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弱解とソボレフ空間

2026年10月9日15分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第2章 解けない方程式を調べる方法(定性的理論の基礎)
目次
  1. 弱微分
  2. ソボレフ空間
  3. Poincaré 不等式
  4. Poisson 方程式の弱形式と Riesz の表現定理
  5. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

近似の数理 第2章 §2.6 ★★★ 弱形式は Galerkin 近似(第4章)の出発点であり、ソボレフ空間は「運動エネルギー有限な状態」の空間である

弱微分

Poisson 方程式 −Δu=f-\Delta u=f を、両辺に滑らかで境界の近くで 00 になる関数 φ\varphi を掛けて積分し、部分積分すると ∫∇u⋅∇φ=∫fφ\int\nabla u\cdot\nabla\varphi=\int f\varphi となる。この式には uu の1階微分しか現れない。そこで「微分」の意味を、部分積分の公式が成り立つことによって定義し直す。

以下、Cc∞(Ω)C_c^\infty(\Omega) で、無限回微分可能で台(φ≠0\varphi\ne0 となる点の集合の閉包)が Ω\Omega の内部のコンパクト集合に含まれる関数全体を表し、その元を試験関数と呼ぶ。

定義 2.14(弱微分)

u,g∈L2(Ω)u,g\in L^2(\Omega) とする。すべての試験関数 φ∈Cc∞(Ω)\varphi\in C_c^\infty(\Omega) に対し

∫Ωu ∂iφ dx=−∫Ωg φ dx\int_\Omega u\,\partial_i\varphi\,\mathrm{d} x=-\int_\Omega g\,\varphi\,\mathrm{d} x

が成り立つとき、gg を uu の(xix_i についての)弱微分といい、∂iu=g\partial_iu=g と書く。

uu が普通の意味で C1C^1 なら、部分積分(試験関数は境界の近くで 00 なので境界項は出ない)により普通の微分が弱微分になる。弱微分は存在すれば(測度ゼロの集合を除いて)一意である。「弱い」とは、各点での極限としての微分を要求せず、試験関数との積分という平均的な情報だけで微分を決めているという意味である。

弱微分をもつ関数ともたない関数

(−1,1)(-1,1) 上の u(x)=∣x∣u(x)=\lvert x\rvert は x=0x=0 で微分できないが、弱微分 sign⁡x\operatorname{sign}x をもつ(∫−11∣x∣φ′=−∫−11sign⁡(x)φ\int_{-1}^1\lvert x\rvert \varphi'=-\int_{-1}^1\operatorname{sign}(x)\varphi は (−1,0)(-1,0) と (0,1)(0,1) に分けて部分積分すれば確かめられる)。一方、階段関数 H(x)H(x)(x>0x>0 で 11、x<0x<0 で 00)は ∫Hφ′=−φ(0)\int H\varphi'=-\varphi(0) となる。これを −∫gφ-\int g\varphi と書ける g∈L2g\in L^2 は無い。実際、φ(0)=1\varphi(0)=1 で台が (−η,η)(-\eta,\eta) に入り ∣φ∣≤1\lvert \varphi\rvert \le1 の試験関数をとると、Cauchy–Schwarz より ∣∫gφ∣≤∥g∥L2(−η,η)2η→0\lvert \int g\varphi\rvert \le\lVert g\rVert _{ L^2(-\eta,\eta)}\sqrt{2\eta}\to0(η→0\eta\to0)となって φ(0)=1\varphi(0)=1 と矛盾する。HH の微分はデルタ関数で、関数ではない。折れ曲がりは許されるが、跳びは許されない。

ソボレフ空間

定義 2.15(ソボレフ空間 H1H^1)

H1(Ω)H^1(\Omega) は、u∈L2(Ω)u\in L^2(\Omega) で、すべての1階の弱微分 ∂iu\partial_iu が存在して L2(Ω)L^2(\Omega) に属するもの全体である。内積とノルムを

⟨u, v⟩H1=∫Ω(uˉv+∇u‾⋅∇v)dx,∥u∥H12=∥u∥2+∥∇u∥2\langle u,\,v\rangle _{ H^1}=\int_\Omega\bigl(\bar uv+\overline{\nabla u}\cdot\nabla v\bigr)\mathrm{d} x,\qquad\lVert u\rVert _{ H^1}^2=\lVert u\rVert ^2+\lVert \nabla u\rVert ^2

