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なぜ運動量演算子は微分 −iℏ ∂x-\mathrm{i}\hbar\,\partial_x なのか

2026年10月15日15分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1部 第2章 交換子と不確定性関係
目次
  1. (1) de Broglie の関係:運動量 の粒子は平面波
  2. (2) 平面波から を取り出す操作
  3. (3) 一般の波動関数:Fourier 展開で平面波に分ける
  4. (4) 平行移動の生成子
  5. (5) 時間とエネルギーの対
  6. (6) 使い道: を含まないハミルトニアンの変数分離
  7. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第1部 第2章 §1.2.2 ★★ p^=−iℏ∂x\hat p=-\mathrm{i}\hbar\partial_x の由来。平面波・Fourier 展開・並進の生成子。

一言でいうと、運動量 pp をもつ粒子の波動関数は平面波 eipx/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} px/\hbar} である。これを位置で微分すると、係数として運動量そのものが出てくる。

前節では位置表示の p^=−iℏ d/dx\hat p=-\mathrm{i}\hbar\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x を既知として交換子を計算した。本節では、この形がどの実験事実から来て、一般の波動関数に対して何をしているのかを順に確かめる。同じ議論は時間微分とエネルギーの対にもそのまま当てはまる。

(1) de Broglie の関係:運動量 pp の粒子は平面波

de Broglie(1924)は、運動量 pp の粒子には波長 λ=h/p\lambda=h/p の波が伴うと仮定した。Davisson と Germer(1927)は電子線をニッケル単結晶に当て、反射強度が Bragg 条件を満たす角度で極大になることを観測した。その角度から求めた波長は、加速電圧から計算した電子の運動量を h/ph/p に代入した値と一致した。こうして次の関係が実験で確認された:

p=hλ=ℏk,k=2πλ.p=\frac{h}{\lambda}=\hbar k,\qquad k=\frac{2\pi}{\lambda}.

波数 kk をもつ最も単純な波は平面波

ψp(x)=eikx=eipx/ℏ\psi_p(x)=\mathrm{e}^{\mathrm{i} kx}=\mathrm{e}^{\mathrm{i} px/\hbar}

である。余弦波でなく複素指数関数を使う理由は、余弦波が向きの逆な2つの平面波の和

cos⁡kx=12(eikx+e−ikx)\cos kx=\tfrac12\bigl(\mathrm{e}^{\mathrm{i} kx}+\mathrm{e}^{-\mathrm{i} kx}\bigr)

であり、運動量 ±p\pm p の重ね合わせだからである。運動量の向きまで確定した状態は eikx\mathrm{e}^{\mathrm{i} kx} の片方だけで表される。なお ∣ψp∣2=1|\psi_p|^2=1 は xx によらないので、この状態では位置がまったく定まっていない。

(2) 平面波から pp を取り出す操作

平面波を xx で微分すると、指数の肩の係数が前に出る:

dψpdx=ipℏ ψp.\frac{\mathrm{d}\psi_p}{\mathrm{d} x}=\frac{\mathrm{i} p}{\hbar}\,\psi_p .

両辺に ℏ/i=−iℏ\hbar/\mathrm{i}=-\mathrm{i}\hbar を掛けると

 −iℏ ddx ψp=p ψp \boxed{\ -\mathrm{i}\hbar\,\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} x}\,\psi_p=p\,\psi_p\ }

となる。これは演算子 −iℏ d/dx-\mathrm{i}\hbar\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x の固有値方程式である。固有関数は平面波 ψp\psi_p で、固有値は運動量の値に等しい。

したがって p^≡−iℏ d/dx\hat p\equiv-\mathrm{i}\hbar\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x と定めると、運動量が確定した状態(平面波)がちょうど固有値 pp の固有状態になる。係数のうち ℏ\hbar は、微分で出てくる波数を運動量 p=ℏkp=\hbar k に換算する因子である。係数 −i-\mathrm{i} は、微分で出てくる i\mathrm{i} を打ち消して固有値を実数にする因子である。仮に ℏ d/dx\hbar\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x を使うと、固有値は純虚数 ip\mathrm{i} p になり測定値として意味を持たない。

この −i-\mathrm{i} はエルミート性とも対応している。部分積分(境界で φ,ψ→0\varphi,\psi\to0)により

∫φ∗ dψdx dx=−∫(dφdx) ⁣∗ψ dx\int\varphi^*\,\frac{\mathrm{d}\psi}{\mathrm{d} x}\,\mathrm{d} x=-\int\Bigl(\frac{\mathrm{d}\varphi}{\mathrm{d} x}\Bigr)^{\!*}\psi\,\mathrm{d} x

