場の量子論入門 第4部 第6章 §4.6.1 ★★ 道具:γ5 とその射影。質量ゼロで物理的意味をもつ
γ5≡iγ0γ1γ2γ3 は次の2つの性質をもつ(どちらも検算済み)。
(γ5)2=1,{γ5,γμ}=0.(4.6.1)
第2式は、γ5 の定義に4本の γ が入っていることから出る。γμ を γ5 の中の4本と順に交換させると、同じ添字の1本とは交換し(符号が付かず)、残り3本とは反交換する(符号 (−1)3)ので、全体で −1 になる。第1式は Dirac 代数から直接計算できる。(γ5)2=1 なので固有値は ±1 に限られる。そこで
PL≡21−γ5,PR≡21+γ5
と定義すると、これらは射影演算子である。実際PL2=41(1−2γ5+(γ5)2)=41(2−2γ5)=PL、同様に PR2=PR、さらにPL+PR=1、PLPR=41(1−(γ5)2)=0 が成り立つ。これを使ってスピノルを ψL=PLψ、ψR=PRψ(ψ=ψL+ψR)と分解する。ψL を左巻き成分、ψR を右巻き成分と呼び、γ5 の固有値をカイラリティ(掌性)と呼ぶ。γ5 は γ 行列の偶数個の積である Lorentz 変換の生成子 Sμν と交換するので、カイラリティはLorentz 不変な分類である。ヘリシティが不変でなかった(§2.5)のと対照的である。
Weyl 表示(4.1.9)では γ5=diag(−1,1) が対角なので、ψL は上2成分、ψR は下2成分そのものになる。カイラリティを扱うときにWeyl 表示が便利なのはこのためである。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com