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確率母関数、積率母関数、特性関数

2026年10月15日15分で読めますAI生成教科書『資格試験』第2章 確率分布と期待値
目次
  1. 確率母関数
  2. 積率母関数
  3. 特性関数
  4. 無限分解可能性
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

数理統計 第2章 §2.4 ★★★ 母関数を微分して積率を出す・独立和の母関数は積・母関数が一致すれば分布が一致する。再生性の証明の定石

分布を確率関数や密度のまま扱うと、独立な確率変数の和の分布は畳み込みの和・積分になり、計算が重い。母関数は分布を1つの関数に変換し、畳み込みを関数の積に置き換える。期待値の形で定義されるので、§2.3 の計算規則をそのまま使うことができる。

確率母関数

定義 2.14(確率母関数)

非負の整数値をとる XX について

GX(s)≔E[sX]=∑k=0∞P(X=k)sk(∣s∣≤1)(2.14)G_X(s)\coloneqq E[s^X]=\sum_{k=0}^\infty P(X=k)s^k\qquad(\lvert s\rvert \le1)\tag{2.14}

を XX の確率母関数と呼ぶ。

∣s∣≤1\lvert s\rvert \le1 では係数の和が1なので、級数は絶対収束する。確率母関数はべき級数で、係数が確率そのものなので、

P(X=k)=GX(k)(0)k!(2.15)P(X=k)=\frac{G_X^{(k)}(0)}{k!}\tag{2.15}

によって確率関数が戻る。したがって確率母関数が一致すれば分布が一致する。点 s=1s=1 の近くで項別微分すると

GX′(1)=∑kkP(X=k)=E[X],GX′′(1)=∑kk(k−1)P(X=k)=E[X(X−1)](2.16)G_X'(1)=\sum_kkP(X=k)=E[X],\qquad G_X''(1)=\sum_kk(k-1)P(X=k)=E[X(X-1)]\tag{2.16}

となる(s↑1s\uparrow1 の左極限として読む。積率が有限なら値は一致する)。分散は

V[X]=G′′(1)+G′(1)−G′(1)2V[X]=G''(1)+G'(1)-G'(1)^2

となる。E[X(X−1)⋯(X−r+1)]E[X(X-1)\cdots(X-r+1)] を rr 次の階乗積率と呼ぶ。離散分布では、階乗積率の方が通常の積率より計算しやすいことが多い。

ポアソン分布 Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda) では

G(s)=∑k=0∞e−λ(λs)kk!=e−λeλs=eλ(s−1)G(s)=\sum_{k=0}^\infty e^{-\lambda}\frac{(\lambda s)^k}{k!}=e^{-\lambda}e^{\lambda s}=e^{\lambda(s-1)}

である。G′(1)=λ, G′′(1)=λ2G'(1)=\lambda,\ G''(1)=\lambda^2 から、E[X]=V[X]=λE[X]=V[X]=\lambda を得る。

積率母関数

定義 2.15(積率母関数・キュムラント母関数)

原点を含むある開区間 ∣t∣<h\lvert t\rvert <h の上で、常に E[etX]E[e^{tX}] が有限になるとする。このとき

MX(t)≔E[etX](∣t∣<h)(2.17)M_X(t)\coloneqq E[e^{tX}]\qquad(\lvert t\rvert <h)\tag{2.17}

を XX の積率母関数と呼ぶ。KX(t)≔log⁡MX(t)K_X(t)\coloneqq\log M_X(t) をキュムラント母関数と呼ぶ。

積率母関数の名前は、次の展開に由来する。指数関数の展開の期待値を項別に取ると

MX(t)=E[∑rtrXrr!]=∑rE[Xr]trr!M_X(t)=E\Bigl[\sum_r \frac{t^rX^r}{r!}\Bigr]=\sum_r E[X^r]\frac{t^r}{r!}

となり、tr/r!t^r/r! の係数が rr 次積率になる。0の近傍で有限であるという条件の下で、この項別の操作は正当化でき、

MX(r)(0)=E[Xr](r=1,2,… )(2.18)M_X^{(r)}(0)=E[X^r]\qquad(r=1,2,\dots)\tag{2.18}

が成り立つ。特にすべての次数の積率が存在する。キュムラント母関数については、M(0)=1M(0)=1 を使って

K′(0)=M′(0)M(0)=E[X],K′′(0)=M′′(0)M(0)−M′(0)2M(0)2=E[X2]−E[X]2=V[X]K'(0)=\frac{M'(0)}{M(0)}=E[X],\qquad K''(0)=\frac{M''(0)M(0)-M'(0)^2}{M(0)^2}=E[X^2]-E[X]^2=V[X]

