四つの Fourier 変換の位置づけ
AI 生成・木下が未勉強
信号処理論入門 第5章 §5.1 ★★ 四象限の対応表
本章では、連続信号を離散化するサンプリングが周波数領域で何を引き起こすかを調べ、「元の連続信号を完全に復元できる条件」を与えるサンプリング定理を導く。続いて、有限長の離散信号に対する実用の変換である離散 Fourier 変換(DFT)を定義する。
ここまでに現れた変換を、「時間が連続か離散か」「周波数(=時間の周期性)が連続か離散か」の二軸で整理する。これが本書全体の地図である。
| 時間:連続 | 時間:離散 | |
| 非周期(周波数:連続) | Fourier 変換(第3章) | DTFT(第4章、周波数は 周期) |
| 周期(周波数:離散) | Fourier 級数(第2章) | DFT(本章、時間も周波数も有限離散) |
読み取るべき双対則は二つある。時間を離散化すると周波数が周期化し(右列)、時間を周期化すると周波数が離散化する(下行)。両方を同時に行った右下が DFT で、時間・周波数ともに有限個の点になり、コンピュータで厳密に計算できる唯一の変換になる。迷ったらこの表に戻れば、いま自分がどの世界で計算しているのかを見失わずに済む。
この二つの双対則は、本章以降で起きることのほぼ全部を先取りしている。折り返し(次節)も、DFT の暗黙の周期延長(§5.3)も、窓とスペクトル漏れ(第6章)も、2倍間引き(§7.5)も、すべて下の表の一行を具体的な場面に当てはめただけである。場面が変わっても道具は同じなので、まずこの表のどの行に当たるかを見極めるとよい。
要点
定石:標本化と周期化の双対(片方でやると、もう片方でこうなる)
| 一方でやること | 他方で起きること | 現れる場面 |
| 時間を間隔 で標本化 | 周波数が で周期化(複製が並んで足し合わさる) | FT DTFT。複製が重なると折り返し(§5.2)。z 領域では2倍間引きの 項(§7.5) |
| 周波数を間隔 で標本化 | 時間が周期 で周期化(区間外は が並ぶ) | DTFT DFT。継ぎ目の段差がスペクトル漏れを生み、窓関数で段差を消す(第6章) |
| 時間を周期 で周期化 | 周波数が で離散化 | FT Fourier 級数(第2章) |
一言でまとめると:片方の領域で点を飛び飛びに取ると、もう片方の領域では同じものが繰り返し現れる。間隔が狭いほど繰り返しの周期は長い(間隔と周期は逆数の関係にある)。折り返しも漏れも、この「繰り返し」が隣とぶつかることの別名である。
四つの変換の解析式(順変換)と合成式(逆変換)を、同じ記号法で並べて確認しておく。どれも「信号を複素正弦波の族へ射影して係数を並べる(解析)/係数を重み付きで足し戻す(合成)」という第1章の同じ骨格であり、違いは和か積分か・範囲が有限か無限かだけである。
要点
四変換の定義式まとめ
① Fourier 級数(FS)—連続・周期 離散・非周期():
② Fourier 変換(FT)—連続・非周期 連続・非周期:
③ 離散時間 Fourier 変換(DTFT)—離散・非周期 連続・ 周期( は正規化角周波数):
④ 離散 Fourier 変換(DFT)—離散・周期/有限長 離散・周期 ():
つながり方も一言で言える。時間信号を周期 で標本化すると FT が周波数軸上で ごとに周期化されて DTFT になり(この重なりが折り返し=エイリアシング、次節)、さらに1周期を 点で標本化すると DTFT が周波数軸上でも離散化されて DFT になる。すなわち FT DTFT DFT で、有限和なのは DFT だけ——だから実際に計算機で回せるのは DFT であり、FFT はその高速計算法である(第6章)。
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