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f(x,y)=kf(x,y)=k とおいて動かすと、なぜ最大・最小が求まるのか

2026年度 中3解説2026年10月6日7分で読めます塾講師木下図形と式
目次
  1. 1. 方程式を満たす点を集めたものが図形
  2. 2. は「値が の点」を集めた図形
  3. 3. 共有点があるとはどういうことか
  4. 4. 問題で確かめる
  5. 5. 接するときとは限らない

授業の問題11塾の授業で扱った問題は塾の教材なので、数値を変えた類題に差し替えています。以下では、問題1を「連立不等式 3x+y≦5, x+4y≧−2, 2x−3y≧−43x+y\leqq5,\ x+4y\geqq-2,\ 2x-3y\geqq-4 の表す領域 RR で x+3yx+3y の最大値と最小値を求めよ」、問題2を「連立不等式 x≧0, y≧0, x+2y≦6x\geqq0,\ y\geqq0,\ x+2y\leqq6 の表す領域 RR で x2+y2x^2+y^2 の最大値と最小値を求めよ」として扱います。下の脚注へでは、領域 RR の中を点が動くときの x+3yx+3y の最大値・最小値を、x+3y=kx+3y=k とおいて直線を動かし、RR と共有点をもつ kk の範囲を読んで求めた。この操作でなぜ最大値・最小値が求まるのかは、中1から使ってきた「方程式と図形の関係」から順に説明できる。

1. 方程式を満たす点を集めたものが図形

直線 y=2x+1y=2x+1 で考える。この直線の上にある点 A(1,3)\mathrm{A}(1,3) の座標を式に代入すると3=2⋅1+13=2\cdot 1+1 となって成り立つ。直線の上にない点 B(1,5)\mathrm{B}(1,5) を代入すると5≠2⋅1+15\neq 2\cdot 1+1 で成り立たない。

図1図1 直線 y=2x+1y=2x+1 の上の点 A と、上にない点 B

この2つの結果は、方程式 y=2x+1y=2x+1 が表す図形が「xx 座標と yy 座標がこの式を満たす点を平面上から全部集めた図形」なので起こる。集める条件が式そのものなので、次の言い換えが常に成り立つ。

点 P が図形 C 上にある  ⟺   P の座標が C の方程式を満たす\begin{gathered}\text{点 P が図形 }C\text{ 上にある}\\ \iff\ \text{P の座標が }C\text{ の方程式を満たす}\end{gathered}

矢印は両向きである。左から右は「図形の上の点なら代入して成り立つ」、右から左は「代入して成り立つ点はその図形の上にある」で、後者を忘れやすい。円 x2+y2=25x^2+y^2=25 なら、この式を満たす点は原点からの距離がすべて 55 になり、円周の外にも内にも現れない。

やってみよう① オリジナル

円 x2+y2=25x^2+y^2=25 について、点 (3,4)(3,4) と点 (5,1)(5,1) のどちらがこの円の上にあるか。座標を代入して確かめよ。

2. f(x,y)=kf(x,y)=k は「値が kk の点」を集めた図形

f(x,y)=x+3yf(x,y)=x+3y と決めると、平面上のどの点にも、座標を代入して得られる値が1つずつ定まる。(0,0)(0,0) なら 00、(1,1)(1,1) なら 44、(6,0)(6,0) なら 66 で、平面のすべての点に f(x,y)f(x,y) の値が1つずつ書き込まれていると思えばよい。

値が 66 の点だけを集めると、集める条件が x+3y=6x+3y=6 なので、§1 のとおり、集まってできる図形は方程式 x+3y=6x+3y=6 の表す直線になる。

f(x,y)=k の表す図形= f(x,y) の値が k の点を全部集めたもの\begin{gathered}f(x,y)=k\ \text{の表す図形}\\ =\ f(x,y)\ \text{の値が}\ k\ \text{の点を全部集めたもの}\end{gathered}

kk を 66 から 1212 に変えれば、値が 1212 の点を集めた別の直線ができる。kk をいろいろに変えれば値ごとに直線が1本ずつでき、平面上のどの点も、そのうちのどれか1本の上にある。

図2図2 x+3y=kx+3y=k の直線(k=−6, −3, 0, 3, 6, 9k=-6,\,-3,\,0,\,3,\,6,\,9)

kk を動かすとき、1本の直線が平面上を移動しているのではない。値の違う直線ははじめから全部そこにあり、そのうちどれを見るかを選び直している。授業で「直線を平行移動させる」と言ったのは、この選び直しを図で見せるためである。

3. 共有点があるとはどういうことか

領域 RR と図形 f(x,y)=kf(x,y)=k が共有点 P\mathrm{P} をもつとき、P\mathrm{P} は RR の点であり、かつ f(x,y)=kf(x,y)=k の上の点でもある。後半は §1 により「P\mathrm{P} の座標を f(x,y)f(x,y) に代入するとkk になる」と読み替えられるので、次が成り立つ。

R と f(x,y)=k が共有点をもつ  ⟺   R の中に f(x,y) の値が k の点がある\begin{gathered}R\ \text{と}\ f(x,y)=k\ \text{が共有点をもつ}\\ \iff\ R\ \text{の中に}\ f(x,y)\ \text{の値が}\ k\ \text{の点がある}\end{gathered}

