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Friedmann 方程式

2026年10月15日18分で読めますAI生成教科書『基礎理論』第14章 宇宙論の入口
目次
  1. FLRW 計量の Ricci テンソル
  2. の計算
  3. の計算
  4. Einstein 方程式から Friedmann 方程式へ
  5. 流体の式と3本の式の関係
  6. 臨界密度と密度パラメータ
  7. 確認テスト
  8. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

相対論入門 第14章 §14.2 ★★★ FLRW 計量を Einstein 方程式に入れると、スケール因子の速さ a˙\dot a と加速度 a¨\ddot a を密度と圧力で決める2本の常微分方程式になる

FLRW 計量の Ricci テンソル

Riemann テンソルの定義(第10章 §10.1)を縮約した Ricci テンソル

Rμν=Rρμρν=∂ρΓρνμ−∂νΓρρμ+ΓρρλΓλνμ−ΓρνλΓλρμR_{\mu\nu}=R^\rho{}_{\mu\rho\nu}=\partial_\rho\Gamma^\rho{}_{\nu\mu}-\partial_\nu\Gamma^\rho{}_{\rho\mu}+\Gamma^\rho{}_{\rho\lambda}\Gamma^\lambda{}_{\nu\mu}-\Gamma^\rho{}_{\nu\lambda}\Gamma^\lambda{}_{\rho\mu}

に、§14.1 の Christoffel 記号を入れる。よく使う縮約は

Γρρ0=Γii0=3a˙ca\Gamma^\rho{}_{\rho0}=\Gamma^i{}_{i0}=\frac{3\dot a}{ca}

である((14.8) で i=ji=j として3つ足した)。

R00R_{00} の計算

Γρ00=0\Gamma^\rho{}_{00}=0 なので第1項と第3項は0である。第2項は

−∂0Γρρ0=−1cddt(3a˙ca)=−3c2(a¨a−a˙2a2)-\partial_0\Gamma^\rho{}_{\rho0}=-\frac1c\frac{d }{d t}\Bigl(\frac{3\dot a}{ca}\Bigr)=-\frac{3}{c^2}\Bigl(\frac{\ddot a}{a}-\frac{\dot a^2}{a^2}\Bigr)

である。第4項 −Γρ0λΓλρ0-\Gamma^\rho{}_{0\lambda}\Gamma^\lambda{}_{\rho0} で0でないのは ρ,λ\rho,\lambda がともに空間の添字のときだけで、

−Γi0jΓji0=−a˙2c2a2 δijδji=−3a˙2c2a2-\Gamma^i{}_{0j}\Gamma^j{}_{i0}=-\frac{\dot a^2}{c^2a^2}\,\delta^i{}_j\delta^j{}_i=-\frac{3\dot a^2}{c^2a^2}

である。足し合わせると a˙2\dot a^2 の項が打ち消し合い、

R00=−3a¨c2a(14.10)R_{00}=-\frac{3\ddot a}{c^2a}\tag{14.10}

を得る。

RijR_{ij} の計算

4つの項を、空間の添字だけを含む部分と、0の添字を含む部分に分ける。空間の添字だけの部分は、3次元の Christoffel 記号から作った Ricci テンソルそのものであり、定理 14.1 から (3) ⁣Rij=2kγij{}^{(3)}\!R_{ij}=2k\gamma_{ij} である。0の添字を含む部分を項ごとに拾う。

  1. 第1項の ρ=0\rho=0:∂0Γ0ji=1cddt(aa˙c)γij=a˙2+aa¨c2γij\partial_0\Gamma^0{}_{ji}=\dfrac1c\frac{d }{d t}\Bigl(\dfrac{a\dot a}{c}\Bigr)\gamma_{ij}=\dfrac{\dot a^2+a\ddot a}{c^2}\gamma_{ij}。
  2. 第2項:Γ00i=0\Gamma^0{}_{0i}=0 なので、0の添字を含む寄与は無い。
  3. 第3項の λ=0\lambda=0:

Γρρ0Γ0ji=3a˙ca⋅aa˙cγij=3a˙2c2γij\Gamma^\rho{}_{\rho0}\Gamma^0{}_{ji}=\frac{3\dot a}{ca}\cdot\frac{a\dot a}{c}\gamma_{ij}=\frac{3\dot a^2}{c^2}\gamma_{ij}

