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積分定理

2026年10月15日18分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1章 ベクトル解析の道具
目次
  1. 線積分と勾配の定理
  2. Gauss の発散定理
  3. Green の恒等式
  4. Stokes の定理
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

電磁気学入門 第1章 §1.2 ★★★ 発散定理と Stokes の定理は、Maxwell 方程式の微分形と積分形をつなぐ

前節では、発散が小さな箱からの流出、回転が小さな閉曲線に沿った循環であることを見た。大きな領域をたくさんの小さな箱に分けて流出を足し合わせると、内側の面での出入りは打ち消し合い、外側の表面からの流出だけが残る。これを定理の形にしたものが Gauss の発散定理であり、同じことを曲面と閉曲線について行ったものが Stokes の定理である。

線積分と勾配の定理

曲線を C: r(t), a≤t≤bC:\ \bm{r}(t),\ a\le t\le b とパラメータで表す。ベクトル場 A\bm{A} の CC に沿った線積分を

∫CA⋅dr=∫abA(r(t))⋅drdt dt\int_C\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{r}=\int_a^b\bm{A}(\bm{r}(t))\cdot\frac{d \bm{r}}{d t}\,\mathrm{d} t

で定める。パラメータの取り替えで値が変わらないことは、置換積分から従う。ただし曲線をたどる向きを逆にすると符号が変わる。

定理 1.6(勾配の定理)

曲線 CC の始点を a\bm{a} とする。終点を b\bm{b} とすると、

∫C∇f⋅dr=f(b)−f(a).(1.18)\int_C\nabla f\cdot\mathrm{d}\bm{r}=f(\bm{b})-f(\bm{a}).\tag{1.18}

証明

(1.3) より ∇f(r(t))⋅drdt=ddtf(r(t))\nabla f(\bm{r}(t))\cdot\frac{d \bm{r}}{d t}=\frac{d }{d t}f(\bm{r}(t)) である。よって左辺は

∫abddtf(r(t)) dt=f(r(b))−f(r(a))\int_a^b\frac{d }{d t}f(\bm{r}(t))\,\mathrm{d} t=f(\bm{r}(b))-f(\bm{r}(a))

に等しい。

勾配の場の線積分は端点だけで決まり、途中の道筋によらない。とくに閉曲線についての勾配の場の線積分は 0 である。

Gauss の発散定理

定理 1.7(Gauss の発散定理)

有界な領域 VV の境界が、区分的に滑らかな閉曲面 ∂V\partial V であるとする。ベクトル場 A\bm{A} は、VV とその境界を含む範囲で連続的に微分できるとする。法線を外向きにとると

∫V∇⋅A dV=∮∂VA⋅dS.(1.19)\int_V\nabla\cdot\bm{A}\,\mathrm{d} V=\oint_{\partial V}\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{S} .\tag{1.19}

証明

両辺は A\bm{A} について線形なので、A=Azez\bm{A}=A_z\bm{e}_z の場合

∫V∂Az∂z dV=∮∂VAz nz dS(1.20)\int_V\frac{\partial A_z}{\partial z}\,\mathrm{d} V=\oint_{\partial V}A_z\,n_z\,\mathrm{d} S\tag{1.20}

を示し、xx 成分・yy 成分についても同じ式を示して足せばよい。

まず VV が「zz 方向に単純」な場合を考える。これは、VV を底の平面へ射影した領域を DD として

V={(x,y,z):(x,y)∈D, g1(x,y)≤z≤g2(x,y)}V=\{(x,y,z):(x,y)\in D,\ g_1(x,y)\le z\le g_2(x,y)\}

と書ける場合のことである。zz について先に積分すると、微分積分学の基本定理から

∫V∂Az∂z dV=∫D[Az(x,y,g2(x,y))−Az(x,y,g1(x,y))]dx dy\int_V\frac{\partial A_z}{\partial z}\,\mathrm{d} V=\int_D\bigl[A_z(x,y,g_2(x,y))-A_z(x,y,g_1(x,y))\bigr]\mathrm{d} x\,\mathrm{d} y

