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当てる道具:生成演算子の置き換え

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第33章 ビームスプリッタと光子対
目次
  1. Schrödinger 描像の書き換え
  2. コヒーレント状態と数状態
  3. 損失はビームスプリッタ
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第33章 §33.2 ★★★ 入口の状態を生成演算子の多項式で書き、a^j†=∑kSkjb^k†\hat a_j^\dagger=\sum_kS_{kj}\hat b_k^\dagger を代入すると出口の状態になる。コヒーレント状態は積のまま、数状態は二項分布に分かれ、損失は真空の入口を持つビームスプリッタとして書ける

Schrödinger 描像の書き換え

式 (33.3) は演算子の変換(Heisenberg 描像)である。入口の状態を与えて出口の状態を求めるには、逆向きの関係を使う。SS がユニタリなので a^j=∑k(S†)jkb^k=∑kSkj∗b^k\hat a_j=\sum_k(S^\dagger)_{jk}\hat b_k=\sum_kS_{kj}^*\hat b_k で、そのエルミート共役をとると

a^j†=∑kSkjb^k†,つまりa^1†=t b^1†+r b^2†,a^2†=r′b^1†+t′b^2†(33.5)\hat a_j^\dagger=\sum_kS_{kj}\hat b_k^\dagger,\qquad\text{つまり}\quad\hat a_1^\dagger=t\,\hat b_1^\dagger+r\,\hat b_2^\dagger,\quad\hat a_2^\dagger=r'\hat b_1^\dagger+t'\hat b_2^\dagger\tag{33.5}

になる。入口の生成演算子は、行列 SS の列に沿って出口の生成演算子に分かれる。

光子の状態は、真空 ∣0,0⟩| 0,0 \rangle に生成演算子の多項式 f(a^1†,a^2†)f(\hat a_1^\dagger,\hat a_2^\dagger) を掛けて書ける。ビームスプリッタは真空を真空に移す(光子の数を保つので、光子 00 個の状態は 00 個のまま)ので、出口の状態は

f(a^1†,a^2†)∣0,0⟩ ⟼ f(tb^1†+rb^2†, r′b^1†+t′b^2†)∣0,0⟩(33.6)f(\hat a_1^\dagger,\hat a_2^\dagger)| 0,0 \rangle \ \longmapsto\ f\Bigl(t\hat b_1^\dagger+r\hat b_2^\dagger,\ r'\hat b_1^\dagger+t'\hat b_2^\dagger\Bigr)| 0,0 \rangle\tag{33.6}

である。この章の計算は、すべてこの代入と、(b^†)n∣0⟩=n!∣n⟩(\hat b^\dagger)^n| 0 \rangle =\sqrt{n!}| n \rangle の書き換えで済む。

コヒーレント状態と数状態

コヒーレント状態(第31章)は、変位演算子 D^(α)=exp⁡(αa^†−α∗a^)\hat D(\alpha)=\exp(\alpha\hat a^\dagger-\alpha^*\hat a) を真空に掛けたもので、exp⁡\exp の肩が生成消滅演算子の1次式である。入口1に ∣α⟩| \alpha \rangle、入口2に ∣β⟩| \beta \rangle を入れると、肩の1次式に式 (33.5) を代入して

∣α⟩1∣β⟩2 ⟼ ∣tα+r′β⟩1∣rα+t′β⟩2(33.7)| \alpha \rangle _1| \beta \rangle _2\ \longmapsto\ | t\alpha+r'\beta \rangle _{1}| r\alpha+t'\beta \rangle _{2}\tag{33.7}

を得る(右辺は出口のモードの状態)。出口の振幅は古典の式 (33.1) の振幅と同じで、状態は2つのコヒーレント状態の積のまま、つまり2つの出口の光子の数は互いに独立な Poisson 分布になる。レーザーの光をビームスプリッタで分けても、2つの出口の光子の数に相関は生じない。熱的な光のようにコヒーレント状態の確率的な混合で書ける光(古典の光)を入れても、出口の状態は積の混合のままである。数状態のように古典の光で書けない光を入れたときに限り、2つの出口の状態は積の混合で書けなくなる(もつれる)。

数状態 ∣N⟩1∣0⟩2=(a^1†)N∣0,0⟩/N!| N \rangle _1| 0 \rangle _2=(\hat a_1^\dagger)^N| 0,0 \rangle /\sqrt{N!} を入れると、二項展開から

