測定・もつれ・ベル不等式
AI 生成・木下が未勉強
量子情報入門 第1章 §1.3
射影測定
量子力学の測定公理は既知として、要点だけ確認する。観測量(Hermite演算子) のスペクトル分解に対して、状態 での測定結果が となる確率は
測定後の状態は
となる。もつれた状態を部分測定した場合、測定していない部分の状態が測定結果と相関を持つ点が古典と決定的に異なる。
一般の量子測定(測定演算子)
射影測定は測定の最も基本的な形だが、量子情報では次のより一般的な公理が標準的である。測定は測定演算子の族 ( は測定結果のラベル)で記述され、状態 に対して結果 の出る確率と測定後状態は
で与えられる。確率の総和が任意の状態で になるための条件が完全性関係
である。密度行列に対しては 、測定後は となる。
射影測定はこの特別な場合であり、(直交射影子、)と取ったものにほかならない。一般の は射影子である必要がなく、たとえば「弱い測定」(状態をほとんど乱さず少しだけ情報を得る)や、直交しない状態の識別などが記述できる。測定結果の確率だけに興味がある場合は をまとめてPOVM(positive operator-valued measure)と呼ぶ。
ここで注目すべきは、完全性関係 が、第1.8節で導入するKraus表現のトレース保存条件 と同じ形をしていることである。実際、測定を行って結果を読まずに捨てる操作は、量子チャネル にほかならない。すなわち「測定」と「雑音」は同じ数学(Kraus形式)の2つの顔であり、第2部の症候測定——雑音を診断するための測定——ではこの2つが実際に絡み合って現れる。
CHSH不等式とBellの定理
局所実在論(LHV: local hidden variable theory)は、離れた2箇所での測定結果が局所的な隠れ変数によって同時に定まっている、という素朴に思えるモデルである。しかし量子力学はこれと両立しない。これを定量的に示すのがCHSH不等式である。
をAliceの2つの観測(値 )、 をBobの2つの観測(値 )としたとき、CHSH相関量
は、
- 任意のLHVモデルの下で (古典的上限)
- 量子力学の下で (Tsirelson限界)
を満たす。両者のギャップこそが「量子もつれは古典的な相関には還元できない」ことの定量的表現である。ベル状態 と適切な測定軸の選び方で を達成できる。
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