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出てくるもの(2):残りの2本はポテンシャルの定義から出る

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第6章 電磁場の Lagrangian と Maxwell 方程式
目次
  1. Bianchi 恒等式
  2. 方程式と恒等式の違い
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第6章 §2.6.4 ★★★ ∇⋅B=0\nabla\cdot\bm{B}=0 と Faraday の法則は作用の停留から出るのでなく、F=∂A−∂AF=\partial A-\partial A の恒等式(Bianchi 恒等式)

Bianchi 恒等式

Fμν=∂μAν−∂νAμF_{\mu\nu}=\partial_\mu A_\nu-\partial_\nu A_\mu に、3つの添字を巡回させた微分を当てて足すと

∂λFμν+∂μFνλ+∂νFλμ=0(2.6.17)\partial_\lambda F_{\mu\nu}+\partial_\mu F_{\nu\lambda}+\partial_\nu F_{\lambda\mu}=0\tag{2.6.17}

が、AμA_\mu がどんな関数であっても成り立つ。左辺を AA で書くと6つの項 ∂λ∂μAν−∂λ∂νAμ+∂μ∂νAλ−∂μ∂λAν+∂ν∂λAμ−∂ν∂μAλ\partial_\lambda\partial_\mu A_\nu-\partial_\lambda\partial_\nu A_\mu+\partial_\mu\partial_\nu A_\lambda-\partial_\mu\partial_\lambda A_\nu+\partial_\nu\partial_\lambda A_\mu-\partial_\nu\partial_\mu A_\lambdaになり、偏微分の順序を入れ替えてよいので2つずつ打ち消し合う。これを Bianchi 恒等式と呼ぶ。λ,μ,ν\lambda,\mu,\nu のうち2つが等しいと左辺は FF の反対称性で自明に 00 なので、意味があるのは3つが異なる場合で、{0,1,2,3}\{0,1,2,3\} から3つを選ぶ4通りある。

(λ,μ,ν)=(1,2,3)(\lambda,\mu,\nu)=(1,2,3) では、F23=−BxF_{23}=-B_x、F31=−ByF_{31}=-B_y、F12=−BzF_{12}=-B_z から

∂xF23+∂yF31+∂zF12=−∇⋅B=0.(2.6.18)\partial_xF_{23}+\partial_yF_{31}+\partial_zF_{12}=-\nabla\cdot\bm{B}=0 .\tag{2.6.18}

(λ,μ,ν)=(0,1,2)(\lambda,\mu,\nu)=(0,1,2) では、F12=−BzF_{12}=-B_z、F20=−Ey/cF_{20}=-E_y/c、F01=Ex/cF_{01}=E_x/c から

1c∂F12∂t+∂xF20+∂yF01=−1c(∂Bz∂t+∂xEy−∂yEx)=−1c(∂B∂t+∇×E)z=0.(2.6.19)\frac1c\frac{\partial F_{12}}{\partial t}+\partial_xF_{20}+\partial_yF_{01}=-\frac1c\Bigl(\frac{\partial B_z}{\partial t}+\partial_xE_y-\partial_yE_x\Bigr)=-\frac1c\Bigl(\frac{\partial \bm{B}}{\partial t}+\nabla\times\bm{E}\Bigr)_z=0 .\tag{2.6.19}

(0,2,3)(0,2,3) と (0,3,1)(0,3,1) も同じ形で xx 成分と yy 成分になるので、4通りから

∇⋅B=0,∇×E+∂B∂t=0\nabla\cdot\bm{B}=0,\qquad\nabla\times\bm{E}+\frac{\partial \bm{B}}{\partial t}=0

が出る。磁荷が無いことと Faraday の電磁誘導の法則である。

方程式と恒等式の違い

前の節の2本と、この節の2本は、出どころが違う。前の節の2本は作用 S[A]S[A] を停留させる AA だけが満たす式で、停留しない(運動方程式を満たさない)場の配置では成り立たない。この節の2本は、E,B\bm{E},\bm{B} を式 (2.6.2) で作れば、作用の停留と無関係に、どんな AA についても成り立つ。粒子の力学に当てはめると、前者は Euler–Lagrange 方程式、後者は「速度は位置の時間微分である」という定義に当たる。

