応用数学入門 第8章 §8.3 ★★★ 主要項の公式 2π/(−λg′′)。全例題がここに帰着する
主要項の導出
★★★ ガウス積分への帰着で式 (8.2) を導く中心の証明
定理(鞍点法の主要項) ★★★
積分 I(λ)=∫Cf(z)eλg(z)dz において、積分路 C を鞍点 z0(g′(z0)=0、g′′(z0)=0)を通る最急降下路 Γ に変形できるとする。λ→∞ のとき、
I(λ)∼f(z0)eλg(z0)−λg′′(z0)2π(8.2)
が成立する。右辺の平方根は最急降下方向に対応する符号を選ぶ(実部が正となる枝)。
証明の概略:最急降下路上で Img=Img(z0)=const であるから、z=z0+seiθ0(θ0 は最急降下方向、s∈R)と置ける。このとき
g(z)=g(z0)+21g′′(z0)(z−z0)2+O((z−z0)3)
と展開すると、最急降下方向では g′′(z0)e2iθ0<0(実負)。よって μ:=−g′′(z0)e2iθ0>0 と置けば、
I(λ)≈f(z0)eλg(z0)eiθ0∫−∞∞e−λμs2/2ds=f(z0)eλg(z0)eiθ0λμ2π.
μ=−g′′(z0)e2iθ0 を代入して整理すると式 (8.2) を得る。□
高次項と完全漸近展開
★★ 補正係数 c1 の構造。スターリングの 1/(12n) を再現する検算つき
f(z) および g(z) を鞍点 z0 まわりでテイラー展開して系統的に積分すると、
I(λ)∼eλg(z0)n=0∑∞λn+1/2an,λ→∞(8.3)
の形の漸近展開が得られる。係数 an は g(k)(z0)(k≥2)とf(j)(z0)(j≥0)の組み合わせで表される。たとえば f≡1 の場合、第1補正項まで書くと
I(λ)∼eλg(z0)−λg′′(z0)2π[1+λc1+O(λ−2)],c1=24(−g′′(z0))35(g′′′(z0))2+8(−g′′(z0))2g(4)(z0)(8.4)
となる1後述のスターリングの公式(g=logs−s、g′′=−1、g′′′=2、g(4)=−6)ではc1=245⋅4−86=121 となり、式 (8.6) の 1/(12n) 項を正しく再現する。。
補足
展開 (8.3) は一般に発散級数である。しかし N≈λ で打ち切ると、誤差は O(e−cλ)(c>0)のオーダー(超指数的精度)になる。この現象はストークス現象と深く関わる。
1 後述のスターリングの公式(g=logs−s、g′′=−1、g′′′=2、g(4)=−6)ではc1=245⋅4−86=121 となり、式 (8.6) の 1/(12n) 項を正しく再現する。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com