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3つの状態空間を同じ表で比べる

2026年10月17日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第9部 第4章 一般確率論:状態空間の形で古典ビット・量子ビット・PR 箱を比べる
目次
  1. 区別できる状態の数
  2. 比較の表
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

量子力学の様々な構成方法 第9部 第4章 §9.4.5 ★★ 古典ビット・量子ビット・gbit を、区別できる状態の数・可逆な変換・複製・合成系の相関の強さで並べ、量子論がその中のどこにいるかを示す

区別できる状態の数

NN は状態空間の形だけで決まる。結果が nn 通りの測定 {ek}\{e_k\} は、状態 ss に確率の組 (e1(s),…,en(s))\bigl(e_1(s),\dots,e_n(s)\bigr) を対応させる affine な写像 S→Δn−1\mathcal S\to\Delta_{n-1} を与える。nn 個の状態が完全に区別できることは、この写像が単体 Δn−1\Delta_{n-1} の nn 個の頂点すべてに当たることである。像は凸集合で頂点を含むので、像は Δn−1\Delta_{n-1} 全体になる。

補題 9.4.7(NN と affine な像 ★★)

N≥nN\ge n であるための必要十分条件は、状態空間 S\mathcal S から単体 Δn−1\Delta_{n-1} の上への affine な写像で、値が効果として許されるものがあることである。とくに正方形と球では N=2N=2 である。

証明

前半は上の段落のとおりで、逆向きは写像の成分 eke_k を効果に選べばよい。正方形の affine な像は、階数2なら平行四辺形、階数1以下なら線分か点である。球の affine な像は、階数2なら楕円板、階数1以下なら線分か点である。三角形 Δ2\Delta_2 はそのどれでもないので、正方形と球から Δ2\Delta_2 の上への affine な写像は無く、N≤2N\le2。2つの向かい合う頂点(球では対蹠点)は区別できるので N=2N=2 である。

古典の dd 準位系では恒等写像が Δd−1\Delta_{d-1} の上への写像なので N=dN=d。量子ビットと gbit はどちらも N=2N=2 で、1ビットしか運べない。それでも KK は量子ビットで4、gbit で3、古典ビットで2と異なり、状態を指定するのに要る確率の数は古典ビットより多い。

比較の表

古典ビット量子ビットgbit
状態空間線分(単体)球正方形
純粋な状態2個球面(連続無限)4個
KK・NN22・2244・2233・22
混合の分解一意一意でない一意でない
可逆な変換置換(2個)回転 SO(3)SO(3)(連結)正方形の対称(8個)
測定の同時実行すべて可能交換するものだけ2つの基準の測定は不可
純粋な状態の複製できるできないできない
2つ合わせた系の max⁡S\max S22222\sqrt244(箱の世界)
合成系の可逆な変換置換もつれを作る局所的な変換と入れ替えだけ

表の各行を短く説明する。可逆な変換は状態空間の affine な自己同型で、単体では頂点のすべての置換、正方形では隣り合う頂点を隣り合う頂点へ写す置換(正方形の回転と鏡映の8個)である。どちらも有限群なので、純粋な状態の間を連続に移ることができない。量子ビットだけが連続で連結な可逆な変換の群を持つ。

複製の行は、Barnum・Barrett・Leifer・Wilce の一般化された放送不可能定理による。状態を2つの系へ同じ周辺で写す変換(放送)がすべての状態について可能なのは、状態空間が単体のときに限る(H. Barnum, J. Barrett, M. Leifer and A. Wilce (2007), Physical Review Letters 99, 240501)。下の例題で、純粋な状態の複製が affine な変換にならないことを、正方形と球で直接確かめる。

