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出てくるもの(2):磁場のエネルギーは運動エネルギーの側に入る

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2部 第9章 静電・静磁・放射を作用の言葉で見直す
目次
  1. Ampère の法則と停留値
  2. インダクタンスと回路の Lagrangian
  3. 力の符号
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

解析力学から様々な理論分野を組み立てる 第2部 第9章 §2.9.4 ★★★ 静磁場の停留値は +Um+U_{\mathrm m}。電流は速度、インダクタンスは質量で、平行電流が引き合う符号がここで決まる

Ampère の法則と停留値

静磁場の Lagrangian Lm[A]=∫[−12μ0(∇×A)2+J⋅A] d3xL_{\mathrm m}[\bm{A}]=\int[-\frac{1}{2\mu_0}(\nabla\times\bm{A})^2+\bm{J}\cdot\bm{A}]\,\mathrm{d}^3x を A→A+δA\bm{A}\to\bm{A}+\delta\bm{A} でずらすと、ベクトルの恒等式 (∇×A)⋅(∇×δA)=∇⋅(δA×(∇×A))+δA⋅(∇×∇×A)(\nabla\times\bm{A})\cdot(\nabla\times\delta\bm{A})=\nabla\cdot(\delta\bm{A}\times(\nabla\times\bm{A}))+\delta\bm{A}\cdot(\nabla\times\nabla\times\bm{A}) と部分積分から

δLm=∫d3x [−1μ0∇×∇×A+J]⋅δA\delta L_{\mathrm m}=\int\mathrm{d}^3x\,\Bigl[-\frac{1}{\mu_0}\nabla\times\nabla\times\bm{A}+\bm{J}\Bigr]\cdot\delta\bm{A}

を得る。停留の条件は ∇×B=μ0J\nabla\times\bm{B}=\mu_0\bm{J} で、静的な場での Ampère の法則である。Coulomb ゲージ ∇⋅A=0\nabla\cdot\bm{A}=0 を選べば∇×∇×A=−∇2A\nabla\times\nabla\times\bm{A}=-\nabla^2\bm{A} なので、A(r)=μ04π∫J(r′)∣r−r′∣d3x′\bm{A}(\bm{r})=\frac{\mu_0}{4\pi}\int\frac{\bm{J}(\bm{r}')}{\lvert \bm{r}-\bm{r}'\rvert }\mathrm{d}^3x' が解になる。停留値は、Ampère の法則に A\bm{A} を掛けて部分積分した 1μ0∫B2=∫J⋅A\frac{1}{\mu_0}\int\bm{B}^2=\int\bm{J}\cdot\bm{A} を使って

Lm∗=−Um+2Um=+Um,Um=12∫d3x J⋅A=12μ0∫d3x B2(2.9.9)L_{\mathrm m}^*=-U_{\mathrm m}+2U_{\mathrm m}=+U_{\mathrm m},\qquad U_{\mathrm m}=\frac12\int\mathrm{d}^3x\,\bm{J}\cdot\bm{A}=\frac{1}{2\mu_0}\int\mathrm{d}^3x\,\bm{B}^2\tag{2.9.9}

になる。場だけの部分は −Um-U_{\mathrm m} で入っていたが、結合の項 +2Um+2U_{\mathrm m} を足すと停留値は +Um+U_{\mathrm m} になる。2.9.3節の Le∗=−UeL_{\mathrm e}^*=-U_{\mathrm e} と合わせると、静的な源の Lagrangian は

Leff=Um−Ue(2.9.10)L_{\mathrm{eff}}=U_{\mathrm m}-U_{\mathrm e}\tag{2.9.10}

で、静電エネルギーは位置エネルギーの側、磁場のエネルギーは運動エネルギーの側に入る。磁場のエネルギーは電流の2次式で、電流は電荷の速度なので、この符号は「速度の2次式は L=T−VL=T-V の TT に入る」という第1部第5章の形と合っている。

インダクタンスと回路の Lagrangian

細い導線でできた回路が NN 本あり、ii 番目の回路を流れる電流を IiI_i とする。J d3x→Ii dℓi\bm{J}\,\mathrm{d}^3x\to I_i\,\mathrm{d}\bm{\ell}_i と置き換えると

Um=12∑i,kMikIiIk,Mik=μ04π∮i∮kdℓi⋅dℓk∣ri−rk∣(2.9.11)U_{\mathrm m}=\frac12\sum_{i,k}M_{ik}I_iI_k,\qquad M_{ik}=\frac{\mu_0}{4\pi}\oint_i\oint_k\frac{\mathrm{d}\bm{\ell}_i\cdot\mathrm{d}\bm{\ell}_k}{\lvert \bm{r}_i-\bm{r}_k\rvert }\tag{2.9.11}

