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半古典極限との関係

2026年10月9日5分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第6章 平均場極限:多体から一体へ

AI 生成・木下が未勉強

近似の数理 第6章 §6.8 ★★ 平均場極限は「大きい N」と「小さい ħ」が組になって現れることが多い

例題 6.7 (3) で見たとおり、原子では長さを TF のスケールに測り直すと、N=ZN=Z 個の粒子が係数 1/N1/N の相互作用を持ち、同時に ℏeff=N−1/3\hbar_{\mathrm{eff}}=N^{-1/3} になる。これは偶然ではない。NN 個のフェルミオンは Pauli の原理によって位相空間の体積 (2πℏ)3(2\pi\hbar)^3 ごとに(スピンを除いて)1個ずつしか入れないので、位相空間の大きさが O(1)\mathcal{O}(1) の領域に NN 個を詰めるには ℏ3∼1/N\hbar^3\sim1/N、つまり ℏ∼N−1/3\hbar\sim N^{-1/3} でなければならない。フェルミオンの平均場極限は、自動的に半古典極限を伴う。

二つの極限が組になると、得られる有効方程式も古典に近づく。ボソンの平均場極限は Hartree 方程式(量子の一体方程式)だったが、フェルミオンでは ℏ=N−1/3\hbar=N^{-1/3} の組で Hartree–Fock 方程式が得られ(Benedikter–Porta–Schlein らの結果)、さらに ℏ→0\hbar\to0 で第6.2節の Vlasov 方程式に移る。TF 理論はその定常版で、Vlasov 方程式の定常解のうち「位相空間で Fermi 面まで一様に詰まった」分布f(x,p)=1{p2/2<ϕTF(x)}f(x,p)=\mathbf 1\{p^2/2<\phi_{\mathrm{TF}}(x)\} の密度が TF 密度になっている。こうして本章の三つの話題(古典の Vlasov、ボソンの Hartree、フェルミオンの TF)は、1/N1/N と ℏ\hbar の二つの小さいパラメータの平面上の異なる点として一つにつながる。

二つの小さいパラメータ

  • 1/N→01/N\to0(ℏ\hbar 固定):ボソンの平均場極限。多体 Schrödinger →\to Hartree 方程式。
  • 1/N→01/N\to0 と ℏ=N−1/3→0\hbar=N^{-1/3}\to0 の組:フェルミオンの平均場極限。多体 Schrödinger →\to Hartree–Fock →\to Vlasov/Thomas–Fermi。
  • 古典粒子系の 1/N→01/N\to0:Newton 方程式 →\to Vlasov 方程式(Dobrushin)。

半古典の補正(ℏ\hbar のべき)は Scott・Schwinger 項として原子のエネルギーに現れ、平均場からのずれ(1/N1/N のべき)は Bogoliubov の揺らぎとして現れる。

例題 6.9 位相空間の数え上げと ℏ∼N−1/3\hbar\sim N^{-1/3} ★★

オリジナル3次元の調和ポテンシャル 12x2\frac12x^2 の中の、相互作用のないフェルミオン(スピン2重度あり、質量 1)を考える。

  1. (1) 位相空間の分布 f(x,p)=1{p2/2<ϕ(x)}f(x,p)=\mathbf 1\{p^2/2<\phi(x)\} の密度が、スピンを含めて ρ(x)=(2ϕ(x))3/2/(3π2ℏ3)\rho(x)=\bigl(2\phi(x)\bigr)^{3/2}/(3\pi^2\hbar^3) になることを示せ(ℏ=1\hbar=1 で TF 方程式の左辺と同じ関係)。
  2. (2) Fermi エネルギーを μ\mu とし、ϕ(x)=μ−12x2\phi(x)=\mu-\frac12x^2 として、半古典の粒子数 Nsc=μ3/(3ℏ3)N_{\mathrm{sc}}=\mu^3/(3\hbar^3) を導け。
  3. (3) 量子力学の準位は ℏ(n+32)\hbar(n+\frac32)、縮退度は (n+1)(n+2)/2(n+1)(n+2)/2 である。n=0,…,K−1n=0,\dots,K-1 の殻を満たしたときの粒子数 N=K(K+1)(K+2)/3N=K(K+1)(K+2)/3 を示し、μ=ℏ(K+1)\mu=\hbar(K+1) とおくと N=Nsc−μ/(3ℏ)N=N_{\mathrm{sc}}-\mu/(3\hbar) となることを確かめよ。μ=1\mu=1 に固定したときの ℏ\hbar の NN 依存を述べよ。
解答

(1) 点 xx で運動量の大きさが pF=2ϕ(x)p_F=\sqrt{2\phi(x)} 以下の状態がすべて埋まる。位相空間の体積 (2πℏ)3(2\pi\hbar)^3 に1つの状態があり、スピンで2倍なので

ρ(x)=2⋅43πpF3(2πℏ)3=pF33π2ℏ3=(2ϕ(x))3/23π2ℏ3.\rho(x)=2\cdot\frac{\frac43\pi p_F^3}{(2\pi\hbar)^3}=\frac{p_F^3}{3\pi^2\hbar^3}=\frac{\bigl(2\phi(x)\bigr)^{3/2}}{3\pi^2\hbar^3}.

ℏ=1\hbar=1 では 12(3π2ρ)2/3=ϕ\frac12(3\pi^2\rho)^{2/3}=\phi となり、TF 方程式の「局所 Fermi エネルギー=ポテンシャル」と一致する。

(2) 埋まる領域は6次元の球 {p2/2+x2/2<μ}\{p^2/2+x^2/2<\mu\} で、半径は 2μ\sqrt{2\mu}。6次元の単位球の体積 π3/6\pi^3/6 を使うと体積は π36(2μ)3=43π3μ3\frac{\pi^3}6(2\mu)^3=\frac43\pi^3\mu^3。よって Nsc=2⋅43π3μ3/(2πℏ)3=μ3/(3ℏ3)N_{\mathrm{sc}}=2\cdot\frac43\pi^3\mu^3/(2\pi\hbar)^3=\mu^3/(3\hbar^3)。

(3) ∑n=0K−12⋅(n+1)(n+2)2=∑m=1Km(m+1)=K(K+1)(K+2)3\sum_{n=0}^{K-1}2\cdot\frac{(n+1)(n+2)}2=\sum_{m=1}^{K}m(m+1)=\frac{K(K+1)(K+2)}3。μ=ℏ(K+1)\mu=\hbar(K+1) なら μ/ℏ=K+1\mu/\hbar=K+1 で、(K+1)3−(K+1)3=(K+1)K(K+2)3=N\frac{(K+1)^3-(K+1)}3=\frac{(K+1)K(K+2)}3=N が成り立つ。主要項は位相空間の体積の数え上げ NscN_{\mathrm{sc}} で、離散性の補正は相対的に O(N−2/3)\mathcal{O}(N^{-2/3}) である(例題 6.8 の殻の数え上げと同じ構造)。μ=1\mu=1 に固定すると N≈1/(3ℏ3)N\approx1/(3\hbar^3)、つまり ℏ≈(3N)−1/3\hbar\approx(3N)^{-1/3}。エネルギーの尺度を O(1)\mathcal{O}(1) に保ったまま粒子を増やすと、Pauli の原理によって ℏ\hbar が N−1/3N^{-1/3} で小さくならざるを得ない。たとえば K=13K=13 では N=910N=910、ℏ=1/14≈0.071\hbar=1/14\approx0.071 で、(3N)−1/3≈0.072(3N)^{-1/3}\approx0.072 に近い(検算スクリプト)。

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