∣N,0⟩ ⟼ ∑k=0N(Nk) tkrN−k∣k,N−k⟩,P(k)=(Nk)TkRN−k(33.8)| N,0 \rangle \ \longmapsto\ \sum_{k=0}^N\sqrt{\binom Nk}\,t^kr^{N-k}| k,N-k \rangle ,\qquad P(k)=\binom NkT^kR^{N-k}\tag{33.8}

になる。NN 個の光子が、それぞれ独立に確率 TT で出口1を選んだときの二項分布である。出口1の光子の数の平均は NTNT、分散は NTRNTR で、入口の分散 00 の数状態から、分散のある状態が出てくる。

損失はビームスプリッタ

光が途中で一部失われる過程(吸収・散乱・検出器の量子効率が 11 より小さいこと)は、透過率 η\eta のビームスプリッタの一方の出口だけを残し、もう一方を捨てたものとして書ける。捨てた出口の光が戻ってこない限り、損失の詳しい仕組みはこのモデルの結果に入らない。空いている入口には真空が入るので、出口の消滅演算子は b^=η a^+1−η v^\hat b=\sqrt\eta\,\hat a+\sqrt{1-\eta}\,\hat v(v^\hat v は真空のモード)になる。真空の期待値 v^∣0⟩=0\hat v| 0 \rangle =0 を使うと、正規順序(生成演算子を左に並べた順)の相関は

⟨b^†b^⟩=η⟨a^†a^⟩,⟨b^†2b^2⟩=η2⟨a^†2a^2⟩\langle \hat b^\dagger\hat b \rangle =\eta\langle \hat a^\dagger\hat a \rangle ,\qquad\langle \hat b^{\dagger2}\hat b^2 \rangle =\eta^2\langle \hat a^{\dagger2}\hat a^2 \rangle

になる。第32章の g(2)(0)=⟨a^†2a^2⟩/⟨a^†a^⟩2g^{(2)}(0)=\langle \hat a^{\dagger2}\hat a^2 \rangle /\langle \hat a^\dagger\hat a \rangle ^2 では分子と分母がともに η2\eta^2 倍になるので、損失があっても g(2)(0)g^{(2)}(0) は変わらない。効率の低い検出器で測っても、アンチバンチング(g(2)(0)<1g^{(2)}(0)<1)の判定は損なわれない。損失で変わるのは平均の光子の数と、数のゆらぎの大きさ(Fano 因子)である。

例題 33.2 10個の光子の数状態を損失に通す ★★

オリジナル光子数 N=10N=10 の数状態を、透過率 η=0.6\eta=0.6 の損失に通す。

  1. (1) 残った光子の数の分布、平均、分散、Fano 因子(分散/平均)を求めよ。10個すべてが残る確率も求めよ。
  2. (2) 損失の前と後の g(2)(0)g^{(2)}(0) を求めよ。
  3. (3) 平均 1010 のコヒーレント状態を同じ損失に通したときの分布と Fano 因子を求め、(1) と比べよ。
解答

(1) 式 (33.8) で T=ηT=\eta とおくと P(k)=(10k)0.6k0.410−kP(k)=\binom{10}{k}0.6^k0.4^{10-k} の二項分布で、平均は Nη=6N\eta=6、分散は Nη(1−η)=2.4N\eta(1-\eta)=2.4、Fano 因子は 1−η=0.41-\eta=0.4 である。10個すべてが残る確率は 0.610=6.05×10−30.6^{10}=6.05\times10^{-3} で、光子が1個ずつ独立に残るか失われるかを決めることがここに表れる。

(2) 数状態では ⟨n^(n^−1)⟩=N(N−1)\langle \hat n(\hat n-1) \rangle =N(N-1) なので g(2)(0)=1−1/N=0.9g^{(2)}(0)=1-1/N=0.9。損失の後の二項分布では ⟨k(k−1)⟩=N(N−1)η2\langle k(k-1) \rangle =N(N-1)\eta^2 で、g(2)(0)=N(N−1)η2/(Nη)2=0.9g^{(2)}(0)=N(N-1)\eta^2/(N\eta)^2=0.9 と変わらない。

(3) 式 (33.7) から、出口の状態は ∣0.6 α⟩| \sqrt{0.6}\,\alpha \rangle のコヒーレント状態で、分布は平均 66 の Poisson 分布、Fano 因子は 11 のままである。数状態の Fano 因子は損失で 00 から 0.40.4 に増え、損失を重ねるほど Poisson の 11 に近づく。光子1個ずつの選別は、どんな光もコヒーレント状態の統計に近づける方向に働き、Poisson の光は Poisson のまま変わらない。

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