応用数学入門 第8章 §8.4 ★★★ 実鞍点の最も基本的な典型例。鞍点法の全手順をここで習得する
例題 1(スターリングの公式) ★★★
n→∞ における n! の漸近展開を求めよ。
積分表示への帰着
★★ t=ns で式 (8.1) 形へ。λ,g,f の同定が第一歩
ガンマ関数の積分表示 n!=∫0∞tne−tdt に t=ns を代入すると、
n!=nn+1∫0∞en(logs−s)ds.
これは式 (8.1) の形であり、λ=n、g(s)=logs−s、f(s)=1 である。
鞍点の計算
★★★ g′=0 で s0=1、g′′(1)=−1<0 で実軸が最急降下路と判定
g′(s)=s1−1=0⟹s0=1.
g(s0)g′′(s0)=log1−1=−1,=−s21s=1=−1<0.
g′′(s0)<0 であるから、s0=1 は実軸上の極大点である。
実軸がすでに最急降下路となっているため、積分路の変形は不要である。
テイラー展開と主要項
★★★ ガウス積分で主要項 2πn(n/e)n を出す核心の計算
s=1+u とおいて展開する:
g(1+u)=−1−2u2+3u3−4u4+⋯
主要項(ガウス積分)だけ取り出すと、
n!≈nn+1∫−∞∞en(−1−u2/2)du=nn+1e−nn2π.
n!∼2πn(en)n,n→∞.(8.5)
高次項の計算
★★ 偶数次モーメントで 1/(12n) 以降の補正を積み上げる
u3,u4,… 項を取り込む。奇数次のモーメントは消え、偶数次のみ寄与する:
∫−∞∞u2ke−nu2/2du=nk(2k−1)!!n2π.
これを整理すると完全漸近展開が得られる:
n!∼2πn(en)n(1+12n1+288n21−51840n3139−⋯).(8.6)
数値確認(n=10、10!=3,628,800):
- 主要項のみ:≈3,598,695(相対誤差 0.83%)
- 1/(12n) 項まで:≈3,628,684(相対誤差 0.003%)
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com