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出てくるもの(1):静電場は作用の最小で決まる

2026年10月15日8分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第9章 静電・静磁・放射を作用の言葉で見直す
目次
  1. Poisson 方程式と停留値
  2. Coulomb の位置エネルギー
  3. Dirichlet の原理と容量の上界
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第9章 §2.9.3 ★★★ 停留の条件が Poisson 方程式、停留値が −Ue-U_{\mathrm e}。源の Lagrangian は Coulomb の位置エネルギーで、最小原理から容量の上界が出る

Poisson 方程式と停留値

静電場の Lagrangian Le[ϕ]=∫[ε02∣∇ϕ∣2−ρϕ] d3xL_{\mathrm e}[\phi]=\int[\frac{\varepsilon _0}{2}\lvert \nabla\phi\rvert ^2-\rho\phi]\,\mathrm{d}^3x を ϕ→ϕ+δϕ\phi\to\phi+\delta\phi でずらすと、1次の変化は

δLe=∫d3x [ε0∇ϕ⋅∇δϕ−ρ δϕ]=∫d3x [−ε0∇2ϕ−ρ]δϕ\delta L_{\mathrm e}=\int\mathrm{d}^3x\,\bigl[\varepsilon _0\nabla\phi\cdot\nabla\delta\phi-\rho\,\delta\phi\bigr]=\int\mathrm{d}^3x\,\bigl[-\varepsilon _0\nabla^2\phi-\rho\bigr]\delta\phi

である(無限遠で δϕ→0\delta\phi\to0 として部分積分した)。任意の δϕ\delta\phi で 00 になる条件は

∇2ϕ=−ρε0,ϕ(r)=∫d3x′ ρ(r′)4πε0∣r−r′∣(2.9.5)\nabla^2\phi=-\frac{\rho}{\varepsilon _0},\qquad \phi(\bm{r})=\int\mathrm{d}^3x'\,\frac{\rho(\bm{r}')}{4\pi\varepsilon _0\lvert \bm{r}-\bm{r}'\rvert }\tag{2.9.5}

で、Gauss の法則 ∇⋅E=ρ/ε0\nabla\cdot\bm{E}=\rho/\varepsilon _0 を E=−∇ϕ\bm{E}=-\nabla\phi で書いたものである。停留値は式 (2.9.3) のとおり −12∫ρϕ d3x-\frac12\int\rho\phi\,\mathrm{d}^3x になる。Poisson 方程式の両辺に ϕ\phi を掛けて部分積分するとε0∫∣∇ϕ∣2=∫ρϕ\varepsilon _0\int\lvert \nabla\phi\rvert ^2=\int\rho\phi なので、

Le∗=−Ue,Ue=12∫d3x ρϕ=ε02∫d3x E2(2.9.6)L_{\mathrm e}^*=-U_{\mathrm e},\qquad U_{\mathrm e}=\frac12\int\mathrm{d}^3x\,\rho\phi=\frac{\varepsilon _0}{2}\int\mathrm{d}^3x\,\bm{E}^2\tag{2.9.6}

を得る。UeU_{\mathrm e} は静電エネルギーである。場だけの部分 ε02∫E2=+Ue\frac{\varepsilon _0}{2}\int\bm{E}^2=+U_{\mathrm e} と結合の部分 −∫ρϕ=−2Ue-\int\rho\phi=-2U_{\mathrm e} を足して、停留値は静電エネルギーの符号を変えたものになる。

Coulomb の位置エネルギー

電荷 q1,q2q_1,q_2 の2つの点電荷が r1,r2\bm{r}_1,\bm{r}_2 に止まっているとする。ρ=q1δ(3)(r−r1)+q2δ(3)(r−r2)\rho=q_1\delta^{(3)}(\bm{r}-\bm{r}_1)+q_2\delta^{(3)}(\bm{r}-\bm{r}_2) を式 (2.9.5) の解とともに −12∫ρϕ-\frac12\int\rho\phi に入れると、

Leff=−q1q24πε0∣r1−r2∣+(各電荷の自己エネルギー)(2.9.7)L_{\mathrm{eff}}=-\frac{q_1q_2}{4\pi\varepsilon _0\lvert \bm{r}_1-\bm{r}_2\rvert }+(\text{各電荷の自己エネルギー})\tag{2.9.7}

となる。交差項は 12(q1ϕ2(r1)+q2ϕ1(r2))\frac12(q_1\phi_2(\bm{r}_1)+q_2\phi_1(\bm{r}_2)) の2つで、合わせて1つ分の Coulomb エネルギーになる。自己エネルギーは点電荷では発散するが、r1,r2\bm{r}_1,\bm{r}_2 に依らない定数なので運動には現れない。電荷が十分ゆっくり動くなら、この LeffL_{\mathrm{eff}} を粒子の Lagrangian の位置エネルギーの項 −V-V として使ってよい。停留値が −Ue-U_{\mathrm e} になったことは、静電エネルギーが源の Lagrangian の中で位置エネルギーの側に入ることを意味する。力は ∂Leff/∂r1=−∂Ue/∂r1\partial L_{\mathrm{eff}}/\partial\bm{r}_1=-\partial U_{\mathrm e}/\partial\bm{r}_1 で、同符号の電荷は離れる向きに押される。

