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出てくるもの2:3次元の結晶の縦波・横波と 3r3r 本の枝

2026年10月15日7分で読めますAI生成教科書『虎の巻』第3部 第1章 つなぎ:原子の列の L から基準振動へ
目次
  1. 枝の名前
  2. 中心力のばねで組んだ単純立方格子
  3. 長波長の極限と弾性定数
  4. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第3部 第1章 §3.1.3 ★★★ 3次元では振れる向きが3つあり、縦波(L)と横波(T)、音響(A)と光学(O)の組で LA・TA・LO・TO の枝ができる

枝の名前

3次元では、各 k\bm{k} の 3r3r 個の固有ベクトル eκαe^\alpha_\kappa が、原子の振れる向きを決める。結晶の対称性の高い方向(立方晶の [100][100] など)に k\bm{k} を取ると、固有ベクトルは振れる向きが k\bm{k} と平行な縦波(longitudinal、L)と、垂直な横波(transverse、T)にきれいに分かれる。横波は振れる向きを2つ選べるので2本ある。音響の枝3本は LA 1本と TA 2本、光学の枝 3r−33r-3 本は LO と TO の組に分かれる。単位胞に原子が2個の Si・GaAs・NaCl などでは、LA・TA・TA・LO・TO・TO の6本になる。対称性の高い方向では2本の TA が同じ振動数を持つ(縮退する)ことが多い。

中心力のばねで組んだ単純立方格子

単位胞に原子が1個(r=1r=1)の結晶で、2つの原子を結ぶ方向にだけ力が働くばね(中心力のばね)を考える。釣り合いでばねが伸びも縮みもしていないとき、変位の1次までで伸びは R^n⋅(ul+n−ul)\hat{\bm{R}}_n\cdot(\bm{u}_{l+n}-\bm{u}_l)(R^n\hat{\bm{R}}_n はばねの向きの単位ベクトル)なので、ばね1本のエネルギーは 12Kn[R^n⋅(ul+n−ul)]2\frac12K_n[\hat{\bm{R}}_n\cdot(\bm{u}_{l+n}-\bm{u}_l)]^2 である。これを式 (3.1.6) に持ち込むと、動的行列は

Dαβ(k)=1M∑nKn(1−cos⁡k⋅Rn)R^nαR^nβ(3.1.10)\mathsf D^{\alpha\beta}(\bm{k})=\frac1M\sum_n K_n\bigl(1-\cos\bm{k}\cdot\bm{R}_n\bigr)\hat R_n^\alpha\hat R_n^\beta\tag{3.1.10}

になる(和は原子1つから見たすべてのばねの相手 nn について取る)。1次元の列では R^=±1\hat R=\pm1 の2本だけが残り、D=(2K/M)(1−cos⁡ka)=(4K/M)sin⁡2(ka/2)\mathsf D=(2K/M)(1-\cos ka)=(4K/M)\sin^2(ka/2) と式 (3.1.2) に戻る。k=0\bm{k}=0 で D=0\mathsf D=0 になることも、式 (3.1.4) のとおりである。

格子定数 aa の単純立方格子で、最近接の6本にばね定数 K1K_1、第2近接(面の対角線の向き、長さ 2a\sqrt2a)の12本に K2K_2 を置く。k=(k,0,0)\bm{k}=(k,0,0) では、最近接のうち ±x\pm x の2本だけが cos⁡k⋅Rn≠1\cos\bm{k}\cdot\bm{R}_n\ne1 で、xxxx 成分に 2K1(1−cos⁡ka)2K_1(1-\cos ka) を与える。第2近接のうち xx 成分を持つ8本は、R^xR^x=12\hat R^x\hat R^x=\frac12 で xxxx 成分に 4K2(1−cos⁡ka)4K_2(1-\cos ka)、R^yR^y=12\hat R^y\hat R^y=\frac12 の4本が yyyy 成分に 2K2(1−cos⁡ka)2K_2(1-\cos ka) を与え、zzzz も同じである。非対角成分は符号の違う相手どうしで打ち消す。したがって

MωL2=(4K1+8K2)sin⁡2ka2,MωT2=4K2sin⁡2ka2(2本)(3.1.11)M\omega_{\mathrm L}^2=(4K_1+8K_2)\sin^2\frac{ka}{2},\qquad M\omega_{\mathrm T}^2=4K_2\sin^2\frac{ka}{2}\quad(\text{2本})\tag{3.1.11}

である。注目すべきは横波で、K2=0K_2=0 なら ωT=0\omega_{\mathrm T}=0 になる。最近接の中心力のばねは xx 方向に並んだ原子が yy 方向に互いにずれても伸びないので(伸びは変位の2次)、単純立方格子は最近接のばねだけではずれ(せん断)に抗する力を持たない。横波を伝えるには斜めのばねが要る。