で定める。Cc∞(Ω)C_c^\infty(\Omega) の H1H^1 ノルムでの閉包(試験関数の列の極限として得られる関数全体)を H01(Ω)H^1_0(\Omega) と書く。

H1(Ω)H^1(\Omega) と H01(Ω)H^1_0(\Omega) はヒルベルト空間である(L2L^2 の完備性と、弱微分の定義式が極限で保たれることから従う)。名前は Sobolev による。H01H^1_0 は「境界で 00 になる H1H^1 の関数」を正確に述べたもので、Dirichlet 境界条件をここに組み込む。

H1H^1 は運動エネルギーが有限な状態の空間

量子力学では ⟨ψ, −Δψ⟩=∥∇ψ∥2\langle \psi,\,-\Delta\psi\rangle =\lVert \nabla\psi\rVert ^2(ℏ2/2m\hbar^2/2m を除く)が運動エネルギーの期待値である。H1H^1 は「確率が規格化でき、運動エネルギーも有限な波動関数」の空間で、変分法で基底状態を探すときの自然な舞台になる。水素原子の基底状態 e−r\mathrm{e}^{-r} は原点で尖って(カスプ)いて2回微分できないが、H1H^1 には属する。H1H^1 という言葉は「2回微分できなくても、エネルギーが有限なら物理的に許される状態」を表している。第4章で見るように、Gauss 関数の基底でこのカスプを表せないことが量子化学計算の収束を遅くする。

H1H^1 の関数がどれだけ滑らかかは次元に依存する。1次元では H1H^1 の関数は連続である。実際、u(x)−u(y)=∫yxu′u(x)-u(y)=\int_y^xu' に Cauchy–Schwarz を使うと

∣u(x)−u(y)∣≤∣x−y∣1/2∥u′∥\lvert u(x)-u(y)\rvert \le\lvert x-y\rvert ^{1/2}\lVert u'\rVert

となり、uu は(指数 1/21/2 の)Hölder 連続である(正確には、測度ゼロの集合で値を修正すると連続な代表がとれる)。したがって1次元では境界値 u(0)u(0) が意味をもつ。一方2次元では、原点の近くで u(x)=log⁡∣log⁡∣x∣∣u(x)=\log\lvert \log\lvert x\rvert \rvert とした関数が H1H^1 に属するのに有界でない(∫∣∇u∣2∝∫0r0drrlog⁡2r<∞\int\lvert \nabla u\rvert ^2\propto\int_0^{r_0}\frac{\mathrm{d} r}{r\log^2r}<\infty)。「エネルギーが有限なら滑らか」という直観は、高次元では成り立たない。

Poincaré 不等式

定理 2.16(Poincaré 不等式 ★★★)

Ω\Omega が幅 LL の帯 {0<x1<L}\{0<x_1<L\} に含まれる有界領域なら、すべての u∈H01(Ω)u\in H^1_0(\Omega) に対し

∥u∥≤Lπ∥∇u∥.\lVert u\rVert \le\frac L\pi\lVert \nabla u\rVert .

特に Ω=(0,L)\Omega=(0,L)(1次元)では定数 L/πL/\pi は最良で、等号は u=sin⁡(πx/L)u=\sin(\pi x/L) で成り立つ。

証明

両辺は H1H^1 ノルムについて連続なので、u∈Cc∞(Ω)u\in C_c^\infty(\Omega) について示せば極限で H01H^1_0 全体に及ぶ。まず1次元 (0,L)(0,L) で、uu を正弦級数 u=∑kaksin⁡(kπx/L)u=\sum_ka_k\sin(k\pi x/L) に展開する。u(0)=u(L)=0u(0)=u(L)=0 だから部分積分で ∫0Lu′cos⁡(kπx/L)dx=kπL∫0Lusin⁡(kπx/L)dx\int_0^Lu'\cos(k\pi x/L)\mathrm{d} x=\frac{k\pi}{L}\int_0^Lu\sin(k\pi x/L)\mathrm{d} x となり、u′u' の余弦展開の係数は (kπ/L)ak(k\pi/L)a_k である(定数項は ∫u′=0\int u'=0)。Parseval の等式から

∥u′∥2=L2∑k(kπL)2ak2≥(πL)2L2∑kak2=(πL)2∥u∥2,\lVert u'\rVert ^2=\frac L2\sum_k\Bigl(\frac{k\pi}L\Bigr)^2a_k^2\ge\Bigl(\frac\pi L\Bigr)^2\frac L2\sum_ka_k^2=\Bigl(\frac\pi L\Bigr)^2\lVert u\rVert ^2,

