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繰返しのある2元配置法の理論

2026年10月15日29分で読めますAI生成教科書『資格試験』第5章 繰返しのある2元配置法
目次
  1. 平方和の分解
  2. 計算の手順
  3. 期待平均平方
  4. 検定統計量の分布
  5. プーリング
  6. 分散分析後の推定
  7. 交互作用を残したとき。
  8. 交互作用をプールしたとき。
  9. データの予測。
  10. 2つの母平均の差。
  11. 確認テスト
  12. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

実験計画法 第5章 §5.2 ★★★ 平方和の直交分解・期待平均平方・プーリング・有効反復数。記述式で「導出せよ」と問われる部分

平方和の分解

各データの全体平均からの偏差を、次の4つの部分に分ける。

xijk−xˉ=(xˉi⋅⋅−xˉ)⏟A+(xˉ⋅j⋅−xˉ)⏟B+(xˉij⋅−xˉi⋅⋅−xˉ⋅j⋅+xˉ)⏟A×B+(xijk−xˉij⋅)⏟e.(5.4)x_{ijk}-\bar x=\underbrace{(\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x)}_{A}+\underbrace{(\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x)}_{B} +\underbrace{(\bar x_{ij\cdot}-\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x_{\cdot j\cdot}+\bar x)}_{A\times B}+\underbrace{(x_{ijk}-\bar x_{ij\cdot})}_{e}.\tag{5.4}

右辺を足すと左辺に戻ることは、項を消し合わせれば確かめることができる。

定理 5.1(平方和の分解 ★★★)

(5.4) の両辺を2乗して i,j,ki,j,k について和をとると、交差項はすべて 0 になり、

ST=SA+SB+SA×B+Se(5.5)S_T=S_A+S_B+S_{A\times B}+S_e\tag{5.5}

が成り立つ。ここで

ST=∑i,j,k(xijk−xˉ)2,SA=mr∑i(xˉi⋅⋅−xˉ)2,SB=lr∑j(xˉ⋅j⋅−xˉ)2,SA×B=r∑i,j(xˉij⋅−xˉi⋅⋅−xˉ⋅j⋅+xˉ)2,Se=∑i,j,k(xijk−xˉij⋅)2.\begin{aligned} S_T&=\sum_{i,j,k}(x_{ijk}-\bar x)^2, & S_A&=mr\sum_i(\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x)^2, & S_B&=lr\sum_j(\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x)^2,\\ S_{A\times B}&=r\sum_{i,j}(\bar x_{ij\cdot}-\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x_{\cdot j\cdot}+\bar x)^2, & S_e&=\sum_{i,j,k}(x_{ijk}-\bar x_{ij\cdot})^2. && \end{aligned}

証明

4つの部分を順に次のように書く。

uiA,ujB,uijAB,uijkeu^A_{i},\qquad u^B_{j},\qquad u^{AB}_{ij},\qquad u^e_{ijk}

添字が示すとおり、uAu^A は ii だけに依存する。同様に uBu^B は jj だけに依存する。uABu^{AB} は (i,j)(i,j) だけに依存する。また次の性質を持つ。

∑iuiA=0,∑jujB=0,∑iuijAB=0 (各 j),∑juijAB=0 (各 i),∑kuijke=0 (各 i,j).\sum_i u^A_i=0,\qquad \sum_j u^B_j=0,\qquad \sum_i u^{AB}_{ij}=0\ (\text{各 }j),\qquad \sum_j u^{AB}_{ij}=0\ (\text{各 }i),\qquad \sum_k u^e_{ijk}=0\ (\text{各 }i,j).

最初の2つは平均の定義から直ちに従う。3つ目と4つ目は例題 5.1 の (2) と同じ計算で示すことができる。最後のものは∑k(xijk−xˉij⋅)=Tij⋅−rxˉij⋅=0\sum_k(x_{ijk}-\bar x_{ij\cdot})=T_{ij\cdot}-r\bar x_{ij\cdot}=0 である。

交差項を1つずつ調べる。

∑i,j,kuiAujB=r(∑iuiA)(∑jujB)=0,∑i,j,kuiAuijAB=r∑iuiA(∑juijAB)=0,∑i,j,kujBuijAB=r∑jujB(∑iuijAB)=0.\begin{aligned}\sum_{i,j,k}u^A_iu^B_j&=r\Big(\sum_iu^A_i\Big)\Big(\sum_ju^B_j\Big)=0,\\ \sum_{i,j,k}u^A_iu^{AB}_{ij}&=r\sum_iu^A_i\Big(\sum_ju^{AB}_{ij}\Big)=0,\\ \sum_{i,j,k}u^B_ju^{AB}_{ij}&=r\sum_ju^B_j\Big(\sum_iu^{AB}_{ij}\Big)=0 .\end{aligned}

ueu^e との交差項を考える。ほかの3つはどれも kk によらない。そこで kk についての和を先にとれば、∑kuijke=0\sum_ku^e_{ijk}=0 により消える。

以上で6つの交差項がすべて 0 になり、2乗の和は各部分の2乗の和に分かれる。

各 uiAu^A_i は mrmr 個のデータに共通に現れる。ここから SAS_A の係数 mrmr が出る。SBS_B の係数 lrlr も同じ理由による。SA×BS_{A\times B} の係数 rr も同様である。

