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平板の層流境界層

2026年10月15日5分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第5章 どう使われるのか:流体力学

AI 生成・木下が未勉強

次元解析入門 第5章 §5.6 ★★ 助走区間と同じ5量・3基本量の型で、粘性の拡散の見積もりまで進める

平板の層流境界層の見取り図

用語の確認:境界層=物体の表面近くで、滑りなし境界条件のために流速が0から主流の速さ v∞v_\infty まで変わる薄い層。その外側では粘性の影響がほとんど無い。主流速度=境界層の外の一様な流れの速さ。層流境界層=境界層の中の流れが層流であるもの。
何を聞かれているか:(1) 次元行列。(2) 無次元量2個から δ/x=ϕ(Rex)\delta/x=\phi(\mathrm{Re}_x) を導き、δ\delta が xx や流速にどう依存するかを述べる。
手順:円管の助走区間の問題 と同じ(l→δl\to\delta、D→xD\to x、vm→v∞v_m\to v_\infty)。考察では、粘性の拡散の見積もりで ϕ\phi のべきまで決める。
使う定石:δ\delta と xx はどちらも長さなので、比 δ/x\delta/x がそのまま無次元量になる。
理論的背景:第5.3.1節。ϕ\phi の具体形はブラジウスの解(下の補足)。

解答

(1)

δv∞xμρM00011L111−1−3T0−10−10\begin{array}{c|ccccc} & \delta & v_\infty & x & \mu & \rho\\\hline M & 0 & 0 & 0 & 1 & 1\\ L & 1 & 1 & 1 & -1 & -3\\ T & 0 & -1 & 0 & -1 & 0 \end{array}

(2) v∞,μ,ρv_\infty,\mu,\rho の列の小行列式は円管の助走区間の問題 と同じ 1≠01\neq0 で、階数は3、独立な無次元量は 5−3=25-3=2 個である。繰り返し変数を x,v∞,ρx,v_\infty,\rho とすると、円管の助走区間の問題 と同じ計算で

Π1=δx,Π2=ρv∞xμ≡Rex\Pi_1=\frac{\delta}{x},\qquad \Pi_2=\frac{\rho v_\infty x}{\mu}\equiv\mathrm{Re}_x

が得られる(Π2\Pi_2 は μ/(ρv∞x)\mu/(\rho v_\infty x) の逆数)。Rex\mathrm{Re}_x は板の端からの距離を代表長さとするレイノルズ数で、局所レイノルズ数と呼ぶ。Π\Pi 定理より

δx=ϕ(Rex)=ϕ ⁣(ρv∞xμ).\frac{\delta}{x}=\phi(\mathrm{Re}_x)=\phi\!\left(\frac{\rho v_\infty x}{\mu}\right).

考察。次元解析だけからは、境界層の厚さを距離 xx で割った値が局所レイノルズ数だけで決まることが分かる。ϕ\phi の形を見積もるため、粘性の効果が壁から広がる速さを考える。壁で流速が0になる効果は、粘性によって動粘性係数 ν=μ/ρ\nu=\mu/\rho で拡散し、時間 tt の間に νt\sqrt{\nu t} 程度の距離まで広がる(拡散係数の次元は L2T−1\mathsf{L}^2\mathsf{T}^{-1} なので、長さを作る組み合わせは νt\sqrt{\nu t} しかない)。板の端から流れてきた流体が距離 xx に達するまでの時間は t∼x/v∞t\sim x/v_\infty なので、

δ∼νxv∞,δx∼νv∞x=Rex−1/2.\delta\sim\sqrt{\frac{\nu x}{v_\infty}},\qquad \frac{\delta}{x}\sim\sqrt{\frac{\nu}{v_\infty x}}=\mathrm{Re}_x^{-1/2}.

したがって

  • 境界層の厚さは板の端からの距離の平方根に比例して厚くなる(δ∝x\delta\propto\sqrt x)。下流ほど厚いが、厚くなり方はしだいに緩やかになる。
  • 主流が速いほど境界層は薄く(δ∝v∞−1/2\delta\propto v_\infty^{-1/2})、動粘性係数が大きいほど厚い(δ∝ν1/2\delta\propto\nu^{1/2})。
  • 境界層が薄い(δ≪x\delta\ll x)のは Rex≫1\mathrm{Re}_x\gg1 のときである。

検算:[ δ/x ]=1\left[\,\delta/x\,\right]=1、[ ρv∞x/μ ]=1\left[\,\rho v_\infty x/\mu\,\right]=1。

title=補足:ブラジウスの解

境界層の中のナビエ–ストークス方程式(境界層方程式)は、相似変数 η=yv∞/(νx)\eta=y\sqrt{v_\infty/(\nu x)} を使うと常微分方程式 f′′′+12ff′′=0f'''+\tfrac12ff''=0(f(0)=f′(0)=0f(0)=f'(0)=0、f′(∞)=1f'(\infty)=1、流速は u=v∞f′(η)u=v_\infty f'(\eta))に帰着する(ブラジウス、1908年)。数値的に解くと、流速が主流の99%に達する高さは η=4.91\eta=4.91 で、

δ99=4.91 xRex\delta_{99} = 4.91\,\frac{x}{\sqrt{\mathrm{Re}_x}}

となる(図 5.6)。上の見積もり δ/x∼Rex−1/2\delta/x\sim\mathrm{Re}_x^{-1/2} のべきが正しく、係数が4.91であることが分かる。たとえば空気(ν=1.5×10−5 m2/s\nu=1.5\times10^{-5}\ \mathrm{m^2/s})が10 m/s で流れるとき、板の端から1 m の位置ではRex≈6.7×105\mathrm{Re}_x\approx6.7\times10^5、δ≈6\delta\approx6 mm である。Rex\mathrm{Re}_x がおよそ 5×1055\times10^5 を超えると、境界層は乱流に移り始める。

図図 5.6 ブラジウスの解による境界層内の流速分布(点線=数値解)。縦軸の相似変数 η\eta を使うと、どの位置 xx の分布も同じ1本の曲線になる。破線は99%厚さ η=4.91\eta=4.91。

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