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この章で取り出すもの:光線と屈折率の面

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2章 つなぎ:光線の解析力学
目次
  1. モード・物質・結合の3つの選び方
  2. 解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部第10章から引く結果
  3. 反射は折り返した光路で屈折と同じに扱う
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

光学と量子エレクトロニクス 第2章 §2.1 ★★ 場のモードは取り出さず光線だけを残す。物質は区分的に一様な屈折率と球面、結合は面での屈折と反射。道具は解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部第10章の結果だけ

この巻は光を「モード」と「2準位系」で読む。ただし最初の数章では、光をモードに分ける前の段階、つまり波長を 00 に送った光線の光学を扱う。光線の原理そのもの、すなわち Fermat の原理が光路長を作用とする変分原理であること、光線の Hamiltonian が H=−n2−px2−py2H=-\sqrt{n^2-p_x^2-p_y^2} であること、近軸の光線行列(ABCD 行列)が行列式 11 の線形正準変換であること、エタンデュの保存が Liouville の定理であることは、解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部第10章ですでに示した。この章はその結果を出発点にとり、導き直さない。

この章で組み立てるのは、光学の授業と実際のレンズ設計で毎日使う道具である。第一に、どれほど複雑なレンズ系でも、近軸では2つの主面と2つの焦点(基点)だけで結像が決まること。これは系の ABCD 行列の4つの成分から機械的に読み取ることができる。第二に、物体と像の位置を結ぶ Newton の式と倍率。焦点面から焦点面への行列は、相空間 (x,p)(x,p) の4分の1回転になる。第三に、絞りと瞳、F 値と開口数。2本の光線から作る Lagrange の不変量は、行列式が 11 であることの言い換えで、視野と明るさの上限を決める。第四に、近軸を使わない光線追跡。球面1つで光線を厳密に曲げると、光軸から離れた光線ほど手前で軸を横切る。このずれが高さの2乗から始まることを数値で確かめ、次の第3章(収差)へ渡す。

モード・物質・結合の3つの選び方

この巻の各章は「どの場のモードを取り出し、物質をどうモデル化し、どう結合させ、何を近似したか」で読む(第1章の表)。この章の選び方は次のとおりである。

場のモードは取り出さない。波長 λ\lambda を、レンズの大きさや曲率半径のような構造の長さに比べて 00 に送り、波面に直交する曲線である光線だけを残す。干渉と回折、つまり波の重ね合わせで初めて分かることはすべて捨てる。その代わりに、光線1本は相空間の1点 (x,y,px,py)(x,y,p_x,p_y) で表され、光学系はこの点を動かす写像になる。

物質のモデルは屈折率 nn だけである。この章では、ガラスや空気のように屈折率が一様な領域が、球面か平面の境界で区切られている系を扱う。屈折率の波長依存性(分散)は第3部で Lorentz 振動子から出すので、ここでは1つの波長についての定数とみなす。

結合は境界面での屈折と反射である。面に沿った並進の対称性から、面に平行な運動量 nsin⁡θn\sin\theta が保存し(Snell の法則)、これが光線と物質の唯一のやりとりになる。

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部第10章から引く結果

光が進む向きを zz 軸にとり、zz を時刻とみなすと、光線の正準変数は横の位置 x⊥=(x,y)\bm{x}_\perp=(x,y) と横の運動量 (px,py)=n (dx/ds,dy/ds)(p_x,p_y)=n\,(\mathrm{d} x/\mathrm{d} s,\mathrm{d} y/\mathrm{d} s) である。光線が光軸と角 θ\theta をなすとき p=nsin⁡θp=n\sin\theta で、近軸では p≈nθp\approx n\theta(屈折率を掛けた角)になる。この節から先は、光軸を含む1つの平面(子午面)の中の光線だけを考え、xx と p=pxp=p_x の組で表す。引く結果は次の4つである。

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部第10章の結果

  • 光線は光路長 ∫n ds\int n\,\mathrm{d} s を停留させる経路を通る(Fermat の原理)。面に沿った並進の Noether の保存量が nsin⁡θn\sin\theta で、Snell の法則 n1sin⁡θ1=n2sin⁡θ2n_1\sin\theta_1=n_2\sin\theta_2 になる。
  • 近軸の光線は2行2列の行列で運ばれる:(x2,p2)T=M (x1,p1)T(x_2,p_2)^{\mathsf T}=M\,(x_1,p_1)^{\mathsf T}、M=(ABmathbbCD)M=\bigl(\begin{smallmatrix}A&B\\mathbb{C}&D\end{smallmatrix}\bigr)。
  • 屈折率 nn の一様な媒質を距離 dd 進む行列は T(d)=(1d/n01)T(d)=\bigl(\begin{smallmatrix}1&d/n\\0&1\end{smallmatrix}\bigr)。曲率半径 RR の球面(中心が光の進む側にあるとき R>0R>0)で n1n_1 から n2n_2 へ屈折する行列は (10−(n2−n1)/R1)\bigl(\begin{smallmatrix}1&0\\-(n_2-n_1)/R&1\end{smallmatrix}\bigr)。
  • 変数を (x,p)(x,p) にとる限り、どのような系でも AD−BC=1AD-BC=1(線形正準変換)。

