授業で習った形との対応
AI 生成・木下が未勉強
ハミルトニアンの選び方で固体を考える 第5部 第5章 §5.5.6 ★★ 普通の Hall 効果・異常 Hall 効果・量子 Hall 効果・量子異常 Hall 効果を、時間反転を何が破るかと Chern 数の言葉で1つの表にまとめる
普通の Hall 効果
授業では Drude 模型の運動方程式 の定常解から、Hall 係数 (電子の場合)を出す。 では である。この章の言葉では、これは Berry 曲率を含まない半古典運動(式 (5.5.2) で )に、外から加えた磁場が時間反転を破った結果である。 は磁場に比例し、測った傾きからキャリアの密度と符号が決まる。
異常 Hall 効果
強磁性体の Hall 抵抗率は、授業や実験の教科書で経験式 として習う。第2項がこの章の異常 Hall 効果で、ここでは外の磁場でなく試料の磁化が時間反転を破る。磁化はスピン軌道結合を通して の形を変え、Berry 曲率を でなくする。第2項を伝導度に直したものの内因的な部分が式 (5.5.3) で、その大きさは Fermi 準位より下の状態の Berry 曲率の積分で決まる。経験式の は、伝導度に直すと なので、内因的な領域では 、skew 散乱が主の領域では になる。この2つの冪が、実験で を に対して描いて機構を区別するときの目印である。
量子 Hall 効果と量子異常 Hall 効果
授業の整数量子 Hall 効果は、Landau 準位を 本満たしたときの で、外の磁場が時間反転を破る。この章の式 (5.5.4) の言葉では、Landau 準位はそれぞれ Chern 数 のバンドで、 は満ちたバンドの Chern 数の和である。グラフェンでは Dirac コーンの Berry 位相 のために、和が になる。量子異常 Hall 効果は、磁場の代わりに磁化(模型では )が時間反転を破り、ゼロ磁場のバンドそのものが Chern 数を持つ場合である。4つを並べると次のようになる。
| 現象 | 時間反転を破るもの | Hall 伝導度 | この章の言葉 |
| 普通の Hall 効果 | 外の磁場 | (連続) | の半古典運動 |
| 異常 Hall 効果 | 磁化 | (連続) | Fermi 準位より下の の積分 |
| 量子 Hall 効果 | 外の磁場 | (整数) | Landau 準位の Chern 数の和 |
| 量子異常 Hall 効果 | 磁化 | (整数) | ゼロ磁場のバンドの Chern 数 |
異常 Hall 効果と量子異常 Hall 効果の違いは、Fermi 準位がバンドの中にあるかギャップの中にあるかだけである。金属では Fermi 面で積分が途中で切れるので、Chern 数の一部分だけが現れて整数にならない。
例題 5.5.6 普通の Hall 効果と異常 Hall 効果を分ける ★★
オリジナル強磁性金属の薄膜で、磁化が飽和した後の Hall 抵抗率を測ったところ、 で 、 で だった。縦の抵抗率は で、磁場によらないとする(数値は説明のために作った)。
- (1) と、1種類の電子だけがあるとしたときのキャリアの密度 を求めよ。
- (2) 異常 Hall 抵抗率 を求めよ。
- (3) と を で求め、図 5.5.4 のどの領域にあたるかを述べよ。
解答
(1) 飽和後は が一定なので、 の磁場に対する傾きが である。。負なので電子で、 である。
(2) への外挿:。 でも異常 Hall の部分が普通の部分の約 倍あり、強磁性金属の Hall 抵抗率はふつう異常 Hall 効果が主になる。
(3) 、 である。真ん中の領域の下の端にあり、 が内因的な部分で決まる領域と、 で減る領域の境目の近くにある。どちらの機構かを決めるには、温度や膜厚を変えて を動かし、 が一定に留まるかを見る。(検算 scripts/verify_ch5-05.py)
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