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出てくるもの1:2原子の列の音響モードと光学モード

2026年10月15日6分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第1章 つなぎ:原子の列の L から基準振動へ
目次
  1. 動的行列と分散関係
  2. 2本の枝の振れ方
  3. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第3部 第1章 §3.1.2 ★★★ 単位胞に原子が2個あると、同じ向きに振れる音響の枝と逆向きに振れる光学の枝ができ、Brillouin 域の端で振動数のギャップが開く

動的行列と分散関係

単位胞の長さを aa とし、その中に質量 M1M_1 の原子と M2M_2 の原子を a/2a/2 ずつ離して交互に並べる。ばねはすべて同じばね定数 KK とし、M1<M2M_1<M_2 とする。単位胞 ll の軽い原子のずれを ulu_l、重い原子のずれを wlw_l とすると、軽い原子 ll は重い原子 l−1l-1 と ll にはさまれ、重い原子 ll は軽い原子 ll と l+1l+1 にはさまれるので、運動方程式は

M1u¨l=K(wl+wl−1−2ul),M2w¨l=K(ul+1+ul−2wl)(3.1.7)M_1\ddot u_l=K(w_l+w_{l-1}-2u_l),\qquad M_2\ddot w_l=K(u_{l+1}+u_l-2w_l)\tag{3.1.7}

である。式 (3.1.5) の形 ul=e1ei(kla−ωt)/M1u_l=e_1\mathrm{e}^{\mathrm{i}(kla-\omega t)}/\sqrt{M_1}、wl=e2ei(kla−ωt)/M2w_l=e_2\mathrm{e}^{\mathrm{i}(kla-\omega t)}/\sqrt{M_2} を入れると、動的行列は 2×22\times2 の

D(k)=(2KM1−K(1+e−ika)M1M2−K(1+eika)M1M22KM2)(3.1.8)\mathsf D(k)=\begin{pmatrix}\dfrac{2K}{M_1}&-\dfrac{K(1+\mathrm{e}^{-\mathrm{i} ka})}{\sqrt{M_1M_2}}\\[2ex]-\dfrac{K(1+\mathrm{e}^{\mathrm{i} ka})}{\sqrt{M_1M_2}}&\dfrac{2K}{M_2}\end{pmatrix}\tag{3.1.8}

になる。跡は 2K(1/M1+1/M2)2K(1/M_1+1/M_2)、行列式は ∣1+eika∣2=4cos⁡2(ka/2)\lvert 1+\mathrm{e}^{\mathrm{i} ka}\rvert ^2=4\cos^2(ka/2) を使って 4K2sin⁡2(ka/2)/(M1M2)4K^2\sin^2(ka/2)/(M_1M_2) となるので、固有値は

ω±2(k)=K(1M1+1M2)±K(1M1+1M2)2−4sin⁡2(ka/2)M1M2(3.1.9)\omega_\pm^2(k)=K\Bigl(\frac{1}{M_1}+\frac{1}{M_2}\Bigr)\pm K\sqrt{\Bigl(\frac{1}{M_1}+\frac{1}{M_2}\Bigr)^2-\frac{4\sin^2(ka/2)}{M_1M_2}}\tag{3.1.9}

である。下の枝 ω−\omega_- が音響の枝、上の枝 ω+\omega_+ が光学の枝で、図 3.1.2 に M2=2M1M_2=2M_1 の場合を描いた。

2本の枝の振れ方

k=0k=0 では D(0)\mathsf D(0) の固有値が 00 と 2K(1/M1+1/M2)2K(1/M_1+1/M_2) になる。ω=0\omega=0 の固有ベクトルは ul=wlu_l=w_l で、列全体の一様な並進である(式 (3.1.4) の帰結)。もう1つの固有ベクトルは M1ul+M2wl=0M_1u_l+M_2w_l=0 を満たし、単位胞の重心を止めたまま2つの原子が逆向きに振れる。イオン結晶で2つの原子が逆符号の電荷を持っていれば、この振動は単位胞に振動する電気双極子を作るので、同じ振動数の光(赤外線)と結合する。光学モードという名前はこのことによる。

長波長の音響の枝は ω−≈vk\omega_-\approx vk、v=aK/(2(M1+M2))v=a\sqrt{K/(2(M_1+M_2))} である。長さ aa あたりの質量が M1+M2M_1+M_2、長さ aa の中にばねが2本直列に入って合成のばね定数が K/2K/2 の弦と同じ音速で、長波長の音は単位胞の中の構造を見ない。

