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第1種の過誤と第2種の過誤

2026年10月17日9分で読めますAI生成教科書『資格試験』第12章 仮説検定の考え方と平均の検定
目次
  1. 2種類の誤り
  2. 第2種の過誤の確率を計算する
  3. を決める4つの要素
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第12章 §12.3 ★★★ 第1種の過誤の確率 α\alpha は自分で決めるが、第2種の過誤の確率 β\beta は真の母数の値ごとに決まり、nn を増やすことでしか α\alpha を保ったまま小さくすることができない

2種類の誤り

検定の結論と真実の組み合わせは4通りある。

H0H_0 を棄却しないH0H_0 を棄却する
H0H_0 が正しい正しい判断(確率 1−α1-\alpha)第1種の過誤(確率 α\alpha)
H1H_1 が正しい第2種の過誤(確率 β\beta)正しい判断(確率 1−β1-\beta=検出力)

定義 12.4(過誤の確率と検出力)

母平均が μ\mu のときの確率を PμP_\mu と書く。

  1. 第1種の過誤は、H0H_0 が正しいのに H0H_0 を棄却することで、その確率 Pμ0(棄却)P_{\mu_0}(\text{棄却}) が有意水準 α\alpha である。
  2. 第2種の過誤は、H1H_1 が正しいのに H0H_0 を棄却しないことで、その確率を β(μ)=Pμ(棄却しない)\beta(\mu)=P_\mu(\text{棄却しない})(μ\mu は H1H_1 の値)と書く。
  3. 1−β(μ)=Pμ(棄却)1-\beta(\mu)=P_\mu(\text{棄却}) を、μ\mu での検出力と呼ぶ。

α\alpha と β\beta は条件が違う確率なので、足して 11 になる関係はない。H0H_0 が正しいときに棄却しない確率は 1−α1-\alpha で、β\beta ではない。

記号の違い

この巻では2級の慣習に合わせて、β\beta を第2種の過誤の確率、1−β1-\beta を検出力と書く。数理統計の解説 第7章は、棄却する確率を母数の関数とみた検出力関数そのものを β(θ)\beta(\theta) と書く(この巻の 1−β(μ)1-\beta(\mu) に当たる)。1級の答案では問題文の定義に従う。

第2種の過誤の確率を計算する

α\alpha と β\beta の扱いは非対称である。α\alpha は「0.050.05 にする」と決めればそのとおりになる。H0H_0 が μ\mu を1つの値に固定しているので、その値のもとで棄却域の確率を 0.050.05 に合わせることができるからである。一方、β\beta を計算するには「H1H_1 が正しいときの分布」が要るが、H1:μ≠μ0H_1:\mu\ne\mu_0 は分布を1つに決めない。したがって β\beta は、真の μ\mu の値を1つ指定して初めて計算できる、μ\mu の関数である。

母分散既知の正規母集団で、H0:μ=μ0H_0:\mu=\mu_0、H1:μ>μ0H_1:\mu>\mu_0 を有意水準 α\alpha で検定する場合に β(μ)\beta(\mu) を求める。棄却域は Z=(Xˉ−μ0)/(σ/n)>zαZ=(\bar X-\mu_0)/(\sigma/\sqrt n)>z_\alpha、Xˉ\bar X について書けば

Xˉ>c,c=μ0+zασn\bar X>c,\qquad c=\mu_0+z_\alpha\frac{\sigma}{\sqrt n}

である。真の母平均が μ\mu のとき Xˉ∼N(μ,σ2/n)\bar X\sim\mathrm N(\mu,\sigma^2/n) なので、Xˉ\bar X を真の μ\mu で標準化して

Pμ(Xˉ≤c)=P ⁣(Xˉ−μσ/n≤c−μσ/n)=Φ ⁣(μ0−μσ/n+zα)P_\mu(\bar X\le c)=P\!\left(\frac{\bar X-\mu}{\sigma/\sqrt n}\le\frac{c-\mu}{\sigma/\sqrt n}\right)=\Phi\!\left(\frac{\mu_0-\mu}{\sigma/\sqrt n}+z_\alpha\right)

