量子力学入門 第1部 第4章 §1.4.3 ★★ 固有値が整数 n に落ちる論理。
N^∣ν⟩=ν∣ν⟩(∣ν⟩ は規格化済み)とおく。
(1) 非負性。 ν=⟨ν∣a^†a^∣ν⟩=∥a^∣ν⟩∥2≥0。固有値はベクトルのノルムの2乗だから必ず非負。等号は a^∣ν⟩=0 のときに限る。
(2) 梯子構造。 [a^,a^†]=1 と Leibniz 則から
[N^,a^]=[a^†,a^]a^=−a^,[N^,a^†]=a^†[a^,a^†]=+a^†.
これを使うと
N^(a^∣ν⟩)=(a^N^−a^)∣ν⟩=(ν−1)(a^∣ν⟩),N^(a^†∣ν⟩)=(ν+1)(a^†∣ν⟩).
すなわちa^ は固有値を1下げ、a^† は1上げる(梯子=ladder の名の由来。消滅・生成演算子とも呼ぶ)。
(3) 下限の存在。 (2)を繰り返せば固有値 ν,ν−1,ν−2,… がいくらでも下れるように見える。だが(1)より負にはなれない。矛盾を避ける唯一の道は、ある状態 ∣νmin⟩ で梯子が断ち切れること:
a^∣νmin⟩=0.
(ゼロベクトルは状態でないから、これ以上は下がらない。)
(4) 最低固有値は零。 (1)の等号条件より νmin=∥a^∣νmin⟩∥2=0。最低状態を ∣0⟩ と書く。
(5) 固有値は非負整数に限る。 最低が 0 で、そこから a^† で1ずつ上れるから ν=0,1,2,… はすべて実現する。逆に半端な値(例 ν=0.5)が存在したら、(2)で下り続けると 0.5,−0.5,… と零を飛び越えて負に突き抜け、(1)に矛盾。ゆえに
En=ℏω(n+21),n=0,1,2,…
スペクトルの3特徴——離散(非負性と梯子の衝突)、等間隔(a^† が1ずつ上げる)、下に有界で零点エネルギー ℏω/2 をもつ(§1.2の不確定性の見積もりと一致)——がすべて [a^,a^†]=1 から自動的に出た。
AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com