である。残る組の項(ρ=0\rho=0 で空間の添字のもの)は、 Γ00l=0\Gamma^0{}_{0l}=0 で消える。4. 第4項の (ρ,λ)=(0,l)(\rho,\lambda)=(0,l) と (l,0)(l,0):

−Γ0jlΓl0i−Γlj0Γ0li=−aa˙cγjla˙caδli−a˙caδljaa˙cγli=−2a˙2c2γij.-\Gamma^0{}_{jl}\Gamma^l{}_{0i}-\Gamma^l{}_{j0}\Gamma^0{}_{li}=-\frac{a\dot a}{c}\gamma_{jl}\frac{\dot a}{ca}\delta^l{}_i-\frac{\dot a}{ca}\delta^l{}_j\frac{a\dot a}{c}\gamma_{li}=-\frac{2\dot a^2}{c^2}\gamma_{ij}.

合計は (a˙2+aa¨+3a˙2−2a˙2)γij/c2=(aa¨+2a˙2)γij/c2(\dot a^2+a\ddot a+3\dot a^2-2\dot a^2)\gamma_{ij}/c^2=(a\ddot a+2\dot a^2)\gamma_{ij}/c^2 なので

Rij=(aa¨+2a˙2c2+2k)γij,R0i=0(14.11)R_{ij}=\Bigl(\frac{a\ddot a+2\dot a^2}{c^2}+2k\Bigr)\gamma_{ij},\qquad R_{0i}=0\tag{14.11}

である(R0i=0R_{0i}=0 は等方性から明らかで、成分計算でも確かめた)。

スカラー曲率は、

g00=1,gij=−γija2,γijγij=3g^{00}=1,\qquad g^{ij}=-\frac{\gamma^{ij}}{a^2},\qquad \gamma^{ij}\gamma_{ij}=3

を使って

R=R00−γijRija2=−6(a¨c2a+a˙2c2a2+ka2)(14.12)R=R_{00}-\frac{\gamma^{ij}R_{ij}}{a^2}=-6\Bigl(\frac{\ddot a}{c^2a}+\frac{\dot a^2}{c^2a^2}+\frac{k}{a^2}\Bigr)\tag{14.12}

となる。Einstein テンソル Gμν=Rμν−12gμνRG_{\mu\nu}=R_{\mu\nu}-\frac12g_{\mu\nu}R は

G00=−3a¨c2a+3(a¨c2a+a˙2c2a2+ka2)=3(a˙2c2a2+ka2),Gij=(aa¨+2a˙2c2+2k)γij−3a2(a¨c2a+a˙2c2a2+ka2)γij=−(2aa¨+a˙2c2+k)γij\begin{align*}G_{00}&=-\frac{3\ddot a}{c^2a}+3\Bigl(\frac{\ddot a}{c^2a}+\frac{\dot a^2}{c^2a^2}+\frac{k}{a^2}\Bigr)=3\Bigl(\frac{\dot a^2}{c^2a^2}+\frac{k}{a^2}\Bigr),\tag{14.13}\\G_{ij}&=\Bigl(\frac{a\ddot a+2\dot a^2}{c^2}+2k\Bigr)\gamma_{ij}-3a^2\Bigl(\frac{\ddot a}{c^2a}+\frac{\dot a^2}{c^2a^2}+\frac{k}{a^2}\Bigr)\gamma_{ij}=-\Bigl(\frac{2a\ddot a+\dot a^2}{c^2}+k\Bigr)\gamma_{ij}\tag{14.14}\end{align*}

である。G00G_{00} には a¨\ddot a が入らないことに注意する。

Einstein 方程式から Friedmann 方程式へ

源は共動観測者とともに静止した完全流体とする。等方性により、物質の平均の速度は共動観測者の速度に一致していなければならないからである。uμ=(c,0,0,0)u^\mu=(c,0,0,0) で、uμ=gμνuν=(c,0,0,0)u_\mu=g_{\mu\nu}u^\nu=(c,0,0,0) なので、添字を下げたエネルギー運動量テンソルは

T00=(ρ+Pc2)c2−P=ρc2,T0i=0,Tij=−P gij=Pa2γijT_{00}=\Bigl(\rho+\frac{P}{c^2}\Bigr)c^2-P=\rho c^2,\qquad T_{0i}=0,\qquad T_{ij}=-P\,g_{ij}=Pa^2\gamma_{ij}

