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√の差の有理化と、長さか角度か

2025年度 高2解説2026年10月6日17分で読めます塾講師木下微分
目次
  1. 1. 上陸地点を B と C の間に限ってよい理由
  2. 2. 角度を変数にとる解き方
  3. 3. 「分子の有理化」が使えるのはいつか
  4. 4. 場合分けに自分で気付く
  5. 5. 長さを変数にとるか、角度を変数にとるか

この頁は、授業で扱った問題(沖の島から小船で岸へ渡り、岸沿いを歩いて目的地へ向かうときの最短時間を求める問題1塾の授業で扱った問題は塾の教材なので、数値を変えた類題に差し替えています。下の脚注へ)の補足です。まず設定と結論を確認しておきます。

島 A から海岸へ下ろした垂線の足を B とし、AB=a\mathrm{AB}=a とします。目的地 C は海岸上にあり BC=b\mathrm{BC}=b です。船の速さは時速 33 km、歩く速さは時速 55 km で、上陸地点 P を BP=x\mathrm{BP}=x の位置に選ぶと、かかる時間は

T(x)=x2+a23+b−x5(0≦x≦b)\begin{aligned}T(x)&=\dfrac{\sqrt{x^2+a^2}}{3}+\dfrac{b-x}{5}\qquad (0\leqq x\leqq b)\end{aligned}

です。微分すると

T′(x)=x3x2+a2−15=5x−3x2+a215x2+a2\begin{aligned}T'(x)&=\dfrac{x}{3\sqrt{x^2+a^2}}-\dfrac{1}{5}\\&=\dfrac{5x-3\sqrt{x^2+a^2}}{15\sqrt{x^2+a^2}}\end{aligned}

となり、分子が 00 になるのは x=34ax=\dfrac{3}{4}a のときだけです。この点が区間 0≦x≦b0\leqq x\leqq b の中にあるかどうかで答えが分かれ、b>34ab>\dfrac{3}{4}a なら B から 34a\dfrac34a の点に、b≦34ab\leqq\dfrac{3}{4}a なら C に直接上陸するのが最も速い、というのが結論でした。以下では、この解答の途中で軽く流した点を一つずつ掘り下げます。

1. 上陸地点を B と C の間に限ってよい理由

解答では最初から 0≦x≦b0\leqq x\leqq b としました。B より左(C と反対側)や C より右に上陸する可能性を捨ててよいのは、そうした地点には必ず「それより速い区間内の地点」が見つかるからです。

図1図1 B の左の上陸点 P′' と、B について対称な点 P

B の左に距離 xx だけ離れた点 P′' に上陸したとします。B について P′' と対称な点 P を考えると、AB が海岸に垂直なので AP′=AP\mathrm{AP'}=\mathrm{AP} で、船に乗っている時間は等しくなります。ところが上陸後に歩く距離は、P′' からなら b+xb+x、P からなら ∣b−x∣|b-x| で、後者のほうが短い。したがって P′' は P に負けます。

図2図2 C を越えた点 P に上陸して歩いて戻る場合と、C に直接上陸する場合

C を越えた点 P に上陸する場合は、C に直接上陸する場合と比べます。B から遠い点ほど A からも遠いので AC<AP\mathrm{AC}<\mathrm{AP} で、船の時間は C のほうが短い。しかも C に上陸すれば歩く必要がありません。こちらも区間内の点 C に負けます。

どちらの比較も、「船の距離」と「歩く距離」の両方で同時に勝つ相手を見つけているので、速さ 3, 53,\ 5 の値には関係なく成り立ちます。

2. 角度を変数にとる解き方

同じ問題を、長さ xx でなく角度で解くこともできます。この方針をとった人は、以下の流れと自分の答案を比べてください。

図3図3 A での角 θ=∠BAP\theta=\angle\mathrm{BAP} と θ0=∠BAC\theta_0=\angle\mathrm{BAC}

θ=∠BAP\theta=\angle\mathrm{BAP} とおきます。P が B から C まで動くと θ\theta は 00 から θ0=∠BAC\theta_0=\angle\mathrm{BAC} まで動くので、変域は 0≦θ≦θ00\leqq\theta\leqq\theta_0(ただし tan⁡θ0=ba\tan\theta_0=\dfrac{b}{a})です。直角三角形 ABP から AP=acos⁡θ\mathrm{AP}=\dfrac{a}{\cos\theta}、BP=atan⁡θ\mathrm{BP}=a\tan\theta なので、かかる時間は

