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最速降下線

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第1部 第4章 Euler–Lagrange 方程式と境界条件(数学だけ)
目次
  1. 降下時間の汎関数
  2. 第一積分からサイクロイドへ
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第1部 第4章 §1.4.5 ★★ 降下時間の汎関数も独立変数を含まない。第一積分 y(1+y′2)=一定y(1+y'^2)=\text{一定} を径数で解くとサイクロイドが出る

降下時間の汎関数

鉛直な平面の中で、原点から静かに放した玉が、摩擦なしに曲線 y(x)y(x) に沿って滑り、点 (X,Y)(X,Y) に着くまでの時間を最も短くする曲線を探す。この節では yy を下向きにとる。重力加速度を gg とし、玉の速さはエネルギー保存から v=2gyv=\sqrt{2gy} で与えられるものとする(エネルギー保存が成り立つ理由は力学の章で扱い、ここでは前提として使う)。曲線の線素 ds=1+y′2 dx\mathrm{d} s=\sqrt{1+y'^2}\,\mathrm{d} x を速さ vv で進む時間は ds/v\mathrm{d} s/v なので、降下時間は

T[y]=∫0X1+y′22gy dx,y(0)=0,y(X)=Y(1.4.16)\mathcal T[y]=\int_0^X\frac{\sqrt{1+y'^2}}{\sqrt{2gy}}\,\mathrm{d} x,\qquad y(0)=0,\quad y(X)=Y\tag{1.4.16}

である。被積分関数は x=0x=0 で y=0y=0 のため発散するが、yy が xx の 1/21/2 乗より速く 00 に近づかない限り積分は有限である(直線 y=(Y/X)xy=(Y/X)x でも有限)。

第一積分からサイクロイドへ

L=1+y′2/2gyL=\sqrt{1+y'^2}/\sqrt{2gy} は xx を陽に含まないので、エネルギー関数が一定である。

y′∂L∂y′−L=y′22gy1+y′2−1+y′22gy=−12gy1+y′2.y'\frac{\partial L}{\partial y'}-L=\frac{y'^2}{\sqrt{2gy}\sqrt{1+y'^2}}-\frac{\sqrt{1+y'^2}}{\sqrt{2gy}}=-\frac{1}{\sqrt{2gy}\sqrt{1+y'^2}} .

この値を −1/4gr-1/\sqrt{4gr}(r>0r>0 は長さの次元を持つ定数)とおくと

y (1+y′2)=2r(1.4.17)y\,(1+y'^2)=2r\tag{1.4.17}

を得る。この1階の方程式は、傾き y′y' を径数で表すと解ける。y′=cot⁡(θ/2)y'=\cot(\theta/2)(0<θ<2π0<\theta<2\pi)とおくと、1+y′2=1/sin⁡2(θ/2)1+y'^2=1/\sin^2(\theta/2) なので

y=2rsin⁡2θ2=r(1−cos⁡θ).y=2r\sin^2\frac\theta2=r(1-\cos\theta).

xx は dx=dy/y′\mathrm{d} x=\mathrm{d} y/y' から求める。dy=rsin⁡θ dθ=2rsin⁡θ2cos⁡θ2 dθ\mathrm{d} y=r\sin\theta\,\mathrm{d}\theta=2r\sin\frac\theta2\cos\frac\theta2\,\mathrm{d}\theta を cot⁡(θ/2)\cot(\theta/2) で割ると dx=2rsin⁡2θ2 dθ=r(1−cos⁡θ) dθ\mathrm{d} x=2r\sin^2\frac\theta2\,\mathrm{d}\theta=r(1-\cos\theta)\,\mathrm{d}\theta で、x(0)=0x(0)=0 から

x=r(θ−sin⁡θ),y=r(1−cos⁡θ)(1.4.18)x=r(\theta-\sin\theta),\qquad y=r(1-\cos\theta)\tag{1.4.18}

を得る。これは半径 rr の円が xx 軸の下側に接して転がるとき、円周上の1点が描く曲線で、サイクロイドと呼ぶ。θ=0\theta=0 で y′=cot⁡0y'=\cot0 が発散するので、玉は原点から鉛直に落ち始める。

時間も径数で書ける。線素は ds=dx2+dy2=r(1−cos⁡θ)2+sin⁡2θ dθ=2rsin⁡θ2 dθ\mathrm{d} s=\sqrt{\mathrm{d} x^2+\mathrm{d} y^2}=r\sqrt{(1-\cos\theta)^2+\sin^2\theta}\,\mathrm{d}\theta=2r\sin\frac\theta2\,\mathrm{d}\theta、速さは v=2gr(1−cos⁡θ)=2grsin⁡θ2v=\sqrt{2gr(1-\cos\theta)}=2\sqrt{gr}\sin\frac\theta2 なので、ds/v=r/g dθ\mathrm{d} s/v=\sqrt{r/g}\,\mathrm{d}\theta となり