分解をベクトルで見る

NN 個のデータを RN\mathbb{R}^N のベクトルと見る。すると uA,uB,uAB,ueu^A,u^B,u^{AB},u^e は、互いに直交する4つの部分空間の元である。SA,…,SeS_A,\dots,S_e はデータベクトルをそれぞれの部分空間へ直交射影したものの長さの2乗で、(5.5) は Pythagoras の定理に当たる。

部分空間の次元がそのまま自由度になる。

  • uAu^A は ll 個の値を持つが、和が 0 という制約が1本ある。よって次元は l−1l-1。
  • uABu^{AB} の次元は (l−1)(m−1)(l-1)(m-1) である(確認テスト 5.1-4 で示す)。
  • ueu^e は各組合せで rr 個の値の和が 0 である。よって次元は lm(r−1)lm(r-1)。

自由度は

ϕT=N−1,ϕA=l−1,ϕB=m−1,ϕA×B=(l−1)(m−1),ϕe=lm(r−1)(5.6)\phi_T=N-1,\quad \phi_A=l-1,\quad \phi_B=m-1,\quad \phi_{A\times B}=(l-1)(m-1),\quad \phi_e=lm(r-1)\tag{5.6}

で、ϕA+ϕB+ϕA×B+ϕe=(lm−1)+lm(r−1)=N−1=ϕT\phi_A+\phi_B+\phi_{A\times B}+\phi_e=(lm-1)+lm(r-1)=N-1=\phi_T が成り立つ。

計算の手順

手で計算するときは、平均の差の2乗を足すより、和の2乗から修正項を引く形の方が丸めの誤差が入らない。修正項を CT=T2/NCT=T^2/N とおくと、

ST=∑i,j,kxijk2−CT,SA=∑iTi⋅⋅2mr−CT,SB=∑jT⋅j⋅2lr−CT,SAB=∑i,jTij⋅2r−CT,SA×B=SAB−SA−SB,Se=ST−SAB.(5.7)\begin{aligned} S_T&=\sum_{i,j,k}x_{ijk}^2-CT, & S_A&=\sum_i\frac{T_{i\cdot\cdot}^2}{mr}-CT, & S_B&=\sum_j\frac{T_{\cdot j\cdot}^2}{lr}-CT,\\ S_{AB}&=\sum_{i,j}\frac{T_{ij\cdot}^2}{r}-CT, & S_{A\times B}&=S_{AB}-S_A-S_B, & S_e&=S_T-S_{AB}. \end{aligned}\tag{5.7}

SABS_{AB} は、2元表のセルを1つの因子の水準と見たときの平方和である(水準数は lmlm)。組合せの母平均どうしのばらつき全体を表す。そこから主効果の分を引いた残りが交互作用の平方和になる。

SAS_A の式は、mr∑i(xˉi⋅⋅−xˉ)2mr\sum_i(\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x)^2 を展開すれば得られる。

mr∑i(xˉi⋅⋅−xˉ)2=∑iTi⋅⋅2mr−2xˉT+Nxˉ2=∑iTi⋅⋅2mr−T2N.mr\sum_i(\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x)^2=\sum_i \frac{T_{i\cdot\cdot}^2}{mr}-2\bar xT+N\bar x^2=\sum_i\frac{T_{i\cdot\cdot}^2}{mr}-\frac{T^2}{N}.

ほかも同じ計算である。

期待平均平方

各平方和の期待値を求める。構造式 (5.1) と制約 (5.2) を平均に代入すると、

xˉi⋅⋅−xˉ=ai+(εˉi⋅⋅−εˉ),xˉij⋅−xˉi⋅⋅−xˉ⋅j⋅+xˉ=(ab)ij+(εˉij⋅−εˉi⋅⋅−εˉ⋅j⋅+εˉ),xijk−xˉij⋅=εijk−εˉij⋅\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x=a_i+(\bar\varepsilon _{i\cdot\cdot}-\bar\varepsilon ),\qquad \bar x_{ij\cdot}-\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x_{\cdot j\cdot}+\bar x=(ab)_{ij}+(\bar\varepsilon _{ij\cdot}-\bar\varepsilon _{i\cdot\cdot}-\bar\varepsilon _{\cdot j\cdot}+\bar\varepsilon ),\qquad x_{ijk}-\bar x_{ij\cdot}=\varepsilon _{ijk}-\bar\varepsilon _{ij\cdot}

となる。xˉi⋅⋅\bar x_{i\cdot\cdot} では、BB の主効果と交互作用が和で消える。μ\mu は差をとると消える。母平均の部分と誤差の部分に分かれたので、2乗の期待値は「母数の2乗和」と「誤差の部分の2乗和の期待値」の和になる(交差項は E[ε]=0E[\varepsilon ]=0 により期待値が 0)。

定理 5.2(期待平均平方 ★★★)

母数模型 (5.1) のもとで

E(VA)=σ2+mr σA2,σA2=∑iai2l−1,E(VB)=σ2+lr σB2,σB2=∑jbj2m−1,E(VA×B)=σ2+r σA×B2,σA×B2=∑i,j(ab)ij2(l−1)(m−1),E(Ve)=σ2.(5.8)\begin{aligned} E(V_A)&=\sigma^2+mr\,\sigma_A^2, & \sigma_A^2&=\frac{\sum_ia_i^2}{l-1},\\ E(V_B)&=\sigma^2+lr\,\sigma_B^2, & \sigma_B^2&=\frac{\sum_jb_j^2}{m-1},\\ E(V_{A\times B})&=\sigma^2+r\,\sigma_{A\times B}^2, & \sigma_{A\times B}^2&=\frac{\sum_{i,j}(ab)_{ij}^2}{(l-1)(m-1)},\\ E(V_e)&=\sigma^2. \end{aligned}\tag{5.8}

