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変数変換

2026年10月15日11分で読めますAI生成教科書『資格試験』第2章 確率分布と期待値
目次
  1. 離散型の変換
  2. 分布関数法
  3. 単調変換の公式
  4. 単調でない変換
  5. 期待値は変換後の分布を求めなくても計算できる
  6. 確認テスト
  7. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

数理統計 第2章 §2.5 ★★★ 分布関数法と単調変換の公式 fY=fX(g−1)∣dg−1/dy∣f_Y=f_X(g^{-1})\lvert \mathrm{d} g^{-1}/\mathrm{d} y\rvert。台の変換と、単調でない変換の分け方まで

確率変数 XX の分布が分かっているとき、変換した Y=g(X)Y=g(X) の分布を求める。この操作は、統計量の分布(第5章)・枢軸量(第8章)・尤度の再母数化(第6章)のすべてに現れる。多変数の変換(ヤコビアン)は第4章で扱い、本節では1変数に限る。

離散型の変換

XX が離散型なら Y=g(X)Y=g(X) も離散型で、

P(Y=y)=∑k: g(xk)=yP(X=xk)P(Y=y)=\sum_{k:\,g(x_k)=y}P(X=x_k)

である。変換が1対1なら右辺は1項だけで、そうでなければ同じ値に移る点の確率を足し合わせる(確認テスト 2.5-1)。

分布関数法

連続型の場合に、どんな変換にも使える基本の方法は、変換後の分布関数をもとの確率変数の確率に書き直すことである。

FY(y)=P(g(X)≤y)=P(X∈{x:g(x)≤y})(2.21)F_Y(y)=P(g(X)\le y)=P\bigl(X\in\{x:g(x)\le y\}\bigr)\tag{2.21}

右辺の集合を xx の区間として書き表し、もとの分布関数で確率を計算する。FYF_Y が求まれば、微分して密度 fY=FY′f_Y=F_Y' を得る。集合 {x:g(x)≤y}\{x:g(x)\le y\} を正しく書くことがすべてで、図を描いて確認するのが確実である(図 2.2)。

単調変換の公式

定理 2.20(単調変換)

XX は密度 fXf_X を持つとする。台を含む開区間 II で、変換 gg が狭義単調かつ微分可能で、その逆関数も微分可能とする。このとき Y=g(X)Y=g(X) は、y∈g(I)y\in g(I) で

fY(y)=fX(g−1(y)) ∣ddyg−1(y)∣(2.22)f_Y(y)=f_X\bigl(g^{-1}(y)\bigr)\,\Bigl|\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} y}g^{-1}(y)\Bigr|\tag{2.22}

を密度に持ち、それ以外の yy では fY(y)=0f_Y(y)=0 である。

証明

増加の場合。事象 g(X)≤yg(X)\le y は X≤g−1(y)X\le g^{-1}(y) と同値である。よって FY(y)=FX(g−1(y))F_Y(y)=F_X(g^{-1}(y)) で、微分すると連鎖律から

fY(y)=fX(g−1(y))⋅ddyg−1(y)f_Y(y)=f_X(g^{-1}(y))\cdot\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} y}g^{-1}(y)

となる。増加関数の逆関数の導関数は非負なので、絶対値を付けても同じである。

減少の場合。事象 g(X)≤yg(X)\le y は X≥g−1(y)X\ge g^{-1}(y) と同値なので

FY(y)=1−FX(g−1(y))F_Y(y)=1-F_X(g^{-1}(y))

となる(連続型なので等号の有無は関係しない)。微分すると

fY(y)=−fX(g−1(y))⋅ddyg−1(y)f_Y(y)=-f_X(g^{-1}(y))\cdot\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} y}g^{-1}(y)

で、今度は導関数が非正なので、これも絶対値の形に一致する。

絶対値の付いた微分係数は、幅 dx\mathrm{d} x が幅 dy\mathrm{d} y に伸び縮みする比率である。変換で保たれるのは確率

fX(x)∣dx∣=fY(y)∣dy∣f_X(x)\lvert \mathrm{d} x\rvert =f_Y(y)\lvert \mathrm{d} y\rvert

だと読めば、式 (2.22) を覚え直す必要は無い。答案では次の4段を省かずに書く。

  1. (i) 逆関数 x=g−1(y)x=g^{-1}(y) を書く。
  2. (ii) dx/dy\mathrm{d} x/\mathrm{d} y を計算する。
  3. (iii) 代入して整理する。
  4. (iv) 変換後の台を書く。

(iv) を落とすと、得た密度が規格化されているかを確かめることができなくなる。

位置と尺度の変換 Y=a+bXY=a+bX(b≠0b\ne0)では、逆関数と微分係数が

g−1(y)=(y−a)/b,dx/dy=1/bg^{-1}(y)=(y-a)/b,\qquad \mathrm{d} x/\mathrm{d} y=1/b

なので

fY(y)=1∣b∣fX(y−ab)(2.23)f_Y(y)=\frac1{\lvert b\rvert }f_X\Bigl(\frac{y-a}b\Bigr)\tag{2.23}

