近似を使うときの手順
AI 生成・木下が未勉強
近似の数理 第11章 §11.4 ★★ この巻の結論を実際の計算に持ち帰る
近似を評価する手順
- その近似が A・B・C のどの型かを判定する。同じ名前の近似が2つの型をもつ場合(Hartree–Fock、 展開)は両方の見方を確認する。
- A 型なら:部分空間を広げて収束を確かめる(基底の外挿)。上界しか得られないので、可能なら Temple や Weinstein の下界で誤差の幅を見積もる(第4章)。エネルギーが合っても波動関数は合っていないことがある(誤差の2乗則)。
- B 型なら:小さいパラメータの実際の値を見積もり、次の次数の補正の大きさを評価する。パラメータが局所的に大きくなる場所(ギャップの閉じる点、境界、衝撃波)が無いかを確認する。漸近級数は次数を上げると悪化しうる(第1・7章)。
- C 型なら:厳密に解ける極限での一致と、厳密条件を満たすかを確認する。ベンチマーク(精密計算・実験)との比較を、適用範囲の外では信用しない。
例題 11.4 エネルギーが合っても波動関数は合っていない ★★★
オリジナル調和振動子 の基底状態(、)を、幅のずれた規格化ガウス関数 、 で近似する。第1章の例題より 、 である。
- (1) エネルギーの誤差 を で表せ。
- (2) 厳密解 との重なり について を示し、 の についての最低次を求めよ。
- (3) のとき、エネルギーの相対誤差、、 の相対誤差を比べよ。
- (4) 偶関数の範囲で次の固有値が であることを使い、 を示して、(3) の値で確かめよ。
解答
(1) なので 。誤差は の2次から始まる。 が変分の停留点だからである。
(2) 2つのガウス関数の積の積分は
で、 を入れると 。対数をとって展開すると 、よって 。
(3) では (相対誤差 1.7%)、、(6.4%)、 は厳密値 から 20% ずれている(検算スクリプト)。エネルギーの誤差は波動関数の誤差の2乗の大きさなので小さく見えるが、 のようなエネルギー以外の量の誤差は の1次で現れる。エネルギーが合っていることは、他の物理量が合っていることを保証しない。
(4) は偶関数なので、偶の固有関数 で と展開でき、。。右辺は で、左辺 より確かに小さい。最低次では両辺とも で一致する。幅のずれは主に の混入として現れるからである。この不等式を逆に読むと、エネルギーの誤差から波動関数の誤差 の上限が出る。これは第4章の Temple の不等式と同じく、次の固有値の情報を使って誤差の幅を見積もる方法である。
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