適用例
AI 生成・木下が未勉強
実験計画法 第6章 §6.2 ★★ データから分散分析表・最適条件の推定・残差の点検まで通しで計算する
ある金属部品の引張強さ(単位は省く)を上げる条件を探すため、熱処理温度 を4水準、冷却速度 を3水準とり、12通りの組合せで1回ずつ、計12回の実験をランダムな順序で行った。過去の同種の実験から、この範囲では温度と冷却速度の交互作用は小さいと分かっている。
得られたデータを表 6.1 に示す(数値は説明のために作ったもの)。
| 42 | 45 | 46 | |
| 46 | 47 | 51 | |
| 49 | 52 | 53 | |
| 48 | 48 | 51 |
データを温度の水準ごとに、冷却速度の水準で折れ線にすると図 6.1 のようになる。3本の折れ線はほぼ平行で、交互作用が小さいという事前の知見と矛盾しない。
図 6.1 表 6.1 のデータ。実線が 、破線が 、点線が 。 で と が重なる以外は、3本の間隔がおおむね一定に保たれている。
例題 6.3 引張強さの分散分析と最適条件 ★★
オリジナル表 6.1 のデータについて、次の問に答えよ。
- データの構造式を書き、交互作用を含めない理由を述べよ。
- と変換して平方和と自由度を求め、分散分析表を作れ。
- 有意水準 5% と 1% で検定せよ。
- 引張強さが最大になる条件を選び、その母平均の点推定値・有効反復数・信頼率 95% の信頼区間を求めよ。
次の数表を用いよ。
解答
- 構造式は次のとおりである。
各組合せで1回しか実験していないので、交互作用を入れると母数の個数 がデータの個数と等しくなる。誤差の自由度が0になる。過去の知見で交互作用が小さいと分かっていることを根拠に、交互作用を含めない加法模型を使う。2. 定数を引いても偏差は変わらないので、平方和は変換後の値で計算してよい。その表と和は次のとおりである。
| 3 | 0 | |||
| 1 | 4 | 5 | 10 | |
| 0 | 0 | 3 | 3 | |
| 0 | 9 |
修正項と2乗和は次のとおりである。
(6.5) より
自由度は 。
| 要因 | 判定 | ||||
| 76.33 | 3 | 25.44 | 29.55 | ||
| 32.17 | 2 | 16.08 | 18.68 | ||
| 5.17 | 6 | 0.861 | |||
| 計 | 113.67 | 11 |
4. 加法模型では、2つの因子の最良の水準を別々に選べばよい。水準平均と全体の平均は次のとおりである。
最適条件は である。点推定値は
有効反復数は、2つの式のどちらでも になる。
信頼区間は
すなわち である。
残差の点検。
加法模型が妥当かを確かめるため、残差 を計算すると次のようになる。
残差の絶対値は最大でも0.92で、 の程度に収まっている。主効果の大きい組合せ(左上の や右下の 付近)で残差が系統的に大きいといった傾向も見られない。式 (6.12) で Tukey の を計算すると0.0145で、 のごく一部にすぎない。主効果の積に比例する形の交互作用も認められない。
を入れた効果。
冷却速度を因子として取り上げたことで、温度の検定と推定がどれだけ精密になったかを確かめる。冷却速度を無視して1元配置として解析した場合と比べる。
例題 6.4 を無視した場合との比較 ★★
オリジナル表 6.1 のデータを、冷却速度を無視して、温度の4水準・繰返し3回の1元配置法として解析する。
- 分散分析表を作り、 を検定せよ()。
- の信頼率 95% の信頼区間の幅を、2元配置で解析した場合と1元配置で解析した場合とで比べよ()。
解答
- 1元配置の誤差平方和は で、自由度は 、平均平方は4.667である。 は変わらないので である。 で、5% で有意だが 1% では有意にならない。 2元配置では で 1% 有意だった。冷却速度の平方和32.17が1元配置では誤差に含まれ、誤差の平均平方が0.861から4.667へ5倍以上に増えたためである。
- 推定量 は3個の平均なので、どちらの解析でも である。区間の半幅は次のとおりで、2元配置の方が半分以下になる。
2元配置での は「冷却速度の3水準で平均した の母平均」である。冷却速度の水準間の違いは行の平均のどれにも同じだけ入るので、温度の水準の比較には影響しない。
この比較は、実験の場を区切る因子を計画に入れて誤差から取り除く、という乱塊法(第11章)の考え方と同じである。自由度は8から6に減ったが、誤差の平均平方が大きく減ったので、検定と推定の精度はどちらも上がった。
確認テスト
オリジナル
- 6.2-1 5水準の因子と4水準の因子の繰返しのない2元配置法で、 が得られた。分散分析表の残りの欄(2つの平方和、各自由度、2つの平均平方、)を埋めよ。次の数表で検定せよ。
2. 6.2-2 例題 6.3 の最適条件 で新たに1回実験したときの引張強さの、信頼率 95% の予測区間を求めよ。3. 6.2-3 例題 6.3 で、温度の2水準の母平均の差について、信頼率 95% の信頼区間の半幅を求めよ。次の3組のそれぞれに差があると言えるか答えよ。
4. 6.2-4 例題 6.3 の各要因の寄与率 を求めよ。
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