右側は「kk という値は RR の中の点で取られる」と読める。逆に共有点が1つもなければ、RR の中に f(x,y)f(x,y) の値が kk である点は1つもないので、kk は RR の上では取られない値になる。この2つから、kk が取られる値かどうかは共有点があるかどうかで決まる。

この解法の原理

{R と共有点をもつ k の全体}={R の点で f(x,y) が取る値の全体}\begin{gathered}\{R\text{ と共有点をもつ }k\text{ の全体}\}\\ =\{R\text{ の点で }f(x,y)\text{ が取る値の全体}\}\end{gathered}

右側が求めたい値域である。その最大が最大値、最小が最小値になる。

領域の中には点が無限にあるので、1点ずつ f(x,y)f(x,y) の値を計算して比べることはできないが、共有点があるかどうかなら図を見れば判定できる。

やってみよう② オリジナル

問題2の三角形の領域で、f(x,y)=x2+y2f(x,y)=x^2+y^2 の値が 4949 である点はあるか。半径 77 の円とこの三角形の位置関係から答えよ。

4. 問題で確かめる

問題1では f(x,y)=x+3yf(x,y)=x+3y、領域 RR は3本の直線で囲まれた三角形で、頂点は (1,2)(1,2)、(2,−1)(2,-1)、(−2,0)(-2,0) である。f(x,y)=kf(x,y)=k は傾き −13-\frac{1}{3} の直線で、yy 切片は k3\frac{k}{3} なので、kk が変わると直線は傾きを保ったまま上下する。kk を小さい方から選び直すと、三角形と共有点をもつのは −2≦k≦7-2\leqq k\leqq 7 に限られ、その両端が最小値と最大値になる。

図3図3 問題1。k=7k=7 の直線は頂点 (1,2)(1,2) を、k=−2k=-2 の直線は頂点 (−2,0)(-2,0) を通る

問題2では f(x,y)=x2+y2f(x,y)=x^2+y^2 である。このとき f(x,y)=kf(x,y)=k は原点を中心とする半径 k\sqrt{k} の円になる。k=0k=0 は原点だけの1点で、kk を大きくすると円は膨らむ。円は原点から、最も遠い頂点(6,0)(6,0) を通るところまで大きくでき、共有点をもつ kk は 0≦k≦360\leqq k\leqq 36 になる。

図4図4 問題2。半径 2, 4, 62,\,4,\,6 の円。半径 66 の円が頂点 (6,0)(6,0) を通る

等位線が直線から円に変わっても、§3 の理屈は変わらない。f(x,y)=y+x2f(x,y)=y+x^2 なら等位線は上に凸な放物線 y=−x2+ky=-x^2+k になり、この場合も共有点をもつ kk の全体が値域になる。

5. 接するときとは限らない

共有点をもつ kk の限界が答えになり、接することはその限界の起こり方の1つである。問題1のように領域が多角形で等位線が直線なら、限界は等位線が頂点を通るときに起こり、そこでは接していない。境界に円や放物線が含まれるときや、等位線が円や放物線のときは、接する位置で限界になることがある。領域の形によってどちらが起こるかが変わるので、両方を候補に挙げて f(x,y)f(x,y) の値を比べる。

求めた最大値・最小値は、それを与える点の座標を f(x,y)f(x,y) に代入して確かめられる。値が kk と一致すれば、その点が f(x,y)=kf(x,y)=k の上にあり、かつ RR の点だと確かめたことになる。

やってみようの答え

① (3,4)(3,4) は 32+42=253^2+4^2=25 で成り立つので円上にある。(5,1)(5,1) は 52+12=265^2+1^2=26 で成り立たないので円上にない。円の外側にある。

② 頂点は (0,0)(0,0)、(6,0)(6,0)、(0,3)(0,3) で、原点から最も遠いのは (6,0)(6,0)、距離は 66。半径 77 の円は三角形の外側を通り共有点をもたない。よって値が 4949 の点は領域の中になく、f(x,y)f(x,y) の取る値は 0≦k≦360\leqq k\leqq 36 に限られる。

続き:f(x,y)=kf(x,y)=k を地図の等高線として見直し、境界で等高線が「接する」ことを式にすると、ラグランジュの未定乗数法になります。詳説「等高線とラグランジュの未定乗数法」(配っていない読み物)にまとめました。

1 塾の授業で扱った問題は塾の教材なので、数値を変えた類題に差し替えています。以下では、問題1を「連立不等式 3x+y≦5, x+4y≧−2, 2x−3y≧−43x+y\leqq5,\ x+4y\geqq-2,\ 2x-3y\geqq-4 の表す領域 RR で x+3yx+3y の最大値と最小値を求めよ」、問題2を「連立不等式 x≧0, y≧0, x+2y≦6x\geqq0,\ y\geqq0,\ x+2y\leqq6 の表す領域 RR で x2+y2x^2+y^2 の最大値と最小値を求めよ」として扱います。

塾の授業で配った補足資料をもとに、問題を類題に差し替えて書き直しました。

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