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2倍間引きの z 領域表現(標本化定理の z 変換版)

2026年10月15日4分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第7章 z変換 — 離散時間信号のもう一つの変換

AI 生成・木下が未勉強

信号処理論入門 第7章 §7.5 ★ 標本化定理のz変換版

離散時間信号から偶数番目の標本だけを取り出す操作y[n]=x[2n]y[n]=x[2n] を2倍間引き(デシメーション)と呼ぶ。標本を半分捨てるのだから折り返しが起きるはずで、実際その折り返しが z 領域の式にはっきり見える形で現れる。第5章で連続時間の標本化について述べたことの離散版であり、道具立ては §5.1 の双対表の第1行だけである。

まず Y(z)=∑nx[2n]z−nY(z)=\sum_n x[2n]z^{-n} の変数を z2z^2 に取り替える。(z2)−n=z−2n(z^2)^{-n}=z^{-2n} なので k=2nk=2n と置き直せて

Y(z2)=∑n=−∞∞x[2n] z−2n=∑k: 偶数x[k] z−kY(z^{2})=\sum_{n=-\infty}^{\infty}x[2n]\,z^{-2n} =\sum_{k:\ \text{偶数}}x[k]\,z^{-k}

となる。これはX(z)=∑kx[k]z−kX(z)=\sum_k x[k]z^{-k} のうち kk が偶数の項だけを残した部分和である。zz の指数が元の信号の添字とそろった点が肝心で、ここまで来れば「偶数番だけを残す」という操作を式で書くだけでよい。(−1)k(-1)^k は kk が偶数のとき 11、奇数のとき −1-1 だから

1+(−1)k2={1(k 偶数)0(k 奇数)\frac{1+(-1)^{k}}{2}=\begin{cases}1 & (k\ \text{偶数})\\ 0 & (k\ \text{奇数})\end{cases}

が偶数番だけを通すふるいになる。これを掛けて全 kk で和を取ると

Y(z2)=12∑kx[k]z−k+12∑k(−1)kx[k]z−k=12[X(z)+X(−z)]Y(z^{2})=\frac{1}{2}\sum_k x[k]z^{-k}+\frac{1}{2}\sum_k(-1)^{k}x[k]z^{-k} =\frac{1}{2}\bigl[X(z)+X(-z)\bigr]

を得る。第2項で X(−z)X(-z) が出るのは、(−z)−k=(−1)−kz−k=(−1)kz−k(-z)^{-k}=(-1)^{-k}z^{-k}=(-1)^{k}z^{-k} より∑k(−1)kx[k]z−k=∑kx[k](−z)−k=X(−z)\sum_k(-1)^kx[k]z^{-k}=\sum_k x[k](-z)^{-k}=X(-z) となるからで、これは指数重みの性質 Z[αnx[n]]=X(z/α)\mathcal{Z}[\alpha^nx[n]]=X(z/\alpha) の α=−1\alpha=-1 の場合にほかならない。最後に z→z1/2z\to z^{1/2} と読み替えれば YY そのものが XX で書ける。

要点

定石:2倍間引きの z 領域公式

Y(z)=12[X(z1/2)+X(−z1/2)],y[n]=x[2n].(7.1)Y(z)=\frac{1}{2}\Bigl[X\bigl(z^{1/2}\bigr)+X\bigl(-z^{1/2}\bigr)\Bigr], \qquad y[n]=x[2n].\tag{7.1}

  • 平方根の枝は気にしなくてよい。zz の一方の平方根を ww とすると他方は −w-w で、右辺は w↔−ww\leftrightarrow-w の入れ替えで不変な対称式だから、Y(z)Y(z) は一意に定まる。
  • 折り返しは第2項 X(−z1/2)X(-z^{1/2}) に入っている。単位円上で z=ejΩz=\mathrm{e}^{\mathrm{j}\Omega} と置くと−z1/2=ej(Ω/2+π)=ej(Ω+2π)/2-z^{1/2}=\mathrm{e}^{\mathrm{j}(\Omega/2+\pi)}=\mathrm{e}^{\mathrm{j}(\Omega+2\pi)/2} なので、第2項は「Ω\Omega 軸を2倍に引き伸ばしたスペクトルを 2π2\pi ずらした複製」である。第1項 X(ejΩ/2)X(\mathrm{e}^{\mathrm{j}\Omega/2}) が主成分で、複製が主成分に重なるとエイリアシングになる。
  • 折り返しが消える条件が標本化定理の z 変換版である。X(ejΩ)=0 (∣Ω∣≥π/2)X(\mathrm{e}^{\mathrm{j}\Omega})=0\ (\left\vert \Omega\right\vert \ge\pi/2) と帯域制限されていれば、Ω∈(−π,π]\Omega\in(-\pi,\pi] に対し Ω/2+π\Omega/2+\pi は帯域の外に落ちるので第2項は恒等的に 00 になり

Y(z)=12X(z1/2).Y(z)=\frac{1}{2}X\bigl(z^{1/2}\bigr).

「標本を半分に間引くなら帯域も半分(π/2\pi/2 以下)でなければならない」という、fs≥2fmax⁡f_s\ge2f_{\max} とまったく同じ内容の主張である。

  • DFT で書けばもっと見やすい。長さ NN の X[k]X[k] に対し、間引いた列の DFT はY[m]=12(X[m]+X[m+N/2])Y[m]=\frac12\bigl(X[m]+X[m+N/2]\bigr)(m=0,…,N/2−1m=0,\dots,N/2-1)で、第2項が半周ずれた複製である。

検算=検算スクリプト の第3節。

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