である。一様性により、ρ\rho と PP は時刻だけの関数である。

宇宙定数を含む Einstein 方程式 Gμν−Λgμν=(8πG/c4)TμνG_{\mu\nu}-\Lambda g_{\mu\nu}=(8\pi G/c^4)T_{\mu\nu} の00成分は、(14.13) と g00=1g_{00}=1 から

3(a˙2c2a2+ka2)−Λ=8πGc4ρc23\Bigl(\frac{\dot a^2}{c^2a^2}+\frac{k}{a^2}\Bigr)-\Lambda=\frac{8\pi G}{c^4}\rho c^2

である。両辺に c2/3c^2/3 を掛けて整理すると

  H2≡(a˙a)2=8πG3ρ−kc2a2+Λc23  (14.15)\boxed{\;H^2\equiv\Bigl(\frac{\dot a}{a}\Bigr)^2=\frac{8\pi G}{3}\rho-\frac{kc^2}{a^2}+\frac{\Lambda c^2}{3}\;}\tag{14.15}

となる。これをFriedmann 方程式(第1式)と呼び、H=a˙/aH=\dot a/a をHubble パラメータと呼ぶ。

ijij 成分は、(14.14) と gij=−a2γijg_{ij}=-a^2\gamma_{ij} から

−(2aa¨+a˙2c2+k)γij+Λa2γij=8πGc4Pa2γij-\Bigl(\frac{2a\ddot a+\dot a^2}{c^2}+k\Bigr)\gamma_{ij}+\Lambda a^2\gamma_{ij}=\frac{8\pi G}{c^4}Pa^2\gamma_{ij}

である。γij\gamma_{ij} を落として −c2/a2-c^2/a^2 を掛けると

2a¨a+a˙2a2+kc2a2−Λc2=−8πGc2P2\frac{\ddot a}{a}+\frac{\dot a^2}{a^2}+\frac{kc^2}{a^2}-\Lambda c^2=-\frac{8\pi G}{c^2}P

となる。ここで (14.15) を使って a˙2/a2+kc2/a2=8πGρ/3+Λc2/3\dot a^2/a^2+kc^2/a^2=8\pi G\rho/3+\Lambda c^2/3 と置き換えると、2a¨/a=−8πGP/c2−8πGρ/3+2Λc2/32\ddot a/a=-8\pi GP/c^2-8\pi G\rho/3+2\Lambda c^2/3、すなわち

  a¨a=−4πG3(ρ+3Pc2)+Λc23  (14.16)\boxed{\;\frac{\ddot a}{a}=-\frac{4\pi G}{3}\Bigl(\rho+\frac{3P}{c^2}\Bigr)+\frac{\Lambda c^2}{3}\;}\tag{14.16}

を得る。これを Friedmann 方程式の第2式(加速度の式)と呼ぶ。

第2式は、第11章 §11.2 で見た「静止した流体の重力の源は ρ+3P/c2\rho+3P/c^2」を宇宙全体に当てはめた形になっている。通常の物質と放射では ρ+3P/c2>0\rho+3P/c^2>0 なので膨張は減速し、宇宙定数の項だけが加速の向きに働く。

流体の式と3本の式の関係

保存則 ∇μTμ0=0\nabla_\mu T^{\mu0}=0 は、第11章の確認テスト 11.1-4 で平坦な場合に

ρ˙+3a˙a(ρ+Pc2)=0(14.17)\dot\rho+3\frac{\dot a}{a}\Bigl(\rho+\frac{P}{c^2}\Bigr)=0\tag{14.17}

になることを示した。k≠0k\neq0 でもこの式は変わらない。実際、共変発散を書き下すと

∇μTμ0=∂μTμ0+ΓμμλTλ0+Γ0μλTμλ\nabla_\mu T^{\mu0}=\partial_\mu T^{\mu0}+\Gamma^\mu{}_{\mu\lambda}T^{\lambda0}+\Gamma^0{}_{\mu\lambda}T^{\mu\lambda}

である。このうち曲率 kk を含むのは空間の Christoffel 記号 Γijk\Gamma^i{}_{jk} だけである。しかし Ti0=0T^{i0}=0 なので第2項には入らず、第3項も Γ0ijTij\Gamma^0{}_{ij}T^{ij} の形なので入らない。具体的には Tij=Pγij/a2T^{ij}=P\gamma^{ij}/a^2 なので