T(θ)=a3cos⁡θ+b−atan⁡θ5T(\theta)=\dfrac{a}{3\cos\theta}+\dfrac{b-a\tan\theta}{5}

です。これを微分して整理すると

T′(θ)=a(5sin⁡θ−3)15cos⁡2θT'(\theta)=\dfrac{a\left(5\sin\theta-3\right)}{15\cos^2\theta}

となり、符号は sin⁡θ−35\sin\theta-\dfrac35 だけで決まります。sin⁡θ1=35\sin\theta_1=\dfrac35 となる角 θ1\theta_1(0<θ1<π20<\theta_1<\dfrac\pi2)を境に TT は減少から増加に変わります。cos⁡θ1=45\cos\theta_1=\dfrac45、tan⁡θ1=34\tan\theta_1=\dfrac34 なので、これは x=atan⁡θ1=34ax=a\tan\theta_1=\dfrac{3}{4}a に当たります。

微分を使わない見方もあります。tan⁡θ=sin⁡θcos⁡θ\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta} を使って通分すると

T(θ)=b5+a5⋅53−sin⁡θcos⁡θT(\theta)=\dfrac{b}{5}+\dfrac{a}{5}\cdot\dfrac{\frac53-\sin\theta}{\cos\theta}

と書けます。sin⁡θ−53cos⁡θ−0\dfrac{\sin\theta-\frac53}{\cos\theta-0} は、点 (0, 53)\left(0,\,\frac53\right) と単位円上の点 (cos⁡θ, sin⁡θ)(\cos\theta,\,\sin\theta) を結ぶ直線の傾きです。傾きは負なので、53−sin⁡θcos⁡θ\dfrac{\frac53-\sin\theta}{\cos\theta} はその直線の傾きの大きさ(急さ)を表します。

図4図4 点 (0, 53)\left(0,\,\frac53\right) から単位円の四分円へ引いた直線。最もゆるやかになるのは接点 (45, 35)\left(\frac45,\,\frac35\right) を通るとき

点 (0, 53)\left(0,\,\frac53\right) から四分円上の点へ引いた直線が最もゆるやかになるのは、直線が円に接するときです。接点では半径と直線が直交するので、原点 O・接点 T・点 D(0, 53)\mathrm D\left(0,\,\frac53\right) は斜辺 OD=53\mathrm{OD}=\frac53、OT=1\mathrm{OT}=1(半径)の直角三角形を作ります。cos⁡∠DOT=15/3=35\cos\angle\mathrm{DOT}=\dfrac{1}{5/3}=\dfrac35 で、この角は YY 軸から測った角なので、T の YY 座標は 35\dfrac35 です。つまり接点は (45, 35)\left(\frac45,\,\frac35\right) で、sin⁡θ=35\sin\theta=\dfrac35 の点です。θ0≧θ1\theta_0\geqq\theta_1 ならこの接点が変域に入り、θ0<θ1\theta_0<\theta_1 なら変域の右端 θ0\theta_0(C に上陸)が最も速くなります。どの方法で解いても、極値の点が変域に入るかどうかの場合分けは避けられません。

3. 「分子の有理化」が使えるのはいつか

 − \sqrt{\ }-\sqrt{\ } の符号の調べ方

A≧0, B≧0A\geqq0,\ B\geqq0(ただし A, BA,\,B が同時に 00 ではない)のとき

A−B=A−BA+B\sqrt A-\sqrt B=\dfrac{A-B}{\sqrt A+\sqrt B}

で、右辺の分母は正なので、A−B\sqrt A-\sqrt B の符号は A−BA-B の符号と一致する。

授業で扱った問題の T′(x)T'(x) の分子 5x−3x2+a25x-3\sqrt{x^2+a^2} もこの形に直せます。ただしそれは、x≧0x\geqq0 なので 5x=25x25x=\sqrt{25x^2} と書けるからです。3x2+a2=9x2+9a23\sqrt{x^2+a^2}=\sqrt{9x^2+9a^2} と合わせると

