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さまざまな事象

2026年10月17日8分で読めますAI生成教科書『資格試験』第3章 場合の数と確率
目次
  1. 試行・標本空間・事象
  2. ベン図
  3. 余事象と de Morgan の法則
  4. 和事象と積事象の要素の個数
  5. 確認テスト
  6. 木下の層

AI 生成・木下が未勉強

統計学の復習 第3章 §3.2 ★★ 事象を集合として扱う。和・積・余事象・排反と de Morgan の法則、要素の個数の包除原理

試行・標本空間・事象

さいころを投げる、袋から玉を取り出す、のように、同じ条件で繰り返すことができて、結果が偶然に左右される操作を試行と呼ぶ。試行の結果として起こりうるもの全体の集合を標本空間と呼び Ω\Omega で表す。Ω\Omega の要素を根元事象と呼び、Ω\Omega の部分集合を事象と呼ぶ。Ω\Omega 自身を全事象、要素を持たない空集合 ∅\emptyset を空事象と呼ぶ。

たとえばさいころを1回投げる試行では Ω={1,2,3,4,5,6}\Omega=\{1,2,3,4,5,6\} で、「偶数の目が出る」という事象は A={2,4,6}A=\{2,4,6\} である。試行の結果が ω\omega であったとき、ω∈A\omega\in A なら「事象 AA が起こった」という。事象を言葉でなく集合で書くと、次の演算がそのまま使える。

定義 3.8(事象の演算と排反)

事象 A,BA,B に対して、

  • 和事象 A∪BA\cup B:AA または BB の少なくとも一方が起こるという事象。
  • 積事象 A∩BA\cap B:AA と BB がともに起こるという事象。
  • 余事象 AcA^c:AA が起こらないという事象(Ω\Omega の中での補集合)。本によっては Aˉ\bar A と書く。

A∩B=∅A\cap B=\emptyset のとき、AA と BB は排反である(互いに排反である)という。3個以上の事象 A1,…,AnA_1,\dots,A_n は、どの2つも排反であるとき互いに排反であるという。

排反は「2つの事象が同時には起こらない」という意味で、Ω\Omega の部分集合としての関係だけで決まる。確率をどう割り当てるかには関係しない。この点は、§3.3 で確率を入れてはじめて定義される「独立」との違いとして、あとで重要になる。

ベン図

事象どうしの関係は、全体 Ω\Omega を長方形、各事象をその中の円で表したベン図で見ると整理しやすい(図3.1)。2つの事象 A,BA,B があると、Ω\Omega は互いに排反な4つの部分 A∩BcA\cap B^c、A∩BA\cap B、Ac∩BA^c\cap B、(A∪B)c(A\cup B)^c に分かれる。2事象の問題は、この4つの部分の大きさ(個数や確率)のうち3つが分かれば残り1つも決まる、という形で解くことが多い。

図

図 3.1 2事象のベン図。長方形が標本空間 Ω\Omega、左の円が AA、右の円が BB。Ω\Omega は互いに排反な4つの部分に分かれ、A∪BA\cup B は円の内側の3つの部分の和である。

余事象と de Morgan の法則

命題 3.9(事象の演算の基本則)

事象 A,B,CA,B,C について次が成り立つ。

  1. (Ac)c=A(A^c)^c=A、A∪Ac=ΩA\cup A^c=\Omega、A∩Ac=∅A\cap A^c=\emptyset。特に AA と AcA^c は排反である。
  2. (分配法則)A∩(B∪C)=(A∩B)∪(A∩C)A\cap(B\cup C)=(A\cap B)\cup(A\cap C)、A∪(B∩C)=(A∪B)∩(A∪C)A\cup(B\cap C)=(A\cup B)\cap(A\cup C)。
  3. (de Morgan の法則)(A∪B)c=Ac∩Bc(A\cup B)^c=A^c\cap B^c、(A∩B)c=Ac∪Bc(A\cap B)^c=A^c\cup B^c。
証明

集合が等しいことは、「左辺の要素はすべて右辺の要素であり、逆も成り立つ」ことを示せばよい。de Morgan の法則の前半を示す。ω∈(A∪B)c\omega\in(A\cup B)^c は「ω\omega は AA にも BB にも属さない」ことと同じであり、これは「ω∉A\omega\notin A かつ ω∉B\omega\notin B」、すなわちω∈Ac∩Bc\omega\in A^c\cap B^c と同じである。後半は前半を Ac,BcA^c,B^c に使って (Ac∪Bc)c=A∩B(A^c\cup B^c)^c=A\cap B とし、両辺の余事象をとる。1 と 2 も要素についての同じ議論で示される。

de Morgan の法則は「少なくとも一方が起こる」の否定が「どちらも起こらない」であることを集合の式で書いたものである。3個以上でも同じで、(A1∪⋯∪An)c=A1c∩⋯∩Anc(A_1\cup\cdots\cup A_n)^c=A_1^c\cap\cdots\cap A_n^c が成り立つ。§3.3 で「少なくとも1つ起こる確率」を余事象で計算するときの根拠はこの式である。

和事象と積事象の要素の個数

有限集合 AA の要素の個数を #A\#A と書く(標本の大きさ nn と字を分けるため、n(A)n(A) でなくこの記号を使う)。和事象の個数を数えるときは、重なりを二重に数えないことが要点である。