となる。境界の各部分で、面積要素を xyxy 平面へ射影したものは次のとおりである。

  • 上の面 z=g2z=g_2:外向き法線が上を向く(nz>0n_z>0)。よって nz dS=dx dyn_z\,\mathrm{d} S=\mathrm{d} x\,\mathrm{d} y。
  • 下の面 z=g1z=g_1:外向き法線が下を向くので、nz dS=−dx dyn_z\,\mathrm{d} S=-\mathrm{d} x\,\mathrm{d} y。
  • 側面(あれば):nz=0n_z=0 なので寄与しない。

したがって右辺の第1項は上の面での ∮Aznz dS\oint A_zn_z\,\mathrm{d} S に等しい。第2項(負号を含めて)は下の面での ∮Aznz dS\oint A_zn_z\,\mathrm{d} S に等しく、(1.20) が成り立つ。

一般の領域は、有限個の「zz 方向に単純」な小領域に切り分けられるとする(入門で扱う領域はすべてこの形にできる)。各小領域で (1.20) が成り立ち、左辺を足すと VV 全体の積分になる。右辺を足すと、切り口の面は隣り合う2つの小領域の両方の表面に、逆向きの外向き法線で現れるので打ち消し合い、もとの境界 ∂V\partial V の寄与だけが残る。

(1.6) はこの定理を小さな領域に当てはめたものと見ることもでき、発散の定義が座標の取り方によらないことを示している。

例題 1.2 球での発散定理の確認 ★★

オリジナル半径 RR の球 r≤Rr\le R をとる。ベクトル場 A=(x3,y3,z3)\bm{A}=(x^3,y^3,z^3) について、(1.19) の両辺を別々に計算して一致することを確かめよ。球面上の積分には ∫r=Rx4 dS=4πR65\displaystyle\int_{r=R}x^4\,\mathrm{d} S=\frac{4\pi R^6}{5} を使ってよい(確認テスト 1.2-4 で示す)。

解答

左辺:∇⋅A=3x2+3y2+3z2=3r2\nabla\cdot\bm{A}=3x^2+3y^2+3z^2=3r^2 である。球の体積要素を dV=4πr2 dr\mathrm{d} V=4\pi r^2\,\mathrm{d} r の球殻に分けると

∫V3r2 dV=∫0R3r2⋅4πr2 dr=12πR55.\int_V3r^2\,\mathrm{d} V=\int_0^R3r^2\cdot4\pi r^2\,\mathrm{d} r=\frac{12\pi R^5}{5}.

右辺:球面上の外向き単位法線は n=r/R\bm{n}=\bm{r}/R なので

A⋅n=x4+y4+z4R.\bm{A}\cdot\bm{n}=\frac{x^4+y^4+z^4}{R}.

球の対称性から x4,y4,z4x^4,y^4,z^4 の球面積分は等しく、

∮A⋅dS=3R⋅4πR65=12πR55.\oint\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{S}=\frac{3}{R}\cdot\frac{4\pi R^6}{5}=\frac{12\pi R^5}{5}.

両辺は一致する。

例題 1.3 地球の帯びている電荷の見積もり ★★

オリジナル晴れた日の地表付近には、鉛直下向きに大きさ E0≈100 V m−1E_0\approx100\,\mathrm{V\,m^{-1}} 程度の電場がある。電場は Gauss の法則の微分形 ∇⋅E=ρ/ε0\nabla\cdot\bm{E}=\rho/\varepsilon_0(第2章 §2.2 で導く)に従うものとする。

発散定理を使ってこれを積分形に書き直し、地球(大気の下層を含めない固体の地球)が帯びている全電荷 QQ を見積もれ。地球を半径 R=6.37×106 mR=6.37\times10^{6}\,\mathrm{m} の球とし、電場は地表のどこでも同じ大きさで球面に垂直とする。ε0=8.85×10−12 F m−1\varepsilon_0=8.85\times10^{-12}\,\mathrm{F\,m^{-1}} である。

