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当てる道具:1つのモードを1つの振動子として読む

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第30章 つなぎ:場の量子化と光子
目次
  1. 直交位相成分
  2. 光子数の決まった状態には位相が無い
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第30章 §30.2 ★★★ 1つのモードの電場は2つの直交位相成分 X^1\hat X_1, X^2\hat X_2 で書け、[X^1, X^2]=i/2\left[\hat X_1,\,\hat X_2\right]=\mathrm{i}/2 から不確定性が出る。光子数の決まった状態は電場の期待値が 00 で、位相を持たない

直交位相成分

1つのモードだけを取り出す。偏光を e\bm{e} に固定し、位置 r\bm{r} での電場の e\bm{e} 成分を E^\hat E と書くと、式 (30.4) の1項は E^=iEph(a^e−iφ−a^†eiφ)\hat E=\mathrm{i} E_{\mathrm{ph}}(\hat a\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\varphi}-\hat a^\dagger\mathrm{e}^{\mathrm{i}\varphi})、φ=ωt−k⋅r\varphi=\omega t-\bm{k}\cdot\bm{r} である(平面波なので Vm=VV_{\mathrm m}=V)。a^\hat a を実部と虚部に分けて

X^1=a^+a^†2,X^2=a^−a^†2i,[X^1, X^2]=i2(30.10)\hat X_1=\frac{\hat a+\hat a^\dagger}{2},\qquad\hat X_2=\frac{\hat a-\hat a^\dagger}{2\mathrm{i}},\qquad\left[\hat X_1,\,\hat X_2\right]=\frac{\mathrm{i}}2\tag{30.10}

とおくと、a^=X^1+iX^2\hat a=\hat X_1+\mathrm{i}\hat X_2 で、電場は

E^=2Eph(X^1sin⁡φ−X^2cos⁡φ)(30.11)\hat E=2E_{\mathrm{ph}}\bigl(\hat X_1\sin\varphi-\hat X_2\cos\varphi\bigr)\tag{30.11}

と書ける。X^1\hat X_1 と X^2\hat X_2 を直交位相成分と呼ぶ。古典の場 E0sin⁡(φ−θ)E_0\sin(\varphi-\theta) の sin⁡φ\sin\varphi と cos⁡φ\cos\varphi の係数にあたり、振動子の言葉では位置と運動量(を無次元にしたもの)である。1つのモードのエネルギーは ℏω(X^12+X^22)\hbar\omega(\hat X_1^2+\hat X_2^2) になる(X^12+X^22=a^†a^+12\hat X_1^2+\hat X_2^2=\hat a^\dagger\hat a+\frac12)。

交換関係 (30.10) から、Robertson の不等式で

ΔX1 ΔX2≥14(30.12)\Delta X_1\,\Delta X_2\ge\frac14\tag{30.12}

が出る。電場の2つの位相の成分は同時に決めることができない。X^1\hat X_1 の固有値を xx とする表示では、X^2=−(i/2) d/dx\hat X_2=-(\mathrm{i}/2)\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x で、a^=x+(1/2) d/dx\hat a=x+(1/2)\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x である。基底状態 a^ψ0=0\hat a\psi_0=0 を解くと ψ0(x)=(2/π)1/4e−x2\psi_0(x)=(2/\pi)^{1/4}\mathrm{e}^{-x^2} で、ΔX1=ΔX2=12\Delta X_1=\Delta X_2=\frac12 と不等式の等号が成り立つ。nn 個の光子の状態の波動関数は

ψn(x)=(2π)1/4Hn(2 x)2nn! e−x2(30.13)\psi_n(x)=\Bigl(\frac2\pi\Bigr)^{1/4}\frac{H_n(\sqrt2\,x)}{\sqrt{2^nn!}}\,\mathrm{e}^{-x^2}\tag{30.13}

で(HnH_n は Hermite 多項式)、調和振動子の固有関数の変数を 2x\sqrt2x に取り直したものである。∣ψn(x)∣2\lvert \psi_n(x)\rvert ^2 は、ホモダイン検出(第31章)で同じモードの強い光と重ねて測る電場の1つの位相の成分の分布になる(図 30.1)。

図

図 30.1 光子数 n=0,1,2n=0,1,2 の状態で、電場の直交位相成分 X^1\hat X_1 を測ったときの値の分布 ∣ψn(x)∣2\lvert \psi_n(x)\rvert ^2(式 (30.13))。真空でも幅 ΔX1=12\Delta X_1=\frac12 で揺らぎ、n=1n=1 では x=0x=0 の値がちょうど出ない。どの nn でも分布は x→−xx\to-x で対称で、電場の平均は 00 である。

光子数の決まった状態には位相が無い

光子数の固有状態 ∣n⟩| n \rangle では ⟨n∣a^∣n⟩=0\langle n | \hat a | n \rangle =0 なので、どの時刻でも ⟨E^⟩=0\langle \hat E \rangle =0 で、