5x−3x2+a2=16x2−9a25x+3x2+a25x-3\sqrt{x^2+a^2}=\dfrac{16x^2-9a^2}{5x+3\sqrt{x^2+a^2}}

となって、符号は 16x2−9a216x^2-9a^2 で決まります。xx が負になりうる場面でこの手順を機械的にまねると、次のような誤りに陥ります。関数

f(x)=2x+5−x2(−5≦x≦5)\begin{aligned}f(x)&=2x+\sqrt{5-x^2}\qquad (-\sqrt5\leqq x\leqq\sqrt5)\end{aligned}

の増減を調べる場合で見てみましょう。

×よくある誤り×

−5<x<5-\sqrt5<x<\sqrt5 で微分すると

f′(x)=2−x5−x2=25−x2−x5−x2⋯(i)\begin{aligned}f'(x)&=2-\dfrac{x}{\sqrt{5-x^2}}\\&=\dfrac{2\sqrt{5-x^2}-x}{\sqrt{5-x^2}}\qquad\cdots(\mathrm{i})\end{aligned}

分子を有理化して

25−x2−x=4(5−x2)−x225−x2+x=5(4−x2)25−x2+x⋯(ii)\begin{aligned}2\sqrt{5-x^2}-x&=\dfrac{4(5-x^2)-x^2}{2\sqrt{5-x^2}+x}\\&=\dfrac{5(4-x^2)}{2\sqrt{5-x^2}+x}\qquad\cdots(\mathrm{ii})\end{aligned}

「分母は正」とみなすと、f′(x)f'(x) の符号は 4−x24-x^2 の符号となり、x=−2x=-2 で極小、x=2x=2 で極大……

崩れているのは(ii) の「分母は正」の部分です。25−x2+x2\sqrt{5-x^2}+x が正だと言えるのは x≧0x\geqq0 のときだけで、x<0x<0 では正とは限りません。実際、x=−2x=-2 を代入すると 2⋅1+(−2)=02\cdot1+(-2)=0 で分母が 00 になり、(ii) の式は意味を失います((i) で直接計算すると f′(−2)=2−−21=4f'(-2)=2-\dfrac{-2}{1}=4 で、00 ではありません)。さらに −5<x<−2-\sqrt5<x<-2 では分母が負です。公式 A−B=A−BA+B\sqrt A-\sqrt B=\dfrac{A-B}{\sqrt A+\sqrt B} で分母が正になるのは足し合わせる2つがどちらも  \sqrt{\ } だからで、xx を x2\sqrt{x^2} と書き換えてよいのは x≧0x\geqq0 のときに限られます。正しくは x=0x=0 を境に場合を分けます。

正しい議論

⑴ −5<x<0-\sqrt5<x<0 のとき (i) の分子は 25−x2>02\sqrt{5-x^2}>0 と −x>0-x>0 の和なので正。よって f′(x)>0f'(x)>0。

⑵ 0≦x<50\leqq x<\sqrt5 のとき (ii) の分母は正なので、f′(x)f'(x) の符号は 4−x24-x^2 の符号に一致し、x=2x=2 を境に正から負へ変わる。

xx−5-\sqrt5⋯\cdots22⋯\cdots5\sqrt5
f′(x)f'(x)++00−-
f(x)f(x)−25-2\sqrt5↗\nearrow55↘\searrow252\sqrt5

最大値は f(2)=5f(2)=5、最小値は f(−5)=−25f(-\sqrt5)=-2\sqrt5。

4. 場合分けに自分で気付く

文字定数を含む最大・最小

関数や区間が文字定数を含むときは、極値をとる点が区間の中にあるかどうかで場合分けが起きやすい。

授業で扱った問題で x=34ax=\dfrac34a と bb の大小が問題になったのは、この典型です。以前にも同じ型を扱いました。たとえば a>0a>0 として f(x)=x−alog⁡xf(x)=x-a\log x の 1≦x≦21\leqq x\leqq2 での最小値を考えると、f′(x)=x−axf'(x)=\dfrac{x-a}{x} なので極小の点は x=ax=a です。これが区間の左にあるか(a≦1a\leqq1、最小値 f(1)=1f(1)=1)、中にあるか(1<a<21<a<2、最小値 f(a)=a−alog⁡af(a)=a-a\log a)、右にあるか(a≧2a\geqq2、最小値 f(2)=2−alog⁡2f(2)=2-a\log2)の3通りに分かれます。

