tecktom.com

Pauli 常磁性

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第7章 極低温の理想 Fermi 気体
目次
  1. 磁化率の比較:Curie 常磁性・Pauli 常磁性・Landau 反磁性
  2. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計熱力学入門 第7章 §7.4 ★★ χ=μ02D(εF)=3Nμ02/2εF\chi=\mu_0^2D(\varepsilon_{\mathrm{F}})=3N\mu_0^2/2\varepsilon_{\mathrm{F}}。温度に鈍い常磁性。Curie の縮退版。

磁場 HH 中では、電子のスピン磁気モーメントと磁場の相互作用(Zeeman 効果)により、各電子の準位がスピンの向きに応じて上下にずれる:

εσ(k)=ℏ2k22m−σμ0H(σ=+1:平行, σ=−1:反平行).\varepsilon_\sigma(\bm k)=\frac{\hbar^2k^2}{2m}-\sigma\mu_0H \qquad(\sigma=+1:\text{平行},\ \sigma=-1:\text{反平行}).

μ0\mu_0 は電子の磁気モーメントの大きさ、μ0H\mu_0H はエネルギーの次元をもつ。運動項は磁場に依らないとする。平行なモーメント(σ=+1\sigma=+1)はエネルギーが μ0H\mu_0H 下がり、反平行(σ=−1\sigma=-1)は μ0H\mu_0H 上がる。

分裂は何を引き起こすか。磁場がなければ上向き・下向きスピンの準位はまったく同じで、両者の電子数は等しく N+=N−=N/2N_+=N_-=N/2、正味の磁気モーメントは 00 である。磁場をかけると平行スピンの方がエネルギー的に得になるので、電子はできるだけ平行に揃いたい。ところが排他律のせいで全員が平行に転じることはできない――低い平行状態はすでに埋まっているからである。スピンを反転できるのは、移り先の空席がある Fermi 面近傍の電子だけ。その結果、平行がわずかに多い状態 N+>N−N_+>N_- に落ち着き、この差が正味の磁化M=μ0(N+−N−)M=\mu_0(N_+-N_-) を生む。これが Pauli 常磁性である。

スピン種とその粒子数(積分の出どころ)。上向き・下向きの電子を、それぞれ一つの Fermi 気体(スピン種)とみなす。スピンは 2 つの内部状態なので、各スピン種の状態密度は全体(g=2g=2)の半分 D1(ε)=12D(ε)D_1(\varepsilon)=\tfrac12D(\varepsilon) である。スピン種 σ\sigma の電子は、運動エネルギー εk\varepsilon_k の状態にいても全エネルギーはεk−σμ0H\varepsilon_k-\sigma\mu_0H で、それが μ\mu 以下なら占有される。よって占有率は運動エネルギーの関数としてfF(εk−σμ0H)f_{\mathrm F}(\varepsilon_k-\sigma\mu_0H) となり、そのスピン種の電子数は「状態密度 ×\times 占有率」を足し上げた

Nσ=∫0∞D1(εk) fF(εk−σμ0H) ⁣dεkN_\sigma=\int_0^\infty D_1(\varepsilon_k)\,f_{\mathrm F}(\varepsilon_k-\sigma\mu_0H)\mathop{}\!\mathrm{d}\varepsilon_k

で与えられる(T=0T=0 なら「運動エネルギーを μ+σμ0H\mu+\sigma\mu_0H まで詰める」――平行は上限が高く反平行は低い――と同じこと)。Zeeman ずれは、この詰める上限を σμ0H\sigma\mu_0H だけずらす効果として入る。

磁化と磁化率。M=μ0(N+−N−)M=\mu_0(N_+-N_-) を低磁場について HH の 1 次まで展開する。f(εk∓μ0H)≃f(εk)∓μ0H f′(εk)f(\varepsilon_k\mp\mu_0H)\simeq f(\varepsilon_k)\mp\mu_0H\,f'(\varepsilon_k) より

M=μ0∫0∞D1[f(εk−μ0H)−f(εk+μ0H)] ⁣dεk≃2μ02H∫0∞D1(εk)(−f′(εk)) ⁣dεk.M=\mu_0\int_0^\infty D_1\big[f(\varepsilon_k-\mu_0H)-f(\varepsilon_k+\mu_0H)\big]\mathop{}\!\mathrm{d}\varepsilon_k \simeq 2\mu_0^2H\int_0^\infty D_1(\varepsilon_k)\big(-f'(\varepsilon_k)\big)\mathop{}\!\mathrm{d}\varepsilon_k .