Brillouin 域の端 k=π/ak=\pi/a では 1+e−iπ=01+\mathrm{e}^{-\mathrm{i}\pi}=0 なので D\mathsf D は対角になり、固有値は 2K/M22K/M_2(音響の枝の上端)と 2K/M12K/M_1(光学の枝の下端)である。音響の枝の上端では重い原子だけが振れて軽い原子は止まり、光学の枝の下端では軽い原子だけが振れて重い原子は止まる。2つの振動数の間 2K/M2<ω<2K/M1\sqrt{2K/M_2}<\omega<\sqrt{2K/M_1} には、どの kk にもモードが無い。これが格子振動のギャップである。端 k=π/ak=\pi/a は、波長 2a2a の波が隣の単位胞で符号を変える点で、電子の波が同じ条件でギャップを開くのが 第2部第5章の Bragg 反射である。ギャップの幅は2つの質量の差で決まり、M1=M2M_1=M_2 なら閉じる(例題 3.1.2)。

図

図 3.1.2 2原子の列(M2=2M1M_2=2M_1、ばねはすべて KK)の分散関係 (3.1.9)。灰色の帯 1<ω/K/M1<21<\omega/\sqrt{K/M_1}<\sqrt2 にはモードが無い。原点での音響の枝の傾きは音速 v=aK/(6M1)v=a\sqrt{K/(6M_1)} に当たる。

例題 3.1.2 質量が等しい極限:枝を折り畳む ★★★

オリジナル式 (3.1.9) で M1=M2=MM_1=M_2=M と置く。

  1. (1) ω−\omega_- と ω+\omega_+ を三角関数1つの形で書け。
  2. (2) このとき列は間隔 a/2a/2 の1原子の列そのものである。その分散関係 (3.1.2)(間隔を a/2a/2 に置き換えたもの)と (1) を比べ、2本の枝が何を表しているかを述べよ。
解答

(1) 1/M1+1/M2=2/M1/M_1+1/M_2=2/M、4/M2−4sin⁡2(ka/2)/M2=(2/M)∣cos⁡(ka/2)∣\sqrt{4/M^2-4\sin^2(ka/2)/M^2}=(2/M)\lvert \cos(ka/2)\rvert なので ω±2=(2K/M)(1±∣cos⁡(ka/2)∣)\omega_\pm^2=(2K/M)(1\pm\lvert \cos(ka/2)\rvert ) である。半角の公式 1−cos⁡θ=2sin⁡2(θ/2)1-\cos\theta=2\sin^2(\theta/2)、1+cos⁡θ=2cos⁡2(θ/2)1+\cos\theta=2\cos^2(\theta/2) を使うと(∣ka∣≤π\lvert ka\rvert \le\pi で cos⁡(ka/2)≥0\cos(ka/2)\ge0)

ω−=2KM ∣sin⁡ka4∣,ω+=2KM ∣cos⁡ka4∣.\omega_-=2\sqrt{\frac KM}\,\lvert \sin\frac{ka}{4}\rvert ,\qquad \omega_+=2\sqrt{\frac KM}\,\lvert \cos\frac{ka}{4}\rvert .

(2) 間隔 a/2a/2 の1原子の列の分散は ω=2K/M∣sin⁡(k′a/4)∣\omega=2\sqrt{K/M}\lvert \sin(k'a/4)\rvert で、Brillouin 域は ∣k′∣≤2π/a\lvert k'\rvert \le2\pi/a と、2原子の列の2倍の幅を持つ。ω−\omega_- はこの分散を ∣k∣≤π/a\lvert k\rvert \le\pi/a の範囲で見たものそのものである。ω+\omega_+ は ∣sin⁡((k+2π/a)a/4)∣=∣cos⁡(ka/4)∣\lvert \sin((k+2\pi/a)a/4)\rvert =\lvert \cos(ka/4)\rvert より、1原子の列の分散の π/a<∣k′∣≤2π/a\pi/a<\lvert k'\rvert \le2\pi/a の部分を2π/a2\pi/a だけずらして狭い Brillouin 域へ移したものである。単位胞を2倍に取ったので Brillouin 域が半分になり、はみ出した外側の半分が折り返されて2本目の枝に見えている。端 k=π/ak=\pi/a では2本の枝が ω=2K/M\omega=\sqrt{2K/M} で接し、ギャップは無い。質量に差をつけると、この接点で2本の枝が押し分けられてギャップが開く。ギャップを開くものは「単位胞の中に区別できる原子が2種類あること」であって、単位胞を2倍に取る書き方そのものではない。

木下の勉強ステータス

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