なので、d/dx\mathrm{d}/\mathrm{d} x 自体は反エルミートである。虚数単位を1つ掛けるとエルミートになり、観測量の条件(実固有値)を満たす。符号を −i-\mathrm{i} に選ぶ理由は、正の向きの運動量の状態を e+ipx/ℏ\mathrm{e}^{+\mathrm{i} px/\hbar} で表すと約束しているからである。

(3) 一般の波動関数:Fourier 展開で平面波に分ける

一般の ψ(x)\psi(x) は平面波ではない。しかし Fourier 積分によって平面波の重ね合わせとして書ける:

ψ(x)=12πℏ∫−∞∞φ(p) eipx/ℏ dp.\psi(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi\hbar}}\int_{-\infty}^{\infty}\varphi(p)\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} px/\hbar}\,\mathrm{d} p .

係数 φ(p)\varphi(p) を運動量空間の波動関数と呼ぶ。

この式に −iℏ d/dx-\mathrm{i}\hbar\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x を作用させると、微分は積分の中の eipx/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} px/\hbar} にだけ掛かる。各成分は (2) の固有値方程式に従うので

−iℏ dψdx=12πℏ∫−∞∞p φ(p) eipx/ℏ dp-\mathrm{i}\hbar\,\frac{\mathrm{d}\psi}{\mathrm{d} x}=\frac{1}{\sqrt{2\pi\hbar}}\int_{-\infty}^{\infty}p\,\varphi(p)\,\mathrm{e}^{\mathrm{i} px/\hbar}\,\mathrm{d} p

となる。つまり位置表示での微分は、運動量空間では各成分 φ(p)\varphi(p) に pp を掛ける操作である。位置表示で位置演算子 x^\hat x が座標の掛け算であるのと同じく、運動量表示では p^\hat p が運動量の掛け算になる。

Born 則により、∣φ(p)∣2|\varphi(p)|^2 は運動量の測定値が pp になる確率密度である。Parseval の等式を使うと、期待値について

⟨p^⟩=∫−∞∞ψ∗(−iℏ dψdx)dx=∫−∞∞p ∣φ(p)∣2 dp\langle \hat p \rangle =\int_{-\infty}^{\infty}\psi^*\Bigl(-\mathrm{i}\hbar\,\frac{\mathrm{d}\psi}{\mathrm{d} x}\Bigr)\mathrm{d} x=\int_{-\infty}^{\infty}p\,|\varphi(p)|^2\,\mathrm{d} p

が成り立つ。xx 側で微分して積分する計算は、測定値 pp をその確率で平均する計算と同じ値を与える。

(4) 平行移動の生成子

ψ(x+a)\psi(x+a) を aa について Taylor 展開し、指数関数の級数と見比べる:

ψ(x+a)=∑n=0∞ann!dnψdxn=exp⁡(addx)ψ(x)(指数関数の級数の定義)=exp⁡(iaℏ p^)ψ(x)(addx=iaℏ(−iℏddx)).\begin{aligned}\psi(x+a)&=\sum_{n=0}^{\infty}\frac{a^n}{n!}\frac{\mathrm{d}^n\psi}{\mathrm{d} x^n} =\exp\Bigl(a\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} x}\Bigr)\psi(x) &&(\text{指数関数の級数の定義})\\ &=\exp\Bigl(\frac{\mathrm{i} a}{\hbar}\,\hat p\Bigr)\psi(x) &&\Bigl(a\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} x}=\frac{\mathrm{i} a}{\hbar}\Bigl(-\mathrm{i}\hbar\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} x}\Bigr)\Bigr).\end{aligned}

ずらす量が小さいときは

ψ(x+a)≃ψ(x)+iaℏ p^ ψ(x)\psi(x+a)\simeq\psi(x)+\frac{\mathrm{i} a}{\hbar}\,\hat p\,\psi(x)

であり、p^\hat p は無限小の平行移動を生み出す演算子(並進の生成子)である。平面波に当てはめると ψp(x+a)=eipa/ℏψp(x)\psi_p(x+a)=\mathrm{e}^{\mathrm{i} pa/\hbar}\psi_p(x) で、平行移動は位相を掛けるだけになる。

