この章のまとめ
AI 生成・木下が未勉強
確率論入門 第8章 §8.5
この章では、分布に関数を対応させる3つの変換を導入した。どれも指数関数の形をした関数の期待値である。独立な確率変数については期待値が積に分かれるので、独立和の変換は変換の積になる。第7章で畳み込みとして書いた独立和の分布は、変換の世界では掛け算として扱える。
(1) 確率母関数
確率母関数 は、非負整数値の分布をべき級数の係数として持つ。
- 係数を読めば分布が分かり、分布をただ1つに定めることも初等的に示せた。
- 1での左微分係数は、階乗モーメントになる。
- ランダム和の確率母関数は、合成 になる。この合成の公式から、Galton–Watson 過程の絶滅確率が の最小の解であることを導いた。子の数の平均が1以下なら、確実に絶滅する。
(2) 積率母関数
積率母関数 は、0の近くで有限ならすべてのモーメントを Taylor 係数として持ち、分布を決める(一意性の証明は第9章に送った)。
- 有限になる範囲は0を含む区間である。Cauchy 分布のように、原点だけになる場合もある。
- 対数正規分布は、すべてのモーメントが有限でも積率母関数が有限にならない。同じモーメントをもつ別の分布が存在することを、例題で確かめた。
(3) 特性関数
特性関数 は、すべての分布に対して定まる Fourier 変換である。絶対値が1以下で、一様連続、正定値という性質をもつ。
- 次のモーメントが有限なら 回微分できる。原点のまわりで 次までの Taylor 展開 (8.18) が、1つ上の次数のモーメントを仮定せずに成り立つ。
- 逆に、原点で2回微分可能なら分散は有限である。
- 正規分布の特性関数 は、微分方程式 を解いて求めた。
(4) キュムラント
キュムラントは積率母関数の対数の Taylor 係数で、独立和で足し算になり、定数倍で冪の分だけ変わる。
- 2次は分散、3次は平均のまわりの3次モーメント、4次は である。
- 正規分布では3次以上がすべて0になる。標準化した歪度・尖度は、正規分布からのずれを測る。
- 独立同分布の和では、歪度が 、尖度が の速さで0に近づく。
(5) この先の章とのつながり
- 次の第9章では、特性関数から分布を復元する Lévy の反転公式を示し、特性関数が分布を一意に定めることを証明する。それによって、この章で認めた積率母関数の一意性と、独立和の分布の再生性が完全に正当化される。
- 第10章では、積率母関数から Chernoff 限界を作る。
- 第13章では、(8.19) の形の Taylor 展開と Lévy の連続性定理を組み合わせて、中心極限定理を証明する。
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