長波長の極限と弾性定数

k→0k\to0 で式 (3.1.11) は ωL=vLk\omega_{\mathrm L}=v_{\mathrm L}k、ωT=vTk\omega_{\mathrm T}=v_{\mathrm T}k になり、vL=a(K1+2K2)/Mv_{\mathrm L}=a\sqrt{(K_1+2K_2)/M}、vT=aK2/Mv_{\mathrm T}=a\sqrt{K_2/M} である。連続体の弾性論では、立方晶の [100][100] 方向の縦波と横波の音速は、密度 ρ\rho と弾性定数 C11C_{11}・C44C_{44} を使って

vL=C11ρ,vT=C44ρ(3.1.12)v_{\mathrm L}=\sqrt{\frac{C_{11}}{\rho}},\qquad v_{\mathrm T}=\sqrt{\frac{C_{44}}{\rho}}\tag{3.1.12}

と書ける。ρ=M/a3\rho=M/a^3 とおいて比べると C11=(K1+2K2)/aC_{11}=(K_1+2K_2)/a、C44=K2/aC_{44}=K_2/a である。同じ模型で [110][110] 方向の縦波(ρv2=(C11+C12+2C44)/2\rho v^2=(C_{11}+C_{12}+2C_{44})/2)を計算すると C12=K2/aC_{12}=K_2/a になり、C12=C44C_{12}=C_{44} が成り立つ。この等式をCauchy の関係と呼ぶ。原子どうしの力が2体の中心力だけで、各原子が反転対称の中心にある結晶では、ばねの定数の値によらず成り立つ。実在の結晶が Cauchy の関係からずれていれば、それは2体の中心力の描像で削ったもの(3体の力・角度に依存する結合・伝導電子の圧力)の大きさを測っている(3.1.5 節)。

例題 3.1.3 ばねの定数から音速と弾性定数を出す ★★

オリジナル格子定数 a=0.3 nma=0.3\,\mathrm{nm}、原子の質量 M=50 uM=50\,\mathrm u の仮の単純立方格子で、最近接のばね K1=20 N m−1K_1=20\,\mathrm{N\,m^{-1}}、第2近接のばね K2=5 N m−1K_2=5\,\mathrm{N\,m^{-1}} とする(1 u=1.66054×10−27 kg1\,\mathrm u=1.66054\times10^{-27}\,\mathrm{kg})。

  1. (1) [100][100] 方向の縦波と横波の音速を求めよ。
  2. (2) 密度と弾性定数 C11C_{11}・C44C_{44}・C12C_{12} を求めよ。
  3. (3) Brillouin 域の境界 k=(π/a,0,0)\bm{k}=(\pi/a,0,0)(X 点)での縦波と横波の振動数 ν=ω/2π\nu=\omega/2\pi を求めよ。
解答

(1) M=8.30×10−26 kgM=8.30\times10^{-26}\,\mathrm{kg}。vL=a(K1+2K2)/M=0.3×10−9×30/8.30×10−26=5.70 km s−1v_{\mathrm L}=a\sqrt{(K_1+2K_2)/M}=0.3\times10^{-9}\times\sqrt{30/8.30\times10^{-26}}=5.70\,\mathrm{km\,s^{-1}}、vT=aK2/M=2.33 km s−1v_{\mathrm T}=a\sqrt{K_2/M}=2.33\,\mathrm{km\,s^{-1}}。

(2) ρ=M/a3=3.08×103 kg m−3\rho=M/a^3=3.08\times10^3\,\mathrm{kg\,m^{-3}}。C11=(K1+2K2)/a=1.00×1011 Pa=100 GPaC_{11}=(K_1+2K_2)/a=1.00\times10^{11}\,\mathrm{Pa}=100\,\mathrm{GPa}、C44=C12=K2/a=16.7 GPaC_{44}=C_{12}=K_2/a=16.7\,\mathrm{GPa}。ρvL2=3.08×103×(5.70×103)2=1.00×1011 Pa\rho v_{\mathrm L}^2=3.08\times10^3\times(5.70\times10^3)^2=1.00\times10^{11}\,\mathrm{Pa} となり、式 (3.1.12) と合う。

(3) X 点では sin⁡2(ka/2)=1\sin^2(ka/2)=1 なので ωL=(4K1+8K2)/M\omega_{\mathrm L}=\sqrt{(4K_1+8K_2)/M}、ωT=4K2/M\omega_{\mathrm T}=\sqrt{4K_2/M}。νL=6.05 THz\nu_{\mathrm L}=6.05\,\mathrm{THz}、νT=2.47 THz\nu_{\mathrm T}=2.47\,\mathrm{THz} である。ばねの定数を数 N m−1\mathrm{N\,m^{-1}} から数十 N m−1\mathrm{N\,m^{-1}}、質量を数十 u\mathrm u にとると、音速は数 km s−1\mathrm{km\,s^{-1}}、振動数は数 THz になる。固体の格子振動の振動数が THz の帯にあるのは、この2つの尺度の組み合わせによる。

木下の勉強ステータス

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