物理的直観の位置
AI 生成・木下が未勉強
近似の数理 第11章 §11.3 ★★ 第1章の問い (iii) への答え
第1章では、物理的直観は A 型では「良い部分空間を選ぶこと」、B 型では「小さいパラメータを見つけること」にあたると述べた。各章を通して、この対応はもう少し具体的になった。
A 型で直観が選ぶ部分空間は、真の解の特異性をどれだけ表せるかで良し悪しが決まる。原子軌道(Slater 型)は核のカスプを正しく表すので LCAO はよい出発点になるが、電子どうしのカスプは1電子軌道の積では表せないので、CI の収束は遅い(第4章)。直観が「電子は原子のまわりにいる」ことまでは捉えても、「電子どうしがぶつかる点で波動関数が尖る」ことは捉えにくい。
B 型で直観が見つける小さいパラメータには、それが小さいことが成り立たなくなる場所が付随する。Born–Oppenheimer 近似は電子状態のギャップが閉じる円錐交差で、境界層理論は剥離点で、流体近似は衝撃波の内部や壁近傍で破綻する(第7・8章)。これらはどれも、小さいパラメータの効果が局所的に増幅される場所である。物理の直観は大域的なパラメータの大きさを見積もるのは得意だが、局所的に近似が破れる場所は、方程式の構造(ギャップ・係数の符号・特異点)を調べて初めて分かることが多い。
講義のフントの規則(第10章)は、直観が誤った理由付けをする例だった。「平行スピンの電子は近寄らないので反発が減る」という説明は、三重項のエネルギーが低いという結論は正しく予測するが、精密な計算ではエネルギーが下がる仕組みが違う。結論が正しいことは、理由付けが正しいことを意味しない。近似を数学の側から見る価値は、結論だけでなく理由付けを検査できる点にある。
例題 11.3 小さいパラメータが局所的に大きくなる場所 ★★
オリジナル調和振動子 ()の準位 を WKB 近似で扱う。WKB 近似が使える条件は、局所的な波長 の変化が緩やかなこと、すなわち である(第7章)。ここで 、転回点は 。
- (1) を計算し、転回点に近づくと発散することを示せ。
- (2) となる点 と転回点の距離 が、 が大きいとき となることを示せ。
- (3) で と を数値で求め、古典的に許される領域 のうち WKB が使えない部分の割合を求めよ。
解答
(1) 。 で なので発散する。準位がどれほど高くても( がどれほど小さくても)転回点の近くでは条件が破れる。
(2) とおくと 、分子の は で近似できるので、条件 は 。両辺を 乗して 、よって 。
(3) 、。方程式 を数値で解くと 、 で、(2) の漸近形 とよく合う(検算スクリプト)。両端を合わせて 、つまり許される領域の約 6.5% で WKB が使えない。大域的な小さいパラメータ を見ているだけでは、この局所的な破れは見えない。破れる場所は「」という方程式の構造から決まり、第7章でこの領域を Airy 関数でつなぐ必要があったのはこのためである。
木下の勉強ステータス
木下はまだこの記事を勉強していません。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com
← AI生成教科書『虎の巻』の記事一覧へ