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検出力の計算

2026年10月17日8分で読めますAI生成教科書『資格試験』第16章 実験計画と時系列・データの諸話題
目次
  1. 必要な標本の大きさ
  2. 2群の比較
  3. 母比率の検定の検出力
  4. 確認テスト
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第16章 §16.3 ★★★ 検出力の条件 Δn−zα≥zβ\Delta\sqrt n-z_\alpha\ge z_\beta を nn について解くと、必要な標本の大きさ n≥{(zα+zβ)σ/δ}2n\ge\{(z_\alpha+z_\beta)\sigma/\delta\}^2 が出る

必要な標本の大きさ

実験を計画するときは、「平均が δ\delta だけずれていたら、検出力 1−β1-\beta 以上で見つけたい」という要求を先に決め、それを満たす nn を求める。(16.4) で μ−μ0=δ>0\mu-\mu_0=\delta>0 とすると、検出力が 1−β1-\beta 以上になる条件は

Φ ⁣(n δσ−zα)≥1−β\Phi\!\left(\frac{\sqrt n\,\delta}{\sigma}-z_\alpha\right)\ge1-\beta

である。Φ(zβ)=1−β\Phi(z_\beta)=1-\beta(zβz_\beta は上側 100β%100\beta\% 点)で、Φ\Phi は増加関数なので、この条件は n δ/σ−zα≥zβ\sqrt n\,\delta/\sigma-z_\alpha\ge z_\beta と同値である。n\sqrt n について解いて2乗する。

定理 16.6(片側 zz 検定で必要な標本の大きさ)

片側 zz 検定(有意水準 α\alpha)が、差 δ>0\delta>0 を検出力 1−β1-\beta 以上で検出するための条件は

n≥{(zα+zβ) σδ}2(16.6)n\ge\left\{\frac{(z_\alpha+z_\beta)\,\sigma}{\delta}\right\}^2\tag{16.6}

で、これを満たす最小の整数(右辺の切り上げ)が必要な標本の大きさである。両側検定では、(16.5) の第2項を無視する近似のもとで zαz_\alpha を zα/2z_{\alpha/2} に替える。

(16.6) から、必要な nn について次のことを読み取ることができる。nn は (σ/δ)2(\sigma/\delta)^2 に比例するので、検出したい差を半分にすると nn は4倍になる。α\alpha や β\beta を小さくすると zα+zβz_\alpha+z_\beta が大きくなり、nn が増える。よく使う値は z0.05=1.645z_{0.05}=1.645、z0.025=1.960z_{0.025}=1.960、z0.2=0.8416z_{0.2}=0.8416(検出力 0.80.8)、z0.1=1.2816z_{0.1}=1.2816(検出力 0.90.9)である。

注意

σ\sigma が未知で tt 検定を使うときは、H1H_1 のもとでの検定統計量の分布が tt 分布からずれた分布(非心 tt 分布)になり、(16.4) は近似になる。2級では σ\sigma を既知とした (16.6) で見当をつければ十分である。非心分布による正確な計算は1級の範囲である(数理統計の解説 第9章 §9.2 では、FF 検定の検出力を同じ考え方の非心 χ2\chi^2 分布で扱う)。

2群の比較

独立な2群(各群 nn 個、共通の既知の分散 σ2\sigma^2)の平均の差を比べるときは、Xˉ−Yˉ\bar X-\bar Y の分散が 2σ2/n2\sigma^2/n である(第10章 §10.5)。1標本の式で σ2\sigma^2 を 2σ22\sigma^2 に置き換えればよく、

n≥2{(zα+zβ) σδ}2(各群)(16.7)n\ge2\left\{\frac{(z_\alpha+z_\beta)\,\sigma}{\delta}\right\}^2\qquad\text{(各群)}\tag{16.7}

となる。2群を比べるには、1群の平均を既知の値と比べるときの各群2倍、合計4倍の個体が要る。§16.1 の対応のある比較なら、差の分散が 2σ2(1−ρ)2\sigma^2(1-\rho) なので、必要な対の数は (16.7) の (1−ρ)(1-\rho) 倍になる。

母比率の検定の検出力

母比率の検定 H0:p=p0H_0:p=p_0、H1:p>p0H_1:p>p_0 では、第8章の二項分布の正規近似を使う。H0H_0 のもとで p^≈N(p0,p0q0/n)\hat p\approx\mathrm{N}(p_0,p_0q_0/n)(q0=1−p0q_0=1-p_0)なので、棄却域は p^≥c\hat p\ge c、c=p0+zαp0q0/nc=p_0+z_\alpha\sqrt{p_0q_0/n} である。真の値が p1>p0p_1>p_0 のとき p^≈N(p1,p1q1/n)\hat p\approx\mathrm{N}(p_1,p_1q_1/n) で、標準偏差が H0H_0 のもとと違うことに注意が要る。

