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自由粒子:前因子を決め、合成則を確かめる

2026年10月17日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第1章 二重スリットから「全経路の和」へ
目次
  1. 1区間の振幅と前因子
  2. 自由粒子の伝播関数
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第3部 第1章 §3.1.4 ★★ 前因子は「時間0で何も動かない」から決まり、自由粒子では折れ線の和が厳密に閉じる

式 (3.1.12) の前因子 (m/(2πiℏϵ))N/2(m/(2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon))^{N/2} は天下りに置いた。この節では、時間を区切った1区間の振幅が満たすべき条件から、それを決める。あわせて、要請 (II) で作った振幅が前節の合成則 (3.1.9) と矛盾しないことを、自由粒子で確かめる。

1区間の振幅と前因子

V=0V=0 の粒子の1区間(時間 ϵ\epsilon)の振幅を、前因子 c(ϵ)c(\epsilon) を未知のまま

Kϵ(x′,x)=c(ϵ) exp⁡[im(x′−x)22ℏϵ](3.1.14)K_\epsilon(x',x)=c(\epsilon)\,\exp\Bigl[\frac{\mathrm{i} m(x'-x)^2}{2\hbar\epsilon}\Bigr]\tag{3.1.14}

と書く。ϵ→0\epsilon\to0 では時間が経たないので、式 (3.1.10) の右辺は ψ(x′,t)\psi(x',t) そのものに戻らなければならない。これは Kϵ(x′,x)→δ(x′−x)K_\epsilon(x',x)\to\delta(x'-x) を意味し、とくに ∫Kϵ(x′,x) dx′=1\int K_\epsilon(x',x)\,\mathrm{d} x'=1 を要求する。

この積分には次の Gauss 積分(Fresnel 積分)を使う。

∫−∞∞e−αy2+βy dy=πα  eβ2/(4α)(Re⁡α≥0, α≠0)(3.1.15)\int_{-\infty}^{\infty}\mathrm{e}^{-\alpha y^2+\beta y}\,\mathrm{d} y=\sqrt{\frac{\pi}{\alpha}}\;\mathrm{e}^{\beta^2/(4\alpha)}\qquad(\operatorname{Re}\alpha\ge0,\ \alpha\ne0)\tag{3.1.15}

平方根は主値をとる。Re⁡α=0\operatorname{Re}\alpha=0 のときは被積分関数が減衰しないので、α\alpha に小さい正の実部を足して積分し、最後に 00 に戻す(収束因子)。物理の言葉では、時間 ϵ\epsilon をわずかに ϵ(1−iη)\epsilon(1-\mathrm{i}\eta)(η>0\eta>0)とずらすことに当たる。

式 (3.1.14) では α=−im/(2ℏϵ)\alpha=-\mathrm{i} m/(2\hbar\epsilon)、β=0\beta=0 なので、

∫−∞∞exp⁡[imy22ℏϵ]dy=2πiℏϵm\int_{-\infty}^{\infty}\exp\Bigl[\frac{\mathrm{i} m y^2}{2\hbar\epsilon}\Bigr]\mathrm{d} y=\sqrt{\frac{2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon}{m}}

である。したがって規格化の条件から c(ϵ)=m/(2πiℏϵ)c(\epsilon)=\sqrt{m/(2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon)} が決まる。これを NN 区間ぶん掛けたものが前因子 (m/(2πiℏϵ))N/2(m/(2\pi\mathrm{i}\hbar\epsilon))^{N/2} である。

指数の幅は ℏϵ/m\sqrt{\hbar\epsilon/m} の程度で、ϵ→0\epsilon\to0 で 00 に縮む。そのため KϵK_\epsilon を滑らかな関数に掛けて積分すると、その関数の xx での値に近づく。

自由粒子の伝播関数

前因子が決まったので、2つの区間をつなぐ。時間 t1t_1 の振幅と時間 t2t_2 の振幅を中間の位置 yy で積分すると(例題 3.1.4)、

∫dy  Kt2(xf,y) Kt1(y,xi)=Kt1+t2(xf,xi)\int\mathrm{d} y\;K_{t_2}(x_f,y)\,K_{t_1}(y,x_i)=K_{t_1+t_2}(x_f,x_i)

が厳密に成り立つ。式 (3.1.12) の N−1N-1 回の積分をこの関係で1回ずつ行うと、どの NN でも同じ形が残り、極限をとる前に答えが決まる。

K0(xf,t;xi,0)=m2πiℏt  exp⁡[im(xf−xi)22ℏt](3.1.16)K_0(x_f,t;x_i,0)=\sqrt{\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar t}}\;\exp\Bigl[\frac{\mathrm{i} m(x_f-x_i)^2}{2\hbar t}\Bigr]\tag{3.1.16}

