他の近似法との使い分け・部どうしの接続
AI 生成・木下が未勉強
量子力学入門 第7部 第7章 §7.7.1 ★ 全体の俯瞰と部どうしの位置づけ
この部を閉じるにあたり、これまでに学んだ近似法の中での WKB の位置づけを整理する。
摂動論との違い(第6部『摂動論と変分法』の第1章). 摂動論は「ハミルトニアンが可解な部分+小さな補正」に分けられるときの展開で、展開パラメータは摂動の強さである。WKB は分け方を要求せず、展開パラメータは(=波長の短さ)。トンネルの透過率 は について の形であり、 のべき級数のすべての次数で ——摂動論では原理的に届かない「非摂動的」な量を、WKB は最下次で捉える。両者は捕まえる物理が違うのであって、優劣ではない。
変分法との違い(第6部『摂動論と変分法』の第2章). 変分法は基底状態(と少数の低励起状態)のエネルギーの上界を与える方法で、波動関数の大域的な形の良し悪しがすべてを決める。WKB は逆に高励起状態( 大=波長短)で強く、低い準位ほど精度が落ちる(例題5.2で見たとおり、それでも実用上は驚くほど良いが)。「下から数えるなら変分法、上から数えるなら WKB」という補完関係にある。
行列力学的な厳密解との関係. 調和振動子(第8部『時間依存摂動論とダイナミクス』の第0章§0.1)のように代数で厳密に解ける系では、WKB は検算あるいは古典描像との橋渡しとして働く。Kronig–Penney 模型(第2部『対称性と結晶バンド』の第2章)で壁を高くした極限の透過の議論や、固体中の電界放出・Zener トンネリングは、この部のトンネル公式 (7.6.1) の直接の応用先である。
数学的手法との接続. Airy 関数の漸近形 (7.4.1) の導出は複素積分の鞍点法そのものである(数学的手法の教科書「鞍点法」の章)。また経路積分の停留位相近似(第1章)は、鞍点法の「無限次元版」と読める。半古典近似とは、解析学の漸近展開の技術が量子力学に現れたものにほかならない。
WKB 法・全体のまとめ
- 古典極限=「作用 」。経路積分の停留位相が古典軌道を選ぶ。
- WKB:、(HJ 方程式)、(流れの保存)。有効条件 、回帰点で破綻。
- 接続公式:回帰点近傍の Airy 関数の漸近形(減衰 位相 の振動)。矢印の向き=誤差を増幅しない向き。
- 束縛状態:——位相空間面積 に1状態。調和振動子で厳密。硬い壁は 。
- トンネル:。アルファ崩壊の Geiger–Nuttall 則 を定量的に説明。
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