各章の役割と読み方
AI 生成・木下が未勉強
近似の数理 第1章 §1.4 ★★ 章の依存関係と、どこから読めるか
| 章 | 内容 | 型 | 主な数学的道具 |
| 2 | 解けない方程式を調べる方法 | 道具 | 不動点定理、Grönwall、弱解、コンパクト性 |
| 3 | 量子力学の作用素論 | 土台 | 自己共役性、Hardy 不等式、min-max、HVZ |
| 4 | Rayleigh–Ritz・Galerkin・LCAO | A | Céa の補題、交互定理、カスプ条件 |
| 5 | Hartree–Fock の変分構造 | A(曲がった集合) | 縮約密度行列、Lieb の変分原理 |
| 6 | 平均場極限・Thomas–Fermi | B | Wasserstein 距離、BBGKY、半古典極限 |
| 7 | Born–Oppenheimer・境界層・WKB | B | 接合漸近展開、多重尺度、断熱定理 |
| 8 | Boltzmann 方程式から流体方程式へ | B | H 定理、Hilbert・Chapman–Enskog 展開 |
| 9 | 均質化・乱流モデル・DFT | B と C | 弱収束、セル問題、Hohenberg–Kohn |
| 10 | 講義の近似を読む(ヘリウム・Hartree・HF) | A と B | 展開、遮蔽、交換積分の正値性 |
| 11 | 何がどこまで正当化されているか | 総括 |
第2章と第3章は、以後の章が使う数学の道具を用意する。関数解析を学んでいない読者を想定し、ヒルベルト空間・定義域・弱収束などの語は使う前に定義する。第4章以降は、第2・3章の該当箇所を参照しながらどの章からでも読める。量子化学の近似に関心があれば第3→4→5→6章、流体の近似に関心があれば第2→7→8→9章の順が自然である。第10章は、講義「分子エレクトロニクス」第2回で使われたヘリウム・Hartree・Hartree–Fock の近似を、この巻の枠組みで一つずつ読み直すケーススタディで、第3〜6章の結果を具体的な原子に当てはめる。
重要度バッジは、この巻では巻の主題(物理の近似を微分方程式・作用素の理論から意味付けること)にとっての中心性で付けている。★★★ は主題の骨格、★★ は骨格を支える重要な道具や例、★ は補強・発展である。例題は全問この巻のための自作で、各問題の冒頭に「オリジナル」の印を付けている。
記法
内積は数学の流儀で (第1引数について反線形)と書き、物理のブラケット と同じものを表す。ノルムは 。原子単位()を使い、エネルギーの単位は hartree()である。 は「ある定数 について 」、 は「0 に収束する量」を表す。
例題 1.4 原子単位と の記法 ★
オリジナル
- (1) ヘリウム原子の基底エネルギーは原子単位で hartree である。これを eV で表せ。
- (2) で、 はすべての自然数 について であることを示せ。
- (3) は で だが ではないことを示せ。
解答
(1) hartree eV なので eV(検算スクリプト)。第10章で扱うヘリウムの近似は、この値との差で良し悪しを測る。
(2) とおくと で、これは で 0 に収束するので有界である。よって となる定数 がある。例題「漸近級数の最適な打ち切り」の誤差 は、べき級数の言葉では「どの次数でも見えない」大きさであることがこれで分かる。
(3) ()なので 。一方 なので、 となる定数 は無く、 ではない。B 型の誤差評価では、収束の速さにこうした対数の因子が付くことがあり、 の だけでは収束の速さを言い尽くせない。
木下の勉強ステータス
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