を得る。δ=(μ−μ0)n/σ\delta=(\mu-\mu_0)\sqrt n/\sigma と置くと、

β(μ)=Φ(zα−δ),1−β(μ)=Φ(δ−zα),δ=(μ−μ0)nσ(12.2)\beta(\mu)=\Phi(z_\alpha-\delta),\qquad 1-\beta(\mu)=\Phi(\delta-z_\alpha),\qquad \delta=\frac{(\mu-\mu_0)\sqrt n}{\sigma}\tag{12.2}

である。両側の対立仮説 H1:μ≠μ0H_1:\mu\ne\mu_0 で棄却域が ∣Z∣>zα/2\lvert Z\rvert >z_{\alpha/2} のときは、同じ標準化で

β(μ)=Pμ(−zα/2≤Z≤zα/2)=Φ(zα/2−δ)−Φ(−zα/2−δ)(12.3)\beta(\mu)=P_\mu\bigl(-z_{\alpha/2}\le Z\le z_{\alpha/2}\bigr)=\Phi(z_{\alpha/2}-\delta)-\Phi(-z_{\alpha/2}-\delta)\tag{12.3}

となる。Z=(Xˉ−μ0)/(σ/n)Z=(\bar X-\mu_0)/(\sigma/\sqrt n) は、真の μ\mu のもとでは N(δ,1)\mathrm N(\delta,1) に従うからである。

図 12.1 は、菓子の例で μ0=200\mu_0=200、σ/n=1\sigma/\sqrt n=1、α=0.05\alpha=0.05 の上側検定と、真の母平均 μ=202\mu=202 の場合を描いたものである。臨界値 c=201.645c=201.645 の右で H0H_0 の分布の下の面積が α\alpha、左で真の分布の下の面積が β\beta である。

図

図 12.1 上側の zz 検定(μ0=200\mu_0=200、σ/n=1\sigma/\sqrt n=1、α=0.05\alpha=0.05)の2つの過誤。臨界値の右で実線の下の面積が第1種の過誤の確率 α=0.05\alpha=0.05、左で破線の下の面積が真の μ=202\mu=202 での第2種の過誤の確率 β=0.361\beta=0.361 である。

β\beta を決める4つの要素

式 (12.2) の β=Φ(zα−δ)\beta=\Phi(z_\alpha-\delta) は zαz_\alpha について増加し、δ\delta について減少する。このことから β\beta の動き方が次のように読み取れる。

  1. α\alpha を小さくすると zαz_\alpha が大きくなり、β\beta は増える。図 12.1 では縦線が右へ動き、破線の下の左側の面積が広がる。2つの誤りの確率の一方を減らすと、他方が増える。
  2. 真の差 μ−μ0\mu-\mu_0 が大きいほど δ\delta が大きく、β\beta は小さい。小さな差ほど見逃しやすい。
  3. σ\sigma が小さいほど δ\delta が大きく、β\beta は小さい。
  4. nn を大きくすると δ\delta が n\sqrt n に比例して大きくなり、β\beta は小さくなる。α\alpha は自分で決めた値なので、nn を変えても変わらない。α\alpha を保ったまま β\beta を小さくする方法は、nn を増やすことである。

検出力 1−β(μ)1-\beta(\mu) を μ\mu の関数として描いたものを検出力曲線と呼ぶ。図 12.2 は、上の上側検定の検出力曲線を n=36n=36 と n=81n=81 で比べたものである。2本の曲線はどちらも μ=200\mu=200 で高さ α=0.05\alpha=0.05 を通り、nn が大きい方が μ>200\mu>200 で速く 11 に近づく。

図

図 12.2 上側の zz 検定(μ0=200\mu_0=200、σ=6\sigma=6、α=0.05\alpha=0.05)の検出力曲線。点は μ=202\mu=202 での検出力(n=36n=36 で 0.6390.639、n=81n=81 で 0.9120.912)。どちらの曲線も μ=μ0\mu=\mu_0 で α\alpha を通る。