1−β=P(p^≥c)≈Φ ⁣(p1−cp1q1/n)=Φ ⁣(n (p1−p0)−zαp0q0p1q1).(16.8)1-\beta=P(\hat p\ge c)\approx\Phi\!\left(\frac{p_1-c}{\sqrt{p_1q_1/n}}\right)=\Phi\!\left(\frac{\sqrt n\,(p_1-p_0)-z_\alpha\sqrt{p_0q_0}}{\sqrt{p_1q_1}}\right).\tag{16.8}

これが 1−β1-\beta 以上になる条件 {n(p1−p0)−zαp0q0}/p1q1≥zβ\{\sqrt n(p_1-p_0)-z_\alpha\sqrt{p_0q_0}\}/\sqrt{p_1q_1}\ge z_\beta を解いて

n≥{zαp0q0+zβp1q1p1−p0}2(16.9)n\ge\left\{\frac{z_\alpha\sqrt{p_0q_0}+z_\beta\sqrt{p_1q_1}}{p_1-p_0}\right\}^2\tag{16.9}

を得る。母平均の場合と違い、zαz_\alpha には H0H_0 のもとの標準偏差、zβz_\beta には H1H_1 のもとの標準偏差が掛かる。

例題 16.3 必要な標本の大きさを逆算する ★★★

オリジナル

  1. 例題 16.2 の充填量の検査(σ=10\sigma=10、片側、有意水準 5%5\%)で、平均が 55 mL 上にずれたとき検出力 0.80.8 以上で検出したい。必要な本数を求めよ。
  2. 同じ σ\sigma で、両側検定(有意水準 5%5\%)で δ=5\delta=5 を検出力 0.90.9 以上で検出するには何本要るか。
  3. ある広告の反応率は従来 p0=0.5p_0=0.5 である。新しい広告で反応率が p1=0.6p_1=0.6 に上がっていたら、片側有意水準 5%5\%、検出力 0.80.8 で検出したい。何人に見せればよいか。
解答

(1) (16.6) で z0.05=1.645z_{0.05}=1.645、z0.2=0.8416z_{0.2}=0.8416、σ/δ=2\sigma/\delta=2 とすると

n≥{(1.645+0.8416)×2}2=4.97302=24.73n\ge\{(1.645+0.8416)\times2\}^2=4.9730^2=24.73

なので 2525 本である。例題 16.2 (3) で n=25n=25 の検出力が 0.8040.804 だったことと合っている。

(2) z0.025=1.960z_{0.025}=1.960、z0.1=1.2816z_{0.1}=1.2816 で

n≥{(1.960+1.2816)×2}2=6.48322=42.03n\ge\{(1.960+1.2816)\times2\}^2=6.4832^2=42.03

なので 4343 本である。n=43n=43 のとき (16.5) の第2項は Φ(−0.543−1.960)=Φ(−5.24)\Phi(-0.5\sqrt{43}-1.960)=\Phi(-5.24) で、10−710^{-7} 程度なので無視してよい。

(3) p0q0=0.25=0.5\sqrt{p_0q_0}=\sqrt{0.25}=0.5、p1q1=0.24=0.4899\sqrt{p_1q_1}=\sqrt{0.24}=0.4899 を (16.9) に入れると

n≥(1.645×0.5+0.8416×0.48990.1)2=(0.8224+0.41230.1)2=12.3472=152.46n\ge\left(\frac{1.645\times0.5+0.8416\times0.4899}{0.1}\right)^2=\left(\frac{0.8224+0.4123}{0.1}\right)^2=12.347^2=152.46

なので 153153 人である。比率の差 0.10.1 は、標準偏差 0.50.5 に比べて効果量 0.20.2 程度の小さな差なので、百数十人の規模が要る。

確認テスト

オリジナル

  1. 16.3-1 (16.4) から (16.6) を導け。また、検出したい差 δ\delta を 1/31/3 にすると必要な nn は何倍になるかを答えよ。
  2. 16.3-2 σ=8\sigma=8 の正規母集団で、両側検定(有意水準 1%1\%)が差 δ=3\delta=3 を検出力 0.90.9 以上で検出するのに必要な nn を求めよ(z0.005=2.576z_{0.005}=2.576)。
  3. 16.3-3 2つの製法の平均強度を比べる。各群同数で σ=10\sigma=10 は共通かつ既知とする。両側有意水準 5%5\% で差 55 を検出力 0.80.8 以上で検出するには、各群何個要るか。
  4. 16.3-4 不良率 p0=0.2p_0=0.2 の工程が改悪されて p1=0.3p_1=0.3 になったことを、片側有意水準 5%5\%、検出力 0.90.9 で検出したい。何個を検査すればよいか。

木下の勉強ステータス

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