となり、平均と分散が1回・2回の微分で直接出る。微分係数 K(r)(0)K^{(r)}(0) を rr 次のキュムラントと呼ぶ。

定理 2.16(積率母関数の基本性質)

  1. 定数 a,ba,b について MaX+b(t)=ebtMX(at)M_{aX+b}(t)=e^{bt}M_X(at)。
  2. 独立な X,YX,Y がともに積率母関数を持つならば MX+Y(t)=MX(t)MY(t)M_{X+Y}(t)=M_X(t)M_Y(t)。
  3. (一意性)2つの確率変数の積率母関数が0のある近傍で一致すれば、2つは同じ分布に従う。

(1) は et(aX+b)=ebte(at)Xe^{t(aX+b)}=e^{bt}e^{(at)X} の期待値を取ればよい。(2) は次のように示す。2つが独立なら、関数 etXe^{tX} と etYe^{tY} も独立である。命題 2.9 (3) から次が従う。

E[etXetY]=E[etX]E[etY]E[e^{tX}e^{tY}]=E[e^{tX}]E[e^{tY}]

(3) の証明には複素解析(ラプラス変換の一意性)が要るので、本書では結果として使う。1級の答案でも、次のように書けば十分である。

積率母関数が N(μ,σ2)\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) のものと一致するので、一意性から X∼N(μ,σ2)X\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2)。

(2) と (3) を組み合わせると、和の分布を同定する定石ができる。独立な X1,…,XnX_1,\dots,X_n の積率母関数を掛ける。結果が既知の分布の積率母関数の形になっていれば、一意性から和はその分布に従う。和をとっても同じ族に留まる性質を再生性と呼ぶ。

再生性の示し方(答案の型)

  1. 各 XiX_i の積率母関数 MXi(t)M_{X_i}(t) を定義から計算する(どの範囲で有限かも書く)。
  2. 独立性を明記して M∑Xi(t)=∏iMXi(t)M_{\sum X_i}(t)=\prod_iM_{X_i}(t) と掛ける。
  3. 積が既知の分布の積率母関数の形であることを示し、一意性(定理 2.16 (3))で分布を結論する。

例:独立な Xi∼Po(λi)X_i\sim\mathrm{Po}(\lambda_i) では MXi(t)=eλi(et−1)M_{X_i}(t)=e^{\lambda_i(e^t-1)} である。積は

e(∑λi)(et−1)\textstyle e^{(\sum\lambda_i)(e^t-1)}

なので、∑Xi∼Po(∑λi)\sum X_i\sim\mathrm{Po}(\sum\lambda_i)。

正規分布の積率母関数を導いておく。Z∼N(0,1)Z\sim\mathrm{N}(0,1) について、指数の部分を平方完成すると

MZ(t)=∫−∞∞etz12πe−z2/2 dz=et2/2∫−∞∞12πe−(z−t)2/2 dz=et2/2M_Z(t)=\int_{-\infty}^\infty e^{tz}\frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{-z^2/2}\,\mathrm{d} z =e^{t^2/2}\int_{-\infty}^\infty\frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{-(z-t)^2/2}\,\mathrm{d} z=e^{t^2/2}

である(最後の積分は N(t,1)\mathrm{N}(t,1) の密度の積分で1)。X=μ+σZ∼N(μ,σ2)X=\mu+\sigma Z\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) の積率母関数は、定理 2.16 (1) から

MX(t)=exp⁡(μt+σ2t22)(t∈R)(2.19)M_X(t)=\exp\Bigl(\mu t+\frac{\sigma^2t^2}2\Bigr)\qquad(t\in\mathbb{R})\tag{2.19}

となる。キュムラント母関数は KX(t)=μt+σ2t2/2K_X(t)=\mu t+\sigma^2t^2/2 という2次式になる。3次以上のキュムラントがすべて0であることが、正規分布の特徴である。