⟨n∣E^2∣n⟩=Eph2⟨n∣a^a^†+a^†a^∣n⟩=Eph2(2n+1)(30.14)\langle n | \hat E^2 | n \rangle =E_{\mathrm{ph}}^2\langle n | \hat a\hat a^\dagger+\hat a^\dagger\hat a | n \rangle =E_{\mathrm{ph}}^2(2n+1)\tag{30.14}

も時刻に依らない。古典の場 E0sin⁡(φ−θ)E_0\sin(\varphi-\theta) は、振幅 E0E_0 と位相 θ\theta を決めると各時刻の値が決まるが、∣n⟩| n \rangle は振幅の2乗の平均だけを持ち、位相 θ\theta についての情報を持たない。直交位相成分の平面の上では、∣n⟩| n \rangle は原点を中心とする半径 n+12\sqrt{n+\frac12} ほどの輪で、古典の場は1点(矢印の先)にあたる(図 30.2)。光子数と位相の間にも不確定性があり、光子数を決めると位相は決まらない。レーザー光は逆に位相がほぼ決まり、光子数が揺らいだ状態で、第31章のコヒーレント状態がそれにあたる。

図

図 30.2 直交位相成分の平面の上の状態の見取り図。真空は半径 12\frac12 の円板(各方向の揺らぎ 12\frac12)、光子数の状態 ∣n⟩| n \rangle は半径 n+12\sqrt{n+\frac12} の輪(n=3n=3 を描いた)で、位相の方向に一様に広がる。古典の場は振幅と位相の決まった1点である。

例題 30.2 光子1個の状態の電場を測る ★★

オリジナル1つのモードが光子1個の状態 ∣1⟩| 1 \rangle にある。

  1. (1) ⟨X^1⟩\langle \hat X_1 \rangle、⟨X^12⟩\langle \hat X_1^2 \rangle、⟨E^2⟩\langle \hat E^2 \rangle を求め、真空の値と比べよ。
  2. (2) X^1\hat X_1 を測って ∣x∣<12\lvert x\rvert <\frac12 の値が出る確率を、真空と ∣1⟩| 1 \rangle のそれぞれについて求めよ。
  3. (3) ∣1⟩| 1 \rangle で ∣ψ1(x)∣2\lvert \psi_1(x)\rvert ^2 が最大になる xx を求め、(2) とあわせて、光子1個の状態の電場の測定値がどのような分布になるかを述べよ。
解答

(1) ⟨X^1⟩=12⟨1∣a^+a^†∣1⟩=0\langle \hat X_1 \rangle =\frac12\langle 1 | \hat a+\hat a^\dagger | 1 \rangle =0。X^12=14(a^2+a^†2+2a^†a^+1)\hat X_1^2=\frac14(\hat a^2+\hat a^{\dagger2}+2\hat a^\dagger\hat a+1) で、∣1⟩| 1 \rangle では a^2\hat a^2 と a^†2\hat a^{\dagger2} の期待値が 00 なので ⟨X^12⟩=14(2+1)=34\langle \hat X_1^2 \rangle =\frac14(2+1)=\frac34。真空では 14\frac14 なので、分散は3倍になる。式 (30.14) で n=1n=1 とおくと ⟨E^2⟩=3Eph2\langle \hat E^2 \rangle =3E_{\mathrm{ph}}^2 で、これも真空の3倍である。

(2) 真空では ∣ψ0∣2=2/π e−2x2\lvert \psi_0\rvert ^2=\sqrt{2/\pi}\,\mathrm{e}^{-2x^2} で、標準偏差 12\frac12 の正規分布なので、確率は erf⁡(1/2)=0.683\operatorname{erf}(1/\sqrt2)=0.683。∣1⟩| 1 \rangle では ∣ψ1∣2=2/π 4x2e−2x2\lvert \psi_1\rvert ^2=\sqrt{2/\pi}\,4x^2\mathrm{e}^{-2x^2} で、∫−1/21/2∣ψ1∣2dx=0.199\int_{-1/2}^{1/2}\lvert \psi_1\rvert ^2\mathrm{d} x=0.199。

(3) x2e−2x2x^2\mathrm{e}^{-2x^2} を微分して 00 とおくと x2=12x^2=\frac12、x=±1/2=±0.707x=\pm1/\sqrt2=\pm0.707。∣1⟩| 1 \rangle の測定値は 00 の近くに出にくく、±0.71\pm0.71 の付近に2つの山を作る。それでも平均は 00 で、2つの山の高さが等しいので、どちらの符号が出るかは決まっていない。光子が1個あることは電場の分布の形(x=0x=0 のくぼみ)には表れるが、決まった位相の振動としては表れない。

木下の勉強ステータス

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