解答

地表のすぐ外側の球面 SS で囲まれた領域 VV に発散定理を当てはめると

∮SE⋅dS=∫V∇⋅E dV=1ε0∫Vρ dV=Qε0\oint_S\bm{E}\cdot\mathrm{d}\bm{S}=\int_V\nabla\cdot\bm{E}\,\mathrm{d} V=\frac{1}{\varepsilon_0}\int_V\rho\,\mathrm{d} V=\frac{Q}{\varepsilon_0}

となる。電場は下向き、つまり外向き法線と逆向きなので E⋅n=−E0\bm{E}\cdot\bm{n}=-E_0 であり、左辺は −E0⋅4πR2-E_0\cdot4\pi R^2 である。したがって

Q=−4πε0R2E0=−4π×(8.85×10−12)×(6.37×106)2×100 C≈−4.5×105 C.Q=-4\pi\varepsilon_0R^2E_0=-4\pi\times(8.85\times10^{-12})\times(6.37\times10^{6})^2\times100\,\mathrm{C}\approx-4.5\times10^{5}\,\mathrm{C}.

地球は約 4.5×105 C4.5\times10^5\,\mathrm{C} の負電荷を帯びている。これを地表の面積 4πR2≈5.1×1014 m24\pi R^2\approx5.1\times10^{14}\,\mathrm{m^2} で割ると、表面電荷密度は

−ε0E0≈−8.9×10−10 C m−2-\varepsilon_0E_0\approx-8.9\times10^{-10}\,\mathrm{C\,m^{-2}}

である。これは 1 m21\,\mathrm{m^2} あたり電子約 5.5×1095.5\times10^{9} 個の過剰に当たる。

Green の恒等式

発散定理を A=ϕ∇ψ\bm{A}=\phi\nabla\psi に当てはめると、静電場の理論でくり返し使う2つの恒等式が得られる。

系 1.8(Green の恒等式)

領域 VV で2回連続的に微分できるスカラー場 ϕ,ψ\phi,\psi について

∫V(ϕ∇2ψ+∇ϕ⋅∇ψ)dV=∮∂Vϕ ∇ψ⋅dS,∫V(ϕ∇2ψ−ψ∇2ϕ)dV=∮∂V(ϕ∇ψ−ψ∇ϕ)⋅dS.\begin{align*}\int_V\bigl(\phi\nabla^2\psi+\nabla\phi\cdot\nabla\psi\bigr)\mathrm{d} V&=\oint_{\partial V}\phi\,\nabla\psi\cdot\mathrm{d}\bm{S},\tag{1.21}\\\int_V\bigl(\phi\nabla^2\psi-\psi\nabla^2\phi\bigr)\mathrm{d} V&=\oint_{\partial V}\bigl(\phi\nabla\psi-\psi\nabla\phi\bigr)\cdot\mathrm{d}\bm{S}.\tag{1.22}\end{align*}

証明

(1.14) で f=ϕf=\phi、A=∇ψ\bm{A}=\nabla\psi とおくと

∇⋅(ϕ∇ψ)=ϕ∇2ψ+∇ϕ⋅∇ψ\nabla\cdot(\phi\nabla\psi)=\phi\nabla^2\psi+\nabla\phi\cdot\nabla\psi

である。これを発散定理に入れると (1.21) を得る。(1.22) の証明は確認テスト 1.2-3 とする。

(1.21) で ϕ=ψ\phi=\psi とおくと

∫V∣∇ψ∣2dV=∮∂Vψ ∇ψ⋅dS−∫Vψ∇2ψ dV\int_V\left\vert \nabla\psi\right\vert ^2\mathrm{d} V=\oint_{\partial V}\psi\,\nabla\psi\cdot\mathrm{d}\bm{S}-\int_V\psi\nabla^2\psi\,\mathrm{d} V

となる。第2章では、この式を2つの解の差に当てはめて、Poisson 方程式の解が境界条件で一意に決まることを示す。

Stokes の定理

定理 1.9(Stokes の定理)