低温では −f′≃δ(εk−εF)-f'\simeq\delta(\varepsilon_k-\varepsilon_{\mathrm{F}})(Fermi 面に鋭く局在)だから∫D1(−f′) ⁣dεk≃D1(εF)=12D(εF)\int D_1(-f')\mathop{}\!\mathrm{d}\varepsilon_k\simeq D_1(\varepsilon_{\mathrm{F}})=\tfrac12D(\varepsilon_{\mathrm{F}})。ゆえに

★★ 結果:Pauli 常磁性磁化率

M=μ02 D(εF) H,χ=MH=μ02 D(εF)=3Nμ022εF=3Nμ022kBTFM=\mu_0^2\,D(\varepsilon_{\mathrm{F}})\,H,\qquad \chi=\frac{M}{H}=\mu_0^2\,D(\varepsilon_{\mathrm{F}})=\frac{3N\mu_0^2}{2\varepsilon_{\mathrm{F}}}=\frac{3N\mu_0^2}{2 k_{\mathrm{B}} T_{\mathrm F}}

図

図 7.1 Pauli 常磁性の幾何。両スピン種は同じ状態密度曲線 12D(εk)\tfrac12D(\varepsilon_k) を共有し、平行スピンは運動エネルギーを μ+μ0H\mu+\mu_0H まで、反平行は μ−μ0H\mu-\mu_0H まで詰める。両者の差=上端の幅 2μ0H2\mu_0H・高さ 12D(εF)\tfrac12D(\varepsilon_{\mathrm{F}}) の薄いスライバー(オレンジ)が正味のモーメント μ02D(εF)H\mu_0^2D(\varepsilon_{\mathrm{F}})H を与える。

図7.1のとおり、磁化は「上端の薄いスライバーの差」として現れる。磁化率は最低次では温度に依らない定数で、これが Pauli 常磁性である。古典的な Curie 常磁性 χ∝1/T\chi\propto1/T が、縮退により χ∝1/TF\chi\propto1/T_{\mathrm F}(TT の代わりに TFT_{\mathrm F})へ「凍結」した姿と見なせる。磁場に応答してスピンを反転できるのが Fermi 面近傍の ∼D(εF)μ0H\sim D(\varepsilon_{\mathrm{F}})\mu_0H 個だけで、その数が温度に依らないことが、χ\chi が定数になる理由である。

磁化率の比較:Curie 常磁性・Pauli 常磁性・Landau 反磁性

磁化 MM は系の磁気モーメントの和で、弱い磁場への応答を磁化率 χ=lim⁡H→0∂M/∂H\chi=\lim_{H\to0}\partial M/\partial H で表す。χ>0\chi>0 を常磁性、χ<0\chi<0 を反磁性という。電子の磁気モーメントの源は、スピン(この節の Zeeman 項)と、軌道運動(磁場の中の円運動の電流。量子力学では Landau 準位に量子化される)の2つである。

比較の基準は、互いに独立な NN 個の局在したモーメントである。各モーメントは2つの準位 ∓μ0H\mp\mu_0H をとるので、

M=Nμ0tanh⁡μ0HkBT,χC=Nμ02kBT(Curie 常磁性),χPχC=3kBT2εF=3T2TF.M=N\mu_0\tanh\frac{\mu_0H}{ k_{\mathrm{B}} T},\qquad \chi_{\mathrm C}=\frac{N\mu_0^2}{ k_{\mathrm{B}} T}\quad(\textbf{Curie 常磁性}),\qquad \frac{\chi_{\mathrm P}}{\chi_{\mathrm C}}=\frac{3 k_{\mathrm{B}} T}{2\varepsilon_{\mathrm{F}}}=\frac{3T}{2T_{\mathrm F}}.

Pauli の磁化率は、Curie の式の kBTk_{\mathrm{B}} T を 23εF\frac23\varepsilon_{\mathrm{F}} に置き換えた形をしている。局在したモーメントは熱揺らぎ kBTk_{\mathrm{B}} T と競い合って向きを変えるが、伝導電子で向きを変えられるのは Fermi 面付近の電子だけである。その数は温度によらないので、χP\chi_{\mathrm P} は温度によらず、χC\chi_{\mathrm C} よりはるかに小さい。次節のナトリウム(TF≃3.75×104 KT_{\mathrm F}\simeq3.75\times10^4\,\mathrm K)では、室温 300 K300\,\mathrm K で比は約 0.012 である。

軌道運動からは、自由電子ではLandau 反磁性 χL=−χP/3\chi_{\mathrm L}=-\chi_{\mathrm P}/3 が出る(結果だけ書き、導出は Landau 準位とその縮退度を使う)。和は 23χP\frac23\chi_{\mathrm P} である。古典統計力学では軌道運動の磁化は厳密に0になる(Bohr–van Leeuwen の定理。証明は 虎の巻『解析力学から様々な理論分野を組み立てる』第3部第3章)ので、Landau 反磁性は量子力学に固有の効果である。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

← AI生成教科書『基礎理論』の記事一覧へ