証明

まず補助的な事実を示す。Y1,…,YnY_1,\dots,Y_n が独立に平均 0・分散 τ2\tau^2 に従うとする。Yˉ=1n∑Yi\bar Y=\frac1n\sum Y_i について

E[∑i=1n(Yi−Yˉ)2]=E[∑Yi2]−nE[Yˉ2]=nτ2−n⋅τ2n=(n−1)τ2.(5.9)E\Big[\sum_{i=1}^n(Y_i-\bar Y)^2\Big]=E\Big[\sum Y_i^2\Big]-nE[\bar Y^2]=n\tau^2-n\cdot\frac{\tau^2}{n}=(n-1)\tau^2.\tag{5.9}

VeV_e:各組合せの誤差 εij1,…,εijr\varepsilon _{ij1},\dots,\varepsilon _{ijr} は独立で、分散は等しい。(5.9) から

E[∑k(εijk−εˉij⋅)2]=(r−1)σ2.E\Big[\sum_k(\varepsilon _{ijk}-\bar\varepsilon _{ij\cdot})^2\Big]=(r-1)\sigma^2 .

lmlm 個の組合せについて足して E(Se)=lm(r−1)σ2E(S_e)=lm(r-1)\sigma^2。ϕe\phi_e で割って E(Ve)=σ2E(V_e)=\sigma^2。

VAV_A:εˉ1⋅⋅,…,εˉl⋅⋅\bar\varepsilon _{1\cdot\cdot},\dots,\bar\varepsilon _{l\cdot\cdot} は互いに独立である(重なるデータが無い)。それぞれ mrmr 個の平均なので、分散は σ2/(mr)\sigma^2/(mr) である。εˉ\bar\varepsilon はこれらの平均である。よって (5.9) で n=ln=l とする。さらに τ2=σ2/(mr)\tau^2=\sigma^2/(mr) として

E(SA)=mr[∑iai2+E∑i(εˉi⋅⋅−εˉ)2]=mr∑iai2+mr(l−1)σ2mr=mr∑iai2+(l−1)σ2.E(S_A)=mr\Big[\sum_ia_i^2+E\sum_i(\bar\varepsilon _{i\cdot\cdot}-\bar\varepsilon )^2\Big]=mr\sum_ia_i^2+mr(l-1)\frac{\sigma^2}{mr}=mr\sum_ia_i^2+(l-1)\sigma^2.

交差項 2mr∑iaiE[εˉi⋅⋅−εˉ]2mr\sum_ia_iE[\bar\varepsilon _{i\cdot\cdot}-\bar\varepsilon ] は 0 である。ϕA=l−1\phi_A=l-1 で割れば E(VA)E(V_A) の式になる。VBV_B も同様である。

VA×BV_{A\times B}:wij=εˉij⋅w_{ij}=\bar\varepsilon _{ij\cdot} とおく。wijw_{ij} は lmlm 個ある。これらは独立に平均 0・分散 τ2=σ2/r\tau^2=\sigma^2/r を持つ。

例題 5.1 と同じ分解を ww に当てはめる。wij−wˉw_{ij}-\bar w の2乗和が、行・列・残りの3つに直交分解される。よって

∑i,j(wij−wˉi⋅−wˉ⋅j+wˉ)2=∑i,j(wij−wˉ)2−m∑i(wˉi⋅−wˉ)2−l∑j(wˉ⋅j−wˉ)2.\sum_{i,j}(w_{ij}-\bar w_{i\cdot}-\bar w_{\cdot j}+\bar w)^2=\sum_{i,j}(w_{ij}-\bar w)^2-m\sum_i(\bar w_{i\cdot}-\bar w)^2-l\sum_j(\bar w_{\cdot j}-\bar w)^2.

右辺の各項の期待値は、(5.9) から次のとおりである(wˉi⋅\bar w_{i\cdot} の分散は τ2/m\tau^2/m)。

(lm−1)τ2,m(l−1)τ2/m,l(m−1)τ2/l.(lm-1)\tau^2,\qquad m(l-1)\tau^2/m,\qquad l(m-1)\tau^2/l .

よって左辺の期待値は

(lm−1−l+1−m+1)τ2=(l−1)(m−1)σ2/r(lm-1-l+1-m+1)\tau^2=(l-1)(m-1)\sigma^2/r

である。rr 倍し、母数の部分 r∑(ab)ij2r\sum(ab)_{ij}^2 を足して

E(SA×B)=r∑i,j(ab)ij2+(l−1)(m−1)σ2.E(S_{A\times B})=r\sum_{i,j}(ab)_{ij}^2+(l-1)(m-1)\sigma^2 .