符号に注意しておく。波動関数を正の向きへ距離 aa だけずらした状態は ψ(x−a)=e−iap^/ℏψ(x)\psi(x-a)=\mathrm{e}^{-\mathrm{i} a\hat p/\hbar}\psi(x) である。次々節の並進演算子 T^(a)=e−iaP^/ℏ\hat T(a)=\mathrm{e}^{-\mathrm{i} a\hat P/\hbar} はこちらの向きで定義してある。

この見方は解析力学の「運動量は並進の生成子」と同じ内容である。古典力学では Poisson 括弧 {x,p}PB=1\{x,p\}_{\rm PB}=1 により、運動量を生成関数とする無限小正準変換が平行移動 x→x+εx\to x+\varepsilon を与える。Noether の定理によれば、Lagrangian が x→x+εx\to x+\varepsilon で不変なら、共役運動量 p=∂L/∂x˙p=\partial L/\partial\dot x が保存する。

量子力学ではこれが交換子の言葉になる。ハミルトニアンがすべての平行移動 eiap^/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} a\hat p/\hbar} と可換なら、ずらす量の1次の項から [H^, p^]=0\left[\hat H,\,\hat p\right]=0 が従う。Heisenberg の運動方程式(§1.5.3)により dp^H/dt=0\mathrm{d}\hat p_H/\mathrm{d} t=0 となり、運動量が保存する。

量子力学では運動量をまず並進の生成子として定義し、それが自由粒子では mx˙m\dot x に一致する、という順序で理解するとよい。磁場中で正準運動量が mx˙m\dot x からずれるのはこのためで、次々節で扱う。

(5) 時間とエネルギーの対

光電効果で確かめられた Einstein の関係 E=ℏωE=\hbar\omega を de Broglie は物質波にも当てはめた。時間まで含めた平面波は

Ψ(x,t)=ei(kx−ωt)=ei(px−Et)/ℏ\Psi(x,t)=\mathrm{e}^{\mathrm{i}(kx-\omega t)}=\mathrm{e}^{\mathrm{i}(px-Et)/\hbar}

である。xx と tt でそれぞれ微分すると

−iℏ ∂xΨ=p Ψ,iℏ ∂tΨ=E Ψ-\mathrm{i}\hbar\,\partial_x\Psi=p\,\Psi,\qquad \mathrm{i}\hbar\,\partial_t\Psi=E\,\Psi

を得る。符号が逆になる理由は、位相が kx−ωtkx-\omega t の形をしているからである。波数と角振動数がともに正なら、これは正の向きに進む波を表す。

自由粒子のエネルギー E=p2/2mE=p^2/2m にこの対応を代入すると、自由粒子の Schrödinger 方程式

iℏ ∂tΨ=−ℏ22m ∂x2Ψ\mathrm{i}\hbar\,\partial_t\Psi=-\frac{\hbar^2}{2m}\,\partial_x^2\Psi

が出る。ポテンシャル V(x)V(x) を足したものが iℏ ∂tΨ=H^Ψ\mathrm{i}\hbar\,\partial_t\Psi=\hat H\Psi である。(4) と並べると、p^\hat p が空間の並進を生成するのと同じく、H^\hat H は時間の並進

Ψ(t+τ)=e−iH^τ/ℏ Ψ(t)\Psi(t+\tau)=\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\hat H\tau/\hbar}\,\Psi(t)

を生成する。時間並進の対称性からエネルギー保存が出るのも、空間並進と運動量の関係と同じ構造である。

(6) 使い道:y,zy,z を含まないハミルトニアンの変数分離

3次元では p^y=−iℏ ∂y\hat p_y=-\mathrm{i}\hbar\,\partial_y、p^z=−iℏ ∂z\hat p_z=-\mathrm{i}\hbar\,\partial_z である。ハミルトニアンが座標 y,zy,z を含まず、その方向については運動量演算子だけを含むとする。このときハミルトニアンは y,zy,z 方向の平行移動と可換であり、p^y,p^z\hat p_y,\hat p_z との同時固有状態をとることができる。その形は

ψ(x,y,z)=ei(pyy+pzz)/ℏ φ(x)\psi(x,y,z)=\mathrm{e}^{\mathrm{i}(p_yy+p_zz)/\hbar}\,\varphi(x)

であり、ハミルトニアンの中の運動量演算子 p^y,p^z\hat p_y,\hat p_z は固有値 py,pzp_y,p_z に置き換わる。残るのは φ(x)\varphi(x) についての1次元の固有値問題である。

