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時間に依存しない摂動論(復習)

2026年10月15日4分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第1部 第8章 時間に依存しない摂動論(復習)

AI 生成・木下が未勉強

量子力学入門 第1部 第8章 §1.8.1 ★★★ 縮退/非縮退摂動論。量子力学で最もよく使う近似の道具。

厳密に解ける H^0\hat H_0(固有値 En(0)E_n^{(0)}、固有状態 ∣ϕn(0)⟩| \phi_n^{(0)} \rangle は既知)に小さな摂動 V^\hat V を加えた H^=H^0+V^\hat H=\hat H_0+\hat V を考える。Vmn≡⟨ϕm(0)∣V^∣ϕn(0)⟩V_{mn}\equiv\langle \phi_m^{(0)} | \hat V | \phi_n^{(0)} \rangle とおく。En(0)E_n^{(0)} が非縮退なら、固有値・固有状態を V^\hat V のべきで展開して

En(1)=Vnn,En(2)=∑m≠n∣Vmn∣2En(0)−Em(0),∣ϕn(1)⟩=∑m≠nVmnEn(0)−Em(0)∣ϕm(0)⟩E_n^{(1)}=V_{nn},\qquad E_n^{(2)}=\sum_{m\neq n}\frac{|V_{mn}|^2}{E_n^{(0)}-E_m^{(0)}},\qquad | \phi_n^{(1)} \rangle =\sum_{m\neq n}\frac{V_{mn}}{E_n^{(0)}-E_m^{(0)}}| \phi_m^{(0)} \rangle

を得る。1次のエネルギー補正は摂動の期待値という要点は、ヘリウム原子で電子間反発の効果を評価する際の主役になる。2次式の構造も読んでおく:分母が小さい(準位が近い)ほど混ざりが大きく、基底状態では分母がすべて負なので2次補正は必ずエネルギーを下げる(準位反発)。

E(0)E^{(0)} が縮退している場合、上の分母が消えて破綻する。そのときは縮退部分空間内で V^\hat V を行列 Vab=⟨a∣V^∣b⟩V_{ab}=\langle a | \hat V | b \rangle(a,ba,b は同じ E(0)E^{(0)} の状態)として対角化する(永年方程式 det⁡(Vab−E(1)δab)=0\det(V_{ab}-E^{(1)}\delta_{ab})=0)。固有値が1次のエネルギー補正、固有ベクトルが「正しい0次状態」を与える。これは§1.2の命題の証明で見た「縮退空間内で対角化する」操作そのもので、V^\hat V 自身に良い基底を選ばせる手続きである。同種粒子系でスピン多重項ごとにエネルギーが分裂する構造も、「対称性(入れ替え)で先に基底を分類してから摂動を評価する」というこの考え方の延長線上にある。

なお、時間に依存しない摂動論が定常状態のエネルギー補正を与えるのに対し、第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』で扱う時間に依存する摂動論は、摂動によって状態が別の状態へ遷移する確率を与える。同じ「摂動論」でも問いが異なる点に注意されたい。非縮退・縮退摂動論のフルの導出と、Stark 効果・磁気異方性への適用は、第6部『摂動論と変分法』で正面から扱っている。

本章のまとめ

  • 測定:値は固有値、確率は Born 則 P(a)=∣⟨a∣ψ⟩∣2P(a)=|\langle a | \psi \rangle |^2、測定後は収縮。「遷移確率」は Born 則そのもの。
  • 不確定性:ΔA ΔB≥12∣⟨[A^, B^]⟩∣\Delta A\,\Delta B\ge\tfrac12|\langle \left[\hat A,\,\hat B\right] \rangle |。零点エネルギーは閉じ込めと運動量の暴れの妥協点。
  • 時間発展:固有基底に展開して各成分の位相を回す。単一固有状態=定常、重ね合わせ=相対位相が動く。
  • 調和振動子:[a^, a^†]=1\left[\hat a,\,\hat a^\dagger\right]=1 だけから En=ℏω(n+12)E_n=\hbar\omega(n+\tfrac12)(非負性+梯子)。a^∣0⟩=0\hat a| 0 \rangle =0 を解けば Gauss 基底、a^†\hat a^\dagger で Hermite 多項式 ×\times Gauss。⟨x^⟩(t)\langle \hat x \rangle (t) は厳密に角振動数 ω\omega で単振動。
  • 描像:時間依存の置き場所の簿記。S=状態が動く(波動関数向き)、H=演算子が動く(代数・保存量向き)、相互作用描像=中間(摂動論向き、第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』)。期待値はどれでも同じ。
  • スピン:σz\sigma_z=選んだ軸で対角、σx\sigma_x=位相なしスワップ、σy\sigma_y=90∘90^\circ 位相。状態⇔Bloch 球面上の向き、b⋅σ\bm{b}\cdot\bm{\sigma} の固有値は ±∣b∣\pm|\bm{b}|。
  • スピン合成:12⊗12=1⊕0\tfrac12\otimes\tfrac12=1\oplus0。てっぺん ∣↑↑⟩| \uparrow\uparrow \rangle から S^−\hat S_- で降りて3重項(対称)、直交する残りが1重項(反対称)。
  • 摂動論:非縮退は VnnV_{nn} と ∑∣Vmn∣2/ΔE\sum|V_{mn}|^2/\Delta E、縮退は永年方程式。

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