ϕA×B\phi_{A\times B} で割れば主張を得る。

(5.8) から検定の組み立てが読み取れる。帰無仮説を H0:a1=⋯=al=0H_0:a_1=\dots=a_l=0 とする。

  • H0H_0 のもとでは E(VA)=E(Ve)=σ2E(V_A)=E(V_e)=\sigma^2 である。
  • H0H_0 が偽なら E(VA)>σ2E(V_A)>\sigma^2 になる。

したがって F0=VA/VeF_0=V_A/V_e が大きいときに H0H_0 を棄却すればよい。BB と A×BA\times B の検定でも、分母は誤差の平均平方である。

検定統計量の分布

定理 5.3(分散比の分布 ★★★)

誤差が正規分布に従うとする。このとき SA,SB,SA×B,SeS_A,S_B,S_{A\times B},S_e は互いに独立で、Se/σ2∼χϕe2S_e/\sigma^2\sim\chi^2_{\phi_e} である。さらに H0A:ai≡0H_0^A:a_i\equiv0 のもとで SA/σ2∼χϕA2S_A/\sigma^2\sim\chi^2_{\phi_A} となる。よって

F0=VAVe∼FϕA,ϕe.F_0=\frac{V_A}{V_e}\sim F_{\phi_A,\phi_e}.

BB と A×BA\times B についても同様である。

  • H0BH_0^B のもとで VB/Ve∼FϕB,ϕeV_B/V_e\sim F_{\phi_B,\phi_e}。
  • H0ABH_0^{AB} のもとで VA×B/Ve∼FϕA×B,ϕeV_{A\times B}/V_e\sim F_{\phi_{A\times B},\phi_e}。
証明

誤差ベクトル ε∈RN\bm\varepsilon \in\mathbb{R}^N は N(0,σ2IN)\mathrm{N}(\bm0,\sigma^2I_N) に従う。前の考え方の箱で述べた、互いに直交する4つの部分空間を使う。それぞれへの直交射影を PA,PB,PAB,PeP_A,P_B,P_{AB},P_e とする。

  • ueu^e に母数が入らないので、Se=∥Pex∥2=∥Peε∥2S_e=\lVert P_e\bm x\rVert ^2=\lVert P_e\bm\varepsilon \rVert ^2。
  • H0AH_0^A のもとでは SA=∥PAε∥2S_A=\lVert P_A\bm\varepsilon \rVert ^2 である。

射影の像は互いに直交する。よって正規ベクトルの射影 PAε,…,PeεP_A\bm\varepsilon ,\dots,P_e\bm\varepsilon は互いに無相関の正規ベクトルで、独立になる。また次元 dd の部分空間の正規直交基底 q1,…,qd\bm q_1,\dots,\bm q_d をとると

∥Pε∥2=∑s=1d(qs⊤ε)2\lVert P\bm\varepsilon \rVert ^2=\sum_{s=1}^d(\bm q_s^\top\bm\varepsilon )^2

である。qs⊤ε\bm q_s^\top\bm\varepsilon は独立に N(0,σ2)\mathrm{N}(0,\sigma^2) に従う。よって ∥Pε∥2/σ2∼χd2\lVert P\bm\varepsilon \rVert ^2/\sigma^2\sim\chi^2_d である。

母数の部分は射影の平行移動にすぎない。よって SAS_A と SeS_e の独立性は、帰無仮説が正しいかどうかによらず保たれる。独立な χ2\chi^2 の比の定義から F0∼FϕA,ϕeF_0\sim F_{\phi_A,\phi_e} が従う。

分散分析表は次の形にまとめる。F0F_0 を上側5%点 Fϕ,ϕe(0.05)F_{\phi,\phi_e}(0.05) と比べる。上側1%点 Fϕ,ϕe(0.01)F_{\phi,\phi_e}(0.01) とも比べる。5% で有意なら ∗^* を付け、1% で有意なら ∗∗^{**} を付ける。

要因平方和 SS自由度 ϕ\phi平均平方 VVF0F_0E(V)E(V)
AASAS_Al−1l-1VAV_AVA/VeV_A/V_eσ2+mrσA2\sigma^2+mr\sigma_A^2
BBSBS_Bm−1m-1VBV_BVB/VeV_B/V_eσ2+lrσB2\sigma^2+lr\sigma_B^2
A×BA\times BSA×BS_{A\times B}(l−1)(m−1)(l-1)(m-1)VA×BV_{A\times B}VA×B/VeV_{A\times B}/V_eσ2+rσA×B2\sigma^2+r\sigma_{A\times B}^2
eeSeS_elm(r−1)lm(r-1)VeV_eσ2\sigma^2
計STS_TN−1N-1

BB が変量因子のとき

ここまでは A,BA,B とも母数因子(水準が技術的に意味を持ち、再現できる)とした。BB が原料のロットのように、母集団から偶然選ばれた水準を持つ変量因子である場合を考える。このときは次を確率変数とみなす模型(混合模型)になる。

bj∼N(0,σB2),(ab)ij∼N(0,σA×B2)b_j\sim\mathrm{N}(0,\sigma_B^2),\qquad (ab)_{ij}\sim\mathrm{N}(0,\sigma_{A\times B}^2)

交互作用の jj についての平均は 0 に固定されない。よって xˉi⋅⋅\bar x_{i\cdot\cdot} に交互作用の平均が残り、

E(VA)=σ2+rσA×B2+mrσA2E(V_A)=\sigma^2+r\sigma_{A\times B}^2+mr\sigma_A^2

となる。したがって AA の検定の分母は VA×BV_{A\times B} にしなければならない(誤差の平均平方ではない)。期待平均平方を書いてから分母を選ぶ、という手順が誤りを防ぐ。