向きのついた区分的に滑らかな曲面 SS の縁を、閉曲線 ∂S\partial S とする。その向きは、法線 n\bm{n} の向きに右ねじが進むように回す向きにとる(図 1.2)。A\bm{A} が SS を含む範囲で連続的に微分できるとき

∫S(∇×A)⋅dS=∮∂SA⋅dr.(1.23)\int_S(\nabla\times\bm{A})\cdot\mathrm{d}\bm{S}=\oint_{\partial S}\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{r} .\tag{1.23}

図

図 1.2 Stokes の定理の向きの約束。曲面 SS の法線 n\bm{n} が上を向くとき、縁 ∂S\partial S は上から見て反時計回りにたどる。

証明は2段に分ける。まず平面の場合(Green の定理)を示し、次に曲面をパラメータで平面の領域に写して一般の場合に帰着させる。

補題 1.10(平面の Green の定理)

uvuv 平面の有界な領域を DD とする。その縁 ∂D\partial D を反時計回りにたどる。滑らかな関数 P(u,v)P(u,v)、Q(u,v)Q(u,v) について

∮∂D(P du+Q dv)=∫D(∂Q∂u−∂P∂v)du dv.(1.24)\oint_{\partial D}(P\,\mathrm{d} u+Q\,\mathrm{d} v)=\int_D\left(\frac{\partial Q}{\partial u}-\frac{\partial P}{\partial v}\right)\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v .\tag{1.24}

証明

PP の項を示す。DD が vv 方向に単純で、次の形に書けるとする。

D={a≤u≤b, h1(u)≤v≤h2(u)}D=\{a\le u\le b,\ h_1(u)\le v\le h_2(u)\}

vv について先に積分すると

−∫D∂P∂v du dv=−∫ab[P(u,h2(u))−P(u,h1(u))]du.-\int_D\frac{\partial P}{\partial v}\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v=-\int_a^b\bigl[P(u,h_2(u))-P(u,h_1(u))\bigr]\mathrm{d} u .

反時計回りにたどるとき、縁の各部分は次のように進む。

  • 下の縁 v=h1(u)v=h_1(u):uu の増える向き。
  • 上の縁 v=h2(u)v=h_2(u):uu の減る向き。
  • 左右の縁(直線 u=au=a, u=bu=b の上の線分。あれば):du=0\mathrm{d} u=0 なので寄与しない。

したがって

∮P du=∫abP(u,h1) du−∫abP(u,h2) du\oint P\,\mathrm{d} u=\int_a^bP(u,h_1)\,\mathrm{d} u-\int_a^bP(u,h_2)\,\mathrm{d} u

となり、上の式と一致する。

QQ の項も uu 方向に単純な形で同様に示せる。一般の DD は単純な小領域に切り分け、内側の切り口が逆向きに2回たどられて打ち消し合うことを使う。

Stokes の定理の証明

曲面 SS を、平面の領域 DD からの写像で表す。写像を r(u,v)\bm{r}(u,v) と書く。偏微分を ru=∂r∂u\bm{r}_u=\frac{\partial \bm{r}}{\partial u}、rv=∂r∂v\bm{r}_v=\frac{\partial \bm{r}}{\partial v} と書くと、面積要素ベクトルは

dS=(ru×rv) du dv\mathrm{d}\bm{S}=(\bm{r}_u\times\bm{r}_v)\,\mathrm{d} u\,\mathrm{d} v

である。パラメータは、DD の縁を反時計回りにたどると ∂S\partial S が定理の向きにたどられるように選んでおく。縁の上では dr=ru du+rv dv\mathrm{d}\bm{r}=\bm{r}_u\,\mathrm{d} u+\bm{r}_v\,\mathrm{d} v なので、右辺は

∮∂SA⋅dr=∮∂D[(A⋅ru) du+(A⋅rv) dv]\oint_{\partial S}\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{r}=\oint_{\partial D}\bigl[(\bm{A}\cdot\bm{r}_u)\,\mathrm{d} u+(\bm{A}\cdot\bm{r}_v)\,\mathrm{d} v\bigr]