伝搬の行列で距離 dd が d/nd/n の形でしか入らないことに注意する。d/nd/n を換算距離と呼ぶ。屈折率 nn の中の距離 dd は、近軸の光線の幾何にとって空気中の距離 d/nd/n と区別がつかない。例えば、厚さ tt の平行平板は、入口の平面(行列は単位行列)・厚さ tt の伝搬・出口の平面を掛けて T(t)=(1t/n01)T(t)=\bigl(\begin{smallmatrix}1&t/n\\0&1\end{smallmatrix}\bigr) になり、空気の厚さ t/nt/n と同じ働きをする。平板を入れると光の束が集まる点は、平板が無い場合より t−t/nt-t/n だけ奥へずれる。

反射は折り返した光路で屈折と同じに扱う

鏡で反射した光は zz の負の向きに戻る。行列の計算では、反射のたびに光路を鏡のところで折り返して、光が zz の正の向きに進み続けると考える(展開した光路)。鏡の手前から見て凹んだ鏡(凹面鏡)の曲率半径の大きさを R>0R>0、凸面鏡では R<0R<0 とする。高さ xx の点で鏡の法線は光軸に対して x/Rx/R だけ傾いているので、法線から測った入射角は θ1+x/R\theta_1+x/R で、反射ではこの角の向きが逆になる。展開した光路で測った反射後の角はθ2=θ1−2x/R\theta_2=\theta_1-2x/R になり、空気中では

Mmirror=(10−2/R1)(2.1)M_{\mathrm{mirror}}=\begin{pmatrix}1&0\\-2/R&1\end{pmatrix}\tag{2.1}

である。凹面鏡は焦点距離 R/2R/2 の薄いレンズと同じ行列を持つ。反射のあとで光が戻る向きは展開したときに失われるので、実際の位置へ戻すときに折り返し直す。

例題 2.1 換算距離と鏡 ★★

オリジナル

  1. (1) 空気中を1点に集まりつつある光の束の途中に、屈折率 n=1.5n=1.5、厚さ t=3 mmt=3\,\mathrm{mm} の平行平板を光軸に垂直に入れる。光が集まる点はどちら向きにどれだけずれるか。
  2. (2) 深さ 2.0 m2.0\,\mathrm m のプールの底を真上から見ると、底はどれだけの深さに見えるか。水の屈折率を 1.3331.333 とし、真上に近い向きの光線だけを考える。
  3. (3) 曲率半径 R=60 cmR=60\,\mathrm{cm} の凹面鏡の前 a=20 cma=20\,\mathrm{cm} に顔を置く。行列 T(b)MmirrorT(a)T(b)M_{\mathrm{mirror}}T(a) の B=0B=0 から像の位置 bb を求め、倍率 AA を求めよ。
解答

(1) 平板の前後を含めて、平板が占める区間の行列は T(t)T(t) で、空気中なら同じ区間の行列は (1t01)\bigl(\begin{smallmatrix}1&t\\0&1\end{smallmatrix}\bigr) である。平板を入れると、その区間の換算距離が tt から t/nt/n へ減る。集まる点の位置は換算距離の和で決まるので、減った分 t−t/n=3−2=1 mmt-t/n=3-2=1\,\mathrm{mm} だけ、集まる点が光の進む向き(奥)へずれる。

(2) 底の1点から出て水面を出る光線を、水中の深さ dd の伝搬 T(d)=(1d/n01)T(d)=\bigl(\begin{smallmatrix}1&d/n\\0&1\end{smallmatrix}\bigr) と水面(平面なので単位行列)で運ぶ。空気中の目には、光線は空気中の距離 d/nd/n の所から出たように見える。見かけの深さは 2.0/1.333=1.50 m2.0/1.333=1.50\,\mathrm m である。

(3) 展開した光路で M=T(b)MmirrorT(a)M=T(b)M_{\mathrm{mirror}}T(a) を計算すると

M=(1−2b/Ra+b−2ab/R−2/R1−2a/R)M=\begin{pmatrix}1-2b/R&a+b-2ab/R\\-2/R&1-2a/R\end{pmatrix}

で、B=0B=0 は 1a+1b=2R\frac1a+\frac1b=\frac2R になる。a=20a=20, R=60R=60 を入れると 1b=130−120=−160\frac1b=\frac1{30}-\frac1{20}=-\frac1{60} で b=−60 cmb=-60\,\mathrm{cm}。b<0b<0 は、展開した光路で鏡の手前 60 cm60\,\mathrm{cm} の所から光線が出たように見えることを表し、実際の配置に折り返すと鏡の奥 60 cm60\,\mathrm{cm} に見える虚像である。倍率は A=1−2b/R=1+2=3A=1-2b/R=1+2=3 で、正立で3倍に拡大された顔が鏡の奥に見える。顔が焦点距離 R/2=30 cmR/2=30\,\mathrm{cm} より内側にあるので、化粧鏡として拡大された正立像になる。

木下の勉強ステータス

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