プーリング

交互作用 A×BA\times B が有意でなく、技術的にも交互作用が無いと考えてよいときがある。そのときは SA×BS_{A\times B} を SeS_e に足し込んで、新しい誤差とすることがある。これをプーリングと呼ぶ。

Se′=Se+SA×B,ϕe′=ϕe+ϕA×B,Ve′=Se′ϕe′.(5.10)S_{e'}=S_e+S_{A\times B},\qquad \phi_{e'}=\phi_e+\phi_{A\times B},\qquad V_{e'}=\frac{S_{e'}}{\phi_{e'}}.\tag{5.10}

交互作用がすべて 0 なら、E(SA×B)=ϕA×Bσ2E(S_{A\times B})=\phi_{A\times B}\sigma^2 である。よって Ve′V_{e'} も σ2\sigma^2 の不偏推定量であり、自由度が増えた分だけ推定が安定する。自由度が増えると FF 分布の上側点が小さくなり、主効果の検定の検出力が上がる。

反対に、交互作用が実際には 0 でないのにプールすると、次のように誤差を過大に見積もる。

E(Ve′)=σ2+r∑(ab)ij2ϕe′>σ2E(V_{e'})=\sigma^2+\frac{r\sum(ab)_{ij}^2}{\phi_{e'}}>\sigma^2

すると主効果の F0F_0 は小さくなり、推定の信頼区間も実際より広くなる。さらに、交互作用を無いものとして組合せの母平均を推定すると、推定量そのものに偏りが入る(例題 5.3 の後の注意を参照)。

プールするかどうかの判断には、次の目安がよく使われる。

  • A×BA\times B が有意水準 5% で有意でなく、さらに F0F_0 がおよそ 2 以下ならプールする(有意水準 20% でも有意でない、とする流儀もある)。
  • F0F_0 が 2 を超えるときは、有意でなくても交互作用の存在を否定しにくい。プールせずに残す。

この目安は「有意でない」ことと「無い」ことが違うことへの配慮である。検定で有意にならなかったのは、ϕe\phi_e が小さく検出力が低かっただけかもしれない。技術的な知見で交互作用が考えられるなら、数値の大小によらず残す方が安全である。

分散分析後の推定

交互作用を残したとき。

組合せ AiBjA_iB_j の母平均 μ(AiBj)=μ+ai+bj+(ab)ij\mu(A_iB_j)=\mu+a_i+b_j+(ab)_{ij} は、その組合せのデータの平均で推定する。

μ^(AiBj)=xˉij⋅,V[μ^(AiBj)]=σ2r.(5.11)\hat\mu(A_iB_j)=\bar x_{ij\cdot},\qquad V[\hat\mu(A_iB_j)]=\frac{\sigma^2}{r}.\tag{5.11}

分散の分母の rr を有効反復数 nen_e と呼ぶ。一般に、推定量の分散が σ2/ne\sigma^2/n_e の形に書けるとき、その nen_e を有効反復数という。σ2\sigma^2 を VeV_e で置き換えると、次が成り立つ。

μ^−μVe/ne∼tϕe\frac{\hat\mu-\mu}{\sqrt{V_e/n_e}}\sim t_{\phi_e}これを使えば、信頼率 95% の信頼区間は

μ^(AiBj)±tϕe(0.025)Vene(5.12)\hat\mu(A_iB_j)\pm t_{\phi_e}(0.025)\sqrt{\frac{V_e}{n_e}}\tag{5.12}

である。tt 分布になるのは、組合せの平均 xˉij⋅\bar x_{ij\cdot} と誤差の平均平方が独立だからである。xˉij⋅\bar x_{ij\cdot} は組合せの平均で、VeV_e は組合せの内側の偏差から作られる。正規母集団では、標本平均と偏差の平方和が独立になる。

交互作用をプールしたとき。

交互作用を 0 とみなすので、μ(AiBj)=μ+ai+bj\mu(A_iB_j)=\mu+a_i+b_j である。これを μ^+a^i+b^j\hat\mu+\hat a_i+\hat b_j で推定する。

μ^(AiBj)=xˉ+(xˉi⋅⋅−xˉ)+(xˉ⋅j⋅−xˉ)=xˉi⋅⋅+xˉ⋅j⋅−xˉ.(5.13)\hat\mu(A_iB_j)=\bar x+(\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x)+(\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x)=\bar x_{i\cdot\cdot}+\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x.\tag{5.13}

定理 5.4(プール後の推定量の分散 ★★★)

(5.13) の推定量について

V[xˉi⋅⋅+xˉ⋅j⋅−xˉ]=σ2(1mr+1lr−1lmr)=l+m−1lmr σ2.V[\bar x_{i\cdot\cdot}+\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x]=\sigma^2\Big(\frac1{mr}+\frac1{lr}-\frac1{lmr}\Big)=\frac{l+m-1}{lmr}\,\sigma^2.

すなわち有効反復数は ne=lmrl+m−1n_e=\dfrac{lmr}{l+m-1} である。

証明

3つの平均の分散は次のとおりである。

V[xˉi⋅⋅]=σ2mr,V[xˉ⋅j⋅]=σ2lr,V[xˉ]=σ2N.V[\bar x_{i\cdot\cdot}]=\frac{\sigma^2}{mr},\qquad V[\bar x_{\cdot j\cdot}]=\frac{\sigma^2}{lr},\qquad V[\bar x]=\frac{\sigma^2}{N}.