等号は ak=0a_k=0(k≥2k\ge2)のときである。多次元では、x1x_1 以外の座標 x′x' を固定するごとに x1↦u(x1,x′)x_1\mapsto u(x_1,x') に1次元の結果を使い(帯の幅は LL なので、x1x_1 方向の区間の長さは LL 以下で、短い区間では定数がさらに良い)、x′x' で積分すれば ∥u∥2≤(L/π)2∥∂1u∥2≤(L/π)2∥∇u∥2\lVert u\rVert ^2\le(L/\pi)^2\lVert \partial_1u\rVert ^2\le(L/\pi)^2\lVert \nabla u\rVert ^2。

境界条件 u=0u=0 が本質的である。定数関数は ∇u=0\nabla u=0 だが ∥u∥≠0\lVert u\rVert \ne0 で、境界で 00 という条件がこれを排除している。物理的には「箱に閉じ込めた粒子の運動エネルギーは (πℏ/L)2/2m(\pi\hbar/L)^2/2m 以上」という零点エネルギーの主張そのものである。(0,2.7)(0,2.7) で多項式の試験関数200個を無作為に作り、すべて Rayleigh 商 ∥u′∥2/∥u∥2\lVert u'\rVert ^2/\lVert u\rVert ^2 が (π/L)2(\pi/L)^2 以上であることも確かめた(検算スクリプト)。

Poisson 方程式の弱形式と Riesz の表現定理

定義 2.17(弱解)

f∈L2(Ω)f\in L^2(\Omega) とする。u∈H01(Ω)u\in H^1_0(\Omega) が Dirichlet 問題 −∇⋅(A∇u)=f-\nabla\cdot(A\nabla u)=f(Ω\Omega 内)、u=0u=0(∂Ω\partial\Omega 上)の弱解であるとは、

a(u,v):=∫Ω(A∇u)⋅∇v dx=∫Ωfv dx=:ℓ(v)すべての v∈H01(Ω)(2.6)a(u,v):=\int_\Omega(A\nabla u)\cdot\nabla v\,\mathrm{d} x=\int_\Omega fv\,\mathrm{d} x=:\ell(v)\qquad\text{すべての }v\in H^1_0(\Omega)\tag{2.6}

が成り立つことをいう。ここで A(x)A(x) は実対称行列値の関数で、定数 0<λ≤Λ0<\lambda\le\Lambda があって λ∣ξ∣2≤ξ⋅A(x)ξ≤Λ∣ξ∣2\lambda\lvert \xi\rvert ^2\le\xi\cdot A(x)\xi\le\Lambda\lvert \xi\rvert ^2(有界かつ一様楕円)を満たすとする。A=IA=I なら −Δu=f-\Delta u=f である。

滑らかな古典解は、部分積分により弱解である。逆に弱解が滑らかなら、部分積分を逆にたどって ∫(−∇⋅(A∇u)−f)v=0\int(-\nabla\cdot(A\nabla u)-f)v=0 がすべての vv で成り立ち、古典解になる。弱解は古典解の自然な一般化で、係数 AA が不連続(異なる物質の境界がある)な場合にも意味をもつ。第9章の均質化はまさにそのような係数を扱う。

弱解の存在を示す道具が次の定理である。ヒルベルト空間 H\mathcal{H} 上の線形な関数 ℓ:H→R\ell:\mathcal{H}\to\mathbb{R} が有界(連続)であるとは、ある CC で ∣ℓ(v)∣≤C∥v∥\lvert \ell(v)\rvert \le C\lVert v\rVert となることをいう。

定理 2.18(Riesz の表現定理 ★★★)

実ヒルベルト空間 H\mathcal{H} 上の有界線形汎関数 ℓ\ell に対し、ℓ(v)=⟨z, v⟩\ell(v)=\langle z,\,v\rangle(すべての v∈Hv\in\mathcal{H})を満たす z∈Hz\in\mathcal{H} がただ一つ存在する。

