例題
AI 生成・木下が未勉強
近似の数理 第1章 §1.5 ★★ 3つの型の区別を手で確かめる
例題 1.5 ガウス変分のエネルギー ★★
オリジナル非調和振動子 (1.1) について、規格化した試行関数 ()を考える。
- (1) 、、 を示せ。
- (2) のとき を最小化し、厳密な基底エネルギー が得られることを確かめよ。
- (3) が小さいとき、最小値を の1次まで求め、1次摂動の結果と一致することを示せ。
解答
(1) は分散 の正規分布の密度なので、、4次モーメントは である。運動エネルギーは部分積分で となり、 より 。
(2) を で微分して 0 とおくと 、。このとき 。 は調和振動子の基底状態そのものなので、試行関数の集合が厳密解を含み、変分の結果は厳密になる。
(3) とおくと、 での最小点が なので である。 で、 は で停留しているから 。第2項は 。よって で、1次摂動 と一致する。2次の係数は一致しない。同じ計算を2次まで進めると 、 となり、厳密な係数 に届かない(検算スクリプト)。試行関数がガウス形に縛られているので、基底状態の形の歪み( 成分の混入)を表せないためである。
例題 1.6 漸近級数の最適な打ち切り ★
オリジナルある量 の漸近級数の係数が であるとする。
- (1) を固定したとき、第 項 が最小になる を求めよ。
- (2) その最小の項の大きさが 程度であることを Stirling の公式で示せ。これを「最適打ち切りの誤差」という。
解答
(1) 隣り合う項の比は 。これが 1 より小さい間は項が減り、 で増え始める。よって で最小になる。
(2) とおくと、Stirling の公式 より
交代級数では、最小の項で打ち切ったときの誤差はその項と同程度なので、誤差は 程度になる。 ではどんなべき よりも速く 0 に近づくが、 を固定すると より小さくはできない。非調和振動子の係数は 程度で増えるので、同じ議論で が最適な次数になり、 では となる。これは表1.1で誤差が最小になる次数(2〜3次)と合う。
例題 1.7 近似の型の判定 ★★
オリジナル次の近似が A 型・B 型・C 型のどれにあたるかを判定し、そう判定する理由を、近似の誤差を何が抑えるか(または何も抑えないか)で述べよ。
- (1) 水素分子イオン H の電子の波動関数を、2つの水素原子の 1s 軌道の線型結合 で表し、エネルギーを最小化する。
- (2) 地球を回る人工衛星の軌道計算で、地球を質点とみなす。
- (3) 乱流中の応力を、平均流の速度勾配に比例する「渦粘性」で表す。
解答
(1) A 型(線型部分空間への射影)。試行関数は2次元の線型部分空間 に制限され、変分原理(第3章の min-max 原理)により得られるエネルギーは真の基底エネルギーの上界になる。部分空間を広げれば(軌道指数を最適化する、2p 軌道を足すなど)単調に改善する。誤差は「その部分空間で真の波動関数をどこまで表せるか」で抑えられる(第4章)。
(2) B 型(極限)。小さいパラメータは「地球の半径と扁平率に起因する重力の非球対称成分」÷「中心の質点の重力」で、軌道半径を 、地球の半径を とすると四重極の補正は 程度()である。誤差はこのパラメータの大きさで抑えられ、低軌道で長時間積分すると補正が累積して効果が現れる(極限の近似が、長時間では破れる例)。
(3) C 型(閉じる)。平均化した Navier–Stokes 方程式には Reynolds 応力という未知量が現れ、それを平均流の量で表す式を仮定することで方程式を閉じている。この仮定を正当化する小さいパラメータは無く、誤差を抑える定理も無い(第9章)。
木下の勉強ステータス
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