共分散は、2つの平均に共通に含まれるデータの個数で決まる。xˉi⋅⋅\bar x_{i\cdot\cdot} は mrmr 個の平均である。xˉ⋅j⋅\bar x_{\cdot j\cdot} は lrlr 個の平均である。両者が共有するのは組合せ AiBjA_iB_j の rr 個なので

Cov(xˉi⋅⋅,xˉ⋅j⋅)=1mr⋅1lr⋅rσ2=σ2lmr=σ2N.\mathrm{Cov}(\bar x_{i\cdot\cdot},\bar x_{\cdot j\cdot})=\frac{1}{mr}\cdot\frac{1}{lr}\cdot r\sigma^2=\frac{\sigma^2}{lmr}=\frac{\sigma^2}{N}.

同様に

Cov(xˉi⋅⋅,xˉ)=1mr⋅1N⋅mrσ2=σ2N,Cov(xˉ⋅j⋅,xˉ)=σ2N.\mathrm{Cov}(\bar x_{i\cdot\cdot},\bar x)=\frac1{mr}\cdot\frac1N\cdot mr\sigma^2=\frac{\sigma^2}N,\qquad \mathrm{Cov}(\bar x_{\cdot j\cdot},\bar x)=\frac{\sigma^2}N.

よって

V=σ2[1mr+1lr+1N+2N−2N−2N]=σ2[1mr+1lr−1N].V=\sigma^2\Big[\frac1{mr}+\frac1{lr}+\frac1N+\frac2N-\frac2N-\frac2N\Big]=\sigma^2\Big[\frac1{mr}+\frac1{lr}-\frac1N\Big].

通分すると l+m−1lmrσ2\frac{l+m-1}{lmr}\sigma^2 になる。

有効反復数を毎回この共分散の計算から求めるのは手間なので、次の2つの簡便な式が使われる。

有効反復数の2つの式

伊奈の式:点推定の式を、データの平均の1次結合 ∑scsxˉ(s)\sum_s c_s\bar x^{(s)} の形に書く。各平均にかかる係数(符号も含む)を、その平均のもとになったデータ数で割って足す。

1ne=∑scsn(s)(例:xˉi⋅⋅+xˉ⋅j⋅−xˉ なら 1mr+1lr−1N).\frac1{n_e}=\sum_s\frac{c_s}{n^{(s)}}\qquad\text{(例:}\bar x_{i\cdot\cdot}+\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x\text{ なら }\tfrac1{mr}+\tfrac1{lr}-\tfrac1N\text{)}.

田口の式:点推定に用いた要因(一般平均を含む)の自由度の和を NN で割る。

1ne=1+(点推定に用いた要因の自由度の和)N(例:1+ϕA+ϕBN=l+m−1N).\frac1{n_e}=\frac{1+(\text{点推定に用いた要因の自由度の和})}{N}\qquad\text{(例:}\frac{1+\phi_A+\phi_B}{N}=\frac{l+m-1}{N}\text{)}.

定理 5.4 は、この推定量について両方の式が正しい分散を与えることを示している。交互作用を残した場合も、田口の式は次のようになり、(5.11) と一致する。

1+ϕA+ϕB+ϕA×BN=lmN=1r.\frac{1+\phi_A+\phi_B+\phi_{A\times B}}{N}=\frac{lm}{N}=\frac1r .

2つの式が正しい理由は、どちらも次の事実から出てくる。データベクトル x\bm x を、一般平均と2つの主効果が張る部分空間へ直交射影する。

その射影を HxH\bm x とする。組合せ AiBjA_iB_j に属するデータを1つ選び、dd とする。この推定量は、HxH\bm x の dd 番目の成分である。つまり μ^=w⊤x\hat\mu=\bm w^\top\bm x、w=Hed\bm w=H\bm e_d と書ける。HH は対称で H2=HH^2=H なので

V[μ^]=σ2w⊤w=σ2ed⊤H⊤Hed=σ2ed⊤Hed=σ2hddV[\hat\mu]=\sigma^2\bm w^\top\bm w=\sigma^2\bm e_d^\top H^\top H\bm e_d=\sigma^2\bm e_d^\top H\bm e_d=\sigma^2h_{dd}

となる。分散は、データ dd 自身にかかる重み hdd=wdh_{dd}=w_d に等しい。

  • 点推定の式に現れる平均は、どれもデータ dd を含む。よって wdw_d は、各平均の係数をその平均のデータ数で割って足したものになる。これが伊奈の式である。
  • 釣り合った2元配置では、どのデータも同じ立場にある。よって hddh_{dd} はすべて等しく、その値は

Tr⁡HN=部分空間の次元N=1+ϕA+ϕBN\frac{\operatorname{Tr} H}{N}=\frac{\text{部分空間の次元}}{N}=\frac{1+\phi_A+\phi_B}{N}