逆に、∇⋅B=0\nabla\cdot\bm{B}=0 と ∇×E+∂tB=0\nabla\times\bm{E}+\partial_t\bm{B}=0 を満たす E,B\bm{E},\bm{B} は、(単連結な領域では)必ず式 (2.6.2) の形に書ける。∇⋅B=0\nabla\cdot\bm{B}=0 から B=∇×A\bm{B}=\nabla\times\bm{A} と書け、Faraday の法則に入れると ∇×(E+∂tA)=0\nabla\times(\bm{E}+\partial_t\bm{A})=0 なので E+∂tA=−∇ϕ\bm{E}+\partial_t\bm{A}=-\nabla\phi と書ける。したがって、場の変数を AμA_\mu に取ることと、Bianchi 恒等式の2本を先に解いておくことは同じである。磁荷 ρm\rho_{\mathrm m} があって ∇⋅B≠0\nabla\cdot\bm{B}\neq0 となる世界では、B=∇×A\bm{B}=\nabla\times\bm{A} と書けなくなり、この章の作用はそのままでは使えない。

図

図 2.6.2 Maxwell 方程式の4本の出どころ。左の列は AμA_\mu を場の変数に取った時点で成り立つ恒等式、右の列は作用の停留から出る方程式と、それが解を持つための条件

例題 2.6.4 一様に強くなる磁場と誘導電場 ★★

オリジナルϕ=0\phi=0、A=B(t)2(−y, x, 0)\bm{A}=\frac{B(t)}{2}(-y,\,x,\,0) とする。B(t)=B0+B˙tB(t)=B_0+\dot Bt(B˙\dot B は定数)。

  1. (1) B\bm{B} と E\bm{E} を求めよ。
  2. (2) ∇×E+∂tB=0\nabla\times\bm{E}+\partial_t\bm{B}=0 が成り立つことを確かめ、それがこの A\bm{A} の選び方によらない理由を述べよ。
  3. (3) B˙=0.1 T s−1\dot B=0.1\,\mathrm{T\,s^{-1}} のとき、zz 軸を中心とする半径 r=5 cmr=5\,\mathrm{cm} の円の上での電場の大きさと、円を1周する起電力を求めよ。
解答

(1) B=∇×A\bm{B}=\nabla\times\bm{A} の zz 成分は ∂xAy−∂yAx=B2+B2=B(t)\partial_xA_y-\partial_yA_x=\frac B2+\frac B2=B(t) で、x,yx,y 成分は AA が zz によらず Az=0A_z=0 なので 00。よって B=B(t) ez\bm{B}=B(t)\,\bm{e}_z。電場は E=−∂tA=−B˙2(−y, x, 0)\bm{E}=-\partial_t\bm{A}=-\frac{\dot B}{2}(-y,\,x,\,0) で、大きさは ∣E∣=B˙ r/2\lvert \bm{E}\rvert =\dot B\,r/2(r=x2+y2r=\sqrt{x^2+y^2})、向きは zz 軸のまわりを A\bm{A} と逆に回る向きである。

(2) (∇×E)z=∂xEy−∂yEx=−B˙2−B˙2=−B˙(\nabla\times\bm{E})_z=\partial_xE_y-\partial_yE_x=-\frac{\dot B}{2}-\frac{\dot B}{2}=-\dot B、x,yx,y 成分は 00 で、∂tB=B˙ ez\partial_t\bm{B}=\dot B\,\bm{e}_z なので和は 00。これは E=−∇ϕ−∂tA\bm{E}=-\nabla\phi-\partial_t\bm{A} と B=∇×A\bm{B}=\nabla\times\bm{A} から ∇×E=−∂t(∇×A)=−∂tB\nabla\times\bm{E}=-\partial_t(\nabla\times\bm{A})=-\partial_t\bm{B}(∇×∇ϕ=0\nabla\times\nabla\phi=0)となる恒等式で、A\bm{A} の具体形を使っていない。この例で Euler–Lagrange 方程式(Gauss・Ampère–Maxwell)は使っておらず、A\bm{A} をどう選んでも Faraday の法則は満たされる。

(3) ∣E∣=B˙r/2=0.1×0.05/2=2.5×10−3 V m−1\lvert \bm{E}\rvert =\dot B r/2=0.1\times0.05/2=2.5\times10^{-3}\,\mathrm{V\,m^{-1}}。起電力は ∮E⋅dl\oint\bm{E}\cdot\mathrm{d}\bm{l} の大きさで2πr⋅B˙r/2=πr2B˙=7.85×10−4 V2\pi r\cdot\dot Br/2=\pi r^2\dot B=7.85\times10^{-4}\,\mathrm V、すなわち円を貫く磁束 πr2B\pi r^2B の時間変化に等しい。回る向きは B\bm{B} の増加を打ち消す電流を流す向き(Lenz の法則)になっている。

木下の勉強ステータス

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