この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
確率論入門 第7章 §7.5
この章では、分布の分かった確率変数から、その関数や和の分布を計算する手続きを整えた。出発点はどれも押し出し測度の定義
で、密度の形に書き直すときに積分の置換公式が必要になった。
(1) 1変数の変換
- 単調な場合。密度は に変わる。因子 は、同じ確率が引き伸ばされた幅に広がる分だけ密度が薄まることを表している。
- 単調でない場合。 となる点の枝ごとの寄与を足し合わせる。
- 平らな部分がある場合。密度が無くなることもある。そのときは分布関数に戻って原子の重みを求める。
(2) 多変数の変換
多変数では、 がヤコビアンの絶対値 に置き換わった。
- 1次変換からは多変量正規分布の密度が出た。その形が だけで決まることから、独立な標準正規の組が回転で不変であることが分かった。
- 欲しい関数が1つしかないときは、補助変数を足して微分同相を作り、周辺密度をとる。この方法で、ガンマ分布の和がまたガンマ分布になること、比がベータ分布に従い和と独立であることを示し、ベータ関数の値まで得た。
- 極座標では、2次元標準正規の距離が Rayleigh 分布、偏角が一様分布に従って独立になる。それを逆にたどったものが Box–Muller 法である。
(3) 独立和と畳み込み
独立和の分布は、分布の畳み込み である。離散なら確率関数の畳み込み和、密度があれば密度の畳み込み積分になる。片方に密度があれば、和にも密度がある。
- Poisson・二項(成功確率が共通)・ガンマ(レートが共通)・正規の各分布は再生性を持つ。その証明は、二項定理・Vandermonde の恒等式・ベータ関数・平方完成という、それぞれの族に固有の計算に頼った。
- 一様分布の和は再生性を持たない。しかし畳み込みを重ねるごとに滑らかになり、正規分布の形に近づいていった。
(4) ランダム和
足す個数そのものが確率変数であるランダム和の分布は、複合分布である。個数を固定した畳み込み を、重み で混ぜたものである。確率母関数で書くと、合成 になる。
- その系として、Poisson 個の Bernoulli 試行の成功数がまた Poisson 分布に従い、失敗数と独立になること(間引き)を示した。
- 平均は「個数の平均×1つの平均」である。分散は「額のばらつき」と「件数のばらつき」の2つの項に分かれる。
- Wald の等式は、個数が列と独立でなくても平均の公式が成り立つことを述べる。条件は、 回目を行うかどうかがそれまでの結果だけで決まることである。証明は という書き換えと収束定理だけで済んだ。
(5) この先の章とのつながり
- 次の第8章では、確率母関数・積率母関数・特性関数を体系的に導入する。この章で再生性を示すのに要した族ごとの計算は、独立和の母関数が積になること((7.23) の一般化)を使うと、母関数の積を計算するだけの作業に変わる。
- その裏付けとなる「特性関数が分布を決める」という一意性定理は、第9章で示す。
- Box–Muller 法は、第12章の Monte Carlo 積分で正規乱数を作るときに使う。図 7.3 で見た正規分布への接近は、第13章の中心極限定理で一般に証明する。
- 間引きの結果は第14章で Poisson 過程の間引きとして使う。Wald の等式は、第15章で平均到達時間を計算するときに再び使う。
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