となる。補題 1.10 を P=A⋅ruP=\bm{A}\cdot\bm{r}_u、Q=A⋅rvQ=\bm{A}\cdot\bm{r}_v で使うと、

∂Q∂u−∂P∂v=∂A∂u⋅rv+A⋅rvu−∂A∂v⋅ru−A⋅ruv=∂A∂u⋅rv−∂A∂v⋅ru\frac{\partial Q}{\partial u}-\frac{\partial P}{\partial v}=\frac{\partial \bm{A}}{\partial u}\cdot\bm{r}_v+\bm{A}\cdot\bm{r}_{vu}-\frac{\partial \bm{A}}{\partial v}\cdot\bm{r}_u-\bm{A}\cdot\bm{r}_{uv} =\frac{\partial \bm{A}}{\partial u}\cdot\bm{r}_v-\frac{\partial \bm{A}}{\partial v}\cdot\bm{r}_u

となる(2階の混合偏微分 ruv=rvu\bm{r}_{uv}=\bm{r}_{vu} の項が消えた)。一方、任意のベクトル a,b\bm{a},\bm{b} について (1.17) から

(∇×A)⋅(a×b)=∑i,j,k,l,mϵijkϵilm ∂jAk albm=b⋅((a⋅∇)A)−a⋅((b⋅∇)A)(1.25)(\nabla\times\bm{A})\cdot(\bm{a}\times\bm{b})=\sum_{i,j,k,l,m}\epsilon_{ijk}\epsilon_{ilm}\,\partial_jA_k\,a_lb_m =\bm{b}\cdot\bigl((\bm{a}\cdot\nabla)\bm{A}\bigr)-\bm{a}\cdot\bigl((\bm{b}\cdot\nabla)\bm{A}\bigr)\tag{1.25}

が成り立つ。ここで (a⋅∇)A(\bm{a}\cdot\nabla)\bm{A} は、場を a\bm{a} 方向に方向微分したベクトルである。a=ru\bm{a}=\bm{r}_u、b=rv\bm{b}=\bm{r}_v とすると、連鎖律から

(ru⋅∇)A=∂A∂u,(rv⋅∇)A=∂A∂v(\bm{r}_u\cdot\nabla)\bm{A}=\frac{\partial \bm{A}}{\partial u},\qquad (\bm{r}_v\cdot\nabla)\bm{A}=\frac{\partial \bm{A}}{\partial v}

なので、

(∇×A)⋅(ru×rv)=∂A∂u⋅rv−∂A∂v⋅ru(\nabla\times\bm{A})\cdot(\bm{r}_u\times\bm{r}_v)=\frac{\partial \bm{A}}{\partial u}\cdot\bm{r}_v-\frac{\partial \bm{A}}{\partial v}\cdot\bm{r}_u

となる。これは上で得た ∂Q∂u−∂P∂v\frac{\partial Q}{\partial u}-\frac{\partial P}{\partial v} に等しい。DD で積分すれば左辺 ∫S(∇×A)⋅dS\int_S(\nabla\times\bm{A})\cdot\mathrm{d}\bm{S} に一致する。曲面全体を1つのパラメータで覆えないときは、覆える小片に分け、内側の縁が逆向きに2回たどられて打ち消し合うことを使う。

この証明は、小さな平面片についての (1.10) がどんな向きでも成り立つことも同時に示している。Stokes の定理から、同じ閉曲線 CC を縁とする2つの曲面 S1,S2S_1,S_2 では、回転の流束が等しい。左辺は曲面の形によらず、縁だけで決まる。

例題 1.4 半球面と円板での Stokes の定理 ★★

オリジナルベクトル場を A=(−y,x,0)\bm{A}=(-y,x,0) とする。xyxy 平面上の半径 RR の円を考え、上から見て反時計回りにたどる。これを CC とする。

  1. 循環 ∮CA⋅dr\oint_C\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{r} を直接計算せよ。