最後の行について、箱の世界では、2つの gbit の可逆な変換は各自の局所的な変換と系の入れ替えから生成されるものに限られ、もつれた状態を可逆な変換で作ることができない(D. Gross, M. Müller, R. Colbeck and O. C. O. Dahlsten (2010), Physical Review Letters 104, 080402)。PR 箱という強い相関を許した代わりに、相関を作る力学を失う。量子論は、相関の強さ(222\sqrt2)と連続な可逆の力学の両方を持つ点で、表の中で古典と箱の世界の間にいる。

例題 9.4.6 複製の写像が affine にならないことを確かめる ★★

オリジナル状態を2つの系へ写す写像 Φ(s)=s⊗s\Phi(s)=s\otimes s は、純粋な状態の上でだけ定めて混合へ affine に延ばす必要がある。2つの系の状態は、規格化を含むベクトル v=(1,x,y)\bm{v}=(1,x,y) どうしのテンソル積 v⊗v\bm{v}\otimes\bm{v} で表すとする。

  1. (1) 古典 trit では、頂点ごとに Φ(δi)=δi⊗δi\Phi(\bm{\delta}_i)=\bm{\delta}_i\otimes\bm{\delta}_i と定めて affine に延ばせることを示せ。
  2. (2) 正方形の頂点 viv_i に Φ(vi)=vi⊗vi\Phi(v_i)=\bm{v}_i\otimes\bm{v}_i を割り当てると、affine に延ばせないことを示せ(ヒント:例題 9.4.2 (1) の従属関係)。
  3. (3) 量子ビットで同じことを、ρ^=1^/2\hat\rho=\hat 1/2 の2つの分解 {∣↑⟩,∣↓⟩}\{| \uparrow \rangle ,| \downarrow \rangle \} と {∣+x⟩,∣−x⟩}\{| +_x \rangle ,| -_x \rangle \} で示せ。
解答

(1) 頂点が affine 独立なので、各点の重心座標 (p1,p2,p3)(p_1,p_2,p_3) は一意で、Φ(p)=∑ipi δi⊗δi\Phi(\bm{p})=\sum_ip_i\,\bm{\delta}_i\otimes\bm{\delta}_i は矛盾なく定まる affine な写像である。古典の複製は「目を読んで同じ目の系をもう1つ用意する」手順そのものである。

(2) v1+v3=v2+v4v_1+v_3=v_2+v_4 なので、Φ\Phi が affine なら Φ(v1)+Φ(v3)=Φ(v2)+Φ(v4)\Phi(v_1)+\Phi(v_3)=\Phi(v_2)+\Phi(v_4) でなければならない(両辺は正方形の中心の像の2倍)。v⊗v\bm{v}\otimes\bm{v} の (x,y)(x,y) 成分は xyxy で、左辺は 1⋅1+(−1)(−1)=21\cdot1+(-1)(-1)=2、右辺は 1⋅(−1)+(−1)⋅1=−21\cdot(-1)+(-1)\cdot1=-2 で一致しない。よって純粋な状態の複製を affine な変換に延ばすことはできない。

(3) 12(∣↑⟩⟨↑∣+∣↓⟩⟨↓∣)=12(∣+x⟩⟨+x∣+∣−x⟩⟨−x∣)=1^/2\frac12(| \uparrow \rangle \langle \uparrow |+| \downarrow \rangle \langle \downarrow |)=\frac12(| +_x \rangle \langle +_x |+| -_x \rangle \langle -_x |)=\hat 1/2 なので、affine な複製なら ρ^↑⊗2+ρ^↓⊗2=ρ^+⊗2+ρ^−⊗2\hat\rho_\uparrow^{\otimes2}+\hat\rho_\downarrow^{\otimes2}=\hat\rho_{+}^{\otimes2}+\hat\rho_{-}^{\otimes2} が要る。σz⊗σz\sigma_z\otimes\sigma_z の期待値(トレース)は、左辺で 1+1=21+1=2、右辺で 0+0=00+0=0 で一致しない。量子の複製不可能定理は、線型性を使うこの議論の特別な場合で、単体でない状態空間すべてに同じ形で当てはまる。

木下の勉強ステータス

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