Γ0ijTij=aa˙cγij Pγija2=3a˙Pca\Gamma^0{}_{ij}T^{ij}=\frac{a\dot a}{c}\gamma_{ij}\,\frac{P\gamma^{ij}}{a^2}=\frac{3\dot aP}{ca}

で、曲率によらない。

流体の式 (14.17) は第1式と第2式から独立ではない。第1式の両辺を tt で微分し、ρ˙\dot\rho に (14.17) を入れると第2式が出る(確認テスト 14.2-2)。これは、Einstein テンソルの発散が恒等的に0である縮約 Bianchi 恒等式(第10章 §10.3)の、この対称性のもとでの現れである。

したがって、独立な方程式は第1式と流体の式の2本である。これに圧力と密度の関係(状態方程式)を1つ加えると、3つの未知関数(スケール因子・密度・圧力)が決まる。

Newton 力学で見た第1式

第1式は Newton 力学でも半分まで再現できる。一様な密度 ρ\rho の物質の中に、半径 R(t)=a(t)r0R(t)=a(t)r_0 の球を考える。球の中の質量 M=4π3ρR3M=\frac{4\pi}{3}\rho R^3 は、物質が球面を横切らないので一定である。

  • 球面上の単位質量の粒子の力学的エネルギーは保存し、12R˙2−GM/R=E\frac12\dot R^2-GM/R=E である。
  • この式に R=ar0R=ar_0 と質量を入れ、両辺を a2r02/2a^2r_0^2/2 で割ると

H2=8πG3ρ+2Er02a2H^2=\frac{8\pi G}{3}\rho+\frac{2E}{r_0^2a^2}

となる。

これは Λ=0\Lambda=0 の (14.15) で −kc2=2E/r02-kc^2=2E/r_0^2 と読み替えた形である。全エネルギーが負(k>0k>0)なら膨張はいずれ止まり、正(k<0k<0)なら無限に続く。一方、Newton 力学では圧力の重さが現れないので、第2式の 3P/c23P/c^2 の項は出てこない。

臨界密度と密度パラメータ

Λ\Lambda と kk を除いて、第1式を満たす密度

ρc=3H28πG(14.18)\rho_{\mathrm c}=\frac{3H^2}{8\pi G}\tag{14.18}

を臨界密度と呼ぶ。現在の値を添字0で表し(H0H_0 を Hubble 定数と呼ぶ)、成分ごとの現在の密度を臨界密度で割った量を密度パラメータと呼ぶ。

Ωm=ρm0ρc0,Ωr=ρr0ρc0,ΩΛ=Λc23H02,Ωk=−kc2H02(14.19)\Omega_{\mathrm m}=\frac{\rho_{\mathrm m0}}{\rho_{\mathrm c0}},\qquad \Omega_{\mathrm r}=\frac{\rho_{\mathrm r0}}{\rho_{\mathrm c0}},\qquad \Omega_\Lambda=\frac{\Lambda c^2}{3H_0^2},\qquad \Omega_k=-\frac{kc^2}{H_0^2}\tag{14.19}

ここで m は圧力の無い物質(ダスト。銀河や暗黒物質)、r は放射(光子と、質量が無視できるニュートリノ)を表す。ΩΛ\Omega_\Lambda は宇宙定数を密度 ρΛ=Λc2/(8πG)\rho_\Lambda=\Lambda c^2/(8\pi G) の成分とみなしたものと同じである。

各成分の密度の aa への依存は流体の式から決まる。第11章の確認テスト 11.1-3・11.1-4 で示したとおり、次のようになる。

  • ダストは ρm∝a−3\rho_{\mathrm m}\propto a^{-3} である。
  • 放射(P=ρc2/3P=\rho c^2/3)は ρr∝a−4\rho_{\mathrm r}\propto a^{-4} である。
  • 宇宙定数の密度は一定である。

a(t0)=1a(t_0)=1 と規格化したので、第1式を H02H_0^2 で割ると

H(a)2=H02(Ωra−4+Ωma−3+Ωka−2+ΩΛ)(14.20)H(a)^2=H_0^2\bigl(\Omega_{\mathrm r}a^{-4}+\Omega_{\mathrm m}a^{-3}+\Omega_ka^{-2}+\Omega_\Lambda\bigr)\tag{14.20}

となる。a=1a=1 とおけば

Ωr+Ωm+Ωk+ΩΛ=1(14.21)\Omega_{\mathrm r}+\Omega_{\mathrm m}+\Omega_k+\Omega_\Lambda=1\tag{14.21}