定理 3.10(要素の個数の包除原理)

有限集合 A,B,CA,B,C について

#(A∪B)=#A+#B−#(A∩B),#(A∪B∪C)=#A+#B+#C−#(A∩B)−#(B∩C)−#(C∩A)+#(A∩B∩C).\begin{align*}\#(A\cup B)&=\#A+\#B-\#(A\cap B),\tag{3.4}\\\#(A\cup B\cup C)&=\#A+\#B+\#C-\#(A\cap B)-\#(B\cap C)-\#(C\cap A)+\#(A\cap B\cap C).\tag{3.5}\end{align*}

証明

A∪BA\cup B を図3.1 の内側の3つの部分 A∩BcA\cap B^c、A∩BA\cap B、Ac∩BA^c\cap B に重なりなく分ける。和の法則から

#(A∪B)=#(A∩Bc)+#(A∩B)+#(Ac∩B).\#(A\cup B)=\#(A\cap B^c)+\#(A\cap B)+\#(A^c\cap B).

一方、AA は A∩BcA\cap B^c と A∩BA\cap B に重なりなく分かれるので #A=#(A∩Bc)+#(A∩B)\#A=\#(A\cap B^c)+\#(A\cap B)、同様に #B=#(Ac∩B)+#(A∩B)\#B=\#(A^c\cap B)+\#(A\cap B) である。#A+#B\#A+\#B は内側の3つの部分を数え、そのうち A∩BA\cap B だけを2回数えている。1回分を引いて (3.4) を得る。

(3.5) は (3.4) を2回使って導く。D=A∪BD=A\cup B とおくと

#(A∪B∪C)=#D+#C−#(D∩C).\#(A\cup B\cup C)=\#D+\#C-\#(D\cap C).

分配法則から D∩C=(A∩C)∪(B∩C)D\cap C=(A\cap C)\cup(B\cap C) であり、この2つの積は A∩B∩CA\cap B\cap C である。(3.4) をもう一度使うと

#(D∩C)=#(A∩C)+#(B∩C)−#(A∩B∩C).\#(D\cap C)=\#(A\cap C)+\#(B\cap C)-\#(A\cap B\cap C).

#D\#D にも (3.4) を代入して整理すると (3.5) になる。

4個以上の集合でも、「1個ずつの和 −- 2個の積の和 ++ 3個の積の和 −⋯-\cdots」という同じ形が成り立つ。一般の形の証明は帰納法で、数理統計の解説 第1章 §1.1 で確率の包除原理として扱う。2級では3個までで足りる。

例題 3.3 3つの集合の包除原理 ★★

オリジナル1から100までの整数のうち、2・3・5のいずれかで割り切れるものは何個あるか。また、2・3・5のどれでも割り切れないものは何個あるか。

解答

Ω={1,2,…,100}\Omega=\{1,2,\dots,100\} とし、2・3・5で割り切れる整数の集合をそれぞれ A2,A3,A5A_2,A_3,A_5 とする。mm で割り切れる整数は ⌊100/m⌋\lfloor 100/m\rfloor 個ある(⌊x⌋\lfloor x\rfloor は xx を超えない最大の整数)。2つ以上で同時に割り切れることは、その最小公倍数で割り切れることと同じなので

#A2=50,#A3=33,#A5=20,#(A2∩A3)=⌊100/6⌋=16,\#A_2=50,\quad \#A_3=33,\quad \#A_5=20,\quad \#(A_2\cap A_3)=\lfloor100/6\rfloor=16,

#(A3∩A5)=⌊100/15⌋=6,#(A5∩A2)=⌊100/10⌋=10,#(A2∩A3∩A5)=⌊100/30⌋=3.\#(A_3\cap A_5)=\lfloor100/15\rfloor=6,\quad \#(A_5\cap A_2)=\lfloor100/10\rfloor=10,\quad \#(A_2\cap A_3\cap A_5)=\lfloor100/30\rfloor=3.

(3.5) に代入して

#(A2∪A3∪A5)=50+33+20−16−6−10+3=74 個.\#(A_2\cup A_3\cup A_5)=50+33+20-16-6-10+3=74\ \text{個}.

どれでも割り切れない整数の集合は、de Morgan の法則から A2c∩A3c∩A5c=(A2∪A3∪A5)cA_2^c\cap A_3^c\cap A_5^c=(A_2\cup A_3\cup A_5)^c なので、その個数は 100−74=26100-74=26 個である。

確認テスト

オリジナル

  1. 3.2-1 さいころを1回投げる。AA=「偶数の目」、BB=「3の倍数の目」、CC=「1の目」とする。A,B,CA,B,C のうち排反な組をすべて挙げよ。また Ac∩BcA^c\cap B^c を要素で書け。
  2. 3.2-2 3つの事象について de Morgan の法則 (A∪B∪C)c=Ac∩Bc∩Cc(A\cup B\cup C)^c=A^c\cap B^c\cap C^c を、要素についての議論で示せ。
  3. 3.2-3 1から200までの整数のうち、4でも6でも割り切れないものは何個あるか。
  4. 3.2-4 例題3.1 と同じ格子で、点 P=(2,1)\mathrm P=(2,1) と点 Q=(4,2)\mathrm Q=(4,2) の少なくとも一方を通る最短経路は何通りあるか。

木下の勉強ステータス

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