である。Z∼N(0,1)Z\sim\mathrm{N}(0,1) から、X=μ+σZX=\mu+\sigma Z の密度

12πσe−(x−μ)2/(2σ2)\frac1{\sqrt{2\pi}\sigma}e^{-(x-\mu)^2/(2\sigma^2)}

が出るのはこの式による。1つの密度 ff から式 (2.23) で作られる分布の集まりを位置尺度族と呼ぶ。

単調でない変換

変換が単調でなくてもよい。台をいくつかの区間 I1,I2,…I_1,I_2,\dots に分け、各区間の上で狭義単調なら、各区間からの寄与を足して

fY(y)=∑j: y∈g(Ij)fX(gj−1(y))∣ddygj−1(y)∣(2.24)f_Y(y)=\sum_{j:\,y\in g(I_j)}f_X\bigl(g_j^{-1}(y)\bigr)\Bigl|\frac{\mathrm{d} }{\mathrm{d} y}g_j^{-1}(y)\Bigr|\tag{2.24}

となる。gj−1g_j^{-1} は、区間 IjI_j に制限した変換の逆関数である。和は、その値に移る点が存在する区間についてだけ取る。

最も多く使うのは Y=X2Y=X^2 である。台を I1=(−∞,0)I_1=(-\infty,0) と I2=(0,∞)I_2=(0,\infty) に分ける。y>0y>0 で逆関数は ∓y\mp\sqrt y である。その微分の絶対値はどちらも 1/(2y)1/(2\sqrt y) なので

fY(y)=fX(y)+fX(−y)2y(y>0)(2.25)f_Y(y)=\frac{f_X(\sqrt y)+f_X(-\sqrt y)}{2\sqrt y}\qquad(y>0)\tag{2.25}

となる。分布関数法で書けば

FY(y)=P(−y≤X≤y)=FX(y)−FX(−y)F_Y(y)=P(-\sqrt y\le X\le\sqrt y)=F_X(\sqrt y)-F_X(-\sqrt y)

で、これを微分しても同じ式が出る。台が原点について対称でないときは、値の範囲によって逆像の個数が変わる。そのときは式 (2.24) の和の項数を場合分けする(確認テスト 2.5-2)。

図

図 2.2 Y=X2Y=X^2 の分布関数法。事象 {Y≤y}\{Y\le y\} は xx 軸上の区間 [−y,y][-\sqrt y,\sqrt y](赤)に対応するのでFY(y)=FX(y)−FX(−y)F_Y(y)=F_X(\sqrt y)-F_X(-\sqrt y)。1つの yy に2つの xx が移るので、密度は2項の和 (2.25) になる。

期待値は変換後の分布を求めなくても計算できる

E[g(X)]E[g(X)] を求めるだけなら、式 (2.10) でもとの密度に対して積分すれば足り、変換後の密度を経由する必要は無い。単調な変換について両者が一致することは、∫yfY(y) dy\int yf_Y(y)\,\mathrm{d} y に式 (2.22) を代入し、y=g(x)y=g(x) と置換すれば確かめることができる。置換積分 dy=g′(x)dx\mathrm{d} y=g'(x)\mathrm{d} x から出る因子と、式 (2.22) の微分係数 1/∣g′(x)∣1/\lvert g'(x)\rvert が打ち消し合うからである。答案で分布を問われていないなら、変換後の密度を求めずに直接積分する方が速い。

例題 2.6 対数正規分布の密度・中央値・平均 ★★★

オリジナルX∼N(μ,σ2)X\sim\mathrm{N}(\mu,\sigma^2) とし、Y=eXY=e^X とおく。

  1. YY の密度を求めよ。
  2. 中央値と平均を求め、どちらが大きいかを答えよ。
  3. μ=0, σ=1\mu=0,\ \sigma=1 のとき P(Y≤2)P(Y\le2) を求めよ。
解答

(1) 指数関数は実数全体で狭義増加で、値域は (0,∞)(0,\infty)。逆関数は x=log⁡yx=\log y、その微分係数は 1/y1/y である。式 (2.22) から

fY(y)=12πσexp⁡{−(log⁡y−μ)22σ2}⋅1y(y>0)f_Y(y)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp\Bigl\{-\frac{(\log y-\mu)^2}{2\sigma^2}\Bigr\}\cdot\frac1y\qquad(y>0)

で、y≤0y\le0 では fY(y)=0f_Y(y)=0 である。

(2) 変換は増加なので P(Y≤eμ)=P(X≤μ)=1/2P(Y\le e^\mu)=P(X\le\mu)=1/2 で、中央値は eμe^\mu。平均は変換後の分布を使わずに求める。式 (2.19) の積率母関数で t=1t=1 とおけば

E[Y]=E[eX]=MX(1)=eμ+σ2/2.E[Y]=E[e^X]=M_X(1)=e^{\mu+\sigma^2/2}.

