorentz 変換で閉じない量の一部である。

Levi-Civita 記号

3次元の外積に現れる ϵijk\epsilon_{ijk} の4次元版を定義する。

定義 4.10(4次元の Levi-Civita 記号)

ϵμνρσ\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma} を、ϵ0123=+1\epsilon^{0123}=+1 で、任意の2つの添字の入れ替えで符号が反転する(完全反対称な)記号と定める。成分の値は次のとおりである。

  • 添字に同じ値が2つ以上あれば0。
  • 添字の並びが (0,1,2,3) の偶置換なら +1+1、奇置換なら −1-1。

添字を計量で下げると、4つの添字すべてに η\eta がかかり、0でない成分には η00η11η22η33=−1\eta_{00}\eta_{11}\eta_{22}\eta_{33}=-1 が掛かる。したがって

ϵ0123=η0μη1νη2ρη3σϵμνρσ=det⁡η=−1(4.24)\epsilon_{0123}=\eta_{0\mu}\eta_{1\nu}\eta_{2\rho}\eta_{3\sigma}\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma}=\det\eta=-1\tag{4.24}

で、下付きの Levi-Civita 記号は上付きのものの −1-1 倍になる。空間の3つの添字だけを見ると ϵ0ijk=ϵijk\epsilon^{0ijk}=\epsilon_{ijk} が成り立ち、3次元の記号に戻る。

定理 4.11(Levi-Civita 記号の変換)

任意の 4×44\times4 行列 Λ\Lambda について

ΛμαΛνβΛργΛσδ ϵαβγδ=det⁡Λ  ϵμνρσ(4.25)\Lambda^\mu{}_\alpha\Lambda^\nu{}_\beta\Lambda^\rho{}_\gamma\Lambda^\sigma{}_\delta\,\epsilon^{\alpha\beta\gamma\delta}=\det\Lambda\;\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma}\tag{4.25}

が成り立つ。したがって、この記号を (4,0) 型のテンソルとして変換すると、固有順時的な Lorentz 変換(det⁡Λ=+1\det\Lambda=+1)のもとで成分が変わらない。

証明

左辺を XμνρσX^{\mu\nu\rho\sigma} と書き、3段で示す。

  1. 反対称性。μ\mu と ν\nu を入れ替えた量を考える。ダミー添字 α,β\alpha,\beta の名前を入れ替え、ϵβαγδ=−ϵαβγδ\epsilon^{\beta\alpha\gamma\delta}=-\epsilon^{\alpha\beta\gamma\delta} を使うと

Xνμρσ=−XμνρσX^{\nu\mu\rho\sigma}=-X^{\mu\nu\rho\sigma}

を得る。ほかの添字の対についても同じなので、XX は完全反対称である。2. 1つの数で決まる。完全反対称な4添字の量は、1つの数 X0123X^{0123} で決まる。つまり Xμνρσ=X0123ϵμνρσX^{\mu\nu\rho\sigma}=X^{0123}\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma} である。3. その数は行列式。残る数は

X0123=∑ϵαβγδΛ0αΛ1βΛ2γΛ3δX^{0123}=\sum\epsilon^{\alpha\beta\gamma\delta}\Lambda^0{}_\alpha\Lambda^1{}_\beta\Lambda^2{}_\gamma\Lambda^3{}_\delta

である。これは行列式の定義そのものなので、det⁡Λ\det\Lambda に等しい。行列式の定義とは、各行から1つずつ列の異なる成分を選んで積をとり、列の並びの置換の符号を付けて足すことである。

空間反転 PP では det⁡P=−1\det P=-1 なので、Levi-Civita 記号を含む量は符号を反転する。このような量を擬テンソル(擬スカラー、擬ベクトル)と呼ぶ。3次元の外積で作った角運動量や磁場が空間反転で向きを変えないこと(擬ベクトルであること)の4次元版である。

縮約の公式を2つ挙げる。どちらも0でない項を数えることで確かめることができる。

ϵμνρσϵμνρσ=−24,ϵμνρσϵμνλκ=−2(δρλδσκ−δρκδσλ).(4.26)\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma}\epsilon_{\mu\nu\rho\sigma}=-24,\qquad \epsilon^{\mu\nu\rho\sigma}\epsilon_{\mu\nu\lambda\kappa}=-2\bigl(\delta^\rho{}_\lambda\delta^\sigma{}_\kappa-\delta^\rho{}_\kappa\delta^\sigma{}_\lambda\bigr).\tag{4.26}

第1式では、添字の組が (0,1,2,3) の並べ替えになっている項だけが残る。その数は 4!=244!=24 通りである。それぞれの項で上付きの記号は ±1\pm1 で、下付きの記号はその −1-1 倍である。そのため積はどれも −1-1 になる。

3次元で ϵijkϵijk=+6\epsilon_{ijk}\epsilon_{ijk}=+6 だったものとの違いは、下げたときの det⁡η=−1\det\eta=-1 に由来する。