  2. CC を縁とする次の2つの曲面のそれぞれで、∫(∇×A)⋅dS\int(\nabla\times\bm{A})\cdot\mathrm{d}\bm{S} を計算し、1 と一致することを確かめよ。

    • 上半球面 S1S_1:球面 r=Rr=R の上半分。法線は外向き。
    • 円板 S2S_2:z=0z=0。法線は +ez+\bm{e}_z。
解答
  1. 円を r(t)=(Rcos⁡t,Rsin⁡t,0)\bm{r}(t)=(R\cos t,R\sin t,0)(0≤t≤2π0\le t\le2\pi)と表すと

drdt=(−Rsin⁡t,Rcos⁡t,0),A=(−Rsin⁡t,Rcos⁡t,0)\frac{d \bm{r}}{d t}=(-R\sin t,R\cos t,0),\qquad \bm{A}=(-R\sin t,R\cos t,0)

となる。したがって

∮CA⋅dr=∫02π(R2sin⁡2t+R2cos⁡2t) dt=2πR2.\oint_C\bm{A}\cdot\mathrm{d}\bm{r}=\int_0^{2\pi}(R^2\sin^2t+R^2\cos^2t)\,\mathrm{d} t=2\pi R^2 .

  1. 前節の例のとおり ∇×A=2ez\nabla\times\bm{A}=2\bm{e}_z である。円板 S2S_2 では ∫2ez⋅ez dS=2πR2\int2\bm{e}_z\cdot\bm{e}_z\,\mathrm{d} S=2\pi R^2 となる。半球面 S1S_1 では外向き法線が n=r/R\bm{n}=\bm{r}/R である。zz 軸からの角を θ\theta とすると

ez⋅n=zR=cos⁡θ\bm{e}_z\cdot\bm{n}=\frac{z}{R}=\cos\theta

となる。球面の面積要素 dS=R2sin⁡θ dθ dφ\mathrm{d} S=R^2\sin\theta\,\mathrm{d}\theta\,\mathrm{d}\varphi(1.4 節で導く)を使うと

∫S12ez⋅dS=2R2∫02πdφ∫0π/2cos⁡θsin⁡θ dθ=2R2⋅2π⋅12=2πR2.\int_{S_1}2\bm{e}_z\cdot\mathrm{d}\bm{S}=2R^2\int_0^{2\pi}\mathrm{d}\varphi\int_0^{\pi/2}\cos\theta\sin\theta\,\mathrm{d}\theta=2R^2\cdot2\pi\cdot\frac12=2\pi R^2 .

どちらも 1 の循環に等しい。cos⁡θ dS\cos\theta\,\mathrm{d} S は、面積要素を xyxy 平面へ射影したものである。そのため半球面の結果も、円板の面積 πR2\pi R^2 に 2 を掛けたものになっている。

確認テスト

オリジナル

  1. 1.2-1 f=xyzf=xyz とする。原点から点 (1,2,3)(1,2,3) へ向かう任意の曲線を CC とする。∫C∇f⋅dr\int_C\nabla f\cdot\mathrm{d}\bm{r} を求めよ。
  2. 1.2-2 単位立方体 0≤x,y,z≤10\le x,y,z\le1 とベクトル場 A=(x2,y2,z2)\bm{A}=(x^2,y^2,z^2) について、発散定理の両辺をそれぞれ計算して一致を確かめよ。
  3. 1.2-3 Green の第1恒等式 (1.21) から第2恒等式 (1.22) を導け。
  4. 1.2-4 半径 RR の球面上の積分 ∫r=Rx4 dS=4πR6/5\int_{r=R}x^4\,\mathrm{d} S=4\pi R^6/5 を示せ。
  5. 1.2-5 A=(−y3, x3, 0)\bm{A}=(-y^3,\,x^3,\,0) とする。xyxy 平面上の半径 aa の円(上から見て反時計回り)について、Stokes の定理の両辺をそれぞれ計算して一致を確かめよ。

木下の勉強ステータス

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