T=θBrg(1.4.19)\mathcal T=\theta_{\mathrm B}\sqrt{\frac rg}\tag{1.4.19}

である。θB\theta_{\mathrm B} は終点 (X,Y)(X,Y) に対応する径数の値で、rr と θB\theta_{\mathrm B} は2本の式 X=r(θB−sin⁡θB)X=r(\theta_{\mathrm B}-\sin\theta_{\mathrm B}), Y=r(1−cos⁡θB)Y=r(1-\cos\theta_{\mathrm B}) から決まる。比をとると X/Y=(θB−sin⁡θB)/(1−cos⁡θB)X/Y=(\theta_{\mathrm B}-\sin\theta_{\mathrm B})/(1-\cos\theta_{\mathrm B}) で、右辺は θB\theta_{\mathrm B} について単調に増えるので θB\theta_{\mathrm B} が1つに決まる。X/Y>π/2X/Y>\pi/2 のときは θB>π\theta_{\mathrm B}>\pi となり、最速の曲線はいったん終点より低い所まで下りてから上って終点に着く。

図

図 1.4.3 原点 A から 1 m1\,\mathrm{m} 横・1 m1\,\mathrm{m} 下の点 B へ滑り下りる曲線(図では下向きの yy を負の向きに描いた)。点線は停留曲線(サイクロイド、厳密解、T≈0.583 s\mathcal T\approx0.583\,\mathrm{s})、実線は比べるための直線(T≈0.639 s\mathcal T\approx0.639\,\mathrm{s})である。サイクロイドに沿う玉は鉛直に落ち始めて早いうちに速くなるので、道のりは長いが時間は短い

例題 1.4.5 サイクロイドと直線の降下時間を比べる ★★

オリジナルg=9.81 m s−2g=9.81\,\mathrm{m\,s^{-2}} とし、原点から (X,Y)=(1 m,1 m)(X,Y)=(1\,\mathrm{m},1\,\mathrm{m}) へ滑り下りる。

  1. (1) 直線 y=xy=x に沿って滑るときの時間を求めよ。
  2. (2) サイクロイドの径数 θB\theta_{\mathrm B} と半径 rr を数値で求め、降下時間 (1.4.19) を計算せよ。
  3. (3) 直線の時間を汎関数 (1.4.16) の積分として計算し、(1) と一致することを確かめよ。
解答

(1) 直線の長さは ℓ=2 m\ell=\sqrt2\,\mathrm m、傾きの角は 45∘45^\circ で、斜面に沿った加速度は gsin⁡45∘=g/2g\sin45^\circ=g/\sqrt2 である。ℓ=12(g/2)T2\ell=\frac12(g/\sqrt2)\mathcal T^2 から

T直線=22 ℓg=49.81 s≈0.639 s.\mathcal T_{\text{直線}}=\sqrt{\frac{2\sqrt2\,\ell}{g}}=\sqrt{\frac{4}{9.81}}\,\mathrm s\approx0.639\,\mathrm s .

(2) X/Y=1X/Y=1 なので (θB−sin⁡θB)/(1−cos⁡θB)=1(\theta_{\mathrm B}-\sin\theta_{\mathrm B})/(1-\cos\theta_{\mathrm B})=1。数値で解くと θB≈2.412\theta_{\mathrm B}\approx2.412(<π<\pi なので終点より下へは行かない)。r=Y/(1−cos⁡θB)≈0.5729 mr=Y/(1-\cos\theta_{\mathrm B})\approx0.5729\,\mathrm m で、

Tサイクロイド=θBr/g≈2.412×0.5729/9.81 s≈0.583 s.\mathcal T_{\text{サイクロイド}}=\theta_{\mathrm B}\sqrt{r/g}\approx2.412\times\sqrt{0.5729/9.81}\,\mathrm s\approx0.583\,\mathrm s .

直線より約 9%9\% 短い。

(3) y=xy=x では y′=1y'=1 なので

T=∫0122gx dx=1g∫01x−1/2 dx=2g≈0.639 s\mathcal T=\int_0^1\frac{\sqrt2}{\sqrt{2gx}}\,\mathrm{d} x=\frac{1}{\sqrt g}\int_0^1x^{-1/2}\,\mathrm{d} x=\frac{2}{\sqrt g}\approx0.639\,\mathrm s

で、(1) と一致する。x=0x=0 で被積分関数は発散するが、x−1/2x^{-1/2} の積分は有限である。

ほかの巻では

木下の勉強ステータス

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