証明

ℓ=0\ell=0 なら z=0z=0 である。ℓ≠0\ell\ne0 とし、N={v:ℓ(v)=0}N=\{v:\ell(v)=0\} とおく。ℓ\ell の連続性から NN は閉部分空間で、N≠HN\ne\mathcal{H} である。x∉Nx\notin N をとり、射影定理(定理 2.13)で xx の NN への最短点 v∗v^* をとれば、z0=x−v∗≠0z_0=x-v^*\ne0 は NN と直交する。任意の vv について v−ℓ(v)ℓ(z0)z0∈Nv-\frac{\ell(v)}{\ell(z_0)}z_0\in N なので、z0z_0 との内積が 00 となり、⟨z0, v⟩=ℓ(v)ℓ(z0)∥z0∥2\langle z_0,\,v\rangle =\frac{\ell(v)}{\ell(z_0)}\lVert z_0\rVert ^2。したがって z=ℓ(z0)∥z0∥2z0z=\frac{\ell(z_0)}{\lVert z_0\rVert ^2}z_0 とおけば ℓ(v)=⟨z, v⟩\ell(v)=\langle z,\,v\rangle である。一意性:⟨z−z′, v⟩=0\langle z-z',\,v\rangle =0 が全 vv で成り立てば v=z−z′v=z-z' として z=z′z=z'。

定理 2.19(弱解の存在・一意性・連続依存 ★★★)

定義 2.17 の仮定の下で、任意の f∈L2(Ω)f\in L^2(\Omega) に対し弱解 u∈H01(Ω)u\in H^1_0(\Omega) がただ一つ存在し、Poincaré 定数を CPC_P として ∥∇u∥≤(CP/λ)∥f∥\lVert \nabla u\rVert \le(C_P/\lambda)\lVert f\rVert を満たす。

証明

a(u,v)a(u,v) は H01(Ω)H^1_0(\Omega) 上の対称な双線形形式で、一様楕円性から a(u,u)≥λ∥∇u∥2a(u,u)\ge\lambda\lVert \nabla u\rVert ^2、有界性から a(u,u)≤Λ∥∇u∥2a(u,u)\le\Lambda\lVert \nabla u\rVert ^2 である。Poincaré 不等式から ∥u∥H12≤(1+CP2)∥∇u∥2\lVert u\rVert _{ H^1}^2\le(1+C_P^2)\lVert \nabla u\rVert ^2 なので、a(u,u)1/2a(u,u)^{1/2} は H1H^1 ノルムと同等なノルムである。同等なノルムでコーシー列・収束の概念は変わらないので、H01H^1_0 は内積 aa についてもヒルベルト空間である。ℓ(v)=∫fv\ell(v)=\int fv は ∣ℓ(v)∣≤∥f∥∥v∥≤CP∥f∥∥∇v∥≤(CP/λ)∥f∥ a(v,v)1/2\lvert \ell(v)\rvert \le\lVert f\rVert \lVert v\rVert \le C_P\lVert f\rVert \lVert \nabla v\rVert \le(C_P/\sqrt\lambda)\lVert f\rVert \,a(v,v)^{1/2} を満たして有界である。Riesz の表現定理を内積 aa について使えば、a(u,v)=ℓ(v)a(u,v)=\ell(v) を満たす uu がただ一つ存在する。v=uv=u とおくと λ∥∇u∥2≤a(u,u)=ℓ(u)≤CP∥f∥∥∇u∥\lambda\lVert \nabla u\rVert ^2\le a(u,u)=\ell(u)\le C_P\lVert f\rVert \lVert \nabla u\rVert から評価が出る。

この定理は、Hadamard の3条件(存在・一意性・連続依存)を、H01H^1_0 のノルムで測るという意味で一度に示している。AA が対称でない場合も、一様楕円性に当たる条件 a(u,u)≥λ∥∇u∥2a(u,u)\ge\lambda\lVert \nabla u\rVert ^2 があれば同じ結論が成り立つ(Lax–Milgram の定理。証明は Riesz の表現定理と縮小写像の組み合わせで行える)。

弱解が実際に滑らかか(ff が滑らかなら uu も滑らかか)は正則性理論の問題で、Riesz の定理からは出てこない難所である。滑らかな係数と境界に対しては正則性が成り立つことが知られている。第4章で見るように、Galerkin 近似の収束の速さは解の正則性で決まるので、この難所は「近似がどれだけ速く収束するか」に直結する。

弱形式は Galerkin 近似の出発点

弱形式 (2.6) の「すべての v∈H01v\in H^1_0 について」を「有限次元の部分空間 VNV_N のすべての vv について」に置き換え、uN∈VNu_N\in V_N を a(uN,v)=ℓ(v)a(u_N,v)=\ell(v)(v∈VNv\in V_N)で決めるのが Galerkin 近似である。差をとれば a(u−uN,v)=0a(u-u_N,v)=0(v∈VNv\in V_N)となり、uNu_N は内積 aa に関する uu の VNV_N への直交射影、すなわち射影定理の最短点である。したがって uNu_N は VNV_N の中で(エネルギーノルムで)最良の近似になる。量子化学の LCAO・CI はこれを固有値問題で行ったものである。詳しくは第4章で扱う。