Levi-Civita 記号を使うと、反対称テンソルの双対

A~μν≔12 ϵμνρσAρσ(4.27)\tilde A^{\mu\nu}\coloneqq\tfrac12\,\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma}A_{\rho\sigma}\tag{4.27}

が作れる。A~μν\tilde A^{\mu\nu} も反対称テンソル(固有順時的な変換について)である。(4.23) の形のテンソルに対して成分を計算すると、双対はもとのテンソルで次の置き換えをしたものになる(確認テスト 4.3-4)。

a→b,b→−a\bm{a}\to\bm{b},\qquad \bm{b}\to-\bm{a}

例題 4.3 反対称テンソルの2つの不変量 ★★★

オリジナル反対称テンソル AμνA^{\mu\nu} が (4.23) で与えられているとする。

  1. AμνAμν=2(∣b∣2−∣a∣2)A_{\mu\nu}A^{\mu\nu}=2\bigl(\left\vert \bm{b}\right\vert ^2-\left\vert \bm{a}\right\vert ^2\bigr) を示せ。
  2. ϵμνρσAμνAρσ=−8 a⋅b\epsilon_{\mu\nu\rho\sigma}A^{\mu\nu}A^{\rho\sigma}=-8\,\bm{a}\cdot\bm{b} を示せ。
  3. もとの系で a=(0,1,0)\bm{a}=(0,1,0)、b=(0,0,2)\bm{b}=(0,0,2) とする。これに xx 方向のブースト(β=0.6\beta=0.6)を行う。ブースト後の2つのベクトル a′\bm{a}'、b′\bm{b}' を求めよ。さらに、(1)(2) の2つの量が変わらないことを確かめよ。
解答
  1. 和を、片方の添字が 00 の項と、両方が空間の項に分ける。A00=0A^{00}=0 なので

AμνAμν=A0iA0i+Ai0Ai0+AijAij=2A0iA0i+AijAij.A_{\mu\nu}A^{\mu\nu}=A_{0i}A^{0i}+A_{i0}A^{i0}+A_{ij}A^{ij}=2A_{0i}A^{0i}+A_{ij}A^{ij}.

添字を下げると、成分ごとに次の符号が掛かる。

  • 0と空間の添字を1つずつ持つ成分には η00ηii=−1\eta_{00}\eta_{ii}=-1 が掛かり、A0i=−A0i=aiA_{0i}=-A^{0i}=a^i となる。
  • 空間どうしの成分には (−1)2=1(-1)^2=1 が掛かり、Aij=AijA_{ij}=A^{ij} となる。

したがって

2A0iA0i=2∑iai(−ai)=−2∣a∣2,AijAij=∑i,jϵijkbk ϵijlbl=∑k,l2δkl bkbl=2∣b∣2.2A_{0i}A^{0i}=2\sum_i a^i(-a^i)=-2\left\vert \bm{a}\right\vert ^2,\qquad A_{ij}A^{ij}=\sum_{i,j}\epsilon_{ijk}b^k\,\epsilon_{ijl}b^l=\sum_{k,l}2\delta_{kl}\,b^kb^l=2\left\vert \bm{b}\right\vert ^2 .

2つめの計算で、3次元の公式 ∑i,jϵijkϵijl=2δkl\sum_{i,j}\epsilon_{ijk}\epsilon_{ijl}=2\delta_{kl} を使った。足して 2(∣b∣2−∣a∣2)2(\left\vert \bm{b}\right\vert ^2-\left\vert \bm{a}\right\vert ^2) を得る。2. 4つの添字は互いに異なるときだけ寄与するので、ちょうど1つが0である。項を次のようにまとめる。

  • ϵμνρσ=ϵρσμν\epsilon_{\mu\nu\rho\sigma}=\epsilon_{\rho\sigma\mu\nu} である(2つの対を入れ替えるのは互換2回)。そのため0が前の対にある項と後ろの対にある項は等しく、和は前の対にある項の2倍になる。
  • 前の対の中で μ=0\mu=0 の項と ν=0\nu=0 の項も等しい。Levi-Civita 記号と反対称テンソルの両方の符号が変わるからである。

したがって

ϵμνρσAμνAρσ=4 ϵ0ijkA0iAjk.\epsilon_{\mu\nu\rho\sigma}A^{\mu\nu}A^{\rho\sigma}=4\,\epsilon_{0ijk}A^{0i}A^{jk}.