独立な Xi∼N(μi,σi2)X_i\sim\mathrm{N}(\mu_i,\sigma_i^2) と定数 aia_i を考える。1次結合 ∑aiXi\sum a_iX_i の積率母関数は

exp⁡{(∑aiμi)t+(∑ai2σi2)t2/2}\textstyle\exp\{(\sum a_i\mu_i)t+(\sum a_i^2\sigma_i^2)t^2/2\}

である。したがって次が成り立つ。

∑aiXi∼N(∑aiμi, ∑ai2σi2)\textstyle\sum a_iX_i\sim\mathrm{N}(\sum a_i\mu_i,\ \sum a_i^2\sigma_i^2)

積率がすべて存在しても積率母関数が存在するとは限らない

X∼N(μ,σ2)X\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) とし、Y=eXY=e^X と置く。YY は対数正規分布に従う。式 (2.19) で t=kt=k とおくと

E[Yk]=E[ekX]=exp⁡(kμ+k2σ2/2)E[Y^k]=E[e^{kX}]=\exp(k\mu+k^2\sigma^2/2)

で、すべての次数で有限になる。しかし t>0t>0 では E[etY]=∞E[e^{tY}]=\infty で、積率母関数は存在しない(確認テスト 2.4-4)。

さらに対数正規分布には、同じ積率の列を持つ別の分布が存在することが知られている。積率の列だけでは分布が決まらない場合がある。定理 2.16 (3) の一意性は、「0の近傍で積率母関数が有限」という仮定を前提にしている。

特性関数

積率母関数は存在しないことがあるので、どの分布にも定義できる変換として、指数を純虚数にしたものを使う。

定義 2.17(特性関数)

φX(t)≔E[eitX]=E[cos⁡tX]+iE[sin⁡tX](t∈R)(2.20)\varphi_X(t)\coloneqq E[e^{\mathrm{i} tX}]=E[\cos tX]+\mathrm{i} E[\sin tX]\qquad(t\in\mathbb{R})\tag{2.20}

を XX の特性関数と呼ぶ(i\mathrm{i} は虚数単位)。

∣eitX∣=1\lvert e^{\mathrm{i} tX}\rvert =1 なので期待値は常に存在し、∣φX(t)∣≤1, φX(0)=1\lvert \varphi_X(t)\rvert \le1,\ \varphi_X(0)=1 である。積率母関数と同じく、次の2つの性質を持つ。

  • φaX+b(t)=eibtφX(at)\varphi_{aX+b}(t)=e^{\mathrm{i} bt}\varphi_X(at)。
  • 独立和の特性関数は積になる。

さらに次の2つが成り立つ(証明は確率論の教科書に譲る)。

定理 2.18(特性関数の一意性と積率)

  1. 特性関数が一致する2つの分布は一致する。さらに ∫∣φX(t)∣ dt<∞\int\lvert \varphi_X(t)\rvert \,\mathrm{d} t<\infty ならば、次の連続な密度を持つ(反転公式)。

f(x)=12π∫e−itxφX(t) dtf(x)=\frac1{2\pi}\int e^{-\mathrm{i} tx}\varphi_X(t)\,\mathrm{d} t 2. E[∣X∣r]<∞E[\lvert X\rvert ^r]<\infty ならば、特性関数は rr 回微分可能である。その微分係数は φX(r)(0)=irE[Xr]\varphi_X^{(r)}(0)=\mathrm{i}^rE[X^r]。

積率母関数が存在する分布では φX(t)=MX(it)\varphi_X(t)=M_X(\mathrm{i} t) が成り立つ。例えば N(μ,σ2)\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) の特性関数は exp⁡(iμt−σ2t2/2)\exp(\mathrm{i}\mu t-\sigma^2t^2/2) である。積率母関数が存在しない例として、コーシー分布の特性関数は φ(t)=e−∣t∣\varphi(t)=e^{-\lvert t\rvert } で、原点で微分可能でない。

これは期待値が存在しないこと(確認テスト 2.3-1)と対応している。特性関数は第5章で中心極限定理を証明するときの道具になる(特性関数の各点収束が分布の収束を意味する、という連続性定理を使う)。

無限分解可能性

再生性を逆向きに使う概念も定義しておく。

定義 2.19(無限分解可能)