検出力を指定した値にするための nn は、式 (12.2) を nn について解いて求めることができる。この逆算は第16章で詳しく扱い、この章では章末の総合問題で1回通す。

例題 12.3 第2種の過誤の確率を計算する ★★★

オリジナル菓子の例で、H0:μ=200H_0:\mu=200、H1:μ>200H_1:\mu>200 を有意水準 5%5\% で検定する(σ=6\sigma=6)。

  1. n=36n=36 のとき、Xˉ\bar X についての棄却域を求めよ。
  2. 真の母平均が μ=202\mu=202 のとき、第2種の過誤の確率と検出力を求めよ。
  3. n=81n=81 に増やしたとき、(2) はどう変わるか。
  4. n=36n=36 のまま有意水準を 1%1\% にすると、(2) はどう変わるか。
解答

(1) σ/n=1\sigma/\sqrt n=1 なので c=200+1.645×1=201.645c=200+1.645\times1=201.645。棄却域は Xˉ>201.645\bar X>201.645 である。

(2) δ=(202−200)36/6=2\delta=(202-200)\sqrt{36}/6=2 なので、式 (12.2) から

β(202)=Φ(1.645−2)=Φ(−0.355)=0.361,1−β(202)=0.639.\beta(202)=\Phi(1.645-2)=\Phi(-0.355)=0.361,\qquad 1-\beta(202)=0.639.

真の母平均が 2 g2\,\mathrm g 多くても、約 36%36\% の確率でそれを見逃す。

(3) σ/n=6/9=2/3\sigma/\sqrt n=6/9=2/3、δ=2×9/6=3\delta=2\times9/6=3 なので β(202)=Φ(1.645−3)=Φ(−1.355)=0.088\beta(202)=\Phi(1.645-3)=\Phi(-1.355)=0.088、検出力は 0.9120.912 である。α\alpha は 0.050.05 のままである。

(4) z0.01=2.326z_{0.01}=2.326 に取り替えると β(202)=Φ(2.326−2)=Φ(0.326)=0.628\beta(202)=\Phi(2.326-2)=\Phi(0.326)=0.628 で、検出力は 0.3720.372 に下がる。第1種の過誤を厳しく抑えると、第2種の過誤が増える。

確認テスト

オリジナル

  1. 12.3-1 次の文の正誤を答えよ。(a) 標本の大きさを増やすと、第1種の過誤の確率は小さくなる。(b) 有意水準を小さくすると、第2種の過誤の確率は大きくなる。(c) α+β=1\alpha+\beta=1 である。(d) 第2種の過誤の確率は真の母数の値によって変わる。
  2. 12.3-2 例題 12.3 と同じ設定(σ=6\sigma=6、n=36n=36、α=0.05\alpha=0.05)で、対立仮説を両側 H1:μ≠200H_1:\mu\ne200 にしたとき、真の μ=202\mu=202 での第2種の過誤の確率を式 (12.3) で求め、片側の場合と比べよ(Φ(−0.04)=0.4840\Phi(-0.04)=0.4840、Φ(−3.96)=0.00004\Phi(-3.96)=0.00004)。
  3. 12.3-3 新薬の臨床試験で、H0H_0「新薬は従来薬と効果が同じ」、H1H_1「新薬の方が効果が大きい」とする。次の誤りはそれぞれ第何種の過誤か。(a) 本当は効果が同じなのに、新薬の方が効果が大きいと結論した。(b) 本当は新薬の方が効果が大きいのに、効果に差があるとはいえないとした。
  4. 12.3-4 式 (12.2) の検出力 1−β(μ)=Φ(δ−zα)1-\beta(\mu)=\Phi(\delta-z_\alpha) について、(i) μ\mu について増加すること、(ii) μ=μ0\mu=\mu_0 で α\alpha に等しいこと、(iii) μ>μ0\mu>\mu_0 を固定して n→∞n\to\infty とすると 11 に近づくことを示せ。

木下の勉強ステータス

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