である。物質と宇宙定数を合わせた全密度パラメータを Ωtot=Ωr+Ωm+ΩΛ\Omega_{\mathrm{tot}}=\Omega_{\mathrm r}+\Omega_{\mathrm m}+\Omega_\Lambda と書く。空間の曲がり方は次のように決まる。

  • Ωtot>1\Omega_{\mathrm{tot}}>1 なら Ωk<0\Omega_k<0 である。これは k>0k>0、すなわち閉じた空間である。
  • Ωtot<1\Omega_{\mathrm{tot}}<1 なら、空間は開いている。
  • Ωtot=1\Omega_{\mathrm{tot}}=1 なら、空間は平坦である。

空間の曲がり方は、宇宙の中身の総量で決まる。

例題 14.2 臨界密度の大きさ ★★

オリジナル次の数値を使う。

  • H0=70 km s−1 Mpc−1H_0=70\,\mathrm{km\,s^{-1}\,Mpc^{-1}}、1 Mpc=3.0857×1022 m1\,\mathrm{Mpc}=3.0857\times10^{22}\,\mathrm m。
  • G=6.674×10−11 m3 kg−1 s−2G=6.674\times10^{-11}\,\mathrm{m^3\,kg^{-1}\,s^{-2}}、c=2.998×108 m/sc=2.998\times10^8\,\mathrm{m/s}。
  • 陽子の質量 mp=1.6726×10−27 kgm_{\mathrm p}=1.6726\times10^{-27}\,\mathrm{kg}、1 Gyr=3.156×1016 s1\,\mathrm{Gyr}=3.156\times10^{16}\,\mathrm s。
  1. (a) H0H_0 を s−1\mathrm{s^{-1}} の単位で表せ。Hubble 時間 1/H01/H_0 を Gyr で、Hubble 距離 c/H0c/H_0 を Mpc で求めよ。
  2. (b) 現在の臨界密度 ρc0\rho_{\mathrm c0} を求め、陽子何個分の 1 m31\,\mathrm{m^3} あたりの質量にあたるか答えよ。エネルギー密度 ρc0c2\rho_{\mathrm c0}c^2 も求めよ。
解答

(a) H0=7.0×104 m/s/(3.0857×1022 m)=2.27×10−18 s−1H_0=7.0\times10^4\,\mathrm{m/s}/(3.0857\times10^{22}\,\mathrm m)=2.27\times10^{-18}\,\mathrm{s^{-1}} である。逆数は

1H0=4.41×1017 s=4.41×10173.156×1016 Gyr=13.97 Gyr\frac1{H_0}=4.41\times10^{17}\,\mathrm s=\frac{4.41\times10^{17}}{3.156\times10^{16}}\,\mathrm{Gyr}=13.97\,\mathrm{Gyr}

で、宇宙の年齢の目安になる(実際の年齢は §14.4 で求める)。Hubble 距離は

cH0=2.998×105 km/s70 km s−1 Mpc−1=4283 Mpc\frac{c}{H_0}=\frac{2.998\times10^5\,\mathrm{km/s}}{70\,\mathrm{km\,s^{-1}\,Mpc^{-1}}}=4283\,\mathrm{Mpc}

である。

(b) (14.18) から

ρc0=3×(2.27×10−18)28π×6.674×10−11=9.20×10−27 kg/m3\rho_{\mathrm c0}=\frac{3\times(2.27\times10^{-18})^2}{8\pi\times6.674\times10^{-11}}=9.20\times10^{-27}\,\mathrm{kg/m^3}

である。陽子の質量で割ると 5.5 で、1 m31\,\mathrm{m^3} あたり陽子5〜6個分にすぎない。エネルギー密度は

ρc0c2=9.20×10−27×(2.998×108)2=8.27×10−10 J/m3\rho_{\mathrm c0}c^2=9.20\times10^{-27}\times(2.998\times10^8)^2=8.27\times10^{-10}\,\mathrm{J/m^3}

である。地上の最良の真空でも 1 m31\,\mathrm{m^3} に 101010^{10} 個以上の分子があるので、宇宙の平均の密度はそれよりはるかに小さい。

例題 14.3 物質だけの閉じた宇宙の一生 ★

オリジナルΩr=ΩΛ=0\Omega_{\mathrm r}=\Omega_\Lambda=0、Ωm=2\Omega_{\mathrm m}=2 の宇宙を考える。

