解答
第1段階:角度積分。 被積分関数は ℓE の向きに依らないので、ddℓE=Ωdℓd−1dℓ(ℓ=∣ℓE∣)として
Id(Δ)=(2π)dΩd∫0∞dℓ(ℓ2+Δ)2ℓd−1=(2π)dΓ(d/2)2πd/2∫0∞dℓ(ℓ2+Δ)2ℓd−1.
第2段階:動径積分を Beta 関数へ。 t=ℓ2/(ℓ2+Δ) と置換する。このとき ℓ2=Δt/(1−t)、ℓ2+Δ=Δ/(1−t) であり、ℓdℓ=2(1−t)2Δdt、t は 0 から 1 まで動く。ℓd−1dℓ=ℓd−2⋅ℓdℓ を使って書き換えると
∫0∞dℓ(ℓ2+Δ)2ℓd−1=∫01dt(1−tΔt)2d−2⋅Δ2(1−t)2⋅2(1−t)2Δ=2Δ2d−2∫01dtt2d−1(1−t)1−2d=2Δ2d−2B(2d,2−2d)=2Δ2d−2⋅Γ(2)Γ(d/2)Γ(2−d/2).
Γ(2)=1 である。
第3段階:まとめる。 これを第1段階の式に戻すと Γ(d/2) が約分されて
Id(Δ)=(2π)dΓ(d/2)2πd/2⋅2Γ(d/2)Γ(2−d/2)Δ2d−2=(2π)dπd/2Γ(2−2d)Δ2d−2.
πd/2/(2π)d=1/(2dπd/2)=1/(4π)d/2 なので、求める式を得る。
第4段階:d=4−2ϵ の展開。(4π)−d/2=(4π)−2(4π)ϵ、Δd/2−2=Δ−ϵ、Γ(2−d/2)=Γ(ϵ) なので
Id(Δ)=16π21Γ(ϵ)(Δ4π)ϵ=16π21[ϵ1−γE+ln4π−lnΔ+O(ϵ)].
2行目では Γ(ϵ)=1/ϵ−γE+O(ϵ) とXϵ=1+ϵlnX+O(ϵ2) を使い、1/ϵ と ϵlnX の積からlnX が生き残ることを使った。lnΔ の前の符号がマイナスであること、1/ϵ に必ず −γE+ln4π が随伴することの2点が実用上の要点である。
第5段階:d=3 での検算。 d=3 では積分は有限なので直接計算できる。閉形式は
I3(Δ)=(4π)3/2Γ(1/2)Δ−1/2=8π3/2Δπ=8πΔ1.
一方、直接の3次元積分は d3ℓE/(2π)3=ℓ2dℓ/(2π2) を使って
2π21∫0∞dℓ(ℓ2+Δ)2ℓ2=2π21⋅4Δπ=8πΔ1
で一致する。数値照合は 検算スクリプト の「ループ積分の閉形式」でΔ=2.7 について行い、相対差 10−8 以内で一致することを確認した。