統計学の復習 第4章 §4.2 ★★ 離散型は値ごとの確率を並べた確率関数で決まる。条件は非負と総和1の2つだけ
確率関数の定義と条件
離散型の確率変数 X のとる値を x1,x2,… とする。
定義 4.3(確率関数)
離散型の確率変数 X に対し、p(x)=P(X=x) で定まる関数 p を X の確率関数と呼ぶ。p(x)>0 となる値 x の集合を X の台と呼ぶ。
確率関数は次の2条件を満たす。
(i) p(x)≥0(すべての x),(ii) i∑p(xi)=1.(4.1)
(i) は確率が負にならないことから、(ii) は事象 {X=x1},{X=x2},… が互いに排反で、合わせると Ω 全体になることから従う。逆に、(i)(ii) を満たす関数 p が与えられれば、それを確率関数にもつ離散型の確率変数を考えることができる。問題で「定数 c を定めよ」と問われたら、(ii) の総和を c の式で書いて 1 とおけばよい。
値の集合 A に入る確率は、排反な事象の確率の和なので
P(X∈A)=xi∈A∑p(xi)(4.2)
となる。離散型の分布の計算は、すべてこの和の計算に帰着する。
台が無限個の場合
p(k)=(1/2)k(k=1,2,3,…)は、等比級数の和 ∑k≥1(1/2)k=1−1/21/2=1 により (ii) を満たす。これは公正な硬貨を表が出るまで投げたときの回数の分布で、第5章の幾何分布の例である。台が無限個になる場合は、(ii) の和は無限級数になり、その収束を確かめる必要がある。
例題 4.2 部分分数で和が縮む確率関数 ★★
オリジナルp(k)=k(k+1)c(k=1,2,3,…)が確率関数になるように定数 c を定め、次を求めよ。
- P(X≥n)(n=1,2,…)と P(X≤3)。
- P(X が偶数)。必要なら 1−21+31−41+⋯=log2 を使ってよい。
解答
部分分数分解 k(k+1)1=k1−k+11 を使うと、K 項までの和は
k=1∑K(k1−k+11)=1−K+11 ⟶ 1(K→∞)
となる(隣り合う項が打ち消し合う)。条件 (ii) から c⋅1=1、よって c=1。
(1) 同じ打ち消しを k=n から始めると P(X≥n)=∑k≥n(k1−k+11)=n1。したがって P(X≤3)=1−P(X≥4)=1−41=43。
(2) 偶数 k=2m について和をとると
P(X が偶数)=m≥1∑(2m1−2m+11)=(21−31)+(41−51)+⋯=1−(1−21+31−41+⋯)=1−log2≈0.3069.
この分布は §4.6 で、確率関数としては正しいのに期待値が存在しない例としてもう一度使う。
確認テスト
オリジナル
- 4.2-1 p(x)=c(5−x)(x=1,2,3,4)が確率関数になるように c を定め、P(X≤2) を求めよ。
- 4.2-2 p(k)=c3−k(k=0,1,2,…)が確率関数になるように c を定め、P(X≥2) を求めよ。
- 4.2-3 p(k)=(1/2)k(k=1,2,…)のとき、P(X が奇数) と P(X≥k) を求めよ。
- 4.2-4 値 x=−1,0,1,2 に対して p(x)=cx と定めた関数は、どのような定数 c を選んでも確率関数にならないことを示せ。
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