Dirichlet の原理と容量の上界

−ε0∇2-\varepsilon _0\nabla^2 は正定値なので、Le[ϕ]L_{\mathrm e}[\phi] の停留点は最小点である(式 (2.9.2) の後の注意)。導体の問題では、電荷の代わりに導体の電位を固定することが多い。半径 aa の内球を電位 VV、半径 bb の外球を電位 00 に保つ同心球のコンデンサでは、導体の間に電荷が無いので ρ=0\rho=0 で、Lagrangian は ε02∫∣∇ϕ∣2\frac{\varepsilon _0}{2}\int\lvert \nabla\phi\rvert ^2 だけになる。境界値を固定した関数の中で、この積分を最小にするのが Laplace 方程式の解である(Dirichlet の原理)。最小値は静電エネルギー Ue=12CV2U_{\mathrm e}=\frac12CV^2 なので、境界値を満たす任意の試し関数 ϕtr\phi_{\mathrm{tr}} について

C≤Ctr≔2V2⋅ε02∫d3x ∣∇ϕtr∣2(2.9.8)C\le C_{\mathrm{tr}}\coloneqq\frac{2}{V^2}\cdot\frac{\varepsilon _0}{2}\int\mathrm{d}^3x\,\lvert \nabla\phi_{\mathrm{tr}}\rvert ^2\tag{2.9.8}

が成り立つ。試し関数を決めれば容量の上界が得られ、試し関数に可変な定数を入れて最小化すれば上界は下がる。これは第V巻の Rayleigh–Ritz 法と同じ操作で、試し関数を張る部分空間の中で最小化している。

例題 2.9.3 同心球のコンデンサの容量を試し関数で上から見積もる ★★★

オリジナル半径 aa の内球が電位 VV、半径 bb の外球が電位 00 にある。t=(r−a)/(b−a)t=(r-a)/(b-a) として、試し関数ϕtr(r)=V[(1−t)+γ t(1−t)]\phi_{\mathrm{tr}}(r)=V\bigl[(1-t)+\gamma\,t(1-t)\bigr](γ\gamma は実数)を使う。

  1. (1) γ=0\gamma=0(直線)のときの CtrC_{\mathrm{tr}} を求め、厳密な値 C=4πε0ab/(b−a)C=4\pi\varepsilon _0ab/(b-a) との差を求めよ。
  2. (2) b=2ab=2a として Ctr/(4πε0a)C_{\mathrm{tr}}/(4\pi\varepsilon _0a) を γ\gamma の関数で求め、最小にする γ\gamma と最小値を求めよ。誤差を (1) と比べよ。
解答

(1) ϕtr′=−V/(b−a)\phi_{\mathrm{tr}}'=-V/(b-a) なので

ε02∫ab(Vb−a)24πr2 dr=2πε0V2(b3−a3)3(b−a)2,Ctr=4πε0(a2+ab+b2)3(b−a)\frac{\varepsilon _0}{2}\int_a^b\Bigl(\frac{V}{b-a}\Bigr)^2 4\pi r^2\,\mathrm{d} r=\frac{2\pi\varepsilon _0V^2(b^3-a^3)}{3(b-a)^2},\qquad C_{\mathrm{tr}}=\frac{4\pi\varepsilon _0(a^2+ab+b^2)}{3(b-a)}

である。厳密な値との差は Ctr−C=4πε03(b−a)(a2−2ab+b2)=4πε0(b−a)3≥0C_{\mathrm{tr}}-C=\frac{4\pi\varepsilon _0}{3(b-a)}(a^2-2ab+b^2)=\frac{4\pi\varepsilon _0(b-a)}{3}\ge0 で、式 (2.9.8) のとおり上界になっている。厳密解 ϕ∝1/r−1/b\phi\propto 1/r-1/b は内球の近くで急に下がるが、直線の試し関数はその曲がりを持たない。

(2) a=1a=1, b=2b=2 で積分すると Ctr/(4πε0)=73+γ+45γ2C_{\mathrm{tr}}/(4\pi\varepsilon _0)=\frac73+\gamma+\frac45\gamma^2 になる。γ\gamma で微分して 00 とおくと γ=−58\gamma=-\frac58、最小値は 73−516=9748≈2.021\frac73-\frac{5}{16}=\frac{97}{48}\approx2.021 である。厳密な値は ab/(b−a)=2ab/(b-a)=2 なので、誤差は直線の 76−1≈16.7%\frac76-1\approx16.7\% から9796−1≈1.04%\frac{97}{96}-1\approx1.04\% に下がった。γ<0\gamma<0 は、試し関数を下に凸に曲げて 1/r1/r の形に寄せる向きである。

図

図 2.9.1 同心球のコンデンサの容量を試し関数で見積もった値と厳密な値の比(例題 2.9.3)。どちらの試し関数も比は 11 以上で、Dirichlet の原理のとおり上界になる。外球が大きいほど厳密解 1/r1/r の曲がりが目立ち、試し関数の誤差が大きくなる。近似の値は実線、厳密な値は点線で描いた

近似の裏付け

型 A(射影) | 小さいもの 試し関数を張る有限次元の部分空間(ここでは γ\gamma の1次元) | 証明 証明済み(Dirichlet の原理から上界、部分空間を広げれば単調に下がる) | 行き先 近似の数理 第4章

木下の勉強ステータス

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