任意の正の整数 nn について、独立同分布な Yn,1,…,Yn,nY_{n,1},\dots,Y_{n,n} があって

X=dYn,1+⋯+Yn,nX\overset{d}{=}Y_{n,1}+\dots+Y_{n,n}

と書けるとき、XX の分布は無限分解可能であるという。特性関数で言えば、任意の nn について

φX(t)={φn(t)}n\varphi_X(t)=\{\varphi_n(t)\}^n

となる特性関数 φn\varphi_n があることである。

ポアソン分布 Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda) は、Po(λ/n)\mathrm{Po}(\lambda/n) に従う独立な確率変数の和と同じ分布である。実際、積率母関数は

eλ(et−1)={e(λ/n)(et−1)}ne^{\lambda(e^t-1)}=\{e^{(\lambda/n)(e^t-1)}\}^n

で、右辺の括弧の中は Po(λ/n)\mathrm{Po}(\lambda/n) の積率母関数だからである。正規分布とガンマ分布(形の母数を nn で割る)も無限分解可能である(確認テスト 2.4-5)。

一方、有界な台を持つ非退化な分布(二項分布や一様分布など)は無限分解可能でない。答案で「無限分解可能であることを示せ」と問われたら、母関数を nn 乗根の形に書き、根の側が同じ族の母関数になっていることを示せばよい。

例題 2.4 ガンマ分布の積率母関数と再生性 ★★★

オリジナルX∼Ga(α,β)X\sim\mathrm{Ga}(\alpha,\beta) とする。すなわち密度は次のとおりである。

f(x)=xα−1e−x/βΓ(α)βα(x>0)f(x)=\frac{x^{\alpha-1}e^{-x/\beta}}{\Gamma(\alpha)\beta^\alpha}\qquad(x>0)

  1. t<1/βt<1/\beta で MX(t)=(1−βt)−αM_X(t)=(1-\beta t)^{-\alpha} となることを示せ。
  2. キュムラント母関数から平均と分散を求めよ。
  3. Xi∼Ga(αi,β)X_i\sim\mathrm{Ga}(\alpha_i,\beta)(i=1,…,ni=1,\dots,n)が独立のとき、その和の分布を求めよ。これを使い、Ex(λ)\mathrm{Ex}(\lambda) に従う独立な nn 個の和の分布を答えよ。
解答

(1) 定義から

MX(t)=∫0∞xα−1Γ(α)βαe−x(1/β−t) dx.M_X(t)=\int_0^\infty\frac{x^{\alpha-1}}{\Gamma(\alpha)\beta^\alpha}e^{-x(1/\beta-t)}\,\mathrm{d} x.

t<1/βt<1/\beta のとき 1/β−t>01/\beta-t>0 なので、積分は収束する。新しい尺度を

β′=11/β−t=β1−βt\beta'=\frac1{1/\beta-t}=\frac{\beta}{1-\beta t}

とおく。被積分関数は Ga(α,β′)\mathrm{Ga}(\alpha,\beta') の密度の β′α/βα\beta'^\alpha/\beta^\alpha 倍で、密度の積分は1なので

MX(t)=(β′β)α=(1−βt)−α(t<1/β).M_X(t)=\Bigl(\frac{\beta'}{\beta}\Bigr)^\alpha=(1-\beta t)^{-\alpha}\qquad(t<1/\beta).

t≥1/βt\ge1/\beta では被積分関数が無限遠で減衰しないので、積分は発散する。

(2) K(t)=−αlog⁡(1−βt)K(t)=-\alpha\log(1-\beta t) を微分すると

K′(t)=αβ1−βt,K′′(t)=αβ2(1−βt)2.K'(t)=\frac{\alpha\beta}{1-\beta t},\qquad K''(t)=\frac{\alpha\beta^2}{(1-\beta t)^2}.

t=0t=0 を代入して E[X]=αβ, V[X]=αβ2E[X]=\alpha\beta,\ V[X]=\alpha\beta^2。

(3) 独立性から積率母関数は積になり、t<1/βt<1/\beta で

M∑Xi(t)=∏i=1n(1−βt)−αi=(1−βt)−∑iαi.M_{\sum X_i}(t)=\prod_{i=1}^n(1-\beta t)^{-\alpha_i}=(1-\beta t)^{-\sum_i\alpha_i}.