その代表例が第5部『電磁場中の荷電粒子とゲージ』の Landau ゲージである。一様磁場 B=Bez\bm{B}=B\bm{e}_z をベクトルポテンシャル A=(0,Bx,0)\bm{A}=(0,Bx,0) で表すと

H^=12m[p^x2+(p^y−qBx^)2+p^z2]\hat H=\frac{1}{2m}\Bigl[\hat p_x^2+\bigl(\hat p_y-qB\hat x\bigr)^2+\hat p_z^2\Bigr]

となり、座標は xx しか現れない。運動量演算子を固有値 pyp_y に置き換えると、残る1変数の波動関数は中心 x0=py/qBx_0=p_y/qB の調和振動子の方程式に従う。サイクロトロン角振動数を ωc=∣q∣B/m\omega_c=|q|B/m と書くと、固有値は Landau 準位

E=ℏωc(n+12)+pz22mE=\hbar\omega_c\bigl(n+\tfrac12\bigr)+\frac{p_z^2}{2m}

になる。統計力学の Landau 反磁性で縮退度を数えるときは、この pyp_y の取りうる値の数を数える。指数関数の形が仮定でなく固有値方程式の解として出ること、pyp_y が速度 mvymv_y でなく軌道の中心を指す量子数であることは、第5部『電磁場中の荷電粒子とゲージ』の Landau ゲージの節で扱う。

運動量演算子が微分である理由 ★★

  • 実験:de Broglie の関係 p=ℏkp=\hbar k(Davisson–Germer)。運動量 pp の状態は平面波 eipx/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} px/\hbar}。
  • 固有値方程式:−iℏ d/dx-\mathrm{i}\hbar\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x は平面波から pp を取り出す。−i-\mathrm{i} は固有値を実数にする因子。
  • Fourier 展開:位置表示の微分は、運動量表示での pp の掛け算。
  • 並進の生成子:ψ(x+a)=eiap^/ℏψ(x)\psi(x+a)=\mathrm{e}^{\mathrm{i} a\hat p/\hbar}\psi(x)。並進対称性があれば運動量が保存する。
  • 時間との対:E=ℏωE=\hbar\omega から iℏ ∂t\mathrm{i}\hbar\,\partial_t、そこから Schrödinger 方程式。

例題 2.1

オリジナル★★ p^=−iℏ∂x\hat p=-\mathrm{i}\hbar\partial_x を波束・並進・変数分離で使う。

  • (1) 次の Gauss 波束を考える:

ψ(x)=(πσ2)−1/4exp⁡(−x22σ2+ip0xℏ).\psi(x)=(\pi\sigma^2)^{-1/4}\exp\Bigl(-\frac{x^2}{2\sigma^2}+\frac{\mathrm{i} p_0x}{\hbar}\Bigr).

位置表示の運動量演算子を使って ⟨p^⟩\langle \hat p \rangle と ⟨p^2⟩\langle \hat p^2 \rangle を求めよ。さらに Δx Δp\Delta x\,\Delta p を求め、Robertson の不等式と比べよ。

  • (2) 関数 f(x)=x3f(x)=x^3 に exp⁡(iap^/ℏ)\exp(\mathrm{i} a\hat p/\hbar) を作用させる。結果が (x+a)3(x+a)^3 になることを、級数を項ごとに計算して確かめよ。
  • (3) 次のハミルトニアンの固有関数を考える:

H^=p^x2+p^y2+p^z22m+V(x^).\hat H=\frac{\hat p_x^2+\hat p_y^2+\hat p_z^2}{2m}+V(\hat x).

固有関数を ψ=ei(pyy+pzz)/ℏφ(x)\psi=\mathrm{e}^{\mathrm{i}(p_yy+p_zz)/\hbar}\varphi(x) の形で探すとき、φ\varphi が満たす方程式を書け。

解答

(1) 指数の肩を微分して

−iℏ ψ′(x)=(p0+iℏxσ2)ψ(x)-\mathrm{i}\hbar\,\psi'(x)=\Bigl(p_0+\frac{\mathrm{i}\hbar x}{\sigma^2}\Bigr)\psi(x)

を得る。∣ψ∣2|\psi|^2 は偶関数なので、奇関数 x∣ψ∣2x|\psi|^2 の積分は消える。よって

⟨p^⟩=∫(p0+iℏxσ2)∣ψ∣2 dx=p0.\langle \hat p \rangle =\int\Bigl(p_0+\frac{\mathrm{i}\hbar x}{\sigma^2}\Bigr)|\psi|^2\,\mathrm{d} x=p_0 .