これは巻の共通例題③の伝播関数そのものである(巻の補足の正答表と同じ形)。第3部第3章では、これを古典の経路と揺らぎに分ける方法で解き直し、同じ方法を調和振動子へ広げる。

式 (3.1.16) の指数は、古典の経路の作用 Scl=m(xf−xi)2/(2t)S_{\mathrm{cl}}=m(x_f-x_i)^2/(2t) を ℏ\hbar で割ったものになっている。自由粒子では、すべての経路の和をとった結果が、古典の経路1本の位相に前因子を掛けたものと厳密に一致する。これは作用が経路の2次式であることによる(第3部第3章)。

また ∣K0∣2=m/(2πℏt)\lvert K_0\rvert ^2=m/(2\pi\hbar t) は xfx_f によらない。1点から出た粒子は、時間が経つとどこにでも同じ重みで見つかる。位置を1点に決めた状態は運動量がまったく決まっていないので、この結果は不確定性関係と整合している。

例題 3.1.4 2つの区間の合成 ★★

オリジナル式 (3.1.16) の形の K0K_0 について、合成則 ∫dy K0(xf,t1+t2;y,t1) K0(y,t1;xi,0)=K0(xf,t1+t2;xi,0)\int\mathrm{d} y\,K_0(x_f,t_1+t_2;y,t_1)\,K_0(y,t_1;x_i,0)=K_0(x_f,t_1+t_2;x_i,0) を確かめよ。

解答

被積分関数の指数を yy について整理する。

im2ℏ[(xf−y)2t2+(y−xi)2t1]=−αy2+βy+γ0\frac{\mathrm{i} m}{2\hbar}\Bigl[\frac{(x_f-y)^2}{t_2}+\frac{(y-x_i)^2}{t_1}\Bigr] =-\alpha y^2+\beta y+\gamma_0

と書くと、係数は

α=−im2ℏ(1t1+1t2),β=imℏ(xft2+xit1),γ0=im2ℏ(xf2t2+xi2t1)\alpha=-\frac{\mathrm{i} m}{2\hbar}\Bigl(\frac1{t_1}+\frac1{t_2}\Bigr),\quad \beta=\frac{\mathrm{i} m}{\hbar}\Bigl(\frac{x_f}{t_2}+\frac{x_i}{t_1}\Bigr),\quad \gamma_0=\frac{\mathrm{i} m}{2\hbar}\Bigl(\frac{x_f^2}{t_2}+\frac{x_i^2}{t_1}\Bigr)

である。式 (3.1.15) を当てると、指数は β2/(4α)+γ0\beta^2/(4\alpha)+\gamma_0 になる。これを計算すると

β24α+γ0=im2ℏ[xf2t2+xi2t1−(xft1+xit2)2t1t2(t1+t2)]=im(xf−xi)22ℏ(t1+t2)\frac{\beta^2}{4\alpha}+\gamma_0 =\frac{\mathrm{i} m}{2\hbar}\Bigl[\frac{x_f^2}{t_2}+\frac{x_i^2}{t_1}-\frac{(x_ft_1+x_it_2)^2}{t_1t_2(t_1+t_2)}\Bigr] =\frac{\mathrm{i} m(x_f-x_i)^2}{2\hbar(t_1+t_2)}

となる。2つ目の等号は、括弧の中を通分すると分子が t1t2(xf−xi)2t_1t_2(x_f-x_i)^2 になることから従う。

前因子は

m2πiℏt2m2πiℏt1πα=m2πiℏt1t22πiℏ t1t2m(t1+t2)=m2πiℏ(t1+t2)\sqrt{\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar t_2}}\sqrt{\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar t_1}}\sqrt{\frac{\pi}{\alpha}} =\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar\sqrt{t_1t_2}}\sqrt{\frac{2\pi\mathrm{i}\hbar\,t_1t_2}{m(t_1+t_2)}} =\sqrt{\frac{m}{2\pi\mathrm{i}\hbar(t_1+t_2)}}

である。平方根の枝は、時間を t(1−iη)t(1-\mathrm{i}\eta) とずらした収束因子のもとで主値をとれば矛盾なく選べる(検算では η>0\eta>0 の複素の時間で数値積分して確かめた)。以上で合成則が成り立つ。

木下の勉強ステータス

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