量子力学入門 第1部 第2章 §1.2.6 ★★ 可換 ⇔ 同時対角化。良い量子数の根拠。
★★ 可換 ⇔ 同時固有基底。
命題 (可換 ⟺ 同時固有基底)
観測量 A^,B^ について、空間全体を張る同時固有状態の基底が存在する ⟺ [A^,B^]=0。
証明の骨子
(⇒)同時固有状態 ∣ψ⟩ では [A^,B^]∣ψ⟩=(ab−ba)∣ψ⟩=0。これが空間を張る基底すべてで成り立てば、演算子として [A^,B^]=0。
(⇐)A^∣a⟩=a∣a⟩ に可換性を使うと A^(B^∣a⟩)=B^(A^∣a⟩)=a(B^∣a⟩)、すなわち B^∣a⟩ も固有値 a の A^ 固有状態。a が非縮退なら B^∣a⟩∝∣a⟩ で ∣a⟩ は B^ の固有状態にもなる。縮退していれば B^ はその固有空間を自分自身へ写すので、縮退空間の中で B^ を対角化すれば同時固有基底がとれる。
可換なら「両方の値で状態をラベルできる」(例:∣n,ℓ,m⟩)、非可換なら「一方を確定させると他方が不確定になる」。後者を定量化するのが次の不等式である。なお最後の「縮退空間内で対角化」は、§1.8の縮退摂動論とまったく同じ操作である。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com