⟨p^2⟩\langle \hat p^2 \rangle は −ℏ2ψ′′-\hbar^2\psi'' を使って計算する。もう一度微分すると

−ℏ2ψ′′=[(p0+iℏxσ2)2+ℏ2σ2]ψ=[p02+2iℏp0xσ2−ℏ2x2σ4+ℏ2σ2]ψ-\hbar^2\psi''=\Bigl[\Bigl(p_0+\frac{\mathrm{i}\hbar x}{\sigma^2}\Bigr)^2+\frac{\hbar^2}{\sigma^2}\Bigr]\psi =\Bigl[p_0^2+\frac{2\mathrm{i}\hbar p_0x}{\sigma^2}-\frac{\hbar^2x^2}{\sigma^4}+\frac{\hbar^2}{\sigma^2}\Bigr]\psi

となる。∣ψ∣2|\psi|^2 で積分すると xx の1次の項は消え、残りは次のとおり:

⟨p^2⟩=p02−ℏ2σ4⟨x2⟩+ℏ2σ2(x の奇関数の項は 0)=p02−ℏ2σ4⋅σ22+ℏ2σ2=p02+ℏ22σ2(⟨x2⟩=σ22).\begin{aligned}\langle \hat p^2 \rangle &=p_0^2-\frac{\hbar^2}{\sigma^4}\langle x^2 \rangle +\frac{\hbar^2}{\sigma^2} &&(x\ \text{の奇関数の項は}\ 0)\\ &=p_0^2-\frac{\hbar^2}{\sigma^4}\cdot\frac{\sigma^2}{2}+\frac{\hbar^2}{\sigma^2} =p_0^2+\frac{\hbar^2}{2\sigma^2} &&\Bigl(\langle x^2 \rangle =\frac{\sigma^2}{2}\Bigr).\end{aligned}

したがって分散は次のようになる:

(Δp)2=⟨p^2⟩−⟨p^⟩2=ℏ22σ2,(Δx)2=⟨x2⟩=σ22.(\Delta p)^2=\langle \hat p^2 \rangle -\langle \hat p \rangle ^2=\frac{\hbar^2}{2\sigma^2},\qquad (\Delta x)^2=\langle x^2 \rangle =\frac{\sigma^2}{2}.

積は Δx Δp=ℏ/2\Delta x\,\Delta p=\hbar/2 で、Robertson の不等式の等号が成り立つ。平面波の因子 eip0x/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i} p_0x/\hbar} は運動量の平均を p0p_0 だけずらすが、運動量の広がりには影響しない。

(2) (ia/ℏ)p^=a d/dx(\mathrm{i} a/\hbar)\hat p=a\,\mathrm{d}/\mathrm{d} x なので、級数は ∑n(an/n!) f(n)\sum_n (a^n/n!)\,f^{(n)} である。x3x^3 の4階以上の導関数は0なので、級数は4項で終わる:

eiap^/ℏx3=x3+a⋅3x2+a22⋅6x+a36⋅6=x3+3ax2+3a2x+a3=(x+a)3.\mathrm{e}^{\mathrm{i} a\hat p/\hbar}x^3=x^3+a\cdot3x^2+\frac{a^2}{2}\cdot6x+\frac{a^3}{6}\cdot6=x^3+3ax^2+3a^2x+a^3=(x+a)^3 .

多項式では Taylor 級数が有限項で終わるので、近似ではなく等式として成り立つ。

(3) yy と zz についての2階微分は、指数関数から定数因子を出すだけである。その因子は (ipy/ℏ)2(\mathrm{i} p_y/\hbar)^2 と (ipz/ℏ)2(\mathrm{i} p_z/\hbar)^2 である。両辺を共通因子 ei(pyy+pzz)/ℏ\mathrm{e}^{\mathrm{i}(p_yy+p_zz)/\hbar} で割ると

[−ℏ22md2dx2+V(x)]φ(x)=(E−py2+pz22m)φ(x)\Bigl[-\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\mathrm{d}^2}{\mathrm{d} x^2}+V(x)\Bigr]\varphi(x)=\Bigl(E-\frac{p_y^2+p_z^2}{2m}\Bigr)\varphi(x)

を得る。y,zy,z 方向の運動エネルギーは定数として右辺に移り、残りは1次元の Schrödinger 方程式である。

木下の勉強ステータス

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