これは Ga(∑iαi,β)\mathrm{Ga}(\sum_i\alpha_i,\beta) の積率母関数なので、一意性から和はこの分布に従う。尺度がそろっていることが必要で、尺度が違う指数分布の和はガンマ分布にならない。

指数分布 Ex(λ)\mathrm{Ex}(\lambda) の密度は、Ga(1,1/λ)\mathrm{Ga}(1,1/\lambda) の密度と一致する。よって独立な nn 個の和は Ga(n,1/λ)\mathrm{Ga}(n,1/\lambda) に従う。特に Ga(n/2,2)\mathrm{Ga}(n/2,2) は、自由度 nn のカイ二乗分布である(第3章・第5章)。この結果から、独立なカイ二乗分布の和について次も従う。

χm2+χn2∼χm+n2\chi^2_m+\chi^2_n\sim\chi^2_{m+n}

例題 2.5 確率母関数による間引きの分布 ★★

オリジナルある日に窓口へ来る客の数 NN が Po(λ)\mathrm{Po}(\lambda) に従う。各客は他と独立に確率 pp で書類を提出する。提出すれば Bj=1B_j=1、しなければ Bj=0B_j=0 とする。B1,B2,…B_1,B_2,\dots は客の数と独立とする。

書類の数 S=B1+⋯+BNS=B_1+\dots+B_N(客が0人なら S=0S=0)について、次の問いに答えよ。

  1. GS(s)=GN(GB(s))G_S(s)=G_N(G_B(s)) を示せ。ここで GBG_B は BjB_j の確率母関数である。
  2. 書類の数の分布を求め、その期待値を答えよ。
解答

(1) N=nN=n で条件付けると S=B1+⋯+BnS=B_1+\dots+B_n である。各項は独立なので

E[sS∣N=n]=∏j=1nE[sBj]=GB(s)nE[s^S\mid N=n]=\prod_{j=1}^nE[s^{B_j}]=G_B(s)^n

となる(客の数と各 BjB_j が独立なので、条件付けても BjB_j の分布は変わらない)。全確率の公式で客の数について平均すると

GS(s)=∑n=0∞P(N=n) GB(s)n=GN(GB(s)).G_S(s)=\sum_{n=0}^\infty P(N=n)\,G_B(s)^n=G_N(G_B(s)).

(2) GB(s)=(1−p)+psG_B(s)=(1-p)+ps、GN(u)=eλ(u−1)G_N(u)=e^{\lambda(u-1)} なので

GS(s)=exp⁡{λ((1−p)+ps−1)}=exp⁡{λp(s−1)}.G_S(s)=\exp\{\lambda((1-p)+ps-1)\}=\exp\{\lambda p(s-1)\}.

これは Po(λp)\mathrm{Po}(\lambda p) の確率母関数である。係数から確率関数が決まる(式 (2.15))ので、S∼Po(λp)S\sim\mathrm{Po}(\lambda p) で

E[S]=GS′(1)=λp.E[S]=G_S'(1)=\lambda p.

ポアソン分布の個数を確率 pp で間引くと、ポアソン分布のまま平均が pp 倍になる。期待値だけなら E[S]=E[E[S∣N]]=E[Np]=λpE[S]=E[E[S\mid N]]=E[Np]=\lambda p でも出るが、分布まで決めるには母関数が必要である。

確認テスト

オリジナル

  1. 2.4-1 (a) 区間 (0,1)(0,1) 上の一様分布の積率母関数を求めよ。(b) 区間 (−1,1)(-1,1) 上の一様分布の特性関数が、原点以外で sin⁡t/t\sin t/t であることを示せ。
  2. 2.4-2 二項分布 Bin(n,p)\mathrm{Bin}(n,p) の確率母関数を求め、式 (2.16) から平均と分散を導け。
  3. 2.4-3 X∼Ex(λ)X\sim\mathrm{Ex}(\lambda) の積率母関数を求め、E[Xk]=k!/λkE[X^k]=k!/\lambda^k を示せ。さらに歪度が2であることを示せ。
  4. 2.4-4 X∼N(μ,σ2)X\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2)、Y=eXY=e^X とする。(a) E[Y]E[Y] と V[Y]V[Y] を求めよ。μ=0,σ=1\mu=0,\sigma=1 のときの値も答えよ。(b) t>0t>0 で E[etY]=∞E[e^{tY}]=\infty を示せ。
  5. 2.4-5 正規分布 N(μ,σ2)\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) とガンマ分布 Ga(α,β)\mathrm{Ga}(\alpha,\beta) が無限分解可能であることを、積率母関数を使って示せ。

木下の勉強ステータス

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