例題 2.6 1次元の弱解を Riesz の表現定理で構成する ★★★

オリジナル[標準的な題材を自作] Ω=(0,1)\Omega=(0,1)、H=H01(0,1)\mathcal{H}= H^1_0(0,1) に内積 ⟨u, v⟩a=∫01u′v′ dx\langle u,\,v\rangle _a=\int_0^1u'v'\,\mathrm{d} x を入れる。f(x)=xf(x)=x に対し −u′′=f-u''=f、u(0)=u(1)=0u(0)=u(1)=0 を考える。

  1. 点 x∈(0,1)x\in(0,1) を固定し、Gx(y)=min⁡(x,y)(1−max⁡(x,y))G_x(y)=\min(x,y)\bigl(1-\max(x,y)\bigr) とする。すべての v∈Hv\in\mathcal{H} に対し ⟨Gx, v⟩a=v(x)\langle G_x,\,v\rangle _a=v(x) を示せ(GxG_x は点での値をとる汎関数の Riesz の表現である)。
  2. 弱解 uu について u(x)=∫01Gx(y)f(y) dyu(x)=\int_0^1G_x(y)f(y)\,\mathrm{d} y を示し、uu を具体的に求めよ。
  3. 求めた uu が古典解であることと、試験関数 v=x2(1−x)v=x^2(1-x) に対して弱形式が成り立つことを確かめよ。
解答

(1) Gx(y)G_x(y) は y<xy<x で y(1−x)y(1-x)、y>xy>x で x(1−y)x(1-y) で、連続な折れ線である。Gx′(y)G_x'(y) は y<xy<x で 1−x1-x、y>xy>x で −x-x なので、v(0)=v(1)=0v(0)=v(1)=0 を使って

⟨Gx, v⟩a=(1−x)∫0xv′ dy−x∫x1v′ dy=(1−x)v(x)+x v(x)=v(x).\langle G_x,\,v\rangle _a=(1-x)\int_0^xv'\,\mathrm{d} y-x\int_x^1v'\,\mathrm{d} y=(1-x)v(x)+x\,v(x)=v(x).

1次元の H01H^1_0 の関数は連続なので(前小節の Hölder 評価)v(x)v(x) は意味をもち、∣v(x)∣≤∥v′∥\lvert v(x)\rvert \le\lVert v'\rVert からこの汎関数は有界である。Riesz の定理が保証する表現元が GxG_x である。

(2) 弱解の定義 ⟨u, v⟩a=∫fv\langle u,\,v\rangle _a=\int fv で v=Gxv=G_x とおくと、(1) の対称性 ⟨u, Gx⟩a=u(x)\langle u,\,G_x\rangle _a=u(x) と合わせて u(x)=∫01Gx(y)f(y) dyu(x)=\int_0^1G_x(y)f(y)\,\mathrm{d} y を得る。GxG_x は Green 関数にほかならない。f(y)=yf(y)=y で計算すると

u(x)=(1−x)∫0xy2 dy+x∫x1(1−y)y dy=(1−x)x33+x(16−x22+x33)=x−x36.u(x)=(1-x)\int_0^xy^2\,\mathrm{d} y+x\int_x^1(1-y)y\,\mathrm{d} y=\frac{(1-x)x^3}{3}+x\Bigl(\frac16-\frac{x^2}2+\frac{x^3}3\Bigr)=\frac{x-x^3}{6}.

(3) u′′=−xu''=-x より −u′′=x=f-u''=x=f、u(0)=u(1)=0u(0)=u(1)=0 で古典解である。弱形式は ∫01u′v′ dx\int_0^1u'v'\,\mathrm{d} x と ∫01xv dx\int_0^1xv\,\mathrm{d} x がともに 1/201/20 で一致する(検算スクリプト)。この例では弱解が古典解と一致し、正則性の問題は生じない。

木下の勉強ステータス

木下はまだこの記事を勉強していません。

AI(Claude)が書いた教材を、木下が勉強しながら公開しています。式と数値は検算していますが、誤りが残っているかもしれません。誤りのご指摘・削除のご依頼をいただければ直します。 連絡先:support@tecktom.com

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