σ>0\sigma>0 なので平均は eμe^\mu より大きく、中央値を上回る。これは Jensen の不等式(指数関数は凸)の E[eX]≥eE[X]E[e^X]\ge e^{E[X]} の具体例であり、対数正規分布が右に長い裾を持つことの表れである。

(3) Φ\Phi を標準正規分布の分布関数とすると

P(Y≤2)=P(X≤log⁡2)=Φ(log⁡2)=Φ(0.6931)=0.7559.P(Y\le2)=P(X\le\log2)=\Phi(\log2)=\Phi(0.6931)=0.7559.

例題 2.7 標準正規の2乗の分布 ★★★

オリジナルZ∼N(0,1)Z\sim\mathrm{N}(0,1)、Y=Z2Y=Z^2 とする。

  1. 密度を求め、Y∼Ga(1/2,2)Y\sim\mathrm{Ga}(1/2,2) であることを示せ。
  2. E[etZ2]E[e^{tZ^2}] を標準正規の密度で直接計算し、(1) の結果と整合することを確かめよ。
  3. P(Y≤1.9602)P(Y\le1.960^2) を求めよ。
解答

(1) 式 (2.25) に fZ(z)=e−z2/2/2πf_Z(z)=e^{-z^2/2}/\sqrt{2\pi} を入れる。fZ(±y)=e−y/2/2πf_Z(\pm\sqrt y)=e^{-y/2}/\sqrt{2\pi} なので

fY(y)=2e−y/2/2π2y=12πy−1/2e−y/2(y>0).f_Y(y)=\frac{2e^{-y/2}/\sqrt{2\pi}}{2\sqrt y}=\frac{1}{\sqrt{2\pi}}y^{-1/2}e^{-y/2}\qquad(y>0).

一方、Ga(1/2,2)\mathrm{Ga}(1/2,2) の密度は

y−1/2e−y/2Γ(1/2)21/2\frac{y^{-1/2}e^{-y/2}}{\Gamma(1/2)2^{1/2}}

である。Γ(1/2)=π\Gamma(1/2)=\sqrt\pi なので分母は 2π\sqrt{2\pi} になり、上の式と一致する。よって Y∼Ga(1/2,2)=χ12Y\sim\mathrm{Ga}(1/2,2)=\chi^2_1。この計算は、逆に Γ(1/2)=π\Gamma(1/2)=\sqrt\pi を規格化条件から導く方法にもなっている。

(2) t<1/2t<1/2 で、指数をまとめると

E[etZ2]=∫−∞∞12πe−(1−2t)z2/2 dz=(1−2t)−1/2E[e^{tZ^2}]=\int_{-\infty}^\infty\frac1{\sqrt{2\pi}}e^{-(1-2t)z^2/2}\,\mathrm{d} z=(1-2t)^{-1/2}

となる(被積分関数は N(0,1/(1−2t))\mathrm{N}(0,1/(1-2t)) の密度の (1−2t)−1/2(1-2t)^{-1/2} 倍)。これは例題 2.4 (1) の Ga(1/2,2)\mathrm{Ga}(1/2,2) の積率母関数と一致する。一意性からも (1) の結論を確かめることができる。

(3) 次のように求まる。

P(Y≤1.9602)=P(∣Z∣≤1.960)=1−2×0.025=0.95P(Y\le1.960^2)=P(\lvert Z\rvert \le1.960)=1-2\times0.025=0.95

したがって χ12\chi^2_1 の上側5%点は χ12(0.05)=1.9602=3.841\chi^2_1(0.05)=1.960^2=3.841 である。

確認テスト

オリジナル

  1. 2.5-1 X∼Bin(3,1/2)X\sim\mathrm{Bin}(3,1/2) のとき、Y=(X−1)2Y=(X-1)^2 の確率関数を求めよ。

  2. 2.5-2 確率変数が区間 (−1,2)(-1,2) 上の一様分布に従うとき、Y=X2Y=X^2 の密度を求め、積分が1になることを確かめよ。

  3. 2.5-3 X∼Ex(1)X\sim\mathrm{Ex}(1)、Y=XY=\sqrt X とする。YY の密度を求めよ。期待値 E[Y]E[Y] を次の2通りで計算せよ。

    1. (a) YY の密度から。
    2. (b) 式 (2.10) でもとの密度から。
  4. 2.5-4 確率変数が区間 (−π/2,π/2)(-\pi/2,\pi/2) 上の一様分布に従うとする。Y=tan⁡XY=\tan X の密度が、コーシー分布の密度になることを示せ。

  5. 2.5-5 U∼U(0,1)U\sim\mathrm{U}(0,1) のとき、Y=−2log⁡UY=-2\log U の分布を求めよ。どの χ2\chi^2 分布か答えよ。

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