ここに次の3つを入れる。

ϵ0ijk=−ϵ0ijk=−ϵijk,A0i=−ai,Ajk=−ϵjklbl\epsilon_{0ijk}=-\epsilon^{0ijk}=-\epsilon_{ijk},\qquad A^{0i}=-a^i,\qquad A^{jk}=-\epsilon_{jkl}b^l

すると

4 (−ϵijk)(−ai)(−ϵjklbl)=−4 aibl∑j,kϵijkϵljk=−4 aibl⋅2δil=−8 a⋅b.4\,(-\epsilon_{ijk})(-a^i)(-\epsilon_{jkl}b^l)=-4\,a^ib^l\sum_{j,k}\epsilon_{ijk}\epsilon_{ljk}=-4\,a^ib^l\cdot2\delta_{il}=-8\,\bm{a}\cdot\bm{b} . 3. γ=1/1−0.36=1.25\gamma=1/\sqrt{1-0.36}=1.25、γβ=0.75\gamma\beta=0.75 である。もとの系の成分は (4.23) から

A02=−1,A12=−ϵ123b3=−2A^{02}=-1,\qquad A^{12}=-\epsilon_{123}b^3=-2

である。反対称性による A20=1A^{20}=1、A21=2A^{21}=2 以外は0である。変換は A′μν=ΛμαΛνβAαβA'^{\mu\nu}=\Lambda^\mu{}_\alpha\Lambda^\nu{}_\beta A^{\alpha\beta} である。ν=2\nu=2 の行列成分は Λ22=1\Lambda^2{}_2=1 だけなので

A′02=Λ00A02+Λ01A12=1.25⋅(−1)+(−0.75)(−2)=0.25,A'^{02}=\Lambda^0{}_0A^{02}+\Lambda^0{}_1A^{12}=1.25\cdot(-1)+(-0.75)(-2)=0.25,

A′12=Λ10A02+Λ11A12=(−0.75)(−1)+1.25⋅(−2)=−1.75.A'^{12}=\Lambda^1{}_0A^{02}+\Lambda^1{}_1A^{12}=(-0.75)(-1)+1.25\cdot(-2)=-1.75 .

ほかの成分(反対称性で決まるものを除く)は0のままである。(4.23) と見比べて

a′2=−A′02=−0.25,b′3=−A′12=1.75,a'^2=-A'^{02}=-0.25,\qquad b'^3=-A'^{12}=1.75,

すなわち a′=(0, −0.25, 0)\bm{a}'=(0,\,-0.25,\,0)、b′=(0, 0, 1.75)\bm{b}'=(0,\,0,\,1.75) である。

不変量を比べる。

もとの系:∣b∣2−∣a∣2=4−1=3,a⋅b=0,ブースト後:1.752−0.252=3.0625−0.0625=3,a′⋅b′=0.\begin{aligned}\text{もとの系}&:\quad \left\vert \bm{b}\right\vert ^2-\left\vert \bm{a}\right\vert ^2=4-1=3,\qquad \bm{a}\cdot\bm{b}=0,\\ \text{ブースト後}&:\quad 1.75^2-0.25^2=3.0625-0.0625=3,\qquad \bm{a}'\cdot\bm{b}'=0 .\end{aligned}

どちらも変わらない。2つのベクトルの大きさはそれぞれ変わったが、2つの組み合わせだけが保たれている。

第6章で a=E/c\bm{a}=\bm{E}/c、b=B\bm{b}=\bm{B} とおくと、これは2つの量が不変であるという結果になる。

B2−E2c2,E⋅BB^2-\frac{E^2}{c^2},\qquad \bm{E}\cdot\bm{B}

確認テスト

オリジナル

  1. 4.3-1 4次元で、(a) 対称な2階テンソル、(b) 反対称な2階テンソル、(c) 3つの添字について完全反対称な3階テンソル、の独立な成分の数をそれぞれ求めよ。
  2. 4.3-2 テンソル TμνT^{\mu\nu} がある系で反対称なら、ほかの系でも反対称であることを示せ。また、対称テンソル SμνS_{\mu\nu} と反対称テンソル AμνA^{\mu\nu} を考える。両者の縮約が0になること (4.22) を証明せよ。
  3. 4.3-3 ϵμνρσϵμνρσ=−24\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma}\epsilon_{\mu\nu\rho\sigma}=-24 を、0でない項を数えることで確かめよ。また、公式 (4.26) の第2式で ρ=λ\rho=\lambda、σ=κ\sigma=\kappa として和をとる。すると第1式に戻ることを確かめよ。
  4. 4.3-4 (4.23) のテンソルについて、次の双対を考える。

A~μν=12ϵμνρσAρσ\tilde A^{\mu\nu}=\frac12\epsilon^{\mu\nu\rho\sigma}A_{\rho\sigma}

その成分 A~01\tilde A^{01} と A~23\tilde A^{23} を求めよ。双対が、(4.23) で a→b\bm{a}\to\bm{b}、b→−a\bm{b}\to-\bm{a} と置き換えた形になっていることを確かめよ。5. 4.3-5 (1,1) 型のテンソル TμνT^\mu{}_\nu について、TμνTνμT^\mu{}_\nu T^\nu{}_\mu が不変量であることを示せ。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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