である。これが田口の式である。

データ数が組合せごとに異なる計画や、第10章の擬水準法のような割り付けでは、hddh_{dd} が揃わない。そのときは伊奈の式の方を基本にする。

プール後の信頼区間は、VeV_e を Ve′V_{e'} に置き換えて作る。自由度も ϕe′\phi_{e'} に置き換えて

μ^(AiBj)±tϕe′(0.025)Ve′ne,ne=lmrl+m−1(5.14)\hat\mu(A_iB_j)\pm t_{\phi_{e'}}(0.025)\sqrt{\frac{V_{e'}}{n_e}},\qquad n_e=\frac{lmr}{l+m-1}\tag{5.14}

とする。

データの予測。

条件 AiBjA_iB_j で新しく1回実験したときの値を xx とする。xx は、母平均 μ(AiBj)\mu(A_iB_j) に新しい誤差が加わったものである。新しい誤差は既存のデータと独立なので、x−μ^(AiBj)x-\hat\mu(A_iB_j) の分散は次の和になる。

σ2⏟新しい誤差+σ2/ne⏟推定量=σ2(1+1ne)\underbrace{\sigma^2}_{\text{新しい誤差}}+\underbrace{\sigma^2/n_e}_{\text{推定量}}=\sigma^2\Big(1+\frac1{n_e}\Big)

よって予測区間は

μ^(AiBj)±tϕe(0.025)(1+1ne)Ve.(5.15)\hat\mu(A_iB_j)\pm t_{\phi_e}(0.025)\sqrt{\Big(1+\frac1{n_e}\Big)V_e}.\tag{5.15}

2つの母平均の差。

  • 交互作用を残したとき:差 μ(AiBj)−μ(Ai′Bj′)\mu(A_iB_j)-\mu(A_{i'}B_{j'}) の推定量は xˉij⋅−xˉi′j′⋅\bar x_{ij\cdot}-\bar x_{i'j'\cdot} である。これは重なりの無い2つの平均の差なので、分散は 2σ2/r2\sigma^2/r である。すなわち 1ne=2r\frac1{n_e}=\frac2r として、(5.12) と同じ形の区間を作る。
  • プールした後で、同じ BjB_j のもとで AA の水準だけを比べるとき:推定量の差は

(xˉi⋅⋅+xˉ⋅j⋅−xˉ)−(xˉi′⋅⋅+xˉ⋅j⋅−xˉ)=xˉi⋅⋅−xˉi′⋅⋅(\bar x_{i\cdot\cdot}+\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x)-(\bar x_{i'\cdot\cdot}+\bar x_{\cdot j\cdot}-\bar x)=\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x_{i'\cdot\cdot}

となる。分散は 2σ2/(mr)2\sigma^2/(mr) である。

例題 5.2 プーリングと最適条件の推定 ★★★

オリジナルAA を3水準、BB を4水準とる。各組合せで r=2r=2 回実験した(N=24N=24)。平方和と平均は次のとおりであった。

SA=36.0,SB=27.0,SA×B=6.0,Se=24.0,xˉ2⋅⋅=15.4,xˉ⋅3⋅=14.1,xˉ=13.0.S_A=36.0,\quad S_B=27.0,\quad S_{A\times B}=6.0,\quad S_e=24.0,\qquad \bar x_{2\cdot\cdot}=15.4,\quad \bar x_{\cdot3\cdot}=14.1,\quad \bar x=13.0 .

xˉ2⋅⋅\bar x_{2\cdot\cdot} と xˉ⋅3⋅\bar x_{\cdot3\cdot} は、それぞれの因子で平均が最大の水準の平均である。

  1. 分散分析表を作り、有意水準 5% と 1% で各要因を検定せよ。
  2. A×BA\times B をプールして分散分析表を作り直し、検定せよ。プールの前後で何が変わったかを述べよ。
  3. 最適条件 A2B3A_2B_3 の母平均の点推定値と信頼率 95% の信頼区間を求めよ。

必要なら次の値を用いよ。

F2,12(0.05)=3.885,F2,12(0.01)=6.927,F3,12(0.05)=3.490,F3,12(0.01)=5.953,F6,12(0.05)=2.996,F2,18(0.05)=3.555,F2,18(0.01)=6.013,F3,18(0.05)=3.160,F3,18(0.01)=5.092,t18(0.025)=2.101.\begin{aligned}&F_{2,12}(0.05)=3.885, && F_{2,12}(0.01)=6.927, && F_{3,12}(0.05)=3.490, && F_{3,12}(0.01)=5.953,\\ &F_{6,12}(0.05)=2.996, && F_{2,18}(0.05)=3.555, && F_{2,18}(0.01)=6.013, && F_{3,18}(0.05)=3.160,\\ &F_{3,18}(0.01)=5.092, && t_{18}(0.025)=2.101 .\end{aligned}

解答
  1. 自由度と平均平方は次のとおりである。自由度の合計は 23=N−123=N-1 である。

ϕA=2,ϕB=3,ϕA×B=6,ϕe=3⋅4⋅1=12,VA=18.0,VB=9.0,VA×B=1.0,Ve=2.0.\begin{aligned}&\phi_A=2, && \phi_B=3, && \phi_{A\times B}=6, && \phi_e=3\cdot4\cdot1=12,\\ &V_A=18.0, && V_B=9.0, && V_{A\times B}=1.0, && V_e=2.0 .\end{aligned}

よって

FA=18.02.0=9.00,FB=9.02.0=4.50,FA×B=1.02.0=0.50.F_A=\frac{18.0}{2.0}=9.00,\qquad F_B=\frac{9.0}{2.0}=4.50,\qquad F_{A\times B}=\frac{1.0}{2.0}=0.50.