ここまでは式から場合分けを見つけました。授業で扱った問題のような図形の問題では、計算を始める前に図から見当をつけることもできます。手がかりになるのは極端な場合です。

⑴ aa が bb よりずっと大きいとき

図5図5 島が沖遠くにあり、目的地 C が B のすぐ近くにある場合

島が沖遠くにあり、C は B のすぐそばです。B と C の間のどこに上陸しても船で進む距離はほぼ aa で変わらないので、歩く距離のない C に直接向かうのがよさそうだと分かります。

⑵ aa が bb よりずっと小さいとき

図6図6 島が岸に近く、目的地 C が遠い場合

島は岸のすぐ近くで、C は遠くにあります。上陸地点を変えると船の距離も歩く距離も大きく変わるので、どこが最適かは計算しないと分かりません。

2つの極端な場合で答えの様子が違う以上、その間のどこかに境目があるはずだ、と予想できます。場合分けを見落とさないためには、

  • 動く点をいろいろな位置に置いて図を何枚か描く
  • 特に、極端な場合(ある長さが他よりずっと大きい・小さい)を描く

ことを習慣にしてください。

5. 長さを変数にとるか、角度を変数にとるか

ここは少し難しめなので、余力のある人向けです。次の問題を考えます(京大の1994年の入試問題の中心部分を、要点だけに絞って言い直したものです)。

問題

弧の長さが 11 の円弧 PQ を考える。円の半径 rr は 2πr>12\pi r>1 の範囲で自由に変えられる。弧 PQ と弦 PQ で囲まれた部分(弓形)の面積 SS が最大になるときの SS を求めよ。

半径 rr を変数にすると、弦の長さや三角形の面積を rr で書くのに苦労します。そこで弧 PQ に対する中心角 θ\theta を変数にとります。弧の長さが rθ=1r\theta=1 なので r=1θr=\dfrac1\theta で、2πr>12\pi r>1 は 0<θ<2π0<\theta<2\pi と同じです。

図7図7 弧の長さ 11 の円弧と弓形。左は中心角 θ\theta が π\pi 以下、右は π\pi を超える場合

弓形は扇形 OPQ と三角形 OPQ の差(θ≦π\theta\leqq\pi)または和(θ>π\theta>\pi)です。θ>π\theta>\pi のとき三角形 OPQ の頂角は 2π−θ2\pi-\theta で、sin⁡(2π−θ)=−sin⁡θ\sin(2\pi-\theta)=-\sin\theta なので、どちらの場合も

S=12r2θ−12r2sin⁡θ=θ−sin⁡θ2θ2S=\dfrac12r^2\theta-\dfrac12r^2\sin\theta=\dfrac{\theta-\sin\theta}{2\theta^2}

という同じ式になります。微分すると

dSdθ=θ2(1−cos⁡θ)−2θ(θ−sin⁡θ)2θ4=2sin⁡θ−θ(1+cos⁡θ)2θ3\begin{aligned}\dfrac{dS}{d\theta}&=\dfrac{\theta^2(1-\cos\theta)-2\theta(\theta-\sin\theta)}{2\theta^4}\\&=\dfrac{2\sin\theta-\theta(1+\cos\theta)}{2\theta^3}\end{aligned}

です。分母は正なので、分子 g(θ)=2sin⁡θ−θ(1+cos⁡θ)g(\theta)=2\sin\theta-\theta(1+\cos\theta) の符号を調べます。ここで角度を変数にした場合の定石、「三角関数は積の形にまとめる」を使います。φ=θ2\varphi=\dfrac\theta2(0<φ<π0<\varphi<\pi)とおき、sin⁡θ=2sin⁡φcos⁡φ\sin\theta=2\sin\varphi\cos\varphi、1+cos⁡θ=2cos⁡2φ1+\cos\theta=2\cos^2\varphi を代入すると

g=4sin⁡φcos⁡φ−4φcos⁡2φ=4cos⁡φ (sin⁡φ−φcos⁡φ)\begin{aligned}g&=4\sin\varphi\cos\varphi-4\varphi\cos^2\varphi\\&=4\cos\varphi\,(\sin\varphi-\varphi\cos\varphi)\end{aligned}