  1. (a) 空間は閉じているか開いているかを答え、膨張が止まるときのスケール因子 amax⁡a_{\max} を求めよ。
  2. (b) この宇宙の解は、媒介変数 η\eta を使って

a=A(1−cos⁡η),t=B(η−sin⁡η)a=A(1-\cos\eta),\qquad t=B(\eta-\sin\eta)

と書ける(確認テスト 14.4-4)。これを用いて AA と BB を決めよ。さらに H0=70 km s−1 Mpc−1H_0=70\,\mathrm{km\,s^{-1}\,Mpc^{-1}} として、ビッグバンから再び a=0a=0 に戻るまでの時間と、現在の年齢を求めよ。

解答

(a) (14.21) から Ωk=1−2=−1<0\Omega_k=1-2=-1<0 なので k>0k>0 で、空間は閉じている。(14.20) は

H2=H02(2a−3−a−2)=H02a−3(2−a)H^2=H_0^2\bigl(2a^{-3}-a^{-2}\bigr)=H_0^2a^{-3}(2-a)

で、H=0H=0 になるのは a=2a=2 である。一般に amax⁡=Ωm/(Ωm−1)a_{\max}=\Omega_{\mathrm m}/(\Omega_{\mathrm m}-1) で、膨張は現在の2倍の大きさで止まり、その後は第2式 a¨<0\ddot a<0 に従って収縮に転じる。

(b) 確認テスト 14.4-4 の結果は

A=Ωm2(Ωm−1),B=Ωm2H0(Ωm−1)3/2A=\frac{\Omega_{\mathrm m}}{2(\Omega_{\mathrm m}-1)},\qquad B=\frac{\Omega_{\mathrm m}}{2H_0(\Omega_{\mathrm m}-1)^{3/2}}

である。これに Ωm=2\Omega_{\mathrm m}=2 を入れる。すると A=1A=1、B=1/H0B=1/H_0 となる。

スケール因子は η=π\eta=\pi で最大値 2A=22A=2 をとり、(a) と一致する。η=2π\eta=2\pi で再び0になる。そこまでの時間は

tend=2πB=2πH0=2π×13.97 Gyr=87.8 Gyrt_{\mathrm{end}}=2\pi B=\frac{2\pi}{H_0}=2\pi\times13.97\,\mathrm{Gyr}=87.8\,\mathrm{Gyr}

である。現在は a=1a=1 なので 1−cos⁡η0=11-\cos\eta_0=1 である。すなわち η0=π/2\eta_0=\pi/2 で、年齢は

t0=B(π2−1)=0.571H0=7.98 Gyrt_0=B\Bigl(\frac\pi2-1\Bigr)=\frac{0.571}{H_0}=7.98\,\mathrm{Gyr}

である。この値は ∫01da/(aH)\int_0^1\mathrm{d} a/(aH) の数値積分とも一致する(verify で確認した)。

確認テスト

オリジナル

  1. 14.2-1 第1式 (14.15) を任意の時刻で書き直し、全密度パラメータ Ω(t)=(ρ+ρΛ)/ρc(t)\Omega(t)=(\rho+\rho_\Lambda)/\rho_{\mathrm c}(t) が

Ω(t)−1=kc2a2H2\Omega(t)-1=\frac{kc^2}{a^2H^2}

を満たすことを示せ。Ω−1\Omega-1 の符号が時間によって変わらない理由を述べよ。2. 14.2-2 第1式の両辺を tt で微分し、流体の式 (14.17) を使うと第2式 (14.16) が出ることを示せ(a˙≠0\dot a\neq0 とする)。3. 14.2-3 例題 14.2 の臨界密度を、太陽質量(M⊙=1.989×1030 kgM_\odot=1.989\times10^{30}\,\mathrm{kg})毎 Mpc3\mathrm{Mpc^3} の単位で表せ。4. 14.2-4 ダスト(密度 ρ0\rho_0)と宇宙定数だけを含み、スケール因子が時間によらない静的な宇宙を考える。これが Friedmann 方程式の解になる条件を求め、Λ=4πGρ0/c2\Lambda=4\pi G\rho_0/c^2 と k/a2=Λk/a^2=\Lambda を示せ(第11章の確認テスト 11.3-2 と比べよ)。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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