を得る。MikM_{ik} は相互インダクタンス(i=ki=k では自己インダクタンス)の係数で、この積分の形を Neumann の公式という。この章では、Lagrangian の LL と区別するため、インダクタンスを MM の字で書く。

コンデンサに溜まる電荷 qiq_i を一般化座標に選ぶと、電流は Ii=q˙iI_i=\dot q_i で、静電エネルギーは容量の逆行列 (C−1)ik(C^{-1})_{ik} を使ってUe=12∑(C−1)ikqiqkU_{\mathrm e}=\frac12\sum(C^{-1})_{ik}q_iq_k と書ける。電荷の変化がゆっくりで、各瞬間の場が静的な場で近似できるなら、式 (2.9.10) から

L(q,q˙)=12∑i,kMikq˙iq˙k−12∑i,k(C−1)ikqiqk(2.9.12)L(q,\dot q)=\frac12\sum_{i,k}M_{ik}\dot q_i\dot q_k-\frac12\sum_{i,k}(C^{-1})_{ik}q_iq_k\tag{2.9.12}

を得る。MikM_{ik} が質量行列、C−1C^{-1} がばね定数の行列の役をする。回路が1つなら L=12Mq˙2−q2/(2C)L=\frac12M\dot q^2-q^2/(2C) で、Euler–Lagrange 方程式 Mq¨+q/C=0M\ddot q+q/C=0 は LC 回路の方程式、角振動数は ω0=1/MC\omega_0=1/\sqrt{MC} である。

力の符号

回路の形を表す座標(2本の導線の間隔など)を XX とすると、MikM_{ik} は XX に依る。XX についての Euler–Lagrange 方程式で、導線に働く一般化力は ∂L/∂X\partial L/\partial X を電流(速度)q˙\dot q を固定して取ったもので、

FX=∂L∂X∣q˙=+12∑i,k∂Mik∂XIiIk=+∂Um∂X∣I(2.9.13)F_X=\frac{\partial L}{\partial X}\Big|_{\dot q}=+\frac12\sum_{i,k}\frac{\partial M_{ik}}{\partial X}I_iI_k=+\frac{\partial U_{\mathrm m}}{\partial X}\Big|_{I}\tag{2.9.13}

となる。静電場の力 −∂Ue/∂X∣q-\partial U_{\mathrm e}/\partial X|_q と符号が逆である。電流を一定に保つと、力は磁場のエネルギーを増やす向きに働く。同じ向きの平行電流では、近づくほど M12M_{12} が増えるので、2本は引き合う。

例題 2.9.4 平行な直線電流の力を L の微分で出す ★★

オリジナル真空中に平行な2本の長い直線導線が間隔 ss で置かれ、同じ向きに電流 I1,I2I_1,I_2 が流れている。導線2がつくるベクトルポテンシャルは、導線から距離 ss の所で Az=−μ0I22πln⁡sΛ0A_z=-\frac{\mu_0I_2}{2\pi}\ln\frac{s}{\Lambda_0}(Λ0\Lambda_0 は定数)である。

  1. (1) この AzA_z から磁場の大きさ BB を求めよ。
  2. (2) 単位長さあたりの相互作用の Lagrangian I1AzI_1A_z を ss で微分して、導線1に働く単位長さあたりの力を求め、向きを答えよ。
  3. (3) I1=I2=1 AI_1=I_2=1\,\mathrm A, s=1 ms=1\,\mathrm m での力の大きさを求めよ。
解答

(1) 円柱座標で B=∇×(Azez)\bm{B}=\nabla\times(A_z\bm{e}_z) の周方向の成分は −∂Az/∂s=μ0I2/(2πs)-\partial A_z/\partial s=\mu_0I_2/(2\pi s) で、直線電流のよく知られた磁場である。

(2) 単位長さあたり Lint=I1Az(s)=−μ0I1I22πln⁡sΛ0L_{\mathrm{int}}=I_1A_z(s)=-\frac{\mu_0I_1I_2}{2\pi}\ln\frac{s}{\Lambda_0} で、式 (2.9.13) のとおり電流を固定して微分すると

Fs=∂Lint∂s=−μ0I1I22πsF_s=\frac{\partial L_{\mathrm{int}}}{\partial s}=-\frac{\mu_0I_1I_2}{2\pi s}

である。負なので ss を減らす向き、つまり2本は引き合う。Λ0\Lambda_0 は微分で消え、結果に残らない。

(3) μ0=4π×10−7 N A−2\mu_0=4\pi\times10^{-7}\,\mathrm{N\,A^{-2}} として ∣Fs∣=2×10−7 N m−1\lvert F_s\rvert =2\times10^{-7}\,\mathrm{N\,m^{-1}} である。2019年の SI 改定より前は、この値で1アンペアを定義していた。

木下の勉強ステータス

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