上側点と比べると次のようになる。

  • FA=9.00>F2,12(0.01)=6.927F_A=9.00>F_{2,12}(0.01)=6.927 なので、AA は 1% で有意。
  • F3,12(0.05)=3.490<FB=4.50<F3,12(0.01)=5.953F_{3,12}(0.05)=3.490<F_B=4.50<F_{3,12}(0.01)=5.953 なので、BB は 5% で有意。
  • FA×B=0.50<F6,12(0.05)F_{A\times B}=0.50<F_{6,12}(0.05) なので、A×BA\times B は有意でない。
  1. FA×B=0.50F_{A\times B}=0.50 は 2 を大きく下回るので、プールする。

Se′=24.0+6.0=30.0,ϕe′=12+6=18,Ve′=30.0/18=1.667S_{e'}=24.0+6.0=30.0,\qquad \phi_{e'}=12+6=18,\qquad V_{e'}=30.0/18=1.667

で、

FA=18.01.667=10.80,FB=9.01.667=5.40.F_A=\frac{18.0}{1.667}=10.80,\qquad F_B=\frac{9.0}{1.667}=5.40.

FA>F2,18(0.01)=6.013F_A>F_{2,18}(0.01)=6.013 なので、AA は 1% で有意。FB=5.40>F3,18(0.01)=5.092F_B=5.40>F_{3,18}(0.01)=5.092 なので、BB も 1% で有意になった。

プール前は BB は 5% でしか有意でなかった。変わった理由は2つある。

  • 誤差の自由度が 12 から 18 に増えて、FF の上側点が下がった。
  • VA×B<VeV_{A\times B}<V_e だったため、誤差の平均平方も 2.0 から 1.667 に下がった。
  1. 交互作用をプールしたので、点推定値は

μ^(A2B3)=xˉ2⋅⋅+xˉ⋅3⋅−xˉ=15.4+14.1−13.0=16.5.\hat\mu(A_2B_3)=\bar x_{2\cdot\cdot}+\bar x_{\cdot3\cdot}-\bar x=15.4+14.1-13.0=16.5 .

有効反復数は次のとおりで、どちらの式でも ne=4n_e=4 となる。

田口の式:1/ne=(1+ϕA+ϕB)/N=6/24,伊奈の式:1/ne=1/8+1/6−1/24=(3+4−1)/24=6/24.\begin{aligned}&\text{田口の式:}&& 1/n_e=(1+\phi_A+\phi_B)/N=6/24,\\ &\text{伊奈の式:}&& 1/n_e=1/8+1/6-1/24=(3+4-1)/24=6/24 .\end{aligned}

t18(0.025)Ve′ne=2.101×1.6674=2.101×0.6455=1.356.t_{18}(0.025)\sqrt{\frac{V_{e'}}{n_e}}=2.101\times\sqrt{\frac{1.667}{4}}=2.101\times0.6455=1.356.

信頼区間は 16.5±1.3616.5\pm1.36、すなわち [15.14, 17.86][15.14,\ 17.86] である。

確認テスト

オリジナル

  1. 5.2-1 定理 5.1 の証明のうち、次の交差項が 0 になることを、和をとる順序を明示して示せ。

∑i,j,k(xˉi⋅⋅−xˉ)(xˉij⋅−xˉi⋅⋅−xˉ⋅j⋅+xˉ)\sum_{i,j,k}(\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x)(\bar x_{ij\cdot}-\bar x_{i\cdot\cdot}-\bar x_{\cdot j\cdot}+\bar x) 2. 5.2-2 E(SB)=lr∑jbj2+(m−1)σ2E(S_B)=lr\sum_jb_j^2+(m-1)\sigma^2 を導け。3. 5.2-3 水準数を l=4l=4、m=3m=3 とし、繰返しを3回とする実験を考える。次の2つの場合の有効反復数を、田口の式と伊奈の式の両方で求めよ。

  1. (a) 交互作用を残して μ(AiBj)\mu(A_iB_j) を推定するとき。
  2. (b) 交互作用をプールして推定するとき。
  3. 5.2-4 l=m=r=3l=m=r=3 の実験で、次の平方和を得た。

SA=40,SB=12,SA×B=8,Se=36S_A=40,\qquad S_B=12,\qquad S_{A\times B}=8,\qquad S_e=36

分散分析表を作って検定せよ。プールの目安に照らして、A×BA\times B をプールした後の表も作れ。次の値を用いよ。

F2,18(0.05)=3.555,F4,18(0.05)=2.928,F2,22(0.05)=3.443,F2,22(0.01)=5.719F_{2,18}(0.05)=3.555,\quad F_{4,18}(0.05)=2.928,\quad F_{2,22}(0.05)=3.443,\quad F_{2,22}(0.01)=5.719 5. 5.2-5 交互作用を残した分析で、次の値を得た。

r=3,Ve=1.5 (ϕe=12),xˉ12⋅−xˉ32⋅=4.0r=3,\qquad V_e=1.5\ (\phi_e=12),\qquad \bar x_{12\cdot}-\bar x_{32\cdot}=4.0

μ(A1B2)−μ(A3B2)\mu(A_1B_2)-\mu(A_3B_2) の信頼率 95% の信頼区間を求めよ。t12(0.025)=2.179t_{12}(0.025)=2.179 とする。

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