と因数分解できます。後ろの因子 h(φ)=sin⁡φ−φcos⁡φh(\varphi)=\sin\varphi-\varphi\cos\varphi は h(0)=0h(0)=0、h′(φ)=φsin⁡φ>0h'(\varphi)=\varphi\sin\varphi>0(0<φ<π0<\varphi<\pi)なので、0<φ<π0<\varphi<\pi でつねに正です。したがって gg の符号は cos⁡φ\cos\varphi の符号と一致し、θ<π\theta<\pi で正、θ>π\theta>\pi で負になります。

θ\theta(0)(0)⋯\cdotsπ\pi⋯\cdots(2π)(2\pi)
dSdθ\dfrac{dS}{d\theta}++00−-
SS↗\nearrow12π\dfrac{1}{2\pi}↘\searrow

よって θ=π\theta=\pi(半円、r=1πr=\dfrac1\pi)のとき最大で、最大値は 12π\boxed{\dfrac{1}{2\pi}} です。

この問題から読み取れるのは、

円の一部が出てくる図形では、中心角を変数にとると式が素直になることが多い

ということです。理由は扇形の面積 12r2θ\dfrac12r^2\theta や弧の長さ rθr\theta に角度そのものが現れることにあります。これを長さだけで書こうとすると、長さから角度を取り出す関数(逆三角関数。高校では扱いません)が必要になり、式にできません。

図形量の最大・最小の進め方

Step 1. 動くもの(長さか角度)を変数にとる
Step 2. 変数の変域を求める
Step 3. 求めたい量を変数で表す
Step 4. Step 2 の範囲で Step 3 の式の最大・最小を調べる(微分・グラフ・不等式など)

ただし、上の問題のように、何を変数にするかは「求めたい量を図形の言葉でどう書くか」を考えて初めて決まることがよくあります。Step 1 だけを先に片付けようとせず、Step 3 と行き来しながら決めてください。

変数を決めたあとの微分の手間にも、長さと角度で違いがあります。

長さを選んで  \sqrt{\ } が出たときは、微分する前に次を試す価値があります。

 \sqrt{\ } を含む積の最大・最小

正の因子との積なら、その因子を  \sqrt{\ } の中へ入れ、中身の最大・最小を考える。

例として f(x)=x6−x2 (0<x<6)f(x)=x\sqrt{6-x^2}\ (0<x<\sqrt6) の最大値を求めます。x>0x>0 なので

f(x)=x2(6−x2)=6t−t2f(x)=\sqrt{x^2(6-x^2)}=\sqrt{6t-t^2}

と書けます(t=x2t=x^2、0<t<60<t<6)。 \sqrt{\ } の中身 6t−t2=9−(t−3)26t-t^2=9-(t-3)^2 は t=3t=3 で最大値 99 をとるので、ff は x=3x=\sqrt3 で最大値 33 をとります。微分は一度も使っていません。

微分する前に

  1. 符号の分からない部分だけを取り出して微分する
  2. log⁡\log に掛かっている xx の式は、先に割って外せないか考える
  3.  \sqrt{\ } を含む積は、全部を  \sqrt{\ } の中に入れて中身を調べる
  4. 入り組んだ式は、まとまりを1文字に置き換える
  5. 三角関数の2乗や3乗は、倍角の公式で1次に直してから扱う

一方、積の形にならず  \sqrt{\ } どうし(あるいは  \sqrt{\ } と正の量)の差が残るときは、§3 の分子の有理化が役に立ちます。

微分したあとに

  1. 因数分解して、因子ごとに符号を見られる形にする
  2. 因数分解できないときも、符号が明らかな因子から先に片付ける
  3. A−B\sqrt{A}-\sqrt{B} は有理化して A−BA-B の符号を調べる(両方が  \sqrt{\ } であることを確かめてから)

1 塾の授業で扱った問題は塾の教材なので、数値を変えた類題に差し替えています。

塾の授業で